【最終更新日】2022年12月16日
ブルゴーニュはボルドーと並んでフランスの2大ワイン生産地域として古くから有名です。
ワインファンの間でも熱狂的なブルゴーニュワイン好きは多く、なかには
「ブルゴーニュワインしか飲まない」
という人もいるほどです(ブルゴーニュオタク→ブルオタというらしい)。
もちろん味わいが好きというのが一番ではありますが、最低限の基礎知識があるだけでブルゴーニュワインの味わいはより一層奥深いものとなります。
ここでは、ブルゴーニュワインの基礎知識としてその主な生産地域とそれぞれの特徴を見てみましょう。
大変に長いコンテンツですが、一通りのブルゴーニュワインの知識としてはざっくりとこちらを理解するだけで十分な情報をご紹介しています。
また、ブルゴーニュワインにはそれぞれのテーマに相反する理論対決もあって、これもポイントを絞ってご紹介しています。
ワインを勉強するとどうしても好きなワインに傾倒しがちになることがあり、中には排他的になり自分の好きな理屈以外はダメというスタンスになってしまうことも考えられます。
ワインは、現代社会であっても科学的に証明されていないこともおおく、そうなると結論が出ずこれが様々な思惑を産む原因となっているのです。
もちろんワインファンとしてはどのような楽しみ方でもいいので
「この楽しみ方が唯一無二だ」
と思うのも自由ですが、さすがにそれでは周りが圧倒されてしまうでしょう。
なかには自分の考えとは違う意見もあるかもしれませんが、
「こういう考えもあるんだな」
程度にとらえてくださいますようお願いいたします。
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目次
ブルゴーニュワインの基礎知識
ブルゴーニュワインのキーワード
まず、具体的なブルゴーニュの生産地域を見る前に、ブルゴーニュワインにはいくつかのキーワードがあって、これを押さえることでより一層理解しやすくなります。
ここで代表的なキーワードを押さえましょう。
キーワード①ドメーヌ
ワインはぶどう果汁をそのまま発酵させて造るのですが、生産者によって栽培方法や醸造方法の考え方に違いがあって、そのため味わいが全く異なります。
そして、生産者の中でもブドウ栽培から醸造、瓶詰めまでを行うワイナリーをドメーヌと言います。
(逆にブドウ栽培農家からブドウを買い取ってワインを造る生産者や、出来上がったワインを販売する商社をネゴシアンといいます)
「ブルゴーニュで質の高いワインを選ぼうとしたら、ドメーヌを選べばいい」
というワインファンは多く、ブルゴーニュに関しては特にドメーヌを選んでワインを購入するのが最も安全な方法といえるでしょう。
実際の専門家の評価もネゴシアンもののワインよりもドメーヌ物は一段高く評価されているものがおおく、よいドメーヌのワインであれば外れることは少ないでしょう。
ではなぜドメーヌのワインがここまでフォーカスされるようになったのでしょうか?
生産者は19世紀後半になると徐々に畑を所有することになるのですが、所有してもワインを売り出す方法を持っていませんでした。
そのため当初はワインの瓶詰め以降の作業(瓶詰めしてラベルを貼って売り出す)はネゴシアンに委託をしていたのです。
ネゴシアンは商人なので消費者にウケのいいワインを求めるのですが、そうなると最終的には個性はスポイルされてしまい、マーケット迎合型の造りをすることになってしまいます。
これが”生産者の考えるいいワイン”とは違いがあって、当時の生産者の品質追求のスタンスとはなじみませんでした。
そこで一念発起した生産者はネゴシアンと決別し、生産者主導で自身で瓶詰めとその後の(一部)マーケティングも行い、品質の追求を選択したのです。
ブルゴーニュワインの情報をマーケットが欲していたタイミングも後押しし、これが「ドメーヌのワインは高品質」というイメージを醸成することになるのです。
キーワード②畑
ブルゴーニュワインの味わいを決めるのは、生産者ともう一つあります。
ブドウ畑による違いももう一つの決め手なのです。
そして、ブルゴーニュでは、ブドウ畑の区画のことを”クリマ”と言います。
ブルゴーニュはさほど大きくない区画の中に様々に分類された畑が密集していて、ある場所はプルミエクリュでその隣はグランクリュで、そのワインの価格差は倍も違うということは多数あります。
ぶどう畑の立地や環境の違いを総じて「テロワール」といいますが、この言葉の発祥の地がブルゴーニュなのです。
なお、ここでカンの鋭い方は、このような疑問を感じるかもしれません。
「畑がキーワードなのであれば、極端な話生産者の重要性は低いだろうし、逆にドメーヌがキーワードであれば畑は大した問題じゃないじゃないか」
という矛盾です。
たしかに、テロワールは人為によって造られるという意見は特にワイン関係者で根強いです。
単に酒造りの上手い下手がテロワールの正体で、これがメディアによって誇張されているのだとする理論です。
例えばおなじボンヌマールであっても生産者によってまったく性質も評価も違うワインが生まれますが、テロワールがワインを造るのであれば、そこまでの差は生まれないのではないか、という意見です。
これはテロワール懐疑論の根拠の一つですが、私には理屈としては十分に納得できるし、これに真正面から反論できる理屈は見出しにくいです。
(当サイトとしては、テロワールを肯定したうえで、一元的に解釈するほど議論は深まっていないと考えています)
キーワード③ビオディナミとリュットレゾネ
ブルゴーニュは歴史的に精神世界がワイン造りに強く影響を与えます。
現在の流れはビオロジック、つまり無農薬、化学肥料無使用が主流です。
ビオロジックに天体の動きなどのスピリチュアルな理論を取り入れたのが「ビオディナミ」です。
そして、土壌に負担をかけない程度の最小限度で農薬や化学肥料の使用を認めるのが「リュットレゾネ」です。
ビオディナミはスピリチュアルな考え方を一部採用しているので最終的には科学で解明できない理論も多く、そのため理論展開に異論を唱える専門家も多いです。
ただし実際にビオディナミを採用する生産者が軒並み高品質なワインを生産している結果から見ると、必ずしも無関係とは言い切れません。
これは考え方の違いによるものなので、ワインファンとしては好きなほうを選べば全く問題ないでしょう。
時代の流れとともに環境への配慮は強まり、これがビオディナミやリュットレゾネの概念を後押ししているのはその通りでしょう。
ただし環境への配慮はブルゴーニュだけでなく、世界のプレミアムワインの生産地域では当たり前のようにされてきていますので、現在ではあまりメディアも取り上げなくなりました。
キーワード④歴史
目的のある旅行でもいいですし、気まぐれに訪れたとしても、ブルゴーニュの各村は歴史のある場所であることはすぐにわかるでしょう。
ボーヌの城郭内の荘厳な街並みやヴォ―ヌロマネ村の静かな景色、雰囲気に富むワインの地下倉庫を見ると、ワインには全くの無関心の人でも歴史を感じずにはいられません。
↑の地図はボーヌの街の裏道ですが、少し進んだだけで多くの人は歴史を感じることができるでしょう。
画面越しに感じるのですから、実際に歩くととても強烈な印象を持つことになります。
記録としては紀元前8000年のころにはブルゴーニュには野生のブドウがあったとされていますが、これを実際に栽培して人間が利用し始めたのは5世紀ころとされています。
そして8世紀のころにはすでにブルゴーニュの地は他のワイン産地よりも品質が高いということが認められていて、ブドウ栽培は急激に面積を拡大した記録が残っています。
こうなると産業として発達をするようになり、力のある宗教団と修道院がブルゴーニュに腰を下ろし建物を建て始めるようになります。
600年から1200年にかけてシトー派の修道士は一日に数回行われるミサの宗教儀式のためにワインを提供していたことがわかっています。
このながれから、ブルゴーニュワインはフランス革命までは修道院が実権を握り、王や公爵がこれを保護する形で発展を遂げるのです。
しかし1789年のフランス革命によって多くの畑は国庫に没収され、競売にかけられる形で民間の手に渡ります。
これを入手したのは民間といっても商業で成功した半貴族や地元の名士たちでした。
しかし後にフィロキセラやウドンコ病やベト病などのブドウの病気の災害が続き、二度に及ぶ世界戦争と不景気によって二束三文になったブドウ畑は売りに出されます。
夜逃げ同然に売りに出された畑を買ったのが、その畑で実際に畑仕事をしてワイン造りをしていた生産者自身で、これが「ドメーヌのワイン」の原型なのです。
ブルゴーニュワインの歴史については、こちらをご覧ください。
ブドウ品種
ブルゴーニュのブドウ品種は、赤はピノノワール(ボジョレー地区はガメイ)、白はシャルドネです。
ここまではご存知の方がほとんどだと思いますが、もうすこし深くブルゴーニュワインを味わうために、なぜこれらブドウ品種が選ばれたのかをざっくりと知っておきましょう。
ブルゴーニュはぶどう栽培の北限に位置していて、農作物の原則から言えば栽培限界の問題に直面します。
栽培限界のリスクヘッジは複数の品種を栽培し、あるいは交配品種を選択することがセオリーですが、実際にはその真逆の選択が行われたのです。
これを不思議に思いませんか?
ブルゴーニュワインの生産者はもともとシトー派の流れをくむ修道院が先導する形で発展を遂げた経緯がありますが、彼らは早い段階で畑の違いで出来上がるワインに大きな差があることを見抜くのです。
シトー派の修道僧は質素で厳しい畑仕事を自ら行うのですが、神にささげるワインは最高のものでなくてはなりません。
そして年月をかけて研究を続けるうちに、
「良いブドウはその畑を最大限に表現するものであるべきだ」
という結論にたどり着きます。
そうなるとブドウ品種そのものに個性のあるものは逆に大地の表現者としては不適切でしょう。
逆にこれといった個性はなくても大地の状況に応じて、いい畑にはいいブドウがなり、そうでない畑では凡庸な結果となる品種が求められるのです。
こうして選ばれたのがシャルドネとピノノワールで、実際に両方ともワイン業界ではニュートラル系の品種と呼ばれています。
いかがでしょうか。
ここまでで、いくつかのキーワードとブドウ品種をご紹介しました。
では、次にブルゴーニュワインの生産地域を見てみましょう。
ブルゴーニュワインの生産地域と特徴
大きく分けると6つに分けられる
ブルゴーニュは、ロマネコンティやモンラッシェなどの超のつく高級ワインが有名で、そこだけがフォーカスされてしまう傾向にあります。
しかし、実際には超高級ワインから並質のワインまでをまんべんなく生産しているワイン産地で、それらの中にはコストパフォーマンスの高いワインも数多くあります。
ブルゴーニュワインは、大きく分けると6つの生産地域に分類されていて、これをおさえるだけでも理解度が一気に深まります。
・シャブリ地区(CHABLIS)
・コートドニュイ地区(COTE DE NUITS)
・コートドボーヌ地区(COTE DE BEAUNE)
・コートシャロネーズ地区(COTE CHALONNAISE)
・マコネー地区(MACONAIS)
・ボジョレー地区(BEAUJOLAIS)
このうち、ロマネコンティやモンラッシェなどの超高級ワインは例外なくコートドニュイとコートドボーヌで生産されていて、この二つを合わせてコートドール(黄金の丘)と呼んでいます。
ブルゴーニュワイン全体をとらえた場合、まずはこの6つがあるのだということを押さえましょう。
シャブリ地区
シャブリは、辛口白ワインの代名詞として有名で、古くから知られています。
日本のフランスワイン文化も、「白ワインといえばシャブリ」くらいに知名度が高かった時期があるくらいです。
シャルドネ種を使い、酸味がさわやかでいかにも魚介類に合いそうなワインを生産しています。
キンメリジェンヌと呼ばれる白亜の石灰質土壌で、その土壌の影響からミネラル感たっぷりのワインが生まれます。
シャブリと生カキのマリアージュは古くから楽しまれていますが、これは生カキがパリで楽しまれるようになったころに辛口ワインといえばシャブリ、という図式だったための理屈です。
また、パリは内陸のため、流通がそこまで発達していないころは、臭み消しの目的でレモンの香りのするシャブリは重宝したのです。
生カキは、辛口白ワインであればたいてい合わせることができますので、現在ではあまり聞かない理論となりました。
なお、シャブリ地区はブルゴーニュの最北部にあって、ぽつんと一つだけ離れた場所に位置しています。
そのためシャブリ地区とほかのブルゴーニュの生産地区のあいだにはブドウ栽培をしていないエリアがあって、これを不思議には思いませんか?
これだけのワインブームであれば、ブドウを栽培したほうが儲かりそうなものなのに?
これにはシャブリ地区の生産者の方々の並々ならぬワインへの執念の歴史があるのです。
19世紀にフィロキセラの災害やブドウの病気、世界的な不景気によってブルゴーニュ北部の生産者は早々とブドウ以外の現金収入のある作物栽培に切り替えたのです。
しかしシャブリ地区の生産者はこれを耐え抜き、ワイン造りへの情熱を持ち続け危難が去るのを待ち続けたのです。
そんな生産者が造るワインなのだから、悪かろうはずがありません。
コートドニュイ地区
ディジョンからやや南部に始まる生産地域で、グランヴァン街道(ROUTE DES GRANDS VINS)を進むとワインファン垂涎のワイン畑が体験できます。
世界的に有名なロマネコンティやシャンベルタンはコートドニュイで生産され、それ以外にも有名じゃないワインを探すほうが難しいくらいと言っても過言ではありません。
赤ワインがメインで、ピノノワール単体で造られます。
いわゆる超高級ワインの多くはドメーヌと言って、栽培から醸造、瓶詰めまでを家族経営レベルの小ささで運営しているところも少なくありません。
コートドニュイのAOCは、村名クラスは以下のとおりです。
Marsannay(マルサネ)
Fixin(フィサン)
Gevrey-Chambertin(ジュヴレシャンベルタン)
Morey-Saint-Denis(モレサンドニ)
Chambolle-Musigny(シャンボールミュジニー)
Vougeot(ヴージョ)
Vosne-Romanée(ヴォ―ヌロマネ
Nuits-Saint-Georges(ニュイサンジョルジュ)
これらに例外的に広域のアペラシオンとしてCôte de Nuits Villages(コートドニュイヴィラージュ)、マルサネ村のロゼのMarsannay Rosé(マルサネロゼ)がありますが日本ではあまり見かけませんので「そんなAOCもあったね」程度で問題ありません。
グランクリュは以下の通りになりますが、世界で最も単価の高いワインはここに集中していて、ワインにあまり詳しくない人でも聞いたことのある名前が並びます。
コートドニュイのグランクリュ
ジュヴレシャンベルタン村(Gevrey-Chambertin)
リュショットシャンベルタン(Ruchottes-Chambertin)
マジシャンベルタン(Mazis-Chambertin)
シャンベルタンクロドベーズ(Chambertin-Clos-de-Bèze)
シャペルシャンベルタン(Chapelle-Chambertin)
シャンベルタン(Chambertin)
シャルムシャンベルタン(Charmes-Chambertin)
グリオットシャンベルタン(Griotte-Chambertin)
ラトリシエールシャンベルタン(Latricières-Chambertin)
マゾワイエールシャンベルタン(Mazoyères-Chambertin)
モレサンドニ村(Morey-Saint-Denis)
クロドラロッシュ(Clos-de la Roche)
クロサンドニ(Clos-Saint-Denis)
クロデランブレ(Clos-des-Lambrays)
クロドタール(Clos-de-Tart)
ボンヌマール(Bonnes-Mares)
シャンボールミュジニー村(Chambolle-Musigny)
ボンヌマール(Bonnes-Mares)
ミュジニー(Musigny)
ヴージョ村(Vougeot)
クロドヴージョ(Clos-de-Vougeot)
フラジェエシェゾー村(Flagey-Echezeaux)
エシェゾー(Echezeaux)
グランエシェゾー(Grand-Echezeaux)
ヴォ―ヌロマネ村(Vosne-Romanée)
リシュブール(Richebourg)
ラロマネ(la Romanée)
ロマネコンティ(Romanée-Conti)
ロマネサンヴィヴァン(Romanée-Saint-Vivant)
ラグランドリュ(La Grande-Rue)
ラターシュ(La Tâche)
があります。
コートドボーヌ地区
コートドニュイ地区を南下するとボーヌの村にたどり着き、そこからさらに南に延びる地区をコートドボーヌと呼びます。
赤ワインも有名ですが、モンラッシェやコルトンシャルルマーニュ、ムルソーなどの高級白ワインの産地として有名です。
これらの白ワインの多くは新樽で熟成され、スモーキーで酒質が強く、凝縮感があり、熟成することで強烈な個性を発揮します。
コートドボーヌを構成する村は主に以下のとおりです。
ラドワセリニー(Ladoix-Serrigny)
アロ―スコルトン(Aloxe-Corton )
ペルナンヴェルジュレス(Pernand-Vergelesses)
サヴィニーレボーヌ(Savigny-lès-Beaune )
ボーヌ(Beaune)
ポマール(Pommard)
ヴォルネイ(Volnay)
モンテリー(Monthelie )
オ―セデュレス(Auxey-Duresses)
サンロマン(Saint-Romain )
ムルソー(Meursault)
ピュリニーモンラッシェ(Puligny-Montrachet)
サント―バン(Saint-Aubin)
シャサーニュモンラッシェ(Chassagne-Montrachet)
グランクリュは以下のとおりです。
コルトン(Corton)
コルトンシャルルマーニュ(Corton-Charlemagne)
バタールモンラッシェ(Bâtard-Montrachet)
ビアンヴニュバタールモンラッシェ(Bienvenues-Bâtard-Montrachet )
モンラッシェ(Montrachet )
シュヴァリエモンラッシェ(Chevalier-Montrachet)
クリオバタールモンラッシェ(Criots-Bâtard-Montrachet )
コートシャロネーズ地区
コートドボーヌをさらに南下しますと、コートシャロネーズ地区が始まります。
それまでのコートドールと比べると一気に大衆的な価格のワインを生産していて、飲みやすく、かつレベルの高いコストパフォーマンスの良いワインに巡り合います。
主なワインは以下のとおりです。
Bouzeron(ブーズロン)【白】
Rully(リュリー)【赤・白】
Mercurey(メルキュレ)【赤・白】
Givry(ジヴリー)【赤・白】
Montagny(モンタニー)【白】
赤はピノノワール、白はシャルドネを用いますが、一部アリゴテという昔ながらの品種で造るワインもあります。
マコネー地区
マコネー地区は、飲みやすく、価格の大衆的なワインを大量に生産していて日常的なテーブルワインやビストロで活躍します。
白ワインはシャルドネ、赤ワインはピノノワールを用いますが、どちらも品種の特性がよく出て、かつ価格も押さえめなので初心者にはピッタリでしょう。
ブルゴーニュ地方の中でも南部に位置し、日照量に恵まれていますので全体的に酸味が押さえめで若干トロピカルフルーツのような印象のワインといえます。
Vire-Clesse(ヴィレクレッセ)
Pouilly-Fuisee(プイイフュィッセ)
Saint-Veran(サンヴェラン)
Pouilly-Loche(プイイロシェ)
Pouilly-Vinzelles(プイイヴァンゼル)
これらの個別ワインとは別に共通ワインとしてマコンヴィラージュ(MACON VILLAGE)があります。
ボジョレー地区
ボジョレーは、日本でも新酒として有名なボジョレーヌーボーの生産地域です。
ガメイという品種を使ってマセラシオンカルボニック製法を使って華やかで渋みを抑えたワインが生産されます。
第二アロマが印象的で、バナナキャンディのような香りのする飲みやすいワインがメインになります。
毎年11月の第3木曜日に解禁されるヌーボーは、もともと個性に乏しく大量生産型のガメイというブドウを生かすためのコマーシャルワインとしての扱いでした。
とはいえ、品質は高く飲みやすいため、世界であっという間に受け入れられ、初物好きの日本にも深く根付いています。
これはボジョレーヌーボーのころには言いづらいので、ここでご紹介しようと思いますが、日本でのボジョレーヌーボーのお祭り騒ぎに否定的なスタンスの関係者も少なからずいらっしゃいます。
「せっかくのお祭りなのに、なに水を差しているんだ」
と思う人も多いと思いますが、実際にそれらの意見に耳を傾けるとうなずける部分も多いのです。
ボジョレーヌーボーは解禁日があるのですが、これが世界共通の日になっていて、ボジョレーヌーボーの解禁日に合わせて世界各国に輸出をします。
期日が迫っている中でワインを造ることになるので、なかには間に合わせるためにむりやりワインを造るところも出てくるでしょう。
ぶどうは農作物なので収穫時期は本来天候が決めるものなのですが、人間が定めた期日に間に合わせるために収穫日が人間に決められてしまうのです。
また、期日を守るために空輸をするのですが、これが当然コストに反映するため本来の価格よりも割高で消費者に届くことになります。
これがまじめなワイン関係者であれば両手でボジョレーヌーボを喜べない理由となるのです。
いかがでしょうか。こうやって意見を聞くと、納得できる部分も多いのではないでしょうか。
ボジョレーパーティーなどで世間が騒いでいるときに
「こういう意見もあるのだな」
と頭の片隅に置いておくことで、またワインの味わいもぐっと深まるかもしれません。
ブルオタへの片道切符
近年のブルゴーニュワインの人気の高まりはすさまじいものがあり、これをうけて価格は高騰し、ピノノワールやシャルドネは高貴品種とされ世界各国で旗艦ワインされているものも少なくありません。
世界のワインファン垂涎の地としてあがめられているのですが、これはそれだけの歴史と品質が伴っているからであって、異論を唱える人は少ないでしょう。
ブルゴーニュワインは、一度覚えると一生の付き合いができて、かつ、年齢を重ねるごとにまた違った味わいを与えてくれます。
基本的な知識と論点はここにあげたテーマとそのリンク先だけで十分ですし、ここまでお読みのユーザー様はすでにブルオタに片足を突っ込んでいるかもしれません。
ここからは、個別の生産者や畑に着目し、実際に味わい、機会があれば実際にブルゴーニュの村を歩いてみるのもいいでしょう。
ディジョンの村でホテルをとり、バスにのってジュヴレシャンベルタンで下り、上から順にヴォ―ヌロマネまでを歩いても半日あれば歩けます。
実際に↑の立体図はジュヴレシャンベルタン村のルートデグランクリュといって、両側に特級畑がひしめく一本道で、ここをただ歩くだけで世界のワインファン垂涎の畑を実際に肌で感じることができるのです。
畑を歩いていると意外なほど質素な街並みに、ポツンとある生産者の地下蔵を見せてもらうもよし、農家のひとがかようビストロでテーブルに無造作に置かれたワインをのむのもいいでしょう。
そのときは全身がブルオタに漬かっていることをお約束します。
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