【最終更新日】2024年11月22日
こんにちは。WBSの前場です。
僕はWBSワインブックススクールというオンラインのワインスクールを運営していて、毎年多くの受講生にソムリエ試験、ワインエキスパート試験の受験指導をしています。
おかげさまで大変に質の高いの受講生に恵まれまして、ほとんどの方は合格をして、それぞれのワインライフを楽しまれていますが、もちろん中には残念な結果に終わった方もいらっしゃいます。
僕はWBS開校当初、数年間は不合格者全員に試験後にヒアリングをさせていただき、僕の実力不足をお詫びするとともに翌年度のアドバイスをさせていただいていました。
また、受講生も300人以上いますので、さすがに直接お話しする方もたくさんおられまして、そのなかで合格者の声や残念な声をお聞きすることもあります。
そのため、おそらく合格者の経験とともに、不合格者の経験も蓄積していて、「こういう人は合格する」「こういう人は危ういなあ」という一定のラインというのがわかっています。
それらをもとに分析していくと、「二次試験に合格する人の傾向」とともに「二次試験に落ちる人」もわかってきました。
今回はソムリエ・ワインエキスパート二次試験で落ちる人の傾向について解説します。
おそらくあなたの目的は「落ちる人の傾向をつかんで、自分はその轍を踏まないようにしよう」だと思います。
そのため、落ちる人の傾向については言葉を選ばずに、ズバリ言うところは言いますので、中には「自分のことではないか」と不快に思う人もいるかもしれません。
ですが、その意図は一切ありませんし、一般論としてうなずけるところも多いと思いますので、なにとぞご容赦ください。
最初にお知らせですが、僕が運営するWBSワインブックススクールは、月額2200円で、最高の学習環境のもとワインが学べます。
ワインの学習は、環境が全てです。よろしければ皆様のご参加をお待ちしております。
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目次
ソムリエ・ワインエキスパート二次試験で落ちる人の傾向
年によるボラティリティは仕方がない
最初にフォローになりますが、例えばソムリエの2023年のように、極端に出題が難しい年もありますが、そこは例外的な話になりますので別物ととらえてください。
2023年のソムリエは、ソーヴィニョンブランでもおそらくボルドーの樽熟成をさせたものが出題されたり、日本のメルローやアルゼンチンのマルベックなどが出題されました。
これらは一つとして容易なワインはなく、二次試験の通過率はいいとこ60%程度でしょう。優秀な方であっても不合格になることは十分にありました。
ただし、そのほかの年であればおおむね通過率は8割とも9割ともいわれていますので、ここでいう「落ちる人の傾向」とは、「ほとんどの人が合格する中、落ちる人」を意味しています。
最初に誤解がないように、念のため説明をさせていただきました。
準備不足も、仕方がない
ソムリエ・ワインエキスパート二次試験において、単純な準備不足や経験不足で不合格となることは、ある意味では仕方のない側面があります。
テイスティングは技術と知識、さらには主催者側の傾向の分析が分野であり、合格には体系的なトレーニングと十分な実践経験が必要です。
これらは一朝一夕で習得できるものではなく、時間と労力をかけて培われるものです。
準備不足の理由としては、仕事や生活の忙しさから十分な学習時間を確保できない場合や、試験の傾向を十分に把握できていない場合が挙げられます。
一方、経験不足は、ワインの多様なスタイルや特徴に触れる機会が限られていることに起因します。
特に、限られた品種や産地のワインしか飲んだことがない場合、試験で求められる広範な知識に対応するのは困難です。
こうした背景を考えると、準備不足や経験不足は避けがたい現象ともいえます。
しかし、それを認識し、次の試験に向けて努力を積み重ねる姿勢が重要です。
試験は実力を測るものであり、不合格はさらなる成長のための通過点と捉えるべきです。
二次試験に落ちる人の傾向①自己流の人
二次試験に落ちる人の傾向で、最も割合が高く、合格するのが難しいのが「自己流の人」です。
自己流の人は、「俺のスタイルは間違っていない」と信じているため、響かないためなにをいっても言葉が届かないため、良い方向に導くのは非常に困難です。
この試験において合格を果たすには、体系的な訓練と標準化されたアプローチが必要不可欠です。
しかしながら、試験に失敗する人の中には「自己流」で挑む傾向が見られます。
自己流とは、自身の感覚や経験だけに頼り、試験官が求める基準や体系を無視してテイスティングを行うことを指します。
自己流の人々が陥りやすいポイントは、まず分析の基準が曖昧であることです。
ソムリエ試験では、外観、香り、味わいを標準化された手法で詳細に分析し、正確な言葉で表現することが求められます。
しかし自己流の場合、試験での「正解」や「型」を無視し、主観的な表現や個人的な好みに基づいた評価をしてしまうことがあります。
このようなアプローチでは、試験官が期待する答えに合致しないため、減点されるリスクが高くなります。
次に、訓練不足も問題です。
自己流で学ぶ人は、体系的なテイスティングの練習を怠ることが多く、味覚や香りの記憶が曖昧になりがちです。
例えば、典型的なワインの特徴を覚えずに試験に臨むと、品種や産地を特定する際に迷いが生じ、正確な回答が難しくなります。
また、ブラインドテイスティングの際に必要な論理的な推論や分析スキルも養われていない場合があります。
自己流を避けるためには、ソムリエ試験専用のテキストや専門家の指導を受け、体系的なトレーニングを行うことが重要です。
特に、模擬試験形式での練習は、試験本番と同じ状況で自分の実力を確認できるため効果的です。
また、複数のワインを飲み比べることで、特徴を比較して覚える能力を高めることも有効です。
結論として、ソムリエ二次試験に合格するには、自己流を捨て、標準的な手法に基づいた練習を徹底することが不可欠です。
専門的な知識と訓練があれば、試験官が求める基準に沿った的確なテイスティングができるようになり、合格への道が開けます。
二次試験に落ちる人の傾向②一つの地域に異様に詳しい
ソムリエ二次試験におけるテイスティングで「一つの地域のワインに異常に詳しい人」が落ちやすいという現象は、知識の偏りと試験の本質的な特性が主な原因です。
この傾向について掘り下げて考えてみます。
知識の偏りによる影響
一つの地域に特化した深い知識は、一見すると強みのように思えますが、テイスティング試験では逆に弱点となる場合があります。
試験は世界中のワインを対象にしており、多様な地域や品種に対するバランスの取れた理解が求められます。
しかし、特定の地域に特化した人は、他地域のワインの特徴を正確に把握できないことがあります。
たとえば、フランスのブルゴーニュに精通している人が、南アフリカやアルゼンチンのワインをテイスティングする際に、その特徴を的確に捉えられず、正答率が下がるリスクがあります。
ブラインドテイスティングでの過剰適応
特定の地域に詳しい人は、ブラインドテイスティングで固定観念にとらわれやすいという課題もあります。
例えば、フランスのワインに詳しい人が、ニューワールドのピノ・ノワールをフランス産と誤認するケースが挙げられます。
これにより、正しい分析を行うことが妨げられ、他の可能性を見落とす傾向が強まります。
試験では冷静かつ客観的に香りや味わいを分析し、論理的に答えを導き出すことが求められるため、過剰に特定地域の特徴を当てはめようとする姿勢は失点につながります。
学習のバランスの問題
特定地域に注力するあまり、他の産地や品種についての基本的な知識が不足していることも多いです。
ソムリエ試験では、世界中の主要なワイン産地や品種、スタイルに関する広範な知識が求められます。
一つの地域に詳しい人でも、他地域の基本的な特徴を理解していなければ、テイスティングの際に正しい選択肢を導き出すことが難しくなります。
二次試験に落ちる人の傾向③お金持ちのワイン通
ソムリエ・ワインエキスパート二次試験で「お金持ちのワイン通」が落ちる傾向があるのは、意外に感じられるかもしれません。
彼らは高価なワインを日常的に飲み、豊富な経験を持つにもかかわらず、試験ではその強みが十分に発揮されない場合があります。
この現象には、いくつかの理由が考えられます。
高価なワインへの偏重
金持ちのワイン通は、高価格帯や著名な産地のワインを好む傾向があります。
このため、高品質なワインの典型的な特徴には詳しい一方で、手頃な価格帯のワインや、あまり知られていない産地の特徴を見落とすことが多いです。
ソムリエ試験では、日常的に流通する価格帯や産地のワインが出題対象となります。
幅広い知識が求められる試験では、このような偏りが大きな欠点となります。
主観に頼りすぎる分析
金持ちのワイン通は、個人的な好みや感覚に基づいた評価を行いがちです。
例えば、「このワインは○○ドル以上の価値がある」といった感覚的な判断や、自分の好みによる分析が多い場合、試験で求められる標準化された評価とずれてしまいます。
試験では、ワインの外観、香り、味わいを客観的かつ論理的に分析することが求められるため、主観的なアプローチは減点の対象となりかねません。
知識の不足と固定観念
高価なワインばかり飲んでいる人は、典型的なスタイルや広範な知識が不足しがちです。
試験では、フランスやイタリアなどのクラシックな産地だけでなく、ニューワールドや新興産地、さらにはデイリーワインの特徴まで問われます。
高級ワインに特化した知識では、試験全体をカバーするのは難しいのです。
また、固定観念に縛られることも多く、たとえば「この香りは高価なシャトーのものに違いない」といった思い込みが正しい判断を妨げます。
指摘してくれるひとがいない
言いづらいですが、お金持ちの人は社会的なステータスが高い人も多く、真摯に意見を言ってくれる人もいないし、本人にも通じないことが多いです。
そのため「高級ワインばかり飲んでいても試験には役に立たない」と意見をされると「お前より俺の方がいいワイン飲んでいるんだから」という小学生みたいな理屈で聞き入れないのです。
成功者になればなるほど他人は意見を言いづらくなるものですが、言いづらいにもかかわらず、あえて正論を言ってくれているのです。
そんな小学生みたいな理屈をこねられると、もう次は何も言ってくれなくなり、どんどん指摘してくれる人はいなくなります。
二次試験に落ちる人の傾向④ひとの話を聞かないひと
ソムリエ二次試験で「他人の話を聞かない人」が落ちやすいという傾向は、試験の性質やワインテイスティングの学び方に深く関係しています。
他人の話を聞かない姿勢は、自己流の学習や主観的な判断に陥りやすく、試験合格に必要なスキルや知識の習得を妨げる要因となります。この現象について考察します。
知識の偏りと固定観念
他人の話を聞かない人は、自分が正しいと思う知識や方法に固執する傾向があります。
このような人は、試験で求められる標準化されたテイスティングプロセスを無視し、自分流のやり方で挑むことが多いです。
たとえば、「この香りはいつも○○品種だから」といった固定観念に基づいて判断し、他の可能性を見落としてしまいます。
他人の視点や経験を取り入れることは、テイスティング能力を客観的に磨く上で重要ですが、それを拒む姿勢はスキル向上の機会を失うことにつながります。
フィードバックを受け入れない問題
ソムリエ試験では、テイスティングの練習や模擬試験を通じて、講師や仲間からフィードバックを受けることが重要です。
しかし、他人の話を聞かない人は、このフィードバックを活かすことができません。
たとえば、テイスティング中に間違った判断をしても、「自分の感覚が正しい」と思い込み、修正を怠ることがあります。
試験では細かな修正や知識のアップデートが合否を左右するため、他人の指摘を受け入れない姿勢は致命的です。
学びの幅が狭くなる
他人の話を聞かない人は、異なる視点や多様な経験を学ぶ機会を逃します。
ワインのテイスティングは、地域ごとの特徴やスタイルを理解する必要があり、多様な知識を持つ人々との対話を通じて、より深く学ぶことが可能です。
しかし、独りよがりな姿勢では、そのような学びの幅を広げることができず、試験で出題される幅広いトピックに対応するのが難しくなります。
まとめ 頭の良し悪しでなく、性格によるところが多い
このように、ソムリエ・ワインエキスパート二次試験に落ちる人は
・自己流の人
・一つの地域に異様に詳しい人
・金持ちのワイン通
・ひとの話を聞かない人
などが挙げられます。もちろんこれに当てはまる人でもしっかり合格する人もいますし、逆にこれに当てはまらない人も不合格になる場合も多いです。
ただし、一般論としてこれらは二次試験落ちる人あるあるです。
もし少しでギクッとした人はできる限り早く見直してみるか、あるいは「ひょっとしたら自分は当てはまっているかも」という場合は信頼のおける友人などに正直に相談してみましょう。
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