プイィフュイッセとは?特徴とブドウ品種、合わせる料理

【最終更新日】2022年7月12日

プイィフュイッセ ( POUILLY FUISSE )は、 ブルゴーニュ地方 の中央部にある マコネ地区 で生産される優れた 辛口 白ワイン の AOC です。

比較的低価格で楽しむことができながらも、品や繊細さを感じられる ワイン となります。

 

パリ のレストランでは、コストパフォーマンスの高い ワイン として ソムリエ がおすすめすることも多いです。

多くの プイィフュイッセ は樽とグリルしたアーモンドのような香りが特徴的で、 ブルゴーニュ ではありますが コートドール の ワイン とはまた違った味わいです。

日本で フランスワイン が紹介され始めた1990年代でも一時期多くの フレンチレストラン などで グラスワイン で提供されていました。

しかし シャルドネ種 が人気となり、 ブルゴーニュ をはじめとして世界各国の低価格な シャルドネ ワインが輸入されるようになると相対的に価格が高く、そのため埋没した感のあるワインかもしれません。

また ブルゴーニュ の中でも コートドール の華々しいワインに比べるとやや地味で、そのため積極的にお勧めする理由に乏しいのはその通りかもしれません。

 

しかしワインの品質そのものは他にない酸味とさわやかで果実を口に含んだ時のようなシュワッとした印象があり、適度に複雑味もあるため現代の食生活にも合わせやすく、もっと注目されてもいいワインです。

ワインショップでは2000円台から売られていて、美味しくワインを気軽に飲もうというときに強くお勧めします。

 

なお、 ロワール の プイィフュメ とよく間違えられます。

プイィフュメ → ロワール 中央地区 の ソーヴィニヨンブラン の 辛口 白ワイン

プイィフィッセ →ブルゴーニュ 南部の シャルドネ の 辛口 白ワイン

です。混同をされないようにご注意ください。

 

ワインブックスお勧めのプイィフュイッセはこちら→

 

【ユーチューブチャンネルで、ブルゴーニュのコスパワインとしてご紹介しています】

 

プイィフュイッセ ワインとは?

ワインの特徴

プイィフュイッセ は、リッチな味わいながらも繊細さとエレガントさのある 辛口 白ワイン で、1936年にAOC認定を受けました。

冷涼なイメージの ブルゴーニュ ではありますが、その中でも南部に位置して日照量に恵まれているためブドウの新陳代謝が進みます。

 

新陳代謝が進むということは糖分が上がりやすく、着色しやすいのです。

そのため色調は、淡い黄金色や濃厚な緑がかった黄金色となり、複雑なアロマが特徴です。

 

火打石のような ミネラル や 蜂蜜 、 アーモンド 、 柑橘類 や アカシア などの白い花などさまざまな アロマ を感じられます。

石灰質 の 土壌 ならではの豊富な ミネラル が感じられ、酸とまろやかさのバランスが素晴らしいワインです。

理想の サービス温度 は 白ワイン としては若干高めの10℃程度で、冷やすことで フレッシュ かつ フルーティー な味わいを楽しめます。

 

ブドウの品種

ブドウ品種 は シャルドネ 100%となり、 ボジョレー と隣接した地区でソリュトレ・プイィ、フィッセ、ヴェルジソン、ソシャントレの4つの村にまたがる畑で栽培されたブドウになります。

人口は250~500人と非常に小さい規模の村ながらも優れた ブドウ栽培 が行われています。

 

畑は岩山の麓に位置し、日照りのある急斜面の南東側で栽培されています。

土壌はジュラ紀の粘土石灰質のアルカリ性土壌となり、ミネラルを吸い上げてブドウが育つため、シャルドネの栽培に適した土壌なのです。

 

白ワインの最高峰と呼ばれる モンラッシェ と似たミネラル豊富な土地のため、質の良い シャルドネ が生まれると言えます。

 

ソリュトレの岩

古い歴史あるブドウ造りが行われるこの地区の中でも、プイィフュイッセの村にはプイィフュイッセの洞窟と呼ばれる「カーブ・ド・プイィ・フィッセ」があり、地下にある蔵での試飲が可能となります。

周辺の緑豊かな景色もあることから多くの観光客が訪れる土地となっています。

ワイナリーは、もちろんおいしいワインを造ることが第一の目的ではありますが、ゲストハウスとしての目的もあり、それが ワイン のイメージをあげ、ひいてはワインの価値をあげるのです。

また、ソリュトレ・プイィ村には「ソリュトレの岩↓」と呼ばれる不思議な形の山があり、その麓でブドウ畑が広がっています。

 

ソリュトレの岩の崖下に広がるブドウ畑

このソリュトレの岩は、崖の下の石器時代の地層から数十万頭以上の馬や獣の骨の化石が見つかっています。

これは何を意味するのでしょうか?

もちろん本当のことは誰にもわかりませんが、専門家たちの意見は、

「おそらく馬や獣をがけまでおいこみ、そして突き落とし、下に待ち構えた人がそれをしとめて、そこでさばいて食べていたのだろう」

というものが多数意見です。

 

石器時代には投げやりなどの武器は持ってはいても、それを疾走する獣に命中させるほどの技術はありませんでした。

そのため効率的に肉を得るために、この崖は追い込み、突き落とし、そして下に待ち構えた人がしとめる場所として都合がよかったのでしょう。

 

現地の人は、この骨の化石がワインに独特の風味を与えていると信じています。

今考えると残酷ではありますが、石器時代の人にすれば肉はごちそうだったでしょうから、なんてありがたい形の岩だろうと思ったかもしれません。

何万年も前の古代人の血と汗が現代のワインに姿を変えているのだとしたら、それはそれで感慨深いものがありませんか?

 

生々しい表現を申し訳ございません。

一部のユーザー様には知りたくないことだったかもしれませんが、ワインは歴史が長いため、どうしてもこのようなご紹介はつきものだと考えています。

古い資料を拝見すると、ときにこのようなこともありますが、現代の常識では決して通用しないことであるととらえたうえで記載しております。

ご不快に思われたユーザー様がいらっしゃいましたら、できればご理解の上お付き合いくださいますようお願いいたします。

 

合わせる料理

プイィフュイッセ は、 シャルドネ の王道の味わいで酸味が穏やかでほかの ブルゴーニュ の ワイン に比べて リッチ な口当たりです。

口当たりが柔らかいのでワインになれていない人にもお勧めしやすく、料理にも比較的合わせやすいと考えていいでしょう。

 

ただし、高級ワインではありませんので、高級食材を多用した緊張感を伴う料理には不向きです。

魚介料理全般に合わせられますが、酸味が柔らかく複雑性もありますので様々な素材を 白ワイン で煮込んだ ブイヤベース などもいいでしょう。

 

ホタテ貝の貝柱をバターでソテーした料理なども抜群の相性です。

口当たりがいいので一口目のワインとしても最適で、少し冷やし気味にして アペリティフ としていただくのもいいですね。


 

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