【最終更新日】2022年9月16日
ワインは一度開けると”その日のうちに飲み切らないといけない”という暗黙の了解があるのはご存じでしょうか?
ワインは一度抜染すると空気に触れてしまい、空気に触れると味わいが急激に劣化するといわれています。
とはいえ、ワインって1本が750mlもありますので、仮にご夫婦であっても1日で飲み切るのはかなりの量になりますし、おひとりの場合は特に飲み切るのはかなりのことでしょう。
そこで今回は、この「抜栓後の保存問題」を根本的に解決するグッズとして窒素アルゴンガスのスプレーを試してみました。
このスプレーを使うと抜栓後のワインの劣化を根本的に防げますし、この記事を読むことでなぜ劣化が防げるのかまでがわかるようになります。
目次
保存ガスを充填して劣化をストップ!
劣化の原因は酸素?
ワインの劣化を防ぐのにつかわれるのが窒素ガスですが、正確には窒素や二酸化炭素、アルゴンなどのガスのスプレー全般を指すとお考え下さい。
ワインは一度抜栓をすると、大なり小なり空気に触れることになります。
空気にはおおむね20%前後の酸素が含まれるとされていて、この酸素がワインの劣化に決定的な影響を与えるのです。
おそらくリンゴをカットして、カットしてすぐなのにもう茶色く変色してしまったなんてご経験がある人は多いと思います。
あれはリンゴの断面と酸素が触れてしまい、酸化してしまった結果、茶色く色が変わってしまったのです。
これと同じ原理でワインも酸素に触れると劣化が始まってしまう、ということなのです。
なぜ窒素ガスを充填するの?
いろいろなメーカーが窒素ガスのスプレーをワインの保存用に販売していますが、ではなぜ窒素ガスを充填するとワインの劣化が防げるのでしょうか?
空気に含まれる気体のうち、約8割が窒素で2割が酸素、そして若干量の二酸化炭素やアルゴンが含まれるとされています。
この気体が抜栓と同時にワインに触れるので、ワインが自然と酸素に触れて劣化が始まる、ということになります。
そこにスプレーで窒素を充填することで空気を瓶の外へ追い出し、結果として酸素が瓶の中から抜けるということになるのです。
実際には窒素だけではなくて、多くの窒素ガスにはアルゴンが含まれますが、アルゴンは窒素同様ワインの成分とは不活性で、かつ、酸素よりも比重が重くなります。
酸素よりも比重が重いため、瓶の中に酸素が残っていても比重の重いアルゴンがワインの液面を覆い、酸素の接触が防げるということになるのです。
全く完全に劣化しないの?
では、保存用スプレーを使えば完全にワインは劣化しないのかといわれれば、それは若干誤解があるかもしれません。
というのも、ワインを開けて注げば大なり小なり空気には触れるものですし、何度も開け閉めすることでそれだけ空気に触れるチャンスが生まれることになります。
このわずかな接触であっても時間をかけることでやはり大なり小なり劣化はするものですし、完全に劣化が防げるというわけにはいかないようです。
これは経験ベースになりますが、おおむね3~4日は十分においしい状態を保つことができますし、1週間程度でもさほど変化は見られないように感じます。
日常のむワインであれば、たいてい2~3日で1本を飲み切る人は多いのではないでしょうか。
こんな場合には最適な酸化防止グッズといえるでしょう。
窒素ガスがない場合は、冷蔵庫に入れる!?
ワインの抜栓後の劣化問題を解決する手段として、冷蔵庫で保存する人もいると思います。
一度抜栓したワインに再度コルクなどで蓋をして、そのまま冷蔵庫で保存するというものです。
冷蔵庫に入れるとワインが冷えるので、常温に出しておくより酸化が防げるような気がしますので、一度試してみてはいかがでしょうか。
また、冷蔵庫に入れれば味わいがきりっと引き締まって感じますので、その結果劣化がマスキングされて目立たなくなるという面もあるかもしれません。
根本的な解決法ではありませんし、やや無茶っぽい方法ですが、これも解決方法のひとつかもしれません。
お勧めのワイン用保存スプレー
ワイン保存用スプレーは、
①窒素ガスをメインにしてアルゴン、二酸化炭素のミックス
②アルゴンガス100%
のものに分かれます。
どちらがいいかに関しては、両方使いましたが正直差は見いだせなかったのが本音です。どちらも保存に関しては何もしないのとでは段違いの差があります。
アルゴンガスは酸素よりも比重が重く、液体に溶けないためワインの保存にはアルゴンが最強だと思いますが、だからと言ってアルゴン100%でないといけないということはないかもしれません。
価格やデザインなどでお好みのものを選んでいいと思います。
窒素・二酸化炭素・アルゴンのミックス
[itemlink post_id=”1300″]
アルゴン100%
[itemlink post_id=”1301″]
まとめ 気軽に抜栓後の劣化問題を解決!
いかがでしたでしょうか。ワインを一度抜栓すると空気に触れる、空気には酸素が含まれていて、酸素がワインと触れるので劣化するということがお分かりになったと思います。
窒素スプレーは完全に劣化を防ぐというものではありませんが、気軽に、そしてリーズナブルにワイン劣化問題を解決することができます。
アルゴンガスを、抜栓せずに充填するコラヴァンというワイングッズもありますが、コラヴァンはかなり効果ですし、アルゴンのボンベも地味に高いので、日常ワイン向きかというと決してそうではありません。
日常ワインであっても、できれば抜栓後もおいしい状態で保存したいという場合には、窒素スプレーは重宝しますので、一度試してみることをお勧めします。
【ワインブックスオンラインスクールのご案内】
このサイトは、ワインブックススクールの運営です。
ワインブックススクールでは、月額2200円で、いつでも、どこでも、誰でもワインの学習ができる環境が整っています。
ソムリエ・ワインエキスパート試験の対策に
趣味のワインライフに
エクセレンス試験の対策に
飲食店の頼もしい見方に
ご活用ください。必ずお役に立てることをお約束します。
WBSのソムリエ・ワインエキスパート試験対策講座はこちら→
ワインビジネスをご検討のお店様、企業様へのワインコンサルタントも行っています。
店舗向けWBSのAIソムリエサービスはこちら→
ワインエキスパート試験とは?試験の全体像はこちら→
ワインブックスにお越しいただいてのテイスティング講座はこちら
ワインブックスのテイスティングコースはこちら→