ワインの”生産者”とは?ドメーヌとネゴシアンの違いを解説!

【最終更新日】2022年9月23日

このサイトの読者さんは、ブルゴーニュワイン好きな方は多いかもしれません。

ブルゴーニュワインはしばしば「ブルゴーニュワインはドメーヌに始まってドメーヌに終わる」などと言われることがあります。

ボルドーワインが好きな方も多いでしょう。ボルドーワインであれば「シャトー○○」というキーワードは聞いたことがあるはずです。

 

この「ドメーヌ」「シャトー」は言葉こそ違えど、ワイン用語として使われる意味は同じです。

二つとも「ブドウ畑を所有し、ブドウ栽培からワインづくりまでを一貫して行う生産者の形態」のことを指しています。

 

生産者というとちょっと堅苦しいですね。ワイナリーという方がイメージしやすいかもしれません。

ブドウ畑があって、収穫したブドウをワインにする設備がある、そんなところでしょう。

 

今回は、このワインの「生産者」を、いくつかのパターンに分けて探ってみましょう。

 

ワインの生産者とは?

いくつかのパターンに分かれる

「ワインの生産者」と一口に言っても、その形態は様々です。

大きく分けるとワイン造りは

・ブドウ栽培

・ワイン造り

この二つに分かれるといえます。

 

ぶどう栽培は土を耕してブドウ樹を育てて、収穫する、そんなイメージです。

そしてワイン造りは収穫したブドウを発酵させ、熟成させ、ワインにする、イメージしやすいですよね。

 

これらは昔から一貫して行うのか、あるいは分業して行うのかでワイン造りは大きく分かれていました。

ぶどう栽培から行って、自ら収穫して、そしてワインを造る生産者もいれば、ブドウ栽培は栽培農家さんに任せて、収穫したブドウを買い受けてワインにする生産者もいたのです。

 

ドメーヌタイプ、シャトータイプ

では、生産者のタイプのうちドメーヌタイプ(DOMAINE)を見てみましょう。

ドメーヌは英語のドメイン(DOMAIN)が語源とされていて、領有、領地などの意味合いから来ています。

ここから「ブドウ畑を所有して、ブドウ栽培からワインづくりまでを一貫して行う生産者」の意味合いで使われています。

このキーワードは主にブルゴーニュで使われます。

 

シャトー(CHATEAU)も同様の意味で、もともとシャトーはお城の意味ですが、お城の周りにブドウ畑があることからシャトー○○と呼ばれています。

シャトーとともにその周りのブドウ畑も所有し、ブドウ栽培からワインづくりまでを行う、これがシャトーの意味になります。

シャトーは主にボルドー地方で使われるキーワードです。

 

マイクロネゴシアン

このように、ドメーヌもシャトーも同じで①ブドウ畑の所有②ブドウ栽培をする③ワイン造りもする の三つがセットになっていますが、では①の「ブドウ畑の所有」はしないけど②も③もする生産者はどうでしょうか?

現実問題として畑の価格が上がってしまったフランスの銘醸地では、簡単に生産者がブドウ畑を購入することはできなくなっています。

そのため「ブドウ畑の所有はしないけど、栽培からワインづくりまでやる」生産者のタイプは増えてきています

このタイプは、特にブルゴーニュではマイクロネゴシアン、ミクロネゴスなどと呼ばれています。

 

ネゴシアンタイプ

では、逆に「ブドウ栽培は栽培農家さんに任せて、買い付けたブドウをワインにする生産者」を見てみましょう。

このタイプの生産者の形態をワインの世界では「ネゴシアン」と呼んでいます。

ネゴシアンは英語のネゴシエイト、つまり交渉からくるとされていますので、なんともビジネスチックなイメージですね・・・。

 

ただしネゴシアンにもいろいろな形態に分かれています。

 

・ブドウを買い付けてワインにするタイプ

・生産者が造ったワインをブレンドして販売するタイプ

・出来上がったワインを生産者から消費者につなぐだけのタイプ

 

等にも分かれていて、一緒くたにネゴシアンと呼ばれています。

 

 

ドメーヌ>ネゴシアンではない?

このように記載すると、どうしてもなんとなくドメーヌの方が上でネゴシアンは下みたいなイメージになってしまうのは仕方がないかもも知れません。

ワインファンあるあるな”ドメーヌ>ネゴシアン”の構図ですね。

そりゃそうでしょう。ブドウ栽培から一貫して行う方が安心感があるし、イメージがしやすいはずです。愛情をもって畑作業をするところも頭にも浮かぶ人は多いはずです。

 

逆にブドウ栽培は農家さんに任せて自分はワイン造りだけってなると何となくワインへの愛情を感じないのが人情というものでしょう。

なんかビジネスチックできつい畑作業は農家さんにやらせて自分はいいとこどり。意地悪に考えればそう見えなくもないのが実際のところかもしれません。

 

しかし、現実問題として畑を所有して管理をするのは並大抵のことではないし、畑とはいっても土地になりますので大量に所有をすればそれだけ経済的なリスクも抱えることになります。

また、フランスではプロフェッショナリズムが浸透しているので、逆に「ブドウ栽培は栽培のプロがやるべき」という考えも根強いです。

そのため単純にドメーヌが上でネゴシアンが下という構図は当てはまらないのが現代のワイン界での認識になっています。

 

逆にドメーヌとは言っても形だけのところもあります。

ブドウ畑を所有するけどきつい畑仕事は契約した農家に任せて自分はワイン造りだけ、というところもあるし、もっとひどい場合は所有はするけどそれ以外は他者任せ、でもイメージがいいから自分の名前を出している、というところもあります。

 

ここについては個別に探っていくしかないですね。


 

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