【最終更新日】2025年2月21日
ブラインドテイスティングに挑戦すると、最初は何を手がかりにすればいいのか迷うことが多いでしょう。
ワインの世界には何千もの品種が存在しますが、すべてを一度に覚えるのは現実的ではありません。
そこでおすすめなのが、まず品種をいくつかの大きなカテゴリに分け、それぞれの特徴を押さえることです。
たとえば、白ワインなら「アロマティック系(ソーヴィニヨン・ブラン、リースリングなど)」と「ニュートラル系(シャルドネ、ピノ・グリなど)」、赤ワインなら「軽やか系(ピノ・ノワール、ガメイ)」と「パワフル系(カベルネ・ソーヴィニヨン、シラー)」といった具合に分類すると、特徴の違いが明確になり、判断の精度が上がります。
この方法を実践することで、より効率的に品種を見分けられるようになるでしょう。
この記事では、あなたがブラインドテイスティングをこれから始めるにあたって、「品種を当てられるようになる」ための最初のステップを紹介しています。
結論を言うとただ闇雲にワインを味わえばいいのかというとそうではなく、最初のフェーズではまずはカテゴリ分け、次に基本の品種を当てられるようになり、そして徐々に国や産地のバリエーションを増やしていく、ということになります。
僕はWBSワインブックススクールというオンライン最大級のワインスクールを運営していて、毎年多くの方をソムリエ試験、ワインエキスパート試験の合格に導いています。
ブラインドテイスティングにつきましては、いちはやく通信講座を取り入れ、これも大変多くの方にご参加いただいております。
その経験から、ぶどう品種を当てるところまでの階段をできる限りわかりやすく解説します。是非ご参考ください。
目次
【ブラインドテイスティングで品種を当てるコツ】初心者が品種を当てられるようになるコツ
最初はカテゴリ分け ~白ワイン~
ブラインドテイスティングで白ワインを見分ける際、最初にすべての品種を個別に覚えようとすると混乱しがちです。
そこで、まずは白ワインをいくつかのカテゴリに分け、それぞれの特徴を押さえることが重要です。
① アロマティック系
このカテゴリに属する品種は、香りが非常に強く、グラスに注いだ瞬間から特徴的なアロマを感じ取ることができます。
代表的な品種には、ソーヴィニヨン・ブラン(柑橘や青いハーブ)、リースリング(白桃や花の香り)、ゲヴュルツトラミネール(ライチやバラの香り)などがあります。酸が高めでフレッシュな印象が強いのも特徴です。
② ニュートラル系(穏やか&バランス型)
このグループは香りが控えめで、味わいのバランスが取れているものが多いです。
シャルドネはその代表で、熟成方法や産地によって大きく印象が変わります。
例えば、フランスのシャブリはミネラル感が強く、カリフォルニアのものは樽熟成によるバニラやバターの風味が特徴です。
ニュートラル系は、樽熟成との親和性を引き立たせた味わいのものも多くなります。
同じくピノ・グリもニュートラル系に分類され、穏やかで丸みのある味わいが特徴です。
③ リッチ&フルボディ系(コクがあり厚みがある)
このカテゴリには、オーク樽熟成を経て、クリーミーな口当たりやナッツの風味を持つ品種が多いです。
たとえば、ヴィオニエ(アプリコットや花の香り、オイリーな質感)や、樽熟成のシャルドネがこのタイプに当てはまります。
アルコール度数がやや高めで、ボリューム感のあるワインが多いのが特徴です。
このように、白ワインを大まかに「アロマティック」「ニュートラル」「リッチ&フルボディ」に分類すると、ブラインドテイスティングでも整理しながら判断しやすくなります。
まずは大枠を掴み、そこから細かい違いを学んでいくのが上達の近道です!
カテゴリ分け~赤ワイン
赤ワインは白ワインに比べると渋味などの味わいの要素が多くなることがありますので、赤ワインの方が得意だ、という方もいらっしゃれば、「逆に判断材料が多くて苦手」という方もいらっしゃいます。
赤ワインについてもいくつかのカテゴリに分け、それぞれの特徴を押さえることが大切です。
① ライトボディ系(軽やか&フルーティー)
このカテゴリのワインは色調が淡く、タンニン(渋み)も控えめで、口当たりが柔らかいのが特徴です。
代表的な品種は、ピノ・ノワール(赤系果実、スパイス、酸味がしっかり)、ガメイ(フレッシュなラズベリーやキャンディの香り)など。
冷涼な産地で造られることが多く、軽快でエレガントな印象のワインが多いのが特徴です。
② ミディアムボディ系(バランス型)
このグループは、酸・タンニン・果実味のバランスが取れており、食事にも合わせやすいワインが多いです。
代表的な品種としては、メルロー(プラムやチョコレートの風味、タンニンが滑らか)、サンジョヴェーゼ(チェリーやトマト、ハーブのニュアンス)、テンプラニーリョ(ベリー系果実、タバコ、スパイス)などがあります。
ワインによっては樽熟成による風味も加わり、より複雑な味わいになることも特徴です。
③ フルボディ系(濃厚&パワフル)
このカテゴリには、濃い色調でしっかりとしたタンニンとアルコールのボリューム感を持つワインが多く含まれます。
代表的な品種は、カベルネ・ソーヴィニヨン(カシスやブラックベリー、強いタンニン)、シラー/シラーズ(黒胡椒やスモーキーなニュアンス、力強い果実味)、マルベック(ブラックベリーやチョコレート、濃厚な果実味)など。
これらのワインは長期熟成向きで、飲みごたえのあるスタイルが特徴です。
カテゴリ分けでブラインドテイスティングを攻略!
赤ワインを「ライトボディ」「ミディアムボディ」「フルボディ」の大きな枠で分類すると、特徴を比較しながら理解しやすくなります。
まずはこの分類を基に飲み比べをし、味わいの違いを体感することで、ブラインドテイスティングの精度を高めていきましょう!
ブラインドテイスティングの第一歩!白ワインでまず押さえるべき4品種
何となくのカテゴリ分けができるようになったら、ブラインドテイスティングで白ワインを見分けるには、まず代表的な品種の特徴を覚えることが重要です。
すべての品種を最初から区別しようとすると難しいため、まずは基本となる4つの品種を押さえましょう。
それぞれの香りや味わいの特徴を理解することで、ブラインドテイスティングの精度をぐっと高めることができます。
1. ソーヴィニヨン・ブラン(Sauvignon Blanc)
ソーヴィニヨン・ブランは、柑橘系の香りと爽やかな酸味が特徴的な品種です。
レモンやグレープフルーツのほか、草やハーブのようなニュアンス(特にニュージーランド産では青い芝やパッションフルーツの香り)が感じられます。
口当たりはシャープでフレッシュ。香りのインパクトが強いため、比較的判別しやすい品種のひとつです。
2. シャルドネ(Chardonnay)
白ワインの王道ともいえるシャルドネは、産地や醸造方法によって大きく味わいが変化します。
フランス・シャブリのようにミネラル感が強いものもあれば、カリフォルニアのように樽熟成でバニラやバターのニュアンスが加わるものもあります。
柑橘、リンゴ、ナッツ、クリームなど、幅広いフレーバーを持つため、スタイルの違いに注意して覚えましょう。
3. リースリング(Riesling)
リースリングは、高い酸と華やかなアロマが特徴の品種です。白桃、アプリコット、花の香りに加え、熟成するとペトロール(石油のような香り)が現れることもあります。
ドイツのものはやや甘みがあり、アルザスやオーストラリアのものはドライなスタイルが多いのもポイント。
爽やかでエレガントな印象があり、酸の高さで見分けることができます。
4. ゲヴュルツトラミネール(Gewürztraminer)
この品種は、ライチやバラのような非常に華やかな香りを持ち、アロマティック品種の代表格です。口に含むとオイリーな質感があり、アルコール度数もやや高め。
甘口・辛口の両方のスタイルがありますが、香りの強さと独特の風味から、ブラインドテイスティングでは比較的識別しやすい品種です。
まずはこの4品種をマスターしよう!
ブラインドテイスティングを始めるなら、まずは ソーヴィニヨン・ブラン(ハーブ&柑橘)、シャルドネ(幅広いスタイル)、リースリング(高酸&フルーティー)、誰にでも当てやすいゲヴュルツトラミネール(華やか&オイリー)*の4つを押さえるのがおすすめ。
それぞれの特徴を覚え、実際に飲み比べながらトレーニングを積んでいきましょう!
赤ワインの判別は、この4品種!
次に赤ワインです。赤ワインは白ワインに比べると渋みの要素があるため、より味わいは複雑になる傾向があります。
ブラインドテイスティングで赤ワインを判別するには、まず基本となる品種を押さえておくことが重要です。
最初から多くの品種を覚えようとすると混乱しがちですが、まずは「ピノ・ノワール」「カベルネ・ソーヴィニヨン」「シラー」「サンジョヴェーゼ」の4つに絞って特徴を掴むことで、見分ける力がぐっと向上します。
それぞれの品種の特徴を詳しく見ていきましょう。
1. ピノ・ノワール(Pinot Noir)
ピノ・ノワールは、色調が淡く、酸が高めでエレガントなワインが多いのが特徴です。
香りの面では、赤系果実(チェリー、ラズベリー、イチゴ)が前面に出てくることが多く、熟成が進むとキノコや湿った土のような香りが現れることもあります。
タンニンは比較的穏やかで、口当たりが軽やか。代表的な産地はブルゴーニュやカリフォルニア、ニュージーランドで、それぞれの地域ごとにスタイルの違いも楽しめます。
2. カベルネ・ソーヴィニヨン(Cabernet Sauvignon)
カベルネ・ソーヴィニヨンは、赤ワインの代表的な品種のひとつで、濃い色調、強いタンニン、高いアルコール度数が特徴です。
香りの面では、黒系果実(カシス、ブラックベリー)のほか、ピーマンやミント、タバコ、鉛筆の芯のようなニュアンスを感じることもあります。
ボルドー(特にメドック地区)、ナパ・ヴァレー、チリなどが代表的な産地で、オーク樽熟成によるバニラやスパイスの風味が加わることもあります。
3. シラー(Syrah/Shiraz)
シラー(フランス)またはシラーズ(オーストラリア)は、スパイシーでパワフルなワインが多く、タンニンも豊富です。
香りの面では、黒胡椒、スモーキーな香り、ブラックベリー、ブルーベリーのような濃厚な果実味が特徴です。
フランス・ローヌ地方のシラーは、比較的エレガントでスモーキーな印象が強く、一方オーストラリアのシラーズは果実味が豊かで、チョコレートやリコリスのような甘みのあるニュアンスも感じられます。
4. サンジョヴェーゼ(Sangiovese)
サンジョヴェーゼは、イタリア・トスカーナ地方を代表する品種で、高い酸としっかりしたタンニンが特徴です。
香りの面では、チェリーやザクロ、トマトのような果実香に加え、ハーブやスパイス、土のようなニュアンスを感じることが多いです。
伝統的なサンジョヴェーゼは、酸味がしっかりしていてフードフレンドリーなワインが多く、キアンティやブルネッロ・ディ・モンタルチーノが代表的なスタイルです。
まずはこの4品種を確実に見分けられるように!
ブラインドテイスティングで赤ワインを識別するには、まずはこの4つの品種に絞って特徴を掴むのが近道です。
ピノ・ノワール → 赤系果実、酸が高くエレガント
カベルネ・ソーヴィニヨン → 黒系果実、タンニンが強くフルボディ
シラー → スパイシー&スモーキー、黒系果実が濃厚
サンジョヴェーゼ → 高い酸、チェリー&トマト、ハーブのニュアンス
この4品種の違いを意識しながら飲み比べることで、ブラインドテイスティングの精度を上げていきましょう!
まとめ:ブラインドテイスティングの上達法!まずはカテゴリ分けから始めよう
ブラインドテイスティングでワインの品種を見極めるには、いきなり細かい違いを覚えようとするのではなく、まず大まかなカテゴリ分けから始めるのが効果的です。
① まずはカテゴリ分けで特徴を掴む
白ワインなら、「アロマティック系(ソーヴィニヨン・ブラン、リースリング)」「ニュートラル系(シャルドネ、ピノ・グリ)」「リッチ&フルボディ系(ヴィオニエ、樽熟成シャルドネ)」と分類できます。
赤ワインなら、「ライトボディ(ピノ・ノワール、ガメイ)」「ミディアムボディ(メルロー、サンジョヴェーゼ)」「フルボディ(カベルネ・ソーヴィニヨン、シラー)」といったように、まずは大きな枠でワインを整理しましょう。
② 代表的な品種に絞って練習する
カテゴリごとの特徴が掴めたら、次は代表的な4品種を見分ける練習をします。
白ワインなら「ソーヴィニヨン・ブラン」「シャルドネ」「リースリング」「ゲヴュルツトラミネール」、赤ワインなら「ピノ・ノワール」「カベルネ・ソーヴィニヨン」「シラー」「サンジョヴェーゼ」を重点的に学びましょう。
それぞれの香りや味わいの違いを意識しながら飲み比べることで、品種の特徴が明確になります。
ブラインドテイスティングの上達には、まず「カテゴリ分け」で大まかに判断する力をつけ、その後「代表的な品種」に絞って確実に見極める力を養うことが大切です。
このステップを踏むことで、着実にワインの識別スキルを向上させていきましょう!
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