【ドイツワインは捨て問にするべきかどうか問題】をWBS前場が解説!

【最終更新日】2024年7月28日

ソムリエ試験において、ドイツを捨て問にするかどうかは慎重に判断する必要があります。

ドイツワインは世界的に評価が高く、CBT試験であるため変数により頻出する可能性も高いです。

そのうえで、ドイツのワイン法や各地域の詳細は複雑で覚えるのに時間がかかるため、他の重要な地域に時間を割くという戦略もあります。

 

ドイツを捨て問にする場合、基本的な知識だけは押さえ、試験での配点や自身の得意分野とのバランスを考慮することが重要です。

最終的には、全体の学習計画や他の分野の理解度に基づいて判断するべきです。

 

 

*この記事は、WBSワインブックススクールの代表前場が、インスタグラムに毎日投稿するソムリエ・ワインエキスパート試験のお役立ち情報を抜粋し、スタッフが記事にしています。

【過去の記事はこちら】

 

「ドイツは捨てるかどうか」問題

【練習問題】次のドイツの郷土料理のうち、ファルツの料理を選んでください。

①Badische Schaufele

②Karpfen blau

③Saumagen

④Dippekuchen

 

↓正解はインスタ投稿の下↓

 

【正解】③Saumagen

Saumagenは、ドイツ、ファルツの郷土料理です。

豚の胃袋に塩ゆでした豚の赤身肉、ジャガイモ、ソーセージ用の具材をハーブ・スパイスなどと合わせてつめて、茹でた後に厚切りにしてフライパンで焼いていただきます。

一説には、18世紀の頃の貧しい農民が、余り物の豚肉で作り上げた「貧しい人のための料理」として知られていましたが、その余りのおいしさにファルツの名物料理にまでなったとされています。

 

 

ドイツワインは捨てるべきか?

ワインスクールの講師をしていて何度も質問されるのが「ドイツワインがわからない」です。

これは特定の「ドイツ」を指しているのではなく、オーストリアも含んでいて、煎じ詰めると「ドイツ語圏の生産国が苦手」ということなのでしょう。

これは僕が現役のソムリエ時代、20年前も同様でした。

 

踏み込むと、では、何もドイツ語だけでなく、ルーマニア語もギリシャ語も、ハンガリー語も日本人にとっては一般的になじみが深いとは言えません。

にもかかわらず、なぜドイツが捨て問の的にされるのでしょうか?

おそらくこれら他の国に比べて教本のボリュームが大きく、「何言っているかわからないうえにページも多い」という意識がドイツを捨て問対象に追いやっているのでしょう。

これは受験指導をしている側の僕も心理としてわかりますし同じ立場であれば「いっそ捨て問にしたい」が本音でしょう。

 

CBT試験なので一概には言えませんが、おおむね一次試験ではドイツからは3~4問、オーストリアは2~3問の出題でしょう。

つまりこれら二つで少なくて5問、多くて7問だということです。

120点満点のうちの7問だと5.83%。

約6%のうち、四肢択一だとしてあてずっぽうでやってもいいとこ正解は2問で、残り3~5問は不正解となってしまいます。

 

不確定要素としては四肢択一ではない可能性はありますが、この数字であればさすがに直接合否を左右するものではありません。

「捨て問にしてもいいだろう」という気持ちも理解できます。

 

結論を言えば、捨て問を作るかどうかはWBSが決めるのではなく、あなたが決める問題なので、「捨て問を作るメリットとデメリットを押さえたうえで決めましょう」としか言いようがありません。

 

メリットとしては

①試験合格の戦術を考えた場合に戦略に整合性がある場合がある

②捨て問を作ることで他の科目に集中することができる

③嫌な科目を捨てることで得意な科目を伸ばすことができる

があります。

 

一方のデメリットは主に合格後になります。

①ドイツにワイン界のトレンドが来た場合に対応しづらい

②ドイツ語圏のワインとの出会いの可能性を狭めてしまう

③捨て問を作る癖がついてしまい、際限なく捨ててしまう可能性

などがあります。しっかり押さえて決断しましょう。

 

捨て問は、基本的にお勧めしない

ソムリエ・ワインエキスパート試験において捨て問を作ることはWBSとしては基本的にお勧めしていません。

まず、試験は全体的な知識と理解力を評価するために設計されており、特定の分野を捨てることで全体のバランスが崩れ、結果的に合格点に達しないリスクが高まります。

また、捨て問を設定すると、万が一その分野から多くの問題が出題された場合、致命的な失点につながります。

 

さらに、資格試験の内容は実務に直結している場合が多く、試験勉強を通じて得た知識は実際の業務においても役立ちます。

一部の分野を捨ててしまうと、その分野での実務において不足する知識が生じる可能性があり、プロフェッショナルとしての総合的な能力が損なわれることになります。

 

試験勉強においては、すべての分野において基礎的な理解を深め、重要なポイントを押さえることが重要です。

苦手な分野があった場合は、特に重点を置いて勉強し、理解を深める努力をするべきです。

また、全体の時間配分を考慮し、効率的に学習を進めることも重要です。

捨て問を作るのではなく、苦手な分野も含めて全体をカバーすることで、試験の合格率が高まり、実務においてもバランスの取れた知識と能力を発揮することができます。

 

最後に、CBT試験問題は予測不可能であり、試験の傾向や出題形式が変わることもあります。

捨て問戦略に頼ると、試験の変更に柔軟に対応できなくなるリスクがあります。

総合的な理解と幅広い知識を持つことで、どのような形式の試験にも対応できる力を養うことができます。

これらの理由から、資格試験においては捨て問を作ることはお勧めできません。

ご参考ください。


 

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