【意見が二分】シャンパングラスはフルートか白ワイングラスか?

【最終更新日】2022年9月16日

シャンパーニュを飲むときに、ある程度経験の長いワインファンの方ですと、おそらくフルートグラスを使うことが多いと思います。

フルートグラスは↑の画像のように縦長のグラスのことで、縦長だけに立ち上る泡がきれいに見えますし、そのため長いことシャンパーニュと言えばフルートグラス一択で使われてきたのです。

もちろんフルートグラス以外にもクープグラスといって横幅の広いグラスも使われることもありましたが、レストランのダイニングなどでは横幅のグラスが使われるのはまずないでしょう。

 

ところが、ここ最近ではシャンパーニュを一般的な白ワイングラスでサービスされることが多くなってきました。

今回はこの「シャンパーニュはフルートグラスか白ワイングラスか」を検討してみたいと思います。

 

シャンパーニュはフルートグラス?白ワイングラス?

最近は白ワイングラス推しが多い?

多分、ここ2~3年ではないでしょうか。シャンパーニュを突如「白ワイングラスで飲もう」という声が強くなってきたのです。

というのも、生産者側からの意見として、

「シャンパーニュをフルートではなくて白ワイングラスで飲んで欲しい」

の記事や広告が目に付くようになったからです。

 

生産者が言っているのであれば、最も信頼度の高い意見だろうということで、一気に「シャンパーニュを白ワイングラスで飲む」風潮が現れるようになったのです。

 

なぜ白ワイングラスなのか?

この人は何を思うか・・・

では、なぜ生産者はシャンパーニュをフルートグラスではなく白ワイングラスで飲んで欲しいと願っているのでしょうか?

これははっきりとした根拠はないのですが、合理的に考えれば単純に白ワイングラスの方が香りや味わいを感じやすいからでしょう。

 

白ワイングラスであればグラスのふくらみの部分までに注いでも、十分に香りをためるスペースがありますし、先がつぼまっているので香りもより強調されて感じられると思います。

しかし、フルートグラスはグラスの9割近くまでを注ぐので香りがたまるスペースも少ないし、多くのフルートグラスは先はつぼまっていないので香りを楽しむ分には白ワイングラスの方が優位性があります。

 

また、シャンパングラスは縦長なので勢いよく口の中に入る傾向がありますので、ゆっくり味わう分には不向きではないかという意見も根強いです。

 

売り手側の思惑なんじゃないの?

ここで少し意地悪になった気で穿った見方をしてみたいと思います。

グラスを売る側だったり、あるいはワインを販売する側からすれば、新しいニュースは常にほしいし、いつまでの動きのない業界では先細りになってしまいます。

だから絶えず売り手側やジャーナリストは新しい流れを探していますし、何かしら新しい流れがあれば飛びついてそれを拡散する傾向があるのはその通りです。

 

例えば昔はボルドーの左岸エリア一辺倒だった高級ワイン群に、ジャーナリストは右岸エリアのサンテミリオンやポムロールに目をつけ、それらのワインをこぞって評価したためシンデレラワインが生まれました。

売り手側もジャーナリストもいつまでも同じ情報ばかりでは消費者はついてこないし、常にアンテナを張っているのです。

ということであれば、この「シャンパーニュをフルートグラスで飲んで欲しいと生産者は願っている」との意見も、実は売り手側やジャーナリストの思惑に一致した結果ではないかとみることもできなくはありません。

 

実際に数十年前にシャンパーニュの大手メゾンの当主とテイスティングをさせていただきましたが、そのときもすでに普通のテイスティンググラスを使っていたことを覚えています。

つまり、シャンパーニュ地方の生産者ではこれまでも普通にテイスティンググラスや白ワイングラスを使っていたけど、近年になって売り手側やジャーナリストが目をつけだして、これがフォーカスされるようになったとの見方もできるということです。

 

海外の画像検索では・・・?

シャンパーニュをフルートではなく白ワイングラスで提供するのは、日本のファインダイニングでは結構な割合です。

ここ最近でも、特に星付きレストランになるとシャンパーニュは白ワイングラスで提供しているところがほとんどでした。

 

では、海外ではどうかというと、例えばアメリカのヤフーで”CHAMPAGNE GLASS”で検索しても↑、白ワイングラスは一つも出てきません。

ところが日本のヤフーで”シャンパーニュ グラス”で検索すると、まあまあ白ワイングラスが出てきます↓

これは何を意味するのかというと、シャンパーニュ グラスで検索している人がたどり着いた画像の結果が総論として表れているということです。

アメリカのヤフーではシャンパーニュのグラスを検索する人はほぼほぼフルートグラスを選ぶのに対して、日本で検索する人は白ワイングラスと意見が割れている、ということがこれでわかるということになります。

 

まとめ 何を楽しむのかで選べばいいので、あまり気にしない

で、当サイトとしては結論として別にどちらかに絞る必要はないし、どっちにも一長一短があるので、どっちも楽しめるのがベストだと考えています。

泡を愛でるのであればフルートグラス

香りや味わいにフォーカスするのであれば白ワイングラス

のように使い分けて選ぶのがベストでしょう。

 

何もシャンパーニュの魅力は味や香りだけではないですし、立ち上る泡も大きな魅力の一つです。

逆に泡だけがシャンパーニュの魅力ではないし、当然香りや味にフォーカスしてほしいという生産者の意見だってあるはずです。

 

こればかりは飲む側がシャンパーニュに何を求めるかで変わってきますし、大騒ぎするほどのことでもないと考えますが、いかがでしょうか。

例えばスタンダードクラスのシャンパーニュであればフルートグラスを使い、逆に高価なシャンパーニュやプレスティージュのシャンパーニュであれば白ワイングラスを使う、などの使い分けができてもいいと思います。

「どっちがいい」となると、場合によっては「どっちがダメ」という意見が目立ちやすいのですが、せんじ詰めれば飲み手側が決めるべきことなので、どっちもいいというのが今のところの結論でしょう。

 

 


 

【ワインブックスオンラインスクールのご案内】



このサイトは、ワインブックススクールの運営です。

ワインブックススクールでは、月額2200円で、いつでも、どこでも、誰でもワインの学習ができる環境が整っています。

ソムリエ・ワインエキスパート試験の対策に

趣味のワインライフに

エクセレンス試験の対策に

飲食店の頼もしい見方に

ご活用ください。必ずお役に立てることをお約束します。

WBSのソムリエ・ワインエキスパート試験対策講座はこちら→


  ワインビジネスをご検討のお店様、企業様へのワインコンサルタントも行っています。
店舗向けWBSのAIソムリエサービスはこちら→

ワインエキスパート試験とは?試験の全体像はこちら→

ワインブックスにお越しいただいてのテイスティング講座はこちら
ワインブックスのテイスティングコースはこちら→