【最終更新日】2020年8月30日
飲食店の創業計画書もここまでくると9割がた完成です。
こちらを記載すると、残りは月々に発生する費用の説明のみとなります。
ここでは、売上原価の記載と人件費を説明します。
なんとなく「原価は売り上げの3割」という風に覚えている人もいるかと思いますが、もちろん戦略によっては3割よりも上でも下でも問題ありません。
ただし、当たり前ですがそれぞれの数字に必ず根拠があり、それに納得感があることが重要です。
原価の説明と人件費の説明
原価の説明
通常の飲食店は売り上げに対して原価は30%程度と言われていますが、これは公的金融機関の窓口も同様にとらえています。
そのためここで40%だったり25%だったりすると「なぜこの数字なのか」という疑問を持たれてしまします。
原価が高くなることでおいしい料理やドリンクを安く提供できるのはわかります。
しかしそれで利益が出るのか?貸したお金が返ってくるのか?が重要なのです。
例えば25%であれば、ほかの飲食店と比べて原価がかけられないことになります。
これがバーであったり、宴会専門のお店であれば「まあこのくらいか」ということになりますが、食事を提供するお店であればこうはいきません。
原価率が低い場合は
・知り合いの漁師から安く魚を届けてもらえる
・観光地のほかにお店がないところなのでこの原価率でも問題ない
などの理由があれば構いませんが、そうでない場合は競争力に疑問を持たれるでしょう。
逆に原価率が高いと利益を圧迫するのではないかという心配が出てきます。
そのため
・スタンディングで食事を提供するスタイルなので、回転が速く利益を確保できる
・家賃が相場よりも安く、その分を原価にかけて商品力を強化する
・店頭売りがメインなので利益率には影響しない
などの理由付けが必要です。
原価率に関しては、専門料理店であればできる限りかけたくなるのが人情でしょう。
逆にバーやカフェなどの場合は少なくてもいい商品を提供できることもあるでしょう。
それらの戦略が問題ないのであれば堂々とそのまま記載しましょう。
しかし、多くの場合は見積もりの甘さや思い込みが入っていることも考えられます。
出来上がった計画書を信頼のおける友人などに見てもらうなどのチェックも必要かもしれません。
人件費の説明
人件費は、ここでは経営者以外はすべてアルバイトの構成となっているので計算がしやすいです。
これが正社員がいる場合や準社員がいるような場合は丁寧に計算して算出しましょう。
もちろんここは計画の段階ですので営業開始後に変動することも考えられます。
正社員で固めていると、売り上げが思ったよりも上がらないときにどうするのかなどの説明が必要でしょう。
このケースはチェーン店の新規開業なのでアルバイトで固めていますが、個人店ではできればなじみのスタッフにいつもいてもらいたいという希望が多いようです。
これは同じことを何度もコーチすることも煩雑さを嫌がり、早く心理的に安定したいという欲に勝ち切れていないという見方もできます。
普通はメインのスタッフ以外はアルバイトで採用し、売り上げに応じて変動させやすいように人件費をコントロールするべきでしょう。
ここでは、17.6%という人件費率を算出していますが、この数値が資金繰り表で反映されることになります。
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