飲食店の創業計画書⑥市場規模の記載

【最終更新日】2020年8月30日

市場規模の記載は、業種に前例がなかったり、資料がないのでどうやって書けばいいのかわからないという人もいるかもしれません。

確かにあまりにもレアな業務内容だと比較対象もなかったり、あるいは調査のしようがないということもあるかもしれません。

確かに大きなプロジェクトであれば市場規模がないのに事業進出するのはリスクが高いので企画書としての説得力は感じないでしょう。

しかし、創業の一店舗めの出店ということであればとりあえずの納得感があれば一応の体裁は保てます。

 

市場規模の記載

とりあえず何とかするという意気込み

市場規模と言ってもどれだけあるのかは完全に把握するのははっきり言って無理です。

また、仮に市場規模を記載できたとしても、それがあなたの考える事業にどこまで生かせるのかは未知数でしょう。

例えばラーメンの市場規模とかであれば検索すれば出てくるかもしれません。

ヤフーで検索すると市場規模は6000億円、全国で2万店舗と出てきますが、これが一店舗目の出店にとって何が役に立つのかはぴんと来ないのが本音でしょう。

もちろんこれらの数値は企画書に反映させるべきですが、一店舗目の参考数値としてはあまりにも規模が大きすぎでしょう。

大手チェーン店がコンサルタントに依頼して作成してもらう企画書とあなたの一店舗目の企画書が違うのは当たり前です。

そのため、ここは「何とかして形を作る」という意気込みが大事です。

 

どうやって形を作るか?

では、どうやって形を造ればいいのでしょうか?

いくらなんだってめちゃくちゃな数字を提示すればそれはさすがに融資担当もあきれてしまいます。

そのためある程度の根拠は必要ですし、無根拠であれば面接時に突っ込まれて企画書の薄っぺらさを指摘されてしまうことになります。

 

前述したように、大手経営コンサルタントであれば調査費用もしっかりとかけて仕上げるのですが、そうはいかないことは融資担当者もわかっています。

そこで、いま、あなたができることとしては、

・ウェブ上での数値を根拠にする

・実際に路上で調査をする

・役所などにたずねる

ことで一応の体裁は保てるでしょう。

 

インターネットでのマーケティング

私はウェブマーケティングが得意で、それをもとにホームページを作成し、サイト経由で集客していますが、この知識は創業融資でも生かせます。

例えば自然検索数を調べてみましょう。

「世の中の人はこれだけ検索している」ということも重要な市場規模です。

では、ここでは当事務所のある港区赤坂での検索ボリュームを出してみましょう。

グーグルキーワードプランナーで「赤坂 居酒屋」を調査すると以下のようになります。

 

これは設定にもよって変化しますが、グーグルだけでひと月におおよそ5400の検索数があることがわかります。

では、「赤坂 バー」ではどうでしょうか?

 

「赤坂 バー」ではおよそ1900になります。居酒屋の大体3分の1の規模ということになります。

この辺りはウェブマーケティングでは初歩の初歩ですが、あなたの考えるビジネスモデルにも必ず生かせるでしょう。

もちろん、サイトの利用は無料なので誰でもご利用できます。

 

路上で調査をする

これも融資を受けたいのであれば必ず行ってほしいのですが、実際に店舗前の路上に立ち、どれくらいの人通りがあるのかを調査することも有効です。

できれば、最低でも平日と週末の二日間、

①大体の一時間当たりの人通り

②その男女別、年齢別

③歩行の目的

を調査します。

企画書に「実際に路上で調査した結果、歩行者の数と内訳は以下の通りです」と記載すれば完成度と説得力は格段に上がるでしょう。

担当者からすれば「そこまでやったんだ」と意気込み感じるでしょうし、そうなればしめたものです。

さらに、その通りの大体の飲食店などの数とどれだけ流行っているのかなどを記載すればここは満点といえます。

 

役所などのホームページを確認する

これは直接役所に聞いてもいいのですが、すでに開示されているものなのでホームページでの確認で十分でしょう。

人口の同行や事業者数などはどこの自治体もすでに調査をしていますのでごれを確認します。

例えば当事務所のある東京都港区のホームページではこのように細かく市場動向を示しています。

 

 

これも信頼性のあるデータとして十分に活用ができますし、あてずっぽうの数値を記載するよりもよほどましです。

もちろんこれも無料で確認できますので、利用しない手はないでしょう。

 

まとめ

いかがでしょうか。

市場規模は記載のしようがないということもあるかもしれませんが、専門のコンサルタントではありませんのでこのレベルで問題はありません。

とはいえ融資するほうは納得感がないと心配になりますので、そこは知恵を絞って体裁を保つのです。

では、その体裁が全くの無根拠で良いかといえばそれではダメです。

そのため、ここで上げたようにインターネットや実際に路上での調査で説得力を増すのです。

 

もちろん、インターネット上のマーケティングだけでもいいかもしれません。

しかし、飲食店の開業はそれよりもやや泥臭いほうがウケはいいです。

そのため、できれば実地調査をして説得力を増やしましょう。

面接でもその経験が必ず役に立ちます。


 

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