マルゴーのワインとは?基礎知識と味わいの特徴、合わせる料理

【最終更新日】2022年11月11日

マルゴー(Margaux)は、フランスのボルドー地方、メドック地区にあるワイン産地です。

メドック地区の6つある村名を名乗れることができる生産地域(ポイヤックやサンジュリアンなど)の中では最も南に位置しています。

 

カベルネ・ソーヴィニョンが主体ですがメルローとの調和がとれたワインが多く、メドックの中では最もエレガントで優雅なワインであるとされています。

メドック格付けにおける1級シャトーであり世界的にも人気が高いシャトー・マルゴーを筆頭に、21もの格付けシャトーを有しています。

ボルドー地方で最も多くの格付けシャトーを有する生産地域です。


メドック地区に流れるジロンド河の左岸に位置し、ブドウの栽培面積はおよそ1,500ヘクタール。

比較的温暖な海洋性気候ですが、メドックの他地区と比べてマルゴーはその中でも温暖な地域となります。

このような特徴から他地区と比べて7~10日ほど早くブドウが熟す年もあります。

 

砂利質土壌が多いため、メドックの代表的なブドウ品種であるカベルネ・ソーヴィニヨンの栽培に向いた条件が整っています。

一方で、マルゴーはメドックの中では例外的に石灰質土壌も多く点在しており、こちらはメルローの栽培に適した土壌です。

こういった背景から、マルゴーではカベルネ・ソーヴィニヨンが多く栽培されている他、メルローも多く栽培され、ポイヤックやサンジュリアンなど他の左岸の生産地域に比べるとメルローのブレンド比率が高いことが挙げられます。

 

【カベルネソーヴィニョンについてはこちらをご覧ください】

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マルゴーの基礎知識

規定、特徴


マルゴーではカベルネ・ソーヴィニヨンの比率が最も高く、次いでメルローとなるワインが多いですが、メドックの他の生産地域よりもメルローの比率が高い傾向があります。

メルローの個性を反映することからその分まろやかなタンニンであることが特徴の1つとなり、カベルネ・ソーヴィニヨンのパワフルさを持ちながらも、華やかで丸みのある優雅な味わいのワインを造り出しています。

 

色調はガーネット。仕上がりはマルゴーの中でも地域により差がありますが、砂利質の土壌が多いマルゴー村やカントナック村では成熟したカベルネ・ソーヴィニヨンが栽培され、力強さをもったワインが産み出されます。

評価の高い格付けシャトーは特にこの地域に集中しており、メルローのブレンドが比較的高い特徴はあるものの、いかにカベルネ・ソーヴィニヨンの品質がマルゴーのワインの評価に影響しているかを推し量ることができます。

 

熟成期間は5年~30年とも言われますが、品質がよいヴィンテージや評価が高いシャトーによってはそれ以上の熟成にも十二分に耐えうるワインが造られています。

 

格付シャトー

1855年に行われたメドック格付けのうち、マルゴーには1級格付けシャトーが1つ、2級格付けが5つ、3級が10、4級が3つ、5級が2つの計21の格付けシャトーが存在しています。

1級格付けであるシャトー・マルゴーは世界的な人気を誇るワインであり、品質としてもメドックの5つの1級シャトーの中でトップを争うほど評価が高いワインです。

1855年のパリ万博(パリ万博の目玉の1つとしてメドック格付けが行われた)で行われたテイスティングでは、唯一満点の評価を受けています。

 

そこから現在に至るまでには品質的に困難な時代もありましたが、現在では当時の名声に相応しい高品質で素晴らしいワインを世に産み出しています。

華やかな香り、口当たりの滑らかさ、エレガントな味わいから「ボルドーの宝石」と讃えられています。

 

3級格付けではあるものの、限りなく1級に近い品質を持つと言われ「スーパーセカンド」と評されるシャトー・パルメ。

マルゴーでは、5つの2級格付けシャトーを差し置いて、1級のシャトー・マルゴーに次ぐワインとの高い評価を得ています。

 

その畑は、シャトー・マルゴーやシャトー・ローザン・セグラ(マルゴーの2級シャトーの中で最も評価が高いとされています)に隣接しており、ジロンド河に向かってなだらかに傾斜する最高の立地を有しています。

シャトー・パルメはマルゴーの中でも特にメルローの比率が高いことでも知られ、マルゴーらしい華やかな香りと、ふくよかで豊満な味わいが特徴の素晴らしいワインが造り出されています。

 

格付けシャトー

マルゴーの21の格付けシャトーは以下の通りです。

【1級】

Chateau Margaux ( シャトー・マルゴー )

 

【2級】

Chateau Rauzan-Ségla ( シャトー・ローザン・セグラ )

Chateau Rauzan-Gassies ( シャトー・ローザン・ガシー )

Chateau Durfort-Vivens ( デュルフォール・ヴィヴァン )

Chateau Lascombes ( シャトー・ラスコンブ )

Chateau Brane-Cantenac ( シャトー・ブラーヌ・カントナック )

 

【3級】

Chateau Kirwan ( シャトー・キルヴァン )

Chateau d’Issan ( シャトー・ディッサン )

Chateau Giscours ( シャトー・ジスクール )

Chateau Malescot St. Exupéry ( シャトー・マレスコ・サン・テグジュペリ )

Chateau Cantenac-Brown ( シャトー・カントナック・ブラウン )

Chateau Boyd-Cantenac ( シャトー・ボイド・カントナック )

Chateau Palmer ( シャトー・パルメ )

Chateau Desmirail ( シャトー・デスミライユ )

Chateau Ferrière ( シャトー・フェリエール )

Chateau Marquis d’Alesme Becker ( シャトー・マルキ・ダレム・ベッカー )

 

【4級】

Chateau Pouget ( シャトー・プージェ )

Chateau Prieuré-Lichine ( シャトー・プリュレ・リシーヌ )

Chateau Marquis de Terme ( シャトー・マルキ・ド・テルム )

 

【5級】

Chateau Dauzac ( シャトー・ドーザック )

Chateau du Tertre ( シャトー・デュ・テルトル )

 

味わいの特徴

木苺、チェリー、ブルーベリー、カシスなどの果実や、すみれなどの花、スパイス、西洋杉、ロースト香などの複雑な香りが特徴です。

マルゴーのワインはカベルネ・ソーヴィニヨンにバランスよくメルローがブレンドされます。

そのため酸味とタンニンをしっかり感じるフルボディでありつつも、それらがバランスよくまろやかに溶け込んだワインとなることが特徴です。

熟成を経るとベルベットのような口当たりに変化していき、より繊細で複雑な味わいを感じることができます。

 

マリアージュ

ローストしたお肉料理全般と相性がよいとされています。

ラム肉を使った料理とのマリアージュは代表的です。

 

カベルネ・ソーヴィニョンの個性はラム肉の独特の風味、味わいと相性がよいとされています。

牛肉を合わせるのであれば、ローストビーフやステーキ、赤身肉の料理がよく合います。

フルボディであるワインの力強さや鉄分を感じるミネラル感と、赤身肉のお料理の味わいはとてもよくマッチします。


 

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