【最終更新日】2022年10月26日
こんにちは。ワインブックスの前場です。
ご存じかと思いますが、僕はユーチューブで最大規模のワインチャンネル「ワインブックス」を運営しています。
ワインブックスチャンネルではワインライフのお役立ち情報に加えてソムリエ・ワインエキスパート試験でのお役立ち情報もお伝えしています。
また、個人ではワインブックスオンラインスクールというオンラインのワインスクールも運営しています。
スクールでは開校以来多くの方に受講していただきましたが、多くの方はソムリエ、ワインエキスパート試験を受験され、多くの方が合格されています。
また、上級資格のソムリエエクセレンスにも上位合格を出すことができ、ワインスクールとしてはこれ以上のないスタートを切ることができています。
スクールでは毎週ウェブ講義があり、ソムリエ、ワインエキスパート試験のお役に立てる重要ポイントをお伝えしています。
2021年は受験された方の多くは一発合格をされていて(初年度ですから当たり前ですが)、どうすれば一発合格できるのか、どうしたら合格が遠のくのかを”指導する立場”で痛いほど理解しています。
そこで今回は、あなたがソムリエ・ワインエキスパート試験に一発合格するために、一発合格している人は何に気を使っているのか、ここをポイントを絞ってご紹介します。
もちろんポイントだけ押さえてもダメなものはだめで、実際には覚えて記憶の質を上げることが必要になってきます。
しかし、それ以前の方向性が間違っているといくら努力をしても努力の精度は決して高いものにはなりません。
「いくら時間をかけてもいいし、お金をかけてもいいから、自己流で勉強して合格すればいいんだ」
もしあなたがこう考えているのであれば、僕からは何もアドバイスはありません。
しかしほとんど人はできれば努力は報われた方がいいと思っているはずですし、いつまでもだらだら時間をかけるものではないと考えているはずです。
もちろん僕も、あなたにはなるべくはやく合格をしてほしいです。
押しつけがましくならないように、ポイントに絞ってざっくりとご説明しますので、ぜひ最後までお付き合いください。
目次
【ソムリエ試験の勉強方法】一発合格者が押さえているポイント
努力は報われた方がいい
のっけから申し訳ないのですが、僕は何度も「努力は報われた方がいい」とユーチューブでも、このスクールでも口にしています。
これはおそらく人によっては骨の髄までわかっている人もいれば、あまり深く理解されていない人もいると思うので、最初に少し触れておきたいと思います。
おおむね試験勉強やコンクール、スポーツなどの競争試験では、
①頑張ることが大事なひと
②結果が大事なひと
の二つに分かれます。
この二つは最終的には頑張らないといけませんので、言っていることは同じように見えますが、実は全く逆のことをやる傾向にあります。
では、何が違うのでしょうか?
「頑張ることが大事」なひと
これは飲食業界ではあるあるかもしれません。いまだに努力主義な上司は多いはずです。
まず頑張ることが大事で、結果は後からついてくるものだ。こういう理屈でしょう。
もちろん頑張るのは当たり前ですし、頑張らないと結果は出ないのはその通りです。
だから言っていることは正しいのですが、この言葉は肝心な部分がピンボケしているのです。
それが「どう頑張るのか」の方法論です。
僕の修業時代もそうでした。フランス帰りのシェフが気に食わないことがあると大声を出して「頑張りが足りない」と叫ぶのです。
しかし、具体的にどうすればいいのか?のアドバイスはなく、見て盗め的な精神論で武装しているのです。
だから誰よりも朝早く来る人が評価されるし、誰よりも遅くまで頑張る人を評価していたのを覚えています。
「結果が大事」な人
では、もう一つの「結果が大事」な人を検討してみましょう。
なんともビジネスライクに感じますし、冷たく気取っている考えにも見えます。
そりゃそうでしょう。このパターンは要するにビジネスであればお金を儲けたほうが勝ちの理屈ですし、スポーツであれば勝てばいいと開き直っているようにも見えます。
こんな人であれば応援しづらいですし、「頑張ることが大事」な人を応援したくもなるものです。
ですが、結果が大事であれば、努力をしないと結果はついてきません。
何よりも結果という方向性を自覚していますから「どう頑張るのか」を意識しているはずです。
目的が「頑張ること」なのか、それとも「結果を出すこと」なのか。
このページでは「結果」にこだわってこれから解説をしたいと思います。
重要ポイントとそうでないポイント
では、実際の勉強方法を検討してみましょう。
ソムリエ協会教本は毎年3月ころに発売になりますが、おそらく注文して翌日に届くのそのスピードにびっくりすることでしょう。
ですがそれ以上に、持つとずっしり重いし、本を開けてみてその情報量の多さに圧倒されるはずです。
これを「頑張ることが大事」な人は、最初から丸覚えしていって、そしていいとこ10ページくらいでペースダウンすることになります。
当たり前でしょう。あんなものを最初から丸覚えしても、1ページ覚えても、次のページに行けば前の1ページを忘れるはずです。
では、「結果が大事」な人はどうするか?
まずは最初から最後までをパラパラめくり、全体像はどうか?どこにボリュームがあるか?などを把握することになります。
そして、教本はひとまず置いておき、情報収集をするはずです。
こんなに分厚い本を3月に配って、8月の本試験までに丸覚えできる人はそうはいない。
それだったらおそらく重要ポイントとそうでないポイントがあるはずだ。
このように機転を利かせるわけです。
ポイント①全体像を把握する
おそらく多くの人はここまで読むと、何となくピンと来ているはずです。
「結果が大事」な人は、おそらく一発合格する人で、「努力が大事な人」はそうでない人なんだと。
その通りです。「結果が大事」な人は、最初から丸覚えをすることを教本を見てあきらめ、情報収集に走ります。
ソムリエ、ワインエキスパート試験は可処分時間との戦いです。可処分時間とは、あなたが自由にできる時間のことで、その自由にできる時間の中から勉強時間を捻出するのです。
飲食店であればただでさえ長い勤務時間の後に、本来であれば睡眠時間にあてる時間を勉強時間にあてることになります。
「結果が大事」な人は、いろいろ調べて重要箇所とそうでない箇所を洗い出し、戦略として重要箇所を集中して覚えて、記憶の質にこだわろうという結論を導き出します。
一方の「頑張ることが大事な人」は最初から丸覚えしようとしていますが、どうもうまく進みません。
教本もほとんどは活字なので、イメージもしにくいし、次第に自分の好きなブルゴーニュとかイタリアワインのページをながめて、それで頑張っている気になってきました。
ポイント②捨て問を選ぶ
教本の様な分厚い本になると、当然項目によっては得意不得意が出てきます。
「結果が大事」な人は、可処分時間を検討すると、すべての分野をくまなく覚えるのは現実的ではないという結論を出します。
そこで、ドイツやオーストリア、スロベニアやクロアチアなどの超マイナー国については思い切って捨て問にすることにしました。
いろいろ調べると、これらを捨て問にしても、出題はおおくても8%以内であることがわかりました。
また、一次試験は四肢選択のCBT試験なので、まぐれでも4分の1は当たると楽観的に捉えようとしたのです。
一方の「頑張ることが大事」な人は、世界各国のワインがある中で、捨て問を作るなんてもったいない、という気合がありました。
捨て問を作るなんてワインに失礼だという気持ちもあったのでしょう。
得意不得意は考えずに、苦手な個所もゴリゴリ勉強しようと考えたのです。
ポイント③継続する
ソムリエ、ワインエキスパート試験は長丁場です。
5月6月ころになると、
「努力してもダメなんじゃないか」
「もしダメだったらこれまでの努力が無駄になってしまう」
などの思いが頭をよぎるものです。
この時に「結果が大事」な人は、長丁場だからこういうときもあると受け入れて、1週間全く学習しない期間をつくりました。
そして自分の好きなことや趣味の時間にあてて、リフレッシュしてコントロールしたのです。
「頑張ることが大事」な人は、頑張らない時期を作るのは予定に入っていませんから、相変わらずゴリゴリ最初から丸覚えをします。
ですが、当たり前ですがこれではいつまでたっても学習は進みません。
そしていつしか集中の糸が切れて、「これは自分の進む道ではない」とあきらめてしまったのです。
まとめ
いかがでしょうか、今回は「頑張ること」が大事な人と「結果が大事」な人を引き合いに出して検討してみました。
少し大げさに書いていますが、案外身に覚えのある人はいらっしゃるかもしれません。
ポイントをまとめますと
①全体像を把握する
②戦略的に捨て問を作る
③継続する
この三つが「結果が大事」な人のとったポイントでした。
・・・ここまでで何か気づきましたか?
「結果が大事」な人も、「頑張ることが大事」な人も、努力はしていますし、「結果が大事」な人も、頑張っていることには変わりないのです。
じゃあ、何がここまで差がついてしまったのか?それが努力の方向性なのです。
マラソンは、ただ自分のペースでだーっと走ればいいのでしょうか?もちろん違います。
相手のペースを検討し、全力で向かうところと力を抜くところを計算して走りぬくはずです。
では、力を抜いているときはサボっているのかと言われればそうではありません。
戦略的に力を抜いて、次の来るべきポイントに備えているだけなのです。
ただ全力疾走をすればいいのか?そんな精神論は早めに捨てて、楽になりましょう。
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