ソムリエ・ワインエキスパート二次試験 シャルドネの見分け方

こんにちは!今回はソムリエ・ワインエキスパート試験の二次試験でのシャルドネの見分け方についてご紹介させていただきます。

後述しますが、シャルドネは過去最も出題された品種です。私が受けた2022年のソムリエ試験でも出題されました。

しかし、品種自体にはこれといった特徴はなく、なんとなくテイスティングしてしまうと見分けがつきにくい品種でもあります。

今回は過去のソムリエ・ワインエキスパート二次試験での出題を分析し、外観、香り、味わいの観点から他の品種との見分け方を共有させていただきます。

 

ソムリエ試験・ワインエキスパート試験 シャルドネの見分け方

■過去の出題分析

まずは直近10年間でシャルドネが出題された試験を下記にまとめました。

 

2022年 ソムリエ フランス

2021年 ソムリエ フランス

2020年 ソムリエ 日本

2020年 ワインエキスパート フランス

2018年 ワインエキスパート オーストラリア

2016年 ソムリエ フランス

2016年 ワインエキスパート アメリカ

2015年 ワインエキスパート フランス

2014年 ソムリエ アメリカ

2013年 ソムリエ オーストラリア

 

なんと過去10年間でソムリエ・ワインエキスパート合わせて10回も出題がされています。単純に考えて2回受験すれば1回は出題されるといったかなり高い出題率です。

また、産地別でみると、フランスが10回中5回と非常に多いです。やはりフランスはブルゴーニュという世界を代表するシャルドネの銘醸地がありますからこれは自然なことかもしれません。

 

他の産地はアメリカとオーストラリアといったニューワールドが続きます。

正直アメリカとオーストラリアのシャルドネは特徴が似通っていますから出題者の意図としては産地をドンピシャリで当てることではなく、旧世界かニューワールドかを見分けられるかがポイントだったのでしょう。

 

そして2020年に日本のシャルドネが出題されており気になる方もいらっしゃるかと思いますが、これは正直プロでも見分けるのは難しいかと思います。。。

これはあくまで推測ですが、この年に出題された他のワインはフランスのソーヴィニヨン・ブランとイタリアのネッビオーロという比較的易しい出題でしたので、日本のシャルドネといった難問を出題することで難易度を調整したのでしょう。ですのでノイズと捉えていただいて問題ありません。

 

■外観での見分け方

ここから実際にシャルドネの見分け方に入りますが、シャルドネは大きく分けて「ステンレスタンク熟成」タイプと「樽熟成」タイプがあります。

それによって見分け方も異なりますので2パターンずつ考える必要があります。

 

まずステンレスタンク熟成のタイプは、シャブリを想定していただくと分かりやすいかと思います。

典型的な緑がかったレモンイエローの色調、そして透明感があります。

比較的冷涼な気候で造られるものが多く、アルコール度数も中程度ですので粘性はさほど高くありません。

 

次に樽熟成タイプですが、主にアメリカやオーストラリアなどニューワールドで造られるボリュームのあり力強い樽感のあるタイプやブルゴーニュに代表される程よい樽感があるタイプのシャルドネです。

暖かい地域で造られるワインが多いので、色調は黄色みが強くなり、濃度も濃くなります。

また、アルコール度数も高くなる傾向があり、粘性も高いものが多いです。特にニューワールドのものはアルコール度数が14%以上になることも珍しくありません。

 

ブルゴーニュのシャルドネはニューワールドのワインほどアルコール度数も高くないので、ステンレスタイプのシャルドネとニューワールドのシャルドネの中間のような外観になるかと思います。

 

■香りでの見分け方

白ワイン品種の見分け方の記事でもご紹介した通り、白ワインのテイスティングではまずニュートラル品syうとアロマティック品種を見分けることが第一のポイントです。

シャルドネはニュートラル品種ですので、これといった特徴はなく難しいのですが、あえて言えば香りの立ち方が穏やかなのが見分けるポイントになると思います。

 

ニュートラル品種というと、試験で出題されるような品種では甲州やミュスカデが考えられます。

しかし、ソムリエ・ワインエキスパート試験で出題される甲州やミュスカデはシュール・リーをしたものが多いです。

ですので香りの立ち方を見てニュートラル品種と考えた場合はシュール・リーの香りがあるかを確かめましょう。

ニュートラル品種で、なおかつシュール・リー由来のイースト香が無ければシャルドネが候補になるでしょう。

 

樽熟成タイプのシャルドネですと樽由来のバニラなどの香りがします。

試験で出題されるタイプの白ワインで樽熟成するワインは少ないので樽熟成をしていると感じたらシャルドネを疑いましょう。

 

■味わいでの見分け方

味わいでもステンレスタンクと樽熟成を分けて考えます。

 

ステンレスタンクタイプの場合、多くは辛口で爽やかな印象になります。

シャブリですとミネラル感がしっかりしていることも考えられます。

 

アタックはやや軽めで甘みはドライ、酸味は爽やかでアルコールは中程度です。というとソーヴィニヨン・ブランやリースリングなど他の品種とも同じような印象になります。

余韻がソーヴィニヨン・ブランやリースリングよりも短い傾向がありますが、そこはミュスカデや甲州と共通しています。

正直味わいだけでステンレスタンクタイプのシャルドネを見分けるのは難しいです。

 

ソーヴィニヨン・ブランやリースリングと迷ったら余韻の違いで判断、ミュスカデや甲州と迷ったら先述した香りで判断しましょう。

 

■間違いやすい品種

シャルドネはニュートラル品種ですので、やはり同じニュートラル品種のミュスカデや甲州とステンレスタンク熟成のシャルドネは最も間違いやすいです。

見分けるポイントはシュール・リー由来のパンなどのイースト香がするかどうかが分かりやすいです。

また甲州はグリ系品種といってブドウの果皮に色がついている品種ですので、出来上がるワインもうっすらグレーグリーンと呼ばれる特徴的な色調があります。

 

ニューワールドの樽熟成タイプのシャルドネはほぼ他に紛らわしい品種はないと思います。

ふくよかで樽感のしっかりしたコテコテの白ワインが出たらニューワールドのシャルドネの可能性が高いです。

 

ブルゴーニュの程よい樽感のシャルドネはアリゴテなどが間違いやすい品種でしょう。

アリゴテはシャルドネよりもやや酒質が軽めに仕上がります。

とはいっても他の特徴は酷似しています。合格者でも見分けることは難しいでしょう。

こういった時のコツなどを伝えられるのが一番なのですが、私はあえて「諦める」ことをお勧めします

 

これは決してネガティブな意味ではありません。

たしかにブルゴーニュのシャルドネとアリゴテは似た品種ですが、だからこそ他の香りや味わいのコメントは似たものになります。

さらにはアリゴテはほぼブルゴーニュのものが出題されるでしょうから、生産国は正解できることになります。

ですのでブルゴーニュのシャルドネとアリゴテを迷ったとしても間違えるとしたら品種くらいなのです。

品種というたった一問の正誤に囚われず、「他は間違えないので大丈夫だ」くらいの心持ちで試験に臨むことが大切です。

 

■まとめ

今回はシャルドネの見分け方についてご紹介しました。

シャルドネにはステンレスタンク熟成のタイプと樽熟成のタイプがあり、シャルドネという1つの品種でも2つのパターンを考える必要があります。

 

ステンレスタンク熟成のタイプでは外観が緑がかっていて粘性は中程度、香りの立ち方が穏やかでシュールリーなどの特殊な香りもなく、爽やかでミネラル感があります。

 

樽熟成タイプでは色は黄色を帯びていることが多くニューワールドのボリュームのあるタイプでは粘性が高いです。

香りは樽由来のバニラ香があり、味わいも強くなっていることが多いです。

 

また、紛らわしい品種が過去に出題されているデータもありますが、時には見切りをつけて他の項目でしっかりと得点する意識も重要です。


 

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