【ソムリエ試験の教本とは】”流し読み”と”精読”を使い分けよう

【最終更新日】2023年10月13日

こんにちは!今回はソムリエ協会の教本についてお話させていただきます。

教本はソムリエ協会が発行している本で、受験の申し込みをすると送られてきます。(購入することも可能です)

 

この本が送られてくると多くの受験生が絶望をすることになります

教本は毎年改訂がされているのですが、年々ボリュームが増えてきており、800ページを超え辞書のようになってきています。

ちなみに2021年は黄色の表紙だったのですが、タウンページと揶揄されていましたね笑

これを見ると受験生はやる気を失ってしまうのも無理ありませんが、教本は果たして試験に必要なのでしょうか。

また、

「教本は長く読みづらい、もっと効率的に学習する方法はないのか。」

そんな悩みを持つ受験生も多いと思います。

 

本記事ではそんな悩みにお答えし、教本の重要性を明らかにし、少しでも教本での学習が苦でなくなるように学習方法などをご紹介できればと思います。

 

 

ソムリエ協会教本とソムリエ試験

教本の重要性

さて、前述の通り教本は非常に情報量の多い本です。

受験生にとっては、これを読んで覚えろと言われても途方もない作業のように思えます。

しかしソムリエ試験の一次試験はこの教本から全て出題されます。これはソムリエ協会HPではっきりと表記されているため、逃れようのない現実です。

 

さらに、教本はワイン業界でも著名の方が書いてあったり、毎年改訂があるため情報の鮮度も高いです。

ですので、受験生のみならず、ワイン業界に身を置くすべての人にとって非常に重要な書籍となっています。

 

書店に行くと、ソムリエ試験対策と銘打った参考書や問題集がたくさん並んでいますが、それらは全て教本を元に内容を削ったり、分かりやすい表を追加したりして書かれています。

中には教本にないことを書き足している書籍もありますが、残念ながら試験は教本の内容から作成されるため、そういった内容は試験では一切出題されません。

ですので教本はソムリエ試験受験において、他のどの書籍よりも重要です。

 

最新の教本は必要か?

教本は毎年発行されますので、よく聞かれる質問で「最新の教本で勉強しないといけないのか」と疑問に思われる方は多いです。

これについては表現があいまいで申し訳ないのですが、ここ2~3年の教本で勉強しても合格する人は合格します。

ただし本気で合格を考えている人で過去の教本で勉強するのは合理的ではないので、結論、最新の教本で勉強することをお勧めします。

 

当たり前ですがソムリエ協会教本はソムリエ協会側からすればいい収入源です。

ソムリエ試験で最新の教本から出題をしないと「最新の教本からは出題されないから過去の教本で学習すればいい」という雰囲気が醸成されてしまいます。

こうなると発行部数にも影響が出ますし、何よりも試験そのものが舐められてしまい、権威性の低下につながる可能性があります。

そのため運営側としては最新の改訂個所から適切な問題数を出題し、こうすることで「受験するのであれば最新の教本を購入するべきだ」という流れを作るのが経済合理性です。

 

「いやいやそんなことはない。知り合いに過去の教本で学習した人を知っている」という人もいるかもしれませんが、実際の試験での心理を甘く見ている可能性が高いです。

この試験は毎年難易度が上がっているため、受験者は相当のプレッシャーとストレスを抱えることになります。

どんな受験生でも1点でも多く得点が欲しいと考えるのが普通の心理の為、この心理が理解できないと「最新の教本でなくてもいい」という発言になってしまうのです。

 

ソムリエ試験・ワインエキスパート試験の勉強時間についてはこちらをご参考ください→

 

合格後も毎年教本を買うのは踊らされている

また、これはカチンとくる人もいると思いますが、合格後も教本を毎年購入して、「最新情報をゲットしないといけない」と思っている人もいますが、言いづらいですが踊らされています。

もちろん教本は重要な書籍ですし、試験は教本から出題されますが、じゃあ教本が絶対的に正しいのかはわからないし、ワインの世界は単純な正しい正しくないで判断できるほど浅くないです。

 

もちろん試験関係者さんや試験関連のコンテンツに従事している人は最新の教本は必須ですが、そうでない場合は機械的に毎年購入するのは冷静になったほうがいいかもしれません。

教本をワイン界のバイブルだと思って毎年購入する人は一定数いますし、受験もしないのに毎年の最新情報をくまなくまとめてSNSにアップする人もいらっしゃいます。

ただし合格後の実務やワインライフではいいとこ3~4年に一度購入して、大体の流れを把握すれば対応できますし、合格後にいつまでも教本に頼っていると「自分で回答を探す」という最も大事なフェーズを無駄にする可能性が高いです。

 

生意気なことを言って本当に申し訳ないと思いますが、WBSで学習をした人であれば納得できる人も多いはずです。

 

 

教本を読むのがつらい人へ 精読はNG!

教本を読むのがつらいと感じている人は多いと思いますが、そんな方におすすめしたいのが「流し読み」です。

 

皆さんは初めて教本を読むときにいきなり精読をしていませんか?

 

精読とは細かいところまで注意して読むことです。

一見精読は細かく丁寧に読むので学習効果が高いように感じられますが、逆効果になってしまうこともあります。

特に初めて教本を読むときには精読はしない方がよいです。

 

なぜなら人間の脳は認知負荷というものがあり、これが教本の読み込みのハードルを上げているからです。

認知負荷とはなにか?ざっくり言うと初見の情報を取り込む際に脳に負荷がかかる。というものです。

 

皆さんが初めて教本を読まれた際に、知らない単語やA.O.C.名がずらりと書かれていて読むのが疲れませんでしたか?

もう読みたくない!と思った方もいらっしゃるかと思います。

それがまさに脳に負荷がかかっている状態です。

 

 

流し読みの重要性

そこで一度流し読みをしてみるのです。

流し読みのコツは「読む」というより「見るだけ」というイメージで読み進めることです。

文章全てを目で追っていくのではなく、単語や地図や表の形や大きさ、概要だけを見るということを意識しましょう。

この時、ご自身の得意な分野や興味のある分野は流し読みせず精読していただいて構いません。

既にある程度知識を持っている範囲であれば負荷が少なく読み進めやすいと考えられます。

 

この意識で読み進めると、教本1冊でも3時間程度で読み終えられると思います。

そして流し読みで一度読み終えてから2回目に精読をすると、初見の情報ではなく一度見たことのある情報ですので、脳への負担が少なくなり、読み進めやすくなるはずです。

 

 

教本なしで合格できるのか?

教本の重要性も分かったし、読み進め方も分かった。しかしそれでも教本を学習するのは億劫。。。できれば教本なしで合格したい。という方もいらっしゃるかもしれません。

 

私の考えとしては、不可能とは言い切れないですが、教本なしでの合格は厳しいです。

 

まず、ソムリエ試験は教本の内容から問題が作成されています。

そして教本は毎年改訂がされています。

2023年の教本ではコーヒーや茶など飲料が大きく追加され、ハンガリーも大幅に編集されました。

 

書店にはソムリエ試験の参考書が販売されていますが、これらはソムリエ協会には関係ない人が教本をまとめたり編集したものです。

参考書もきちんと毎年改訂されてはいますが、それが完璧かどうかは教本を読まないと分かりません。

参考書を書いているのも人間ですから教本の改訂に気づかず古い情報のまま出版してしまうということもあり得ます。

 

もし教本を一切使わず、間違った情報が載っている参考書で勉強していたとしましょう。

参考書が間違っているとは気づかず間違った情報を信じて勉強し、せっかく勉強して覚えたのに本番では誤答をしてしまうという最悪な結果になってしまいます。

ですので、教本を一切使わずに合格を目指すのはやめた方がよいです。

参考書はせめて教本を読む前の導入として読むなど、教本とセットで使うようにしましょう。

 

教本の効果的な学習方法

私が教本の学習方法として、

「流し読み」→「精読」→「問題を解く」→「復習」

の4つを順番に行っていました。

 

前述の通り、まず流し読みをすることで、全体像を掴みます。

 

その後精読を行い、詳細の内容を頭に入れていきます。

ここでは記憶を定着させようとする必要はありません。

教本の内容全体を「こんな内容もあったな」と思い出せる程度で大丈夫です。

 

ある程度精読が終わったら実際にソムリエ試験の過去問など、「問題を解く」練習をしましょう。

いくら教本を読み込んでインプットの練習をしても、アウトプットする練習をしておかないと、なかなか試験本番で解答を思い出すことができません。

問題文を読んで何となく内容は見たことがあるのに、肝心の答えが思い出せない、、、

(これ、試験本番だとめちゃくちゃ悔しいです)

問題集は書店で販売されているものでも良いですし、WBSの練習問題もおすすめです。

ただし、書店の問題集を購入する際は必ず最新版を選びましょう。

 

問題集を解いたら、間違えた問題はノートにまとめたり、本に印を付けておくなどして残しておきましょう。

地道な作業ですが、これが良い「復習」になります。

言わば、自分が分からない箇所だけを集めたオリジナルの問題集なので学習効率は非常に良いです。

後はこの「問題を解く」と「復習」を繰り返していきます。

良くひたすら問題集を解きまくる方がいらっしゃいますが、自分が既に記憶出来ている問題を繰り返し解いても何も得るものがありません、、

分かっている問題を解くのは時間の無駄です!

どんどん自分の弱点だけを抽出して、その問題だけを復習していきましょう。

復習する際は、その箇所だけ教本を読み直すことも効果的です。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は教本についてお伝えさせていただきました。

 

まとめますと、教本は試験問題の元になっている書籍で、情報の鮮度も高く、非常に重要です。

また、参考書なども使えますが、改訂漏れなども考えられるため、教本なしでの勉強はおすすめできません。

 

教本を読む際はいきなり精読はせずにまず1回目は流し読みをすることで、2回目以降スラスラと読みやすくなります。

 

教本で学習する順序はまず「流し読み」をしてから「精読」してから「問題を解く」練習と「復習」をひたすら繰り返すということをご紹介させていただきました。

このサイクルを3〜5回は繰り返していただくことで、かなり合格ラインに近づけるのではないかと思います。


 

【ワインブックスオンラインスクールのご案内】



このサイトは、ワインブックススクールの運営です。

ワインブックススクールでは、月額2200円で、いつでも、どこでも、誰でもワインの学習ができる環境が整っています。

ソムリエ・ワインエキスパート試験の対策に

趣味のワインライフに

エクセレンス試験の対策に

飲食店の頼もしい見方に

ご活用ください。必ずお役に立てることをお約束します。

WBSのソムリエ・ワインエキスパート試験対策講座はこちら→


  ワインビジネスをご検討のお店様、企業様へのワインコンサルタントも行っています。

ワインエキスパート試験とは?試験の全体像はこちら→

ワインブックスにお越しいただいてのテイスティング講座はこちら
ワインブックスのテイスティングコースはこちら→