【最終更新日】2023年10月13日
こんにちは!今回はソムリエ・ワインエキスパート試験の二次試験でのピノ・ノワールの見分け方についてご紹介させていただきます。
ピノ・ノワールといえばフランスのブルゴーニュが有名ですが、試験ではブルゴーニュのピノ・ノワールは出題されない印象があります。
ソムリエ・ワインエキスパート試験で重要なのはむしろニュージーランドやアメリカなどニューワールドのピノ・ノワールです。
今回はソムリエ・ワインエキスパート二次試験ではどのようなワインが出題されているのかを分析し、外観、香り、味わいの観点から他の品種との見分け方を共有させていただきます。
ソムリエ・ワインエキスパート二次試験 ピノ・ノワールの見分け方
■過去の出題分析
まずは直近10年間でピノ・ノワールが出題された試験を下記にまとめました。
2020年 ワインエキスパート ニュージーランド
2015年 ソムリエ ニュージーランド
2014年 ソムリエ フランス
2014年 ワインエキスパート アメリカ
2013年 ワインエキスパート アメリカ
過去10年間で5回とまずまずの出題頻度ですが、注目すべきは産地がニュージーランドとアメリカといったニューワールドに偏っていることです。
これは出題者の意図を汲むと分かりやすいのですが、試験と言っても損益を考えなくてはなりませんから、あまり高額なワインを出題するわけにはいきません。
これは肌感覚ですが、ソムリエ・ワインエキスパート試験で出題されるワインの価格はおよそ2,000~3,000円くらいで収まっていると感じます。おそらくこれ以上安価なワインになると品種や産地の個性が分かりづらくなるからでしょう。
ブルゴーニュのピノ・ノワールは現在価格が非常に高騰しています。
ACブルゴーニュであったとしても5,000円程度するのは当たり前になってきています。2,000円程度で買えるものもまだあるにはあるのですが、試験に出すにふさわしい品種や産地の個性が出ているかというと疑問が残るものも多いです。
となると試験でブルゴーニュのピノ・ノワールを出すのは少し厳しいと言えそうです。
もちろん出題される可能性はゼロではありませんが、試験で出されるピノ・ノワールで意識するべきはブルゴーニュよりもニューワールドのピノ・ノワールです。
産地は異なっていても香りや味わいのコメントの方向性は同じですから難しく考えなくても大丈夫です。
■外観での見分け方
赤ワインの外観は大きく分けてルビー(ラズベリーレッド)色とガーネット(ダークチェリーレッド)に分けることができます。
ピノ・ノワールは典型的なルビー色です。
カリフォルニアなど一部色の濃いピノ・ノワールも造られていますが、かなり特殊なワインなので試験で出題されるとは考えにくいです。
受験生の皆さんは典型的な若いピノ・ノワールの色である紫がかったルビー色と捉えてください。
また、アルコール度数は14.0%以上と高いもの存在しますが、多くは13%程度です。
粘性もそれに伴ってやや軽い~やや強いあたりになっていると思います。
ルビー色をしている品種は他にマスカット・ベーリーAやガメイが挙げられますが、外観だけで見分けるのは困難です。
香りや味わいと併せて検討しましょう。
■香りでの見分け方
ピノ・ノワールは高貴品種と呼ばれますが、それほど香りが豊かに広がります。
果実の香りはラズベリーなど赤系果実の香りが中心です。
他によく言われるものですと、紅茶などの茶葉っぽい香りが挙げられます。
また、全てのピノ・ノワールに当てはまるわけではありませんが、ピノ・ノワールはタンニンが穏やかな品種ですので全房発酵されることが多く、個人的には茎っぽい青々とした香りを感じることもあります。
青々とした香りといってもカベルネ・ソーヴィニヨンなどのピーマン香とはまた違った印象です。
そもそもカベルネ・ソーヴィニヨンは外観がガーネット(ダークチェリーレッド)色をしており、味わいもピノ・ノワールと比べてフルボディでしっかりとした印象がありますので、見分けるのは容易だと思います。
同じルビー色のワインになるマスカット・ベーリーAと比べるとピノ・ノワールにはキャンディ香はありません。
■味わいでの見分け方
ピノ・ノワールはミディアムボディのワインに仕上がる品種ですので、コメントもそれに沿ったものになります。
アタックはやや軽く、甘みは「ソフトな」程度です。
そしてここがピノ・ノワールの特徴的な部分ですが、酸味がしっかりとしていてタンニンはきめ細かく溶け込んだ印象です。
前述した通りアルコール度数はそこまで高くならないので中程度です。
余韻ですが、ピノ・ノワールは高貴品種ですので、長くなります。ガメイやマスカット・ベーリーAは高貴品種ではありませんので、ピノ・ノワールと比べると余韻は短い傾向にあります。
■間違いやすい品種
やはり赤ワインでは似た色合いの品種、具体的にはマスカット・ベーリーAやガメイが間違いやすいです。
カベルネ・ソーヴィニヨンやシラーなどはまず外観から異なります(ピノ・ノワールはルビー色、カベルネ・ソーヴィニヨンやシラーはガーネット色)ので、迷うことは少ないかと思います。
マスカット・ベーリーAやガメイはピノ・ノワールと同じく赤系果実の香りが特徴的です。
見分けるポイントとしてはピノ・ノワールは高貴品種ですので、香りの立ち方も豊かで余韻が長いです。
マスカット・ベーリーAやガメイはどちらも高貴品種ではなく、香りもシンプルでチャーミングな印象があります。
また、マスカット・ベーリーAはアメリカ系品種ですので、フォクシーフレーバー(キャンディのような香り)があります。
ガメイが見分けるのが難しいですが、ピノ・ノワールの方が、香りに複雑性があり、酸味やコク、長い余韻があります。
■まとめ
今回はピノ・ノワールの見分け方をご紹介させていただきました。
ピノ・ノワールはルビー色の色調をする品種の代表格です。
外観はルビー(ラズベリーレッド)色をしており、粘性はさほど高くなりません。
他の品種でも共通ですが、若いワインが出題されますので紫がかった色調をしています。
香りは赤系果実が主体となります。
その点で他のカベルネ・ソーヴィニヨンやシラー、メルロなどとは見分けがつきます。
ルビー系の品種には他にマスカット・ベーリーAやガメイがありますが、マスカット・ベーリーAはアメリカ系品種ですので、ピノ・ノワールにはないフォクシーフレーバーと呼ばれるキャンディ香があります。
ガメイは香りはピノ・ノワールに近い部分もありますが、カジュアルな品種ですので、ピノ・ノワールと比べると酸が穏やかで深みはさほどなく、余韻も短めになることが多いです。
また、ピノ・ノワールというとブルゴーニュをイメージしがちですが、試験で出題されるピノ・ノワールはニュージーランドやアメリカなどのニューワールドのものが多いです。
ニューワールドのピノ・ノワールはブルゴーニュのものよりも少しふくよかに感じる場合がありますので注意しましょう。
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