【最終更新日】2020年8月30日
飲食店の創業計画書も今回でようやく一つの区切りです。
これらを完成させたうえで添付資料を提示して、結果を待ちます。
もちろん融資が受けられるかどうかはこの段階ではわかりませんが、少なくとも手ごたえは感じるはずです。
また、ご自身で計画書を作成する場合は作成している途中で「これはいけるぞ」というものを感じるものです。
このサイトに書いてあることを研究していただき、
「なぜこの数値はこうなるのか」
「なぜこのような書き方をするのか」
を探ってもらえれば完成度は何倍のもなることでしょう。
それでは、最後の回は資金繰り表のうちの資金計画です。
資金繰り表の記載②資金繰り表
利益計画との違いは?
前回のエントリーで資金繰り表のうち、利益計画を作成しました。
利益計画は、「いくら売って、いくら儲かるんだ」という人月単位の計画表になります。
それに比べて資金繰り表は「この段階でお金はいくらくらいあるんだ」という時系列の説明になります。
飲食店の経営は、最初のうちは赤字が続き、赤字幅が縮小され、その後に黒字化するという流れになることが多いです。
今回のパターンは初月から黒字という超強気の計画を出していますが、これはFCフランチャイズの強みと言っていいでしょう。
また、立地がいいのでいわゆる駅前商売のようなスタートダッシュが期待できます。
しかし普通はこんなことはそうそうありませんので、現実にあった資金計画を粘り強く書き込んでいくのです。
では、資金繰り表の最初の3か月を見てみましょう。
まず一番上は売り上げと、実際の回収を記載します。
売り上げは、飲食店の場合、
①現金払い
②クレジットカード
③会社請求
大別するとこの3つが多いですが、クレジットカードを受け付けない場合はほとんどは現金売り上げになります。
今回のパターンは現金売り上げのみなので、当月の売り上げがまるまる回収できています。
これが専門料理店であったり、ある程度の客単価のお店であればクレジットカード払いに対応しないと客離れを起こしてしまいます。
そのため、5000円以上の客単価のお店の場合、売り上げの半分はカード払いということも少なくありません。
この場合はカード会社のサイクルにもよりますが、多いのは月中と月末でしめて、翌月の1日と16日に支払うというものです。
また、クレジットカード会社は3~5%の売り上げに応じたカード使用料を支払うことになりますが、これが馬鹿になりません。
業態によってはカード払いの支払いサイクルと支払手数料が考察されずに資金繰りを計画して計画倒れになることもあります。
必ず押さえておきましょう。
その下に、支出分の記載があります。
通常は、取引先は月締めで翌月末払いが多いので、開業当月の支払いは今回のようにゼロのことも多いです。
そのため、今回のケースでは売上金額がまるまる利益になる夢のようなシステムになっています。
人件費率やFCロイヤリティ、水道光熱費はこれまでに記載したものと必ず一致したものを記載しましょう。
財務収支
カラーの部分の下に「財務収支」がありますが、この部分は、実際のお金の動きの結論を記載します。
初月に自己資金と借入金額で4500万円がまず加算されます。
そこから返済利息やオーナーの給料(役員報酬)、設備の購入(内外装費など)を差し引き、具体的にいくら手元にあるのかの結論を出します。
前述したように今回のビジネスモデルは
①スタートダッシュの期待できる立地と業種であること
②売り上げのすべてが現金売り上げであること
③買掛金のほとんどが翌月末払いであること
この三つが重なった結果、初月の売り上げで不足分を補うウルトラCを回避しています。
当たり前ですが、設備費用や厨房設備は数年ごとに買い替えをしたり、修理に出したりしますのでその金額もここに反映させます。
まとめ
利益計画と資金計画は、通常は3年分の記載で問題ありません。
また、売り上げの変動で説明したように、飲食店経営は売り上げにばらつきがあるビジネスモデルなのでそれは必ず反映させます。
これらに加えて見積書や賃貸契約書などを添付して、最終的にひもなどでつづってひとまとめにして提出します。
また、融資申し込みはいくつか窓口がありますし、最初の一つ目が失敗に終わる可能性もありますので、必ずコピーを提出し、原本を窓口で確認をしてもらうようにしましょう。
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