【最終更新日】2023年10月13日
こんにちは。ワインブックスの前場です。
ソムリエ試験、ワインエキスパート試験は毎年7月後半から8月末までが1次試験になっています。
一次試験はCBT方式の筆記試験で四肢択一の60問120分の問題形式で、おおむね毎年1次試験で全体の半分が振り落とされることになります。
試験全体の合格率はボラティリティがありますがおおむね40%前後の合格率です。
そこから考えるとどうしても最大のヤマは一次の筆記試験ということになります。
WBSの場合はほとんど方が1~3月に入校されて、通常講義を受けながらスケジューリングをこなして6月に講義は終了し、その流れで1次試験に臨みます。
WBSはスケジューリングについてはかなり手堅く考えていますので、一般講義に合わせて学習された方はほとんどスケジューリングについては調整に成功されています。
そのなかで、どうしてもスケジュールの中に入れて考えておくべきなのが「追い込み」になります。
どのような資格試験、進学受験であっても追い込みはあるはずです。おそらくあなたも一度は経験したことがあるでしょう。
例えば試験直前の1か月は普段の勉強時間の倍を費やすとか、2週間前から一日6時間勉強するとか、こういうのが一般的な感覚の「追い込み」でしょう。
ソムリエ試験、ワインエキスパート試験も資格試験ですから当然「追い込み」はあります。
ただし追い込みと言っても「正しい追い込み」と「間違った追い込み」がありますので、ここで解説をします。
最初にお断りになりますが学習の仕方は人それぞれですので、当然追い込みの形も人それぞれになります。
しかし、一般論とされている追い込みの形にはやはり正解があって、それに加えて受験指導をしている僕の知見を盛り込んだ追い込みの紹介になります。
WBS生の方であれば納得できるところが多いかもしれませんが、オープンコンテンツなので違和感をお感じの方もいるかもしれません。
この場合はあらかじめご了承いただいたうえで読み進めることをお勧めします。
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目次
ソムリエ試験・ワインエキスパート試験の「追い込み」とは?
一次試験1か月前をめやすに考えよう
資格試験にせよ進学受験にせよ、受験生のスケジューリングで一番念頭になるのはほとんどが1か月前ではないでしょうか?
日付の単位は日、週、月、となりますがさすがに1日前では追い込みでも何でもありませんし、1週間前でも何となく足りないと感じるはずです。
そうなると1か月前というのが一番意識をするボリュームゾーンになる、ということでしょう。
ただし、1か月前からいきなり追い込みをしてしまうとさすがに息切れをしてしまう可能性がありますし、案外1か月は長いので追い込みの中に中だるみが生まれる可能性があります。
そのため最適解は1か月前には強く意識をするけれども、実際の追い込みをするのは3週間前からとか、そのようにイメージをしながらスケジューリングをするのが最適解です。
「悪い追い込み」とは?
では、実際に追い込みをするにあたって良い追い込みとはを検討しましょう。
だだしここは「良い追い込み」を検討する前に「悪い追い込み」を検討したほうが良い追い込みをイメージしやすいです。
悪い追い込みはチクリと来る人もいるかもしれませんし、耳が痛い人もいるはずですが、その中でも頷ける方は多いはずなので、お付き合いください。
悪い追い込みの中でもぶっちぎりの最悪は「新たに手を広げる」です。
どの資格試験でも「悪い追い込み」で検索すると真っ先に出てくるのがこれになります。
ソムリエ試験、ワインエキスパート試験であればこれまで学習したことのない範囲をいきなり教本の丸暗記をしようとか、これが「新たに手を広げる」に該当します。
例えばそれまで「アルゼンチンは捨て問にする」と思って一切勉強してこなかったのに、試験直前になって急に不安になって教本を一日に何度も読み込んで丸暗記をする、これは悪手中の悪手です。
また、追い込みであるにもかかわらず焼き切れるほど長時間の勉強をする、新しいノートづくりをするなども有名な「悪い追い込み」です。
煎じ詰めれば「悪い追い込み」とは、これまでの学習方法と一気にスタイルを変えるものです。
厳しい言い方をすれば、他者から見ればこれは追い込みではなくて「悪あがき」と映ることがほとんどでしょう。
「良い追い込み」とは?
では逆に「良い追い込み」とはどのようなものでしょうか?
先ほどの悪い追い込みを読んでいただければ何となくイメージがしやすいでしょう。
・新しい範囲に手を出さない
・新しいノートを作らない
・焼き切れない程度の、集中力を保てる学習時間に限定する
これが「良い追い込み」になります。
せんじ詰めれば「これまでの学習範囲の復習で、一気に記憶の質を高める」これが良い追い込みです。
追い込み前までは、「なんとなくの記憶」でいい
WBSの考える良い追い込みは、ずばり「記憶の質を高める」学習です。
記憶の質を高めるとは、それまでは何となくの記憶であったところを鮮明にさせ、本試験で正解を選択できるところまでもっていく作業です。
WBSでは、追い込み前までは記憶の質についてはこだわらなくていいし、むしろ記憶の質にこだわるのではなくて「不完全でいいので先に進む」をお勧めしています。
もちろん完全に記憶をして次に進むのは気持ちがいいですし、本当に優秀な人にはその方が向いているはずです。
ただしこれではボリュームゾーンの学習ではないし、そこまでの優秀な方であればそもそもボリュームゾーンの理屈は必要ないはずです。
「不完全な記憶でいい」という意味はなにも「完全にスルーして次に進む」のではありません。
「読み込みはするけど、1か月後には綺麗に忘れてしまった」のイメージです。
例えばそれまではメドック61シャトーが何となくぼんやりとしていて、いきなり「シャトープージェは何級か」と言われても答えられなくても何の問題もありません。
なぜならこの段階で「シャトープージェがメドック61シャトーの中にある」というのがわかっていますから、試験範囲として認識はできているし、あとはこの「何となく」を追い込みで鮮明化させればいいからです。
追い込み時期こそ「いつもの生活」にこだわろう
もう20年前の話なのでさすがに言ってもいいだろうと思いますのでやや笑い話を含めて紹介します。(フィクションを交えています)
僕の昔の後輩で、ソムリエ試験に5回不合格して、その後にあきらめた人がいました。
その後輩は実際の営業では良い接客をするし、お店には無くてはならない存在なのですが決定的に「ここぞというときにここぞということをしてしまう」癖があったのです。
あなたの周りにも絶対にいるはずです。「なんであの人はこの時にドンピシャな悪手をするんだろう」という人。
普段の練習では良いパフォーマンスを見せているのに、本番に限って余計なことをして、墓穴を掘る人です。
この手の人は、見ている分には親しみも持てるし、愛される素地を持っていることが多いのですが、さすがにあなたがこの手の人になるのはダメです。
その後輩は普段は笑顔も決まっているし、愛想笑いもスマート。つまらないことを誰かが言っても笑って返してくれる優しい心の持ち主でした。
でも、なんかどこかでミスをするし、そのミスが「お前ここでこれすんのか?」的な絶妙なタイミングなことが多いのです。
その後輩は、試験当日に気合のあまり朝食にかつ丼をたべて、勝利のゲン担ぎをして試験会場に行ったそうなのです。
当時はCBT試験ではなくて会場集合型の試験だったのですが、普段はそんなことをしないため会場で気分が悪くなり、半分も試験ができなかったと報告をいただきました。
ヒューマンエラーは誰でもあるし、別に攻めることじゃない。でもこれじゃ合格できない。
こういうことをする人は怒っても治らないし、怒っても「なんでそんなことで怒るのか」と思うことが多いのでたちが悪いことがほとんどです。
自分では正しい行動をしていると思っているので、勝手に明後日の方に行っていることに気づいていないのでどんどん合格から離れていきます。
一事が万事なので、結局どの分野にも自分なりの考えとアクセントを加えて、そしてどんどん明後日の方向にすすみ、目的から遠ざかるのです。
WBS生の方には釈迦に説法ですが、追い込み時期にこそ普段通りの生活をするように心がけ、目新しいことやゲン担ぎは絶対にしないようにしましょう。
まとめ
いかがでしょうか?今回はソムリエ試験、ワインエキスパート試験の追い込みについて解説をしました。
まとめると、
・追い込みにも「良い追い込み」と「悪い追い込み」がある
・悪い追い込みは「新しい範囲に手を広げる」「新しい資料を作る」など
・良い追い込みは「これまでのぼんやりした知識の鮮明化」に尽きる
・追い込み時期にこそ目新しいことはせず、普段通りの生活を心がける
これが正攻法でしょう。ここまでお読みのあなたであれば息を吸うように、自然に理解できるはずです。
追い込みは試験直前ですが、試験直前に焦ってするものではなく、予定に組み込んでするものです。
決して追い込みという名の悪あがきにならないよう、普段の学習でも意識をするようにしましょう。
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