ワインのテイスティングとは?表現方法と取り組み方の解説

【最終更新日】2022年11月8日

こんにちは。ワインブックス前場です。

冒頭、記事の根拠のため若干自己紹介をさせていただきます。

僕は30代のころまで飲食店を経営していて、30歳の時に国内のソムリエコンテストで優勝した経験があります。

その後に10年ほどワイン業界を離れ、法律とインターネットを勉強し、数年前にワイン界に戻ってきました。

 

現在ではワインジャンル最大規模のチャンネル”ワインブックス”を運営し、教育機関としていつでもだれでもどこでも学習できるワインスクール「ワインブックススクール」も運営しています。

ワインブックススクール(以下WBS)では、2年目ではありますがお陰様で多くの生徒様に恵まれ、経験を積ませていただきました。

 

また、初年度から上級資格のエクセレンス試験の一発合格者も出すことに成功し、2022年度からエクセレンス対策講義もはじめ、こちらも大変に好調です。

 

この記事では、あなたがソムリエ・ワインエキスパート試験を受験するにあたって、二次試験テイスティングの勉強方法と具体的なとるべきアクションプランを解説しています。

 

おそらくあなたはテイスティング試験というとワインの銘柄を産地、ぶどう品種、収穫年をぴたりと当てる、あのテイスティングを思い浮かべているはずです。

もちろん最終的には結論を言うときには産地やブドウ品種、収穫年を言い当てることになります。

しかし少しソムリエ試験、ワインエキスパート試験を研究すると、「試験でのテイスティングの形」はずいぶんと違うことに早くに気づくはずです。

 

僕は多くの生徒様に教える立場ではありますが、僕よりも味覚や嗅覚が鋭い人はたくさんいるはずです。

おそらく単純な数値でいえば僕の味覚や嗅覚は平均値もいいとこでしょう。

実際にコンクールに出場していた時は僕よりもテイスティングができる人はおおく、驚かされることばかりだったことを覚えています。

 

「なんだ、味覚・嗅覚はテイスティングのかなめじゃないか。それが平均値で人に教えることなんてできるはずがない」

こう思う人もいると思いますが、じゃあ実際のソムリエであれば、経験がある人ほど「味覚や嗅覚は人並で十分」と答えるはずです。

 

では、なぜ「味覚や嗅覚は人並みで十分」なのでしょうか?

それはソムリエはワインと消費者を結ぶパイプ役だし、ワインエキスパートはワインを飲み手として消費者に広める役目だからです。

つまりお客様やワインに興味のある人に、「どのようにこのワインをお伝えするか」の方が鋭い感覚よりもよほど重要なのです。

 

目の前のワインを、自分以外の人にどのように伝えるか、どのように広めるか、という視点に立てば、おのずと「どう表現するか」に力点が置かれた試験になるはずです。

このような経緯から、ソムリエ、ワインエキスパート試験は「ワインをどのように他人に伝えるか」「どう表現するか」が反映された試験になっているのです。

 

では、「どう表現するか」を評価する試験だとわかったうえで、少しずつ最後まで、踏み込んでみましょう。

読み終わるころには、きっとあなたはこの試験の全体像が分かり、自信めいたものをお感じになられるはずです。

 

 

 

ソムリエ二次試験 テイスティング対策講座

テイスティングの目的

冒頭、試験のテイスティングとは若干離れますが、テイスティング全体の理解のうえでどうしても必要な知識だけ、ざっくりとおさえましょう。

 

ワインのテイスティングは、大まかに言えば

 

ワインの特性を自分以外の人にもわかりやすく伝える

・ワインの大体の価格を想定する

・ワインの栽培醸造・熟成状態を探る

 

ことが目的です。

 

もちろん、最終的にブドウ品種や生産地域、ヴィンテージを当てることができるようになれば、それこそがワイン通の醍醐味かもしれません。

しかし、実際にソムリエコンクールの決勝戦でも5個ワインがあったらいいとこ2つまでの正解にとどまっていることからも、全てをどんぴしゃで言い当てることは現実的ではありません。

 

ワインのテイスティングは、正しい姿勢で取り組めば、理解や楽しさが一気に深まる一方で、間違った覚え方をすると途中で修正することができず、それだけで大きなリスクを背負うことになります。

実際、私も最初はどの意見を参考にすればいいのかわからなかったため自己流でテイスティングを始めましたが、あとあと考えればひどいテイスティングを繰り返していました。

幸いにも早い段階で修正することができ、後日ソムリエコンクールで優勝することができるまでになりましたが、あのまま自己流でトレーニングをしていたらと思うといまでもぞっとします。

基本をおさえれば伸びる

「今までワインなんて味見程度にしか飲んでいない」

という人も、ワインのテイスティングはしっかりとした方向性であれば驚くほど伸びる可能性が高いです。

 

これは、いきなり嗅覚が優れるようになったり、味覚が鋭敏になるということではなく、感覚的だったものが可視化されることによっておこるものです。

 

例えば香りであれば、それまでは

「なんとなくいい香り」

「なんとなく好きな香り」

であったものが、解析すれば香りは3つに分類できて、それさえ押さえられれば大きくは外さないということを知るだけでも大きな進歩でしょう。

 

基本をおさえれば能力が伸びるのは香りだけではありません。

外観や味覚においてもポイントとなる部分はさほど多くはないので同様の伸びしろがあると考えていいでしょう。

追求しようとすれば大変ではありますが、入り口部分だけを知るだけでもそれまでの「なんとなく」がはっきりと形となってわかるようになります。

 

 

意見と事実を隔離させる

「このワインは有名な〇〇が手掛けたセカンドで、三ツ星レストランでもサービスされているほどおいしい」

このような文言を聞いて、あなたはどう感じるでしょうか。

有名な醸造家が手掛けている

三ツ星レストランでもサービスされている

この二つは事実かもしれません。

 

しかし、イコール「おいしい」というのは決して事実ではありません。

その人の意見、あるいは売り込み文句です。

 

確かにおいしいと感じる人が多いから三ツ星レストランでサービスされているのかもしれません。

しかし、その程度の噂話であなたの味覚が左右されるのでであれば先が思いやられます。

味覚はあなただけのものです。多少変わっていても何の問題もありません。

 

これは表現する側もそうですが、受け取る側も同様でしょう。

その表現は、果たして事実なのか、その人の個人的な意見なのか、あるいは願望なのかもしれません。

人間は自分が可愛い生き物なので、どうしてもバイアスをかけて表現してしまいがちなのです。

 

ワインのテイスティングは、他人にそのワインを間違えなく伝えるためのものなので、意見と事実は分離して説明するべきです。

もし意見を言うのであれば、必ず意見だということを表明し、データなどの事実とは隔離して説明しましょう。

 

テイスティングの環境

ワインのテイスティングは自分以外の人にわかりやすくワインの特性を伝えるのが目的です。

そのためテイスティングの環境そのものがばらばらだと適切に伝えることができなくなってしまいます。

・静かで集中できる

・明るい照度で、白色が基調のテーブル・壁

・清潔で落ち着ける雰囲気

が望ましいでしょう。ワインスクールはほぼこの環境で統一されています。

 

逆に、薄暗く、騒がしい環境の中でテイスティングをするのはお勧めできません。

(ワイン生産者はうす暗い庫でテイスティングをしますが、これは特殊なケースでしょう)

 

そのうえで、グラスはできればISOグラスと言って、国際基準となっているグラスを使いましょう。

ISOグラスは↑の画像のようなグラスで、決して高価ではありません。

国際的に「テイスティングに向いている」とお墨付きのあるグラスなので、できればご購入ください。

 

前置きが長くなりました、それではいよいよテイスティングの本質に迫ります。

 

ワインの外観

押さえるべきは、色調と色の濃さだけ

では、実際にテイスティングの実技に入りましょう。できれば何でもいいのでワインを目の前にしていただけると理解がより一層深まります。

ワインのテイスティングは、

外観→香り→味わい

の順でします。

 

その中でも外観はワインとの最初のコンタクトですのでとても重要です。

もっとも、重要ではありますが実際には色調とその濃淡がポイントで、それ以外は今の段階では無視しても問題ありません。

 

なぜなら色調とその濃淡からワインの大体の生産地が想像つきますし、それ以外の情報は確認作業になるからです。

逆に言えば、色調とその濃淡は必ず押さえておかないとほかの部分をどれだけ頑張っても的を得ることはできません。

 

白ワインの外観

では、実際に白ワインの外観を見てみましょう。

上の画像を見てもわかる通り、白ワインだけでもこれだけの色調のバリエーションがあります。

 

色調ではどのようなことがわかるでしょうか?

色調は一般的に、生産地域の気温やブドウの成熟度合いがわかります。

 

左のワインはJaune Vertと記載があります。これはフランス語で「緑がかったイエロー」という意味です。

緑が見えるというのは、そのブドウが比較的冷涼なエリアで、成熟度合いは決して強くないことがわかります。

例えばロワールのミュスカデはまさにこの色調で、ナントという地域を中心に生産されて、実際にフランスの中でも北限に近いブドウ栽培地域です。

 

そして、中央に行きますとDoreという記載がありますが、これはフランス語でゴールド(黄金)のことです。

色調が黄金がかっているのは、温暖なエリアで、成熟度合いが進んでいるということがわかります。

ブドウは日光をあびて新陳代謝が進み、どんどん糖分を果実に蓄えますので、そうであれば「糖分が高い→アルコールが高いのではないか」という仮説も立てられます。

 

画像の右側は、一番右はrouxといってルーのことなので想像つきにくいと思いますので、右から二番目を見てください。

Ambreという言葉がありますが、これはフランス語で琥珀色のことです。

琥珀色になると、これはワインが瓶熟成をだいぶ経ているということがわかります。

瓶熟成をさせるということは、それだけ場所も時間もとりますので、琥珀色の色調のワインは高価なものになります。

 

赤ワインの外観

では次に赤ワインの色調を見てみましょう。

↑の画像のうち、最も明るい色調は5番です。

明るいというとイメージしにくいかもしれません。薄い色といったほうがわかりやすいかもしれません。

(ワインのテイスティングではネガティブな表現を避けますので、薄いという表現は基本的にしません)

 

逆に4は中心部分が黒味があって、濃い色調と言えます。

白ワインではグリーンの色調→ゴールドがポイントでしたが、赤ワインの場合は黒い色が強いか弱いかがポイントです。

赤ワインの色素は濃くなると光を通さず、黒く見える特徴があります。

 

ということは、

黒い色調の赤ワインは色素が濃い→温暖な気候のエリア

という仮説が立てられます。

 

逆に明るい色調の赤ワインは色素が薄い→冷涼な気候のエリア

ということが言えるでしょう。

 

実際に5はブルゴーニュピノノワールの外観で、4はボルドーのワインです。

ブルゴーニュとボルドーを比べると、ボルドーは海岸寄りで温暖な気候、ブルゴーニュは大陸性の冷涼な気候です。

 

赤ワインのもう一つのポイントは、茶色の色調です。

↑の画像でいうと2が最も茶色の色調が濃いですね。

 

茶色の色調は熟成によるもので、ヴィンテージワインの古いワインによく見られます。

白ワインの琥珀色と同様に、茶色の色調が出てくるまでには長い年月が必要なので、ワインの価格は高価になります。

 

では、次に香りを見てみましょう。

 

ワインの香り

大きく分類すると、三つしかない

ワインの香りは複合的なもので、細かく見ていくとそれこそ一つのワインで無数の表現になってしまいます。

しかしこれではどこから手を出していいのかわかりませんし、効率的ではありません。

ただし、実際にはワインの香りは大きく分類すれば三つに分類できて、その三つの総論さえ押さえればあとは各論をどれだけ緻密にとらえるかにかかってきます。

 

まずはその三つの総論を検討してみましょう。

その三つとは、第一アロマ第二アロマ第三アロマになります。

 

第1アロマ ブドウ由来の香り

第一アロマはブドウ本来にある香りです。

極端に言えばワインにもある香りですが、同時にブドウ果実でも同様に感じることができる香りととらえていいでしょう。

 

ワインはリリースしたてはフレッシュ感があって、酸味や果実味が生き生きとしています。

この段階ではブドウ本来の香りに満ちていますが、通常は瓶内熟成を経ることによってジャムのような香りやリキュールのような香りに変化します。

こうなると本来のブドウ果実ではなく、後述する熟成によって生まれる香りですので第三アロマに分類されることになります。

 

第2アロマ

第2アロマは、発酵によって生じる香りです。

これはボジョレーのように、収穫後すぐにリリースするようなワインによく感じられる香りです。

 

特にマセラシオンカルボニックという技術で造られるボジョレーヌーボーには、キャンディやバナナのような香りがありますが、わかりやすい第2アロマとして押さえておきましょう。

第2アロマは流通して1年程度するとほとんど感じられなくなります。

 

 

第3アロマ

ワインで必ず押さえておきたいのが、第3アロマです。

第3アロマは熟成によって生まれる香りです。

この熟成は、瓶詰め前と瓶詰め後にわかれて、瓶詰め前は木樽なのか、ステンレスタンクなのかなどに分類されます。

 

樽熟成では、樽成分がワインに溶け込むことによってバニラの香りなどが加わります。

 

樽はオーク材を使うのですが、↑の画像のように歪曲させる際に内側を軽く焦がすのですが、この時にバニラの芳香成分が生まれるのです。

高級ワインにおいてはほとんどの場合は樽熟成を経ます。

バニラの香りはポジティブにとらえられますが、もともとのブドウのポテンシャルが乏しいとバニラの香りが強く勝り、バランスとしてはいいとは言えません。

つまり、バニラの香りに負けないほどのブドウそのものの品質が求められるのです。

 

ブドウ果実

では、ここでブドウ果実をもう少し深くとらえてみましょう。

上の画像のように、大きく分ければ果皮果肉種子に分類できます。

枝とブドウ果実の接点であるの部分は通常はエグラッパージュと言って取り除かれますのでここでは無視します。

 

細かい醸造方法はここでは飛ばしますが、第一アロマはこの図を基に検討していくとスムーズに理解できると思います。

果皮は色の具合からカシスやキイチゴなどのベリーの香りを構成します。

果肉はミネラルやハーブ、シトラス系の果実の香りを構成します。

そして種子はスパイスの香りを構成します。

 

赤ワインと白ワインの違いを検証する

では、香りに関するここまで部分をお読みいただいて、赤ワインと白ワインに関する決定的な違いを検討してみましょう。

赤ワインと白ワインは、

白ワイン→収穫して果実をプレスしてすぐに果汁を得る

赤ワイン→収穫後、破砕してしばらく漬け込んだ後にプレスし、果汁を得る

この違いがあります。

 

もちろん白ワインでもマセラシオンがあったりなどの例外はありますが、大まかに言えばほとんどはこのパターンです。

ここから、「赤ワインは漬けこむ際に皮や種子との接触があるため、スパイスの香りやベリー系の香りが強くなるのではないか」との仮説が成り立ちます。

 

白ワインは逆に付け込む時間がないため、スパイスの香りなどは感じにくいはずだということも同様に仮定できるでしょう。

実際に赤ワインにはスパイスの香りが多く感じられますが、ここから「この仮説はどうやら当たっているようだ」という検証ができるのです。

 

もっと踏み込むと例えば赤ワインであれば

・スパイスの香りが強いので、種子の割合が高い(粒が小さい)品種ではないか?

・色合いが濃く、黒みがかっているので日照量の強いエリアのワインではないか?

・色合いが濃いにもかかわらず、バランスの取れた印象なので、複数の品種をブレンドしているのではないか?

などの仮説も立てることが可能です。

 

現状ではここまでのレベルを求めるのは難しいかもしれませんが、一杯のワインから仮説を立て、それが検証できるようになるとぐっと楽しみが深まります。

 

ワインの味わい

舌の構造を理解しよう

次に味わいです。

ワインは液体なので分かりにくいかもしれませんが、舌の構造を見てみると、実際には

・塩味

・酸味

甘味・果実味

・苦味

人間の舌は、味覚に関してはこの4つしか判別能力がありません。

さらに、赤ワインにみられる渋味は味覚よりも触感に関する感覚なので、これもフルに活用します。

 

お料理であれば舌ざわり(パスタのもちもち感やステーキの固い・柔らかいなど)が加わりますが、液体にはそれがありませんので判断基準は限定されます。

しかしワインの場合、極端な話、味覚の4つに加えて渋味さえ押さえればテイスティングは完結できるということなのです。

 

なお、ワインの中には甘口ワインのようにトロっとしているものもあれば、石灰岩質土壌ワインであればクリスピーな口当たりなどの食感に該当するものもありますが、上級者向きなのでここでは割愛します。

 

 

甘味・果実味

では、最初の甘味・果実味を検討してみましょう。

グラスでワインを口に含むと一番最初に液体がしみわたる部分が中央部分です。

 

甘口ワインであればわかりやすいのですが、通常の辛口と言われているワインにも若干の糖分は含まれていますので、それを吟味しましょう。

また、甘味は糖分だけでなく、アルコールも当分ほどではないですが甘味を感じさせますので、それも併せて検討します。

 

例えばポルトガルのヴィーニョヴェルデやフランスのミュスカデのように、果実味が生き生きしてるものは、リンゴをかじった時のようなシュワッとした果実味を感じるでしょう。

逆にイタリアのブルネロのように樽熟成を長期間かけてリリースするワインは乾いた印象がありますので、甘味や果実味は感じづらいはずです。

 

少し上級者になれば、糖分に加えてアルコールによるふわっとした甘味も感じられるようになります。

 

酸味

次に酸味を検討してみましょう。

酸味は舌の側面で感じますので、ここでは側面のみに集中しましょう。

レモンをかじり、強い酸味を感じると口全体がしぼむようになり、唾液がじゅわっと出てくるを感じることができると思います。

 

では、この時のレモンの酸味はどのようなイメージでしょうか?

通常は強烈でシャープな、鋭角的な酸味に感じる人が多いでしょう。

 

 

では、同じ酸味でも、ヨーグルトの酸味はどうでしょうか?

ヨーグルトでなくても、フレッシュチーズも酸味がありますが、レモンの酸味とは明らかに違います。

乳製品独特の柔らかく、まろやかな酸味を感じるはずです。

これはレモンはクエン酸、ヨーグルトは乳酸といって、酸に違いがあるので当然発生する違いなのです。

 

ワインも同様で、冷涼なエリアのワイン酸味がシャープで鋭角的、温暖なエリアのワインは柔らかく、丸い印象の酸味に感じるでしょう。

 

あなたの目の前にあるワインのその酸味は、シャープなのか、やわらかいのか、そしてその強さは?

そこを探ってみてはいかがでしょうか。

 

 

苦味

苦味は、舌の奥で感じます。

苦味はネガティブにとられられがちですが、高級なワインにはつきものの味覚です。

 

苦みが重要なのはワインだけではありません。料理に使う高級素材でも同様です。

フォワグラもキャビアも、口の奥で若干の苦味があるでしょう。

 

大げさな表現で申し訳ないのですが、私はワインの苦味は人生と同様の役割だと考えています。

苦味ばかりではさすがに寂しいですが、では苦味を経験したことのない大人を誰が評価するでしょうか?

成熟した味覚を形成するためには苦味はワインにとって重要な存在だととらえていますが、いかがでしょうか。

 

渋味

特に赤ワインの醸造にはマセラシオンといって収穫したブドウをや種子と一緒に漬けこむ作業があり、その時に渋みがワインに溶け出します。

赤ワインの中でも、特に色が濃いワインは渋みが強く、明るい色調のワインは渋みが少ない傾向にあります。

 

この差はもともとのブドウのポテンシャルも影響しますし、もちろん天候や土壌も影響を与えます。

渋味は味覚と違って触感によるものなので、例えば渋柿をかじった時は何よりも先に渋みを感じるでしょう。

 

ワインにおいては、さすがに渋みが真っ先感じるほどのものはありません。

例えばイタリアのバローロ、バルバレスコはネッビオーロという品種を使いますが、このネッビオーロは渋みが強い品種として有名です。

しかし、テイスティングをするといきなり渋みを感じるわけではなく、酸味とおなじか、酸味の後に感じることが多いようです。

 

では次に、その渋味のクオリティを感じてみましょう。

ワインにおいては渋みのクオリティはざらざらしたものよりも滑らかできめのこまかいほうがのぞまれます。

そして渋味は価格によって差が出やすく、廉価なワインは渋みがざらざらして高価なワインは液体に溶け込んだ、滑らか渋味であることが多いですね。

 

それぞれの味わいのコンビネーション

ここまで根気強くお読みの方には、ここはこれまでの知識を一気に昇華させる部分です。

味わいにおいてはせんじ詰めれば甘み、酸味、苦味、渋みしかなく、それぞれ個別にこれまで検討してきました。

 

それを全体像としてどのように口の中で感じるのかを最終的に表現することでテイスティングは立体的になり、完成度が一気に高まります。

・全体像としては、なんの味わいが強く感じるか?

酸味に比べて甘みや果実味はどのような印象か?

・個々の味わいは口の中でバランスが取れているのか?

これらをあなたの言葉で表現するのです。

 

 

アフターフレーバーと余韻

ワインのテイスティングでは、これらの味わいが口の中でどれだけ残るか、どのような香りが口の中に残るかを個別に検討します。

アフターフレーバーは、飲み込んだ後に残る香りのことで、果実の香りが残ることもあれば赤ワインであればスパイスの香りが残ることもあります。

面白いもので、最初の印象は果実の香りが強く感じられても、アフタフレーバーはスパイスやハーブの香りが残ることがありますね。

 

余韻に関しては、換言すれば残り香の長さです。

ワインはブドウに加水せずに醸造しますので、ブドウの品質がそのままワインとなりやすいのですが、これが余韻の長さにはっきりと表れます。

高級なワインは余韻が長く、デイリーワインはさっぱりとした余韻になります。

 

 

 

白3品種、赤3品種の特徴を覚えよう

ここまでのご説明は、なんとなく理解できましたでしょうか?

しっかりと読み込んだかたは、「なんとなくワインのテイスティングができそうかも」という自信めいたものを感じると思います。

 

全体像がぼんやりとみえてきたら、次は実際にワインを目の前において、それぞれの違いを見極めることにチャレンジしましょう。

ワインショップでも、スーパーでも構いません。

 

できれば一本2000円~3000円程度のワインで、ラベルにブドウ品種が明記してあるワインを購入してみましょう。

そして、ブドウ品種は、

 

白ワインであれば

シャルドネ

・ソーヴィニョンブラン

・リースリング

 

赤ワインであれば

・ピノノワール

カベルネソーヴィニョン

シラー(シラーズ)

 

と記載のあるものを選んでください。

ラベルにブドウ品種がしっかりと明記されているのは、カリフォルニアやオーストラリアなどのニューワールドワインに多いです。

そしてブドウの個性がはっきりと表れていることが多く、テイスティングにはぴったりなのです。

 

そして、ワインを購入したら、この記事の一番上からお読みになり、一つ一つ検討してみてほしいのです。

ワインはし好品ですので必ず

 

「これは前回のワインよりも好きだなあ」

「これはこの前飲んだワインよりも好きじゃないなあ」

 

などの自分の中でのランキング付けができるものですが、それが「なぜ好きなのか」「なぜ魅力を感じないのか」が可視化されるようになります。

いままでなんとなく好き・嫌いとしか感じることができなかったことが、その理由がわかる、これだけであなたのテイスティング能力は相当ついているはずです。

 

 

まとめ テイスティングは難しくない

ワインは、日本では本格的に楽しまれるようになってまだ20年もたっていません。

そのうえ、日本のワインよりも輸入ワインのほうが圧倒的に数も種類も多いのでどうしても「難しいもの」「遠い存在のもの」というイメージがあるのが多くの人の本音でしょう。

また、だからこそ神秘性があり、それがワインの魅力だともいえます。

しかし、実際に香りや味わいを分析してみると、検討するべきポイントはさほど多くはないことがわかります。

そして、それらの個別のポイントはワインファンであればたいして難しいものではないことがわかったかと思います。

 

これまでワインのテイスティングは、ソムリエや普段からワインに親しみのある一握りの特殊な職業の人だけのものかと思われていました。

しかし、実際に一つ一つ検討してみるとそうではなく、むしろワインが好きである人であればだれでも取り組めるものであることがわかってもらえたと思います。

ワインは嗜好品なので、好みは人それぞれですが、それがなぜなのかがわかることでぐっと楽しみが深まります。

 

この記事によって、その最初のお手伝いができれば、これ以上の幸せはありません。


 

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