【最終更新日】2024年7月26日
ソムリエ・ワインエキスパート試験において「この分野を覚えるべきかどうか」を判断する基準はいくつかあります。
当然ではありますが、出題頻度と重要度を確認することがなによりも大切です。
合格を第一に考えれば、出題傾向を分析し、頻繁に出題されるテーマや出題が期待できる分野を優先的に学習するべきです。
ただし、試験の合格だけを考えた場合と、あなたのワインライフにおける重要度では当然判断基準は変わってきます。
イタリア料理店のソムリエになりたければ当然DOCは全部覚えるべきでしょう。
お客様との会話でお店に置いてあるワインだけ知っていて、雑談でほかのワインが出てきても何も答えられないのでは信頼を得られません。
今回は、「覚えるべきかどうか問題」の最大関心事のDOCについて解説します。
僕なりの最適解も紹介していますので、「DOCを覚えるべきかどうか」について悩まれている場合は是非ご参考ください。
*この記事は、WBSワインブックススクールの代表前場が、インスタグラムに毎日投稿するソムリエ・ワインエキスパート試験のお役立ち情報を抜粋し、スタッフが記事にしています。
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目次
イタリアのDOCは覚えるべきかどうか?問題を検証する
【練習問題】次のワインのうち、シシリア州のDOCをすべて選んでください。
① Etna
② Cerasuolo di Vittoria
③ Malvasia delle Lipari
④ Alcamo
⑤ Vernaccia di Oristano
「イタリアのDOCは覚えるべきでしょうか?」
おそらく過去に100回は質問を受けたと思います。
ブルゴーニュのプルミエクリュとともに、イタリアのDOCは覚えるべきか捨てるべきかで多くの受験生は迷っているのです。
ブルゴーニュのプルミエクリュ、ソーテルヌ、グラーヴ、サンテミリオンの格付け、イタリアのDOC、地図問題、これらは覚えるべきか捨てるべきかの「際」にあります。
際にあるから、判断が難しいし、だから毎年のごとく質問をいただくことになります。
「重要なのはわかっているけど、とはいえ現実問題としてどうよ」
受験生の側にすればこう思うのが普通の感覚で、少しでも負担は軽減したいのが本音です。
だからこういう「覚えるべきかどうか」の際の問題は重要です。
結論をいうとこれは「覚えるべきかどうか」の○×が問題なのではなく
「どこまで覚えるべきか」の線引きが本質になります。
「なんだ、そこまで言うならお前が線引きしろよ」こう思うのもわかりますが、
線引きをするのはWBSではありませんので、「どこに線を引くのか?」の決断は当然自身ですることになります。
↓正解はインスタ投稿の下↓
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【正解】① Etna ③ Malvasia delle Lipari ④ Alcamo
「なんて無慈悲なことを淡々というんだ」
おそらくあなたはこう思ったはずです。
「そんなことをわかったうえで質問している受験生にあんまりだ」
こういう気持ちもごもっともです。
なので、僕があなたの立場であればどうするか?を紹介します。
①まだDOCは手を付けていない場合
→DOCは捨てて他の科目の記憶の質に集中する
②ある程度のDOCは目を通した
→教本本文のDOCだけに記憶の質を集中する
おおむねこの2択でしょう。
なお、全部覚えるのは悪手です。今の段階では覚えたくてもスルーしておきましょう。
DOCは表に掲載されている全DOCと、抜粋の本文枠のDOCがあります。
では、なぜ全DOCではなく、抜粋して本文枠のDOCがあるのでしょうか?
もちろん本当のところは著者にしかわかりません。ですが
「運営側が重要だと思っているから、だからあえて本文に記載をしている」
が合理的な予測になりますし、おおむね正解でしょう。
DOCはすべて覚えてても1点あるかどうかですし、全てのDOCがワインライフに本当に必要かは疑問です。
僕自身はコンクールに出場していた時は全てのDOCを覚えていましたがこれがそのまま活かされることはこれまでほとんどなかったです。
DOCを覚えるときは、教本本文記載のDOCに集中して、そのほかについては戦略的に捨てるのが正攻法でしょう。
イタリアンレストランのソムリエはDOCは全部覚えるべき?
僕はイタリアンレストランのソムリエをしていた時もありますし、当時の後輩には「DOCはすべて覚えるべき」とアドバイスをしていました。
イタリア料理店のソムリエがイタリアのDOC(Denominazione di Origine Controllata)をすべて覚えるべきというスタンスに立つ理由は、いくつかあります。
なお、もちろんすべて覚える必要はない、とお考えの方も多いと思いますので、そこは適宜ご判断ください。
まず、イタリアは世界有数のワイン生産国であり、その多様性は他に類を見ません。
各地域ごとに独自の気候、土壌、ぶどう品種が存在し、それがワインの個性を形成しています。
ソムリエがDOCをすべて覚えることで、顧客に対して地域ごとの特徴を詳しく説明でき、より深い理解と興味を引き出すことができます。
また、DOCは品質保証の指標でもあり、消費者にとって「このワインは信頼できるワインだ」ということを現わしています。
ソムリエがDOCに精通していることは、ワインの品質や特性を保証し、顧客の信頼を得るために重要です。
例えば、トスカーナのキアンティやピエモンテのバローロといった有名なDOCGだけでなく、知名度の低い地域のDOCも把握していることで、顧客の好みに合わせた幅広い提案が可能になります。
また、イタリアンレストランに通うお客様の中にはソムリエ顔負けの知識をお持ちの方も多いです。
そういうお客さまとの会話では、やはり細かいDOCを覚えているかどうかは会話で見破られてしまい、覚えていることでより高い信頼が期待できます。
さらに、DOCをすべて覚えることで、ソムリエ自身のスキルアップにもつながります。
ワインの知識は広範かつ深淵であり、学び続ける姿勢はプロフェッショナリズムを醸成します。
これにより、レストラン全体の評価向上やリピーターの獲得にも貢献できます。
実務的な面でも、DOCを全て覚えることはメニューの構築や在庫管理に役立ちます。
新しいワインの導入時にも、DOCの知識があれば、適切な選定と説明が可能となり、顧客の満足度を高めることができます。
最終的にDOCをすべて覚えるかどうかは、ソムリエとしてのモチベーションの問題です。
ここは理屈ではなく、あなたがなりたいイタリアンレストランのソムリエ像によせて回答を模索するのが良いでしょう。
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