【最終更新日】2024年9月9日
ソムリエやワインエキスパート試験に合格した後、どのようなキャリアを積むかは、成功への鍵を握る重要な要素です。
合格そのものが素晴らしい成果ですが、その先には正しいキャリアの歩み方と、避けるべき落とし穴が存在します。
成功するためには、ただ単に資格を持つことに満足せず、継続的な成長と実践的な経験を積む姿勢が求められます。
例えば、ワイン業界に深く根ざし、様々な役割やシチュエーションで実務経験を積むことが、キャリアの成長には不可欠です。
現場での体験を通じて、ワインに関する知識やスキルをさらに磨き、顧客や同僚、業界のプロフェッショナルとの信頼関係を築くことが、長期的な成功を引き寄せるでしょう。
一方で、誤ったキャリアの選択は、せっかくの合格を無駄にする可能性もあります。
例えば、資格を取得した後に学びを止めてしまうと、業界のトレンドや新しい知識に対応できず、他の専門家に遅れを取ってしまうことがあります。
また、短期的な利益や名声を追い求め、信頼を軽視するような行動も避けるべきです。
成功を目指すためには、資格を活かしながらも常に向上心を持ち、長期的な視点でキャリアを構築することが重要です。
なお、ここでいう試験合格とは、日本ソムリエ協会主催のソムリエ試験・ワインエキスパート試験のことを指しています。
目次
【ソムリエ・ワインエキスパート試験の合格後】NG行動とOK行動を知ろう
基本、少し休んで一息つこう
ソムリエやワインエキスパート試験に合格した直後、多くの人は達成感や安堵感から「キャリアのことなんて考えられない」というのが正直なところでしょう。それは無理もないことです。
合格までの道のりは長く、精神的にも肉体的にも消耗するため、一息つくことは自然な反応です。
むしろ、焦ってすぐに次のステップを決める必要はありません。何もしないという選択肢も、実は一つの賢明な手段かもしれません。
この「何もしない」という期間は、休息を取るだけでなく、改めて自分の目標や興味を見つめ直すための貴重な時間です。
業界の動向をゆっくり観察したり、自分の知識やスキルを整理したりすることで、次のステップをより明確にすることができるでしょう。
合格直後に慌ててキャリアを動かすよりも、一旦立ち止まり、自分にとって何が最適かをじっくり考えることが、長期的には有益な結果をもたらすことが多いのです。
ワイン業界に飛び込むのは、長期スパンで
試験合格を機に一気にワイン業界にどっぷりハマろう、ワイン業界に飛び込もう、という場合もあると思います。
これについてはおそらくあなたは何を言っても聞かないと思うのと、そういう無手勝流も僕自身やってきたことなので反対しづらいということもあり、応援するようにしています。
ワイン業界への転職を考える際、ソムリエやワインショップのスタッフ、ワイナリーでの勤務、さらには海外修行など、さまざまなキャリアパスが考えられます。
このような長期的な目標を持ち、5年、10年というスパンで業界に飛び込むことは、勢いで行動するのも悪くはありません。
実際に、情熱を持って挑戦しなければ得られない経験や人脈がこの業界には多く存在します。しかし、リスクが伴うことも忘れてはいけません。
ワイン業界は一見華やかに見えますが、その裏には厳しい労働条件や専門的な知識の習得が必要です。
ソムリエとしての立ち仕事や深夜の勤務、ワインショップでの接客、ワイナリーでの重労働や、海外での修行に伴う文化や言語の壁など、現場ではさまざまな挑戦が待っています。
また、収入面での安定もすぐに得られないことが多く、思ったよりも時間と努力が必要なことがあります。
そのため、勢いで業界に飛び込む前に、一定のリスクを理解し、覚悟を持つことが大切です。
一度ワイン業界に入ると、他業界と異なり、成長やキャリアアップに時間がかかることがあるため、長期的な視野を持ち、5年、10年というスパンで自分のキャリアを考えると良いでしょう。
とはいえ、情熱と覚悟があれば、ワイン業界は多くの素晴らしい経験を提供してくれるフィールドです。
挑戦する価値は十分にありますが、慎重な準備と現実的なプランを持ってリスクに対処することが、成功への第一歩です。
【OK行動】まずは、ワインから離れない
ソムリエやワインエキスパート試験に合格するまでの学習過程で、確立された学習習慣は大きな財産です。
この習慣を手放してしまうのは非常にもったいないことです。
合格後、試験のプレッシャーから解放され、少し休憩を取ることは大切ですが、完全に学びを止めるのではなく、できれば「細く長く」でもワインに関わり続けることが重要です。
たとえば、定期的にワインに関する書籍や記事を読む、試飲会に参加する、あるいは友人や同僚とワインについて話し合うなど、決して「学習」という大業なものでなくて構いません。
小さな活動でも続けていれば、知識や感覚は徐々に深まり、磨かれていきます。
ワインの世界は常に進化しており、新しい生産者やトレンドが登場するため、繋がりを持ち続けることは非常に有益です。
学習習慣が定着している今こそ、無理のない範囲でワインと関わりを持ち続け、ゆっくりとでも確実に知識を増やしていくことが、長期的なキャリアの成功に繋がるでしょう。
ワイン業界への転職は、しっかり検討しよう
ソムリエやワイン業界に転職をすることを考えている人も多いと思います。
もちろんワイン業界は面白く、好きなワインに囲まれて仕事ができるのは本当に楽しいですが、とはいえ勢いで行動するのはリスクが伴うので、そこは押さえておきましょう
確かに、ワインに情熱を持っていることは重要ですが、それだけで成功するとは限りません。
この業界は専門性が高く、華やかな側面だけでなく、体力や精神力を求められる厳しい仕事が多くあります。
たとえば、長時間の立ち仕事や、深い知識の維持と向上が必要で、日々の勉強も欠かせません。
転職を考える際には、自分がワイン業界で本当にやりたいことを明確にし、そのために必要なスキルや経験を冷静に見極めることが大切です。
ワインが単に「好き」というだけでは続かないことが多く、強い情熱と持続力が求められます。
勢いで転職を決めると、後悔することにもなりかねません。
しっかりと事前に業界をリサーチし、可能であれば業界の人たちと交流し、リアルな現場の声を聞くことも非常に有効です。
転職は慎重に検討し、自分がワイン業界でどのようにキャリアを築いていくかを具体的に描くことが、成功への鍵です。
【NG行動】「合格者心理」を利用したビジネスに釣られない
ここからはやや言いづらいところもありますが、せっかくここまで読んでくれたので、しっかりと本音で語ります。
合格したばかりの心理はたいていだれでも同じものになりますので、この心理を利用したビジネスがあなたの目に留まりやすくなるので、しっかりとおさえましょう。
ソムリエやワインエキスパート試験に合格した直後、多くの人は達成感とともに、将来への希望や夢が大きく膨らむものです。
このタイミングで、「次のステップに進もう」と考えるのは自然なことですが、その心理状態を利用したビジネスも存在するため、注意が必要です。
例えば、高額なワイン関連のセミナーや、魅力的に見えるが具体的な内容が乏しい資格プログラム、さらには過剰に宣伝された投資話などが典型的です。
これらのビジネスは、合格直後の高揚感や「もっと成長したい」という気持ちを利用し、必要以上にお金や時間を費やさせることがあります。
魅力的なオファーに飛びついてしまう前に、冷静にその価値を見極めることが重要です。
大切なのは、合格直後の心理状態を理解し、焦らず慎重に次のステップを選ぶことです。
自分に本当に必要なものか、信頼できる情報源かをしっかりと確認し、目先の誘惑に引っかからないよう心掛けることが、長期的な成功に繋がります。
要注意!「コーチングビジネス」
ソムリエやワインエキスパート試験に合格した後、多くの人は自分のスキルを活かして何か新しいことを始めたいと考えるでしょう。
その中でも「講師業」や「ワイン会の主催」というビジネスは、非常に魅力的に映ることが多いです。
しかし、ここで特に注意したいのが、そうした活動をサポートする「コーチ」や「ビジネスコンサルタント」による高額な指導やプログラムです。
そもそも、講師業やワイン会の主催は、集客ができなければ成功しません。
どんなに優れた講師スキルやワイン会の進行技術を学んだとしても、参加者を集められなければ、それらのスキルを発揮する場がありません。
にもかかわらず、こうした「コーチビジネス」では、肝心の集客方法を十分に教えないまま、講師としてのテクニックやワイン会の進行方法に焦点を当てた指導が行われることがよくあります。
さらに問題なのは、その指導自体が非常に高額である点です。
数十万円もの費用をかけて受講しても、集客に対する具体的なサポートが乏しく、結果的に実際のビジネスにはつながらないことが多いのです。
こうしたコンサルタントやコーチは、「資格を取ったばかりの合格者心理」を巧みに利用して、高額なプログラムを売りつけるケースが少なくありません。
そもそも、コンサルタントで簡単に講師業やワイン界ビジネスで成功できるのであれば、よのなか成功体験だらけになります。
ですが、現実はどうでしょうか?周りに具体的なロールモデルが見つかる方はそうはいないはずです。
また、こうした講師業やワイン会主催に特化したビジネスコーチは、「自分も成功した」として成功例を強調することが多いです。
ですが、仮にその成功例が本当だとして、その背景には個人の人脈や独自のマーケティング戦略があることが多く、同じ方法を他の人が再現できるかどうかは保証されません。
実際に集客ができなければ、いくら講師としてのスキルがあっても活かす場はありませんし、ワイン会を主催しても空席だらけになる可能性が高いのです。
このような「コーチングビジネス」に引っかからないためには、まず集客やマーケティングの基礎をしっかりと理解することが大切です。
例えば、SNSを使った宣伝や、地元のワインショップとの連携など、具体的に参加者を増やす方法を自分で学び、実践することが不可欠です。
講師業やワイン会の主催は、専門的な知識だけでなく、経営者としての視点も求められるビジネスです。
そのため、集客に不安がある段階で高額な指導に飛びつくのではなく、まずは小規模なイベントや講演を自分で企画し、少しずつ実績を積み重ねることが理想的です。
こうした実践経験を積むことで、自分に合った集客方法やビジネスモデルを自然に見つけていくことができます。
具体的なアクションプラン①情報発信
ソムリエやワインエキスパート試験に合格した後の具体的なアクションプランとして、効果的な方法の一つが「情報発信」です。
特にSNSを活用することで、あなたの専門知識や個性を多くの人に届け、自然な形でファンを増やしていくことが可能です。
今やSNSは、ワイン業界でも重要なツールとなっており、フォロワーや支持者が増えれば、それがビジネスの基盤となります。
まずは、あなた自身の専門性や興味を軸に、役立つ情報やワインに関するストーリーを発信してみましょう。
たとえば、試飲したワインの感想や、食事とのペアリング提案、ワインの歴史や生産者の紹介など、様々な切り口で発信することで、フォロワーはあなたの知識に信頼を置き、次第にファンになっていきます。
さらに、SNSを通じてファンと交流し、彼らのニーズや興味を把握することで、ビジネスのアイデアも生まれます。
例えば、フォロワーが多くなることで、ワイン講座やワイン会の開催、商品紹介などの収益化も視野に入れることができるでしょう。
焦らず、日々の発信をコツコツと続けることで、自然な形でビジネスに繋がっていくはずです。
具体的なアクションプラン②ウェブの知識をつけよう
ソムリエやワインエキスパート試験に合格した後、ワインの知識を活かして収入を得たいと考える方は多いでしょう。
そのための第一歩として、最低限のインターネットの知識を身につけ、ブログやSNSを活用したマネタイズについて学ぶことが重要です。
現在では、オンラインで情報発信を行うことで、少額からでも収益を得ることが可能です。
まず、ブログやSNSはあなたの知識を発信し、多くの人にリーチするための強力なツールです。
ワインに関する記事やコンテンツを定期的に投稿することで、フォロワーや読者が増え、次第にあなたの影響力が高まります。
このプロセスを通じて、あなたのファン層が形成され、その信頼がビジネスにつながる可能性が広がります。
マネタイズの方法としては、アフィリエイトや広告収入、さらには自分のワインに関連したサービスや商品を販売する手段が考えられます。
たとえば、アフィリエイトを通じてワインショップや関連アイテムを紹介し、リンク経由で購入された場合に報酬を得ることができます。
また、SNSを活用してワイン講座やイベントを告知し、少額の参加費を募ることも一つの方法です。
最初から大きな収入を得ることを目指すのではなく、まずは小さな成功を積み重ねていくことが大切です。
インターネットの基本的な知識とマネタイズの手法を理解することで、あなたのワイン知識を収益化することは十分に可能です。
徐々にスキルを高めながら、少額でも良いので実際に稼ぐ経験を積んでいきましょう。
それが将来の大きなビジネスの基盤となります。
具体的なアクションプラン③長期的な目標を持とう
ワインの資格を取得した後、まずは情報発信をしながらネットの知識を深め、最終的には大きな目標を達成することを目指しましょう。
時間をかけてでもいいので、明確で大きな目標を持つことが重要です。
例えば、ワインバーの経営やワインショップの開業、さらにはワインスクールの運営など、ワインの知識を生かしたビジネスは多岐にわたります。
これらの目標を達成するためには、ただ知識を蓄える”インプット”だけでなく、インターネットを通じて発信する”アウトプット”も大切です。
まずは、SNSやブログを活用してワインに関する情報を発信し、あなた自身のファンやフォロワーを増やすことから始めましょう。
これは、将来的に大きな目標を達成するための重要なステップです。
たとえば、ワインの試飲レポート、ペアリングのアイデア、生産者や地域の紹介など、専門的で興味を引くコンテンツを定期的に発信することで、信頼性と影響力を高めていくことができます。
フォロワーが増えることで、あなたが発信する情報の価値が高まり、そこからビジネスチャンスが広がります。
大きな目標に向けた第一歩として、小さな成功体験を積み重ねていくことが重要です。
例えば、フォロワーが増えてくれば、自然な形でワイン会の主催や講師業を始めることができ、これを収益化することも可能です。
ワインの知識と情報発信力が組み合わさることで、あなたのブランドが確立され、より多くの人々がワインに関するイベントや講座に興味を持つようになります。
SNSでの影響力が高まることで、ワインに興味を持つ層へアプローチしやすくなり、集客もスムーズに進めることができるでしょう。
また、ワインバーやワインショップ、さらにはワインスクールの開業を目指す場合も、フォロワーがしっかりとついていることは非常に大きな強みです。
SNSやブログでの発信を通じて、あなたのワインに対する専門性や情熱を共有することで、すでにビジネスを始める段階での顧客や生徒がある程度確保できる可能性が高まります。
実際にビジネスを立ち上げる際、ネット上のフォロワーを起点にした集客が可能になれば、開業後のリスクを減らし、スムーズに運営を開始することができます。
大切なのは、最終的な大きな目標を見据えながらも、焦らずにステップを踏んでいくことです。
時間をかけてでも、確実にフォロワーや支持者を増やし、ネット上での影響力を高めることで、ビジネスの基盤を築いていきましょう。
ワインに関する知識を軸に、自分の強みを活かしながら少しずつビジネスモデルを広げていくことが、最終的な成功に繋がります。
そして、その大きな目標を達成するためには、継続的な学びと自己成長が必要です。
ネットの知識を深めながら、情報発信を続け、少額のマネタイズを経験することで、自分自身のスキルやノウハウが確実に積み上がっていきます。
この積み重ねこそが、将来の大きな成功を手にするための確かな道となるでしょう。
最終的には、ワインに関わるビジネスで安定した収益を得るだけでなく、自分の情熱や知識を活かして多くの人々に影響を与える存在になることを目指しましょう。
まとめ すべて経験による実話です
いかがでしたでしょうか。おそらく多くの人は「ずいぶん先の長い話だなあ」と思ったと思います。
もっと手っ取り早く合格プレミアを利用した活躍をしたい、とお考えの方も多いでしょう。
ですが、ここに紹介したことはすべて僕の経験によるものですので、決して大げさに言っているものではありません。
僕はWBSというオンライン最大級のワインスクールを運営し、ユーチューブではワインジャンル最大級のチャンネルを運営しています。
情報発信をしているから、だからワインスクール運営は集客を心配することなく、質にフォーカスをして運営をすることができています。
ユーチューブでは、大体チャンネル登録者が1万人を超えてくるころからマネタイズには困ることがなくなり、自分の考えたビジネスモデルがすぐに生かせるようになりました。
1万人を超えるまでには、おおよそ2年かかりましたので、その間はほとんどお金にはならず、貯金が目減りしていったのを覚えています。
ですが、考えようによっては2年でマネタイズが成功し、自分のやりたいことで生活できるようになる、というのは決して悪い話ではないのではないでしょうか。
確かに最初のころは暗闇に叫び続けるように、無駄だと思うこともたくさんありましたが、それでもあきらめずに情報発信を続けていったから今の僕があります。
あなたの合格体験は、しっかりとしたプロセスを積むことで大きく花を咲かせることもできるし、残念ながら全くの無駄に終わることもあります。
最悪な場合、悪質なビジネスに引っかかってしまい、マイナスになったなんてこともあるかもしれません。
そんなことにはならないように、厳しい現実ではありますが、経験による具体的なアクションプランをご紹介させていただきました。
しっかりとしたプロセスを積めば、2年後・・・とは言わないまでも、5年後には必ずあなたの未来は変わります。
5年後に笑うためにも、しっかりとした道のりでキャリアを積んでいきましょう。
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