ソムリエ二次試験対策|ワインテイスティングで得点するコツ

ソムリエ試験の二次試験はワインのテイスティングと論述試験です。

ソムリエ試験全体では一次試験の筆記試験がヤマですが、二次試験はテイスティングがヤマになります。

二次試験については以前から

「一次試験の合格が決まってから対策をしても大丈夫」

と言われてきました。

たしかに専門料理店などでワインに親しみがあり、ある程度のブドウ品種の判別がつけばこの理論は正しいかと思います。

ただし、実際には直前まで全くの準備をしなくていきなりやるのも心細いですし、全体像だけでも知りたいと思うのが受験生の人情でしょう。

また、年々難易度が増している試験ですので、準備不足で不合格だなんてなったら目も当てられません。

そこでここでは、ソムリエ試験のテイスティングで最低でも合格点を取り、素地がある人はさらに得点を伸ばす方法をご紹介します。

私は23歳の時にソムリエ試験に合格し、その後にソムリエコンテストで優勝した経験がありますが、その経験をできる限りわかりやすくお伝えします。

これを読むことでテイスティングの全体像が分かり、合格の確率がぐっと高まることを約束します。

 

大変に長い記事ではありますが、その効果は絶大です。

少し読み進めることで本物の情報であることがわかると思います。

我田引水や売り込みはありませんし、その意図もありませんので、最後まで安心して読み進めてください。

ぜひ最後までお付き合いください。

 

 

*試験は何が起きるかわかりません。この記事に反する出題がされる可能性も考えられますので予めご了承ください。

また、この記事を熟読することでテイスティング試験の一般的な傾向がつかめますが、努力を軽視したり、合格するための裏技をご紹介するものではありません。

「できるだけ楽して合格したい」というのであれば当サイトは不向きですので、ほかのサイトをご参考くださいますようお願いします。

 

ソムリエ二次試験のテイスティング対策

まずは過去のアイテムを見てみよう

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前置きが長くなってしまいました。それでは過去のテイスティングアイテムを検討しましょう。

まずは2018年を見てみましょう。

番号 収穫年 生産地 主なぶどう品種
2016年 アルゼンチン トロンテス
2016年 フランス リースリング
2016年 オーストラリア シラーズ
マディラ
カルヴァドス

つぎに2017年度を見てみましょう。

番号 収穫年 生産地 主なぶどう品種
2016年 日本 甲州
2014年 オーストラリア カベルネソーヴィニヨン
2014年 イタリア サンジョベーゼ
オー・ドゥ・ヴィー・ド・キルシュ
ドランブイ

つぎに2016年です。

 ブドウ品種 年号 生産国
 シャルドネ 2014年 フランス
 シラーズ 2014年 オーストラリア
 マスカットベリーA 2013年 日本
マディラ ポルトガル
バ・アルマニャック フランス

これが2016年の出題アイテムです。
続いてそのまえの5年までを見てみましょう。

ヴィンテージは後述しますが深追いしても意味はないので以降は省略します。

 

2015年 フランス ソーヴィニョン・ブラン
フランス リースリング
ニュージーランド ピノノワール
ジン
スイート・ヴェルモット
2014年 米国 シャルドネ
オーストラリア カベルネソーヴィニヨン
フランス ピノノワール
ドライ・ヴェルモット
カルヴァドス
2013年 オーストラリア シャルドネ
ドイツ リースリング
フランス メルロ
マディラ
グラッパ
2012年 ドイツ リースリング
米国 ピノノワール
フランス シラー
ホワイトポート
ダークラム
2011年 米国 シャルドネ
イタリア サンジョヴェーゼ
オーストラリア シラーズ
スーズ
テキーラ

いかがでしょうか。

すべての年はアイテムが5種類です。

ワインが3種類、ワイン以外の飲料が2種類になっています。

白ワイン1+赤ワイン2の時もあれば

白ワイン2+赤ワイン1の時もあります。

 

試験時間はソムリエが40分、ワインエキスパートは50分です。もちろん試験時間は今後どうなるかはわかりません。

通常はワインの3アイテムは銘柄に付け加えて外観や香り、味わいなどをコメントします。

重要なことが、外観や香りや味わいはマークシートになっていて、それにマークする回答システムだということです。

そしてワイン以外の2種類は銘柄のみを回答します。

 

では、もう少し深く検討してみましょう。

 

出題ワインの傾向

ブドウ品種が単一であること

前述したように通常ですとスティルワイン(以下 単にワインとします)は3種類です。

昨年までの6年間を検討すると、すべてのワインがセパージュのワイン(単一のブドウ品種が高い比率を占めている)であることがわかります。

そのため、当たり前ですが例えばシャトーヌフデュパプのようにどの品種を使ってもいいというようなブレンドのワインは出題されることは考えづらいです。

日照量に恵まれた温かい地域のワインは単一のブドウだと品種の個性が出すぎてしまうため、品種をブレンドする傾向にあります。

そのためフランスであれば南部のワインは出題されにくい、ということがわかります。

 

・フランスワインであれば一つの品種で80%程度の比率が保たれていること

・そのほかの国であってもブドウ品種が単一(おおよそ80%以上)のものであること

これがマストになります。

 

いかがでしょうか。これでテイスティングの勉強範囲は少なくとも20%は減りました。

 

難しすぎない品種であること

過去6年を見てみますと、

シャルドネ 4

シラー(シラーズ) 4

ピノノワール 3

リースリング 4

ソーヴィニョンブラン 1

カベルネソーヴィニョン 2

メルロー 1

マスカットベーリーA 1

サンジョベーゼ 2

甲州 1

トロンテス 1

です。

この中で難易度の高い品種と言えば、マスカットベーリーA、サンジョベーゼ、甲州、トロンテスでしょう。

それ以外は国際的な超A級品種です。

つまり、↑の太字の7品種のトレーニングをすればとりあえずは対策できるということです。

やや泥臭くなりますが、最低限の品種に絞れた後は地道なトレーニングしかありません。

トレーニングと言っても白であればシャルドネとソーヴィニョンブランとリースリング、赤ワインであればカベルネソーヴィニョンとピノノワールとメルローの3種類ずつでとりあえずは十分です。これであればさほど難しくはないでしょう。

難しい試験に合格するのですからこれくらいを面倒くさがってはいけません。

合格の可能性をさらに上げたい人は、白は甲州、赤はシラーとサンジョベーゼをトレーニングに加えましょう。

 

白ワインの特定の仕方

白ワインは年によって1アイテムか2アイテム出題されます。

過去6年で4回出題されたシャルドネは今年もズバリ本命の品種と言えます。

そのため迷ったのであればシャルドネとするのは一つの手段と言えます。

 

もっと検討すると、シャルドネ以外で出題の可能性が高いのはリースリングとソーヴィニョンブランしかありません。

では、ここでその二つの押さえておくべき香りのパターンを見てみましょう。

・リースリング→石油香(ぺトロール香)

・ソーヴィニョンブラン→ミント・グレープフルーツ

つまり、ぺトロール香かミント・グレープフルーツの香りを押さえれば過去6年は対策できたということです。

ねんのため、出題の可能性のあるそのほかの品種も見てみましょう。

・ゲヴュルツトラミネール→ライチ・白いバラ

・ミュスカデ→シュールリー香(パン酵母など)

・甲州→外観が淡いピンク色をしている

 

それ以外の下記の品種は可能性としてゼロではありませんが、かりに出題されたとしても無視してかまいません。

出題されても平均点が下がるだけです。

アリゴテ コルテーゼ(ガヴィ)

ピノグリ シルヴァーナー

ミュラートゥールガウ セミヨン

シュナンブラン(可能性あり)

ユニブラン(トレッビアーノ)

ヴィウラ(リオハ白) 

 

 

赤ワインの特定の仕方

前述しましたが白ワインは外観で差が出にくく、そのため香りで判別することが大きくなります。

ただし赤ワインに関しては色調を見てある程度の特定の仕方ができます。

まず一番わかりやすいのが色調の濃淡です。

過去の傾向から、明るい色調のものが出た場合は90%ピノノワールと言えます。

明るい色調のもので国際的な評価の高い品種はほかにもありますが、後述しますがソムリエ試験向きではありません。

そのため黒味の強い色調でなければピノノワールだとふんで分析しても問題ありません。

 

では外観が黒味の強い色調の場合はどうでしょうか。

これは香りでスパイスの香りを思い浮かべ、その大小で判別しましょう。通常は

シラー(シラーズ)>>カベルネソーヴィニョン>メルロー

となります。

メルローは通常カベルネソーヴィニョンとブレンドされることが多いので出題の可能性は低いのですが、仮に出題されても回答は割れますので気にしないでも大丈夫です。

 

カベルネフランは出題の可能性が高いです。以前は何回か出題されていました。

ただし、強烈な青ピーマンの香りがあるので判別しやすいでしょう。

 

そのほかの下記の品種は可能性としてはゼロではありません。

ただし外してもほかの受験生もできませんので気にする必要はありません。

サンジョベーゼ マルベック グルナッシュ

アリアニコ ジンファンデル マスカットベーリーA  

ブルネッロ テンプラニーリョ ネッビオーロ

ガメイ コルヴィーナヴェロネーゼ

ムールヴェードル(モナストレル)

 

メジャーではないワインの場合

ではここでメジャーな7品種以外に出題される可能性のあるワインを検討してみましょう。

可能性として最も高いのは甲州でしょう。ソムリエ協会は国産ワインの普及をテーゼとしているのです。

ただし甲州は外観が薄いピンク色をしていますのでこの段階でほぼ特定できます。

同じピンク系統の品種としてゲヴュルツトラミネールがありますが、これは香りがライチやバラの香りがあるので判別しやすいです。

つまり、この二品種については解答用紙にそれっぽい言葉がない場合は(薄いピンクがかった、グレーグリーンなど、ライチや白いバラなど)削除していいということです。

ピンク系統ですとピノグリ(ピノグリージョ)などもありますが、これらは出題されても誰も解答できませんので気にしないようにしましょう。

 

最近は出題されていませんが、ミュスカデは可能性があります。

これはシュールリーの香りの判別ができれば問題なく解答できるでしょう。

 

それ以外に国際的に知名度が高いものだと、

リオハ(赤テンプラニーリョ、白ヴィウラ)、ブルネロディモンタルチーノ(サンジョベーゼグロッソ)、バローロ・バルバレスコ(ネッビオーロ)、タウラージ(アリアニコ)、オーストリアのグリュナーフェルトリーナー

などもあります。

ただしこの辺りは出題の可能性は低く(リオハ赤とネッビオーロはあり得るかもしれません)、現実的ではありません。

 

高級なワインは出題されない

夢のない話で申し訳ないのですが、ソムリエ試験はソムリエ協会の収入源ですので当然コミッションがあります。

そのためあまりにも高価なワインは経済的に不整合があるので、例えばブルゴーニュの一級畑とかボルドーの格付けワインは出題されません。

普段テイスティング用のワインを購入するときは一本2000円~3000円(小売店ベース)程度でトレーニングすればいいでしょう。

出題もほぼ間違いなくこのクラスのワインです。

回答するときも間違っても「ジュヴレシャンベルタン プルミエクリュかな」などと思案するべきではありません。

ブドウ品種が判明したらそれ以上は深追いせず、適切なコメントをすることに徹するべきでしょう。

 

3品種のコメント例

ではここで、メジャー7品種のなかでも特に出題傾向の高い3品種のコメント例を見てみましょう。

実際にはマークシート形式なのですが、イメージをしてそれに似ているものを選べばほぼ間違いありません。

 

シャルドネ

過去6年で4回出題されています。

出題の傾向から最も可能性の高い品種と言えます。

シャブリやプイイフィッセなどのフランス産やアメリカやオーストラリア、ニュージーランドのものが可能性があります。

・外観は必ず澄んで輝いていますので、濁ったなどのネガティブなものは選ばないでください。

・ほとんどの場合はグリーンがかった淡い色調です。これは価格的にこのクラスが選ばれるということです。

・粘着性は中程度よりもやや下のクラスを選んでください。

・外観の印象は、「若い」「フレッシュさを感じる」などのイメージのものを選びましょう。

・香りは「洋ナシ」「白桃」などの白いフルーツで問題ありません。逆にレモンやグレープフルーツはソーヴィニョンブランのコメントなので避けましょう。

・ミネラル香として「石灰」「火打石」のような回答欄があればそれにチェックを入れてください。

・味わいはアタックからフィニッシュまで一貫して「中程度~やや控えめ」酸味がさわやかでかわいらしいイメージにチェックを入れましょう。

・アルコールや余韻などは、全体的に中程度よりも一つ下のクラスを選びましょう。

・適正温度は8度、グラスの形は小ぶりのものがベストです。

これらは3000円程度のシャルドネに共通する個性です。

シャルドネは木樽熟成させるものもあって、そうなるとコメントは全く違うものになります。

しかしソムリエ試験でそのクラスが出題される可能性は極めて低いです。

 

シラー(シラーズ)

シラーはオーストラリアでシラーズと呼ばれますが、ブドウ品種の個性が出やすく2011年、2012年、2016年で3回出題されています。

 

出題は、フランスではほとんどがクローズエルミタージュです。

3000円程度のものを酒販店で購入してトレーニングしましょう。

 

オーストラリアのシラーズも2500円程度で十分に対応できます。

テイスティングコメントは以下のようにしてください。

・清澄度・輝きはは澄んでいて輝いていますが、場合によっては「深みのある」などにチェックを入れてください。

・色調は「紫がかった」「黒味のある」などにチェックを入れてください。シラーがオレンジがかるのは5~6年かかりますが、そのくらいのワインは出題されにくいです。濃淡は「濃い」にチェックを入れてください。

・粘性は「やや強い」「強い」にチェックを入れてください。シラーはアルコール度数やエキス分が高いので粘性は高くなります。

・香りの第一印象は「濃縮感」「還元的」などにチェックを入れてください。

・果実は絶対に「イチゴ」「キイチ」に入れないでください。ブラックチェリーやダークチェリーニチェックしましょう。

・判別できればメントール、バニラ、スパイス系にチェックを入れてください。

・味わいはアタックは強く、アルコールのふくらみを感じ、骨格のしっかりしたあたりにチェックを入れましょう。

・余韻はやや長いにチェックを入れ、アルコール度数も「高い」「やや高い」にチェックを入れます。

・適正温度は16度前後、グラスの形は中程度、デカンタージュは「必要あり 30分前(から直前)」でいいでしょう。

 

ピノノワール

過去6年の出題ワインのうち、赤ワインで明るい色調のものは100%ピノノワールです。

そのため今後も「色調が明るい=ピノノワール」の傾向は続くでしょう。

バローロやバルバレスコも明るい色調になりやすいですが、オレンジが強いですし、明らかに味わいが違いますので一発でわかります。

・清澄度・輝きは必ず「澄んでいる」「輝いている」にチェックを入れてください。

・色調・濃淡などは「紫がかったガーネット」「やや明るい」などにチェックを入れてください。

・粘性は通常は高くありませんが、例外もありますので念のため中程度がいいでしょう。

・香りは「チャーミング」などのかわいらしいものにチェックを入れてください。

・絶対に「ダークチェリー」「ブラックベリー」にチェックを入れないでください。必ず「イチゴ」「キイチゴ」にチェックを入れてください。

・「紅茶」「すみれ」などがあればチェックを入れましょう。

・味わいは深く考えずに「かわいらしい」「中程度からやや軽め」などのイメージのキーワードを選んでください。

・適正温度は16度、グラスは中程度~大ぶりを選んでください。デカンタージュは必要ありません。

 

 

ヴィンテージについて

生産年についてはいろいろと考えはあるかもしれませんが、ソムリエ資格試験であれば90%以上、試験の年マイナス2か3の年が正解となります。

 

例)

2017年試験→2015年か2014年

2018年試験→2016年か2015年

 

ワインは熟成することによって深みが出ますので品質の向上が望まれますが、熟成させることによるコストの上昇で一本3000円の予算を出てしまいます。

また、現在のワイン市場は大量のワインを何年も自社で熟成させるほど寛容ではありません。

そのため出題側が「熟成の進んだワインをだそう」となったとしても、ソムリエ試験のために何百本も押さえることができないのです。

さらに、熟成の進んだワインは品質の均一化が難しく、劣化の可能性も上がります。

それらのリスクヘッジを考えるとソムリエ試験では自然と収穫から2~3年の若いワインの出題になってしまうのです。

この2ねんのうち、どちらの年にするべきかで悩むのは時間の無駄です。

決め打ちで問題ないでしょう。

 

生産国は、いっそのこと考えない

女性も活躍しています↑

これは経験値の話ですが、実際にはソムリエコンクールの決勝に出場するようなソムリエでも生産国をぴたりと当てられる人は限られています。

例えばソーヴィニョンブランだと、フランスもあればアメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカなども上質なワインを生産しています。

これらすべての生産国に対して特徴をおさえるのは至難の業です。

たしかに以前であれば「なんとなくフランスっぽいな」「オーストラリアっぽいな」などの区別もありました。

しかし現在のワイン生産者の底上げは目覚ましく、どこの国も甲乙のつけがたい品質になっていて、判別は非常に難しいといえます。

 

ソムリエ試験は国際的な品種が出題されますので生産国も回答の範囲になります。

ただしそこまで追求してしまうのは受験生にとって酷ですし、ソムリエそのものの間口を狭めることになりかねません。

たとえば「ソムリエ試験は名人芸だよ」というイメージがついてしまうと受験者は離れてしまうでしょう。

そのため出題者側も生産国までを重要な課題だとはとらえていないと考えて間違いありません。

(誤解してほしくないのは、収穫年はソムリエ試験をとおり次の段階では重要ですので、けっして軽んじているわけではないことをご理解ください。試験に受かるための当サイトの一つの考えとおとりください。)

 

受験生には生産国までをこだわって回答したいという気持ちもあるかもしれませんが、やや遠回りかもしれません。

戦略的にはここはこだわらずに無難な国を記載し、そのほかの部分にその労力を当てるほうが賢い選択と言えます。

 

スティルワイン以外の飲料のコツ

ワイン以外の飲料については対策のしようがないという声も聞かれます。

これについてはうなずける部分もありますが、では実際に対策の余地が全くないかと言われればそうではありません。

まずは過去6年を分類してみましょう。

酒精強化ワイン 4

ブランデー 4

スピリッツ 3

フレーバードワイン 2

リキュール 1

このうち、リキュールは種類が多く、出題する側は批判も考えると出題しにくいアイテムと言えます。

ソムリエは資格試験であるのと同様にソムリエ協会からすればビジネスでもあります。

そのため全く対策のしようのない問題を出題すると受験者離れが起こるので、リキュールは出しにくいのです。

 

酒精強化ワインはポートかマデイラですが、このほかにシェリーも考えられます。

ただし、値段などを考えると現実的には

ルビーポート、ホワイトポート、シェリーのフィノ、マデイラの10年まで

に限定されます。これであれば買いそろえてトレーニングすることは可能です。

 

スピリッツについては

ジン、ウオッカ、テキーラ、ラムになりますが、このうちフレーバードウオッカはリキュールと同様の理由から出題されにくいです。

スピリッツは実質4種類しかありませんし、そうなると判別は対して難しくありません。

 

ブランデーは、アルマニャック、コニャック、カルヴァドス、グラッパが可能性が高いですが、この中でアルマニャックとコニャックの判別が自信をもってできるのは相当のトレーニングが必要です。

そのため、現実的にはアルマニャック・コニャックかカルバドスの区別がつけば平均点以上は取れます。

カルヴァドスはリンゴの香りが強烈ですのでそれをもとに判別しましょう。

 

それ以外にグラッパ、オードヴィードフランボワーズ、オードヴィードポワールなども可能性があります。

厳しい意見ですが、これらはすこしトレーニングすれば簡単に判別できます。

得点したければ各一つでもいいので買いそろえれば問題ありません。

 

フレーバードワインはベルモットしか出題の余地がありません。

そのため前述までの飲料で判別できず、かつ、アルコール度数が高くない場合はベルモットと記載するのも一つの手段です。

 

 

時間配分について

トレーニングが大事!

ソムリエは例年40分の時間が割り振られます。

全くの準備をしないと時間配分に失敗し、例えば最後の2つを1分で回答するなんてことにもなりかねません。

理想とすればワインについては1アイテム10分を目安にし、のこりの10分でワイン以外の2アイテムを回答するのがベストでしょう。

(例)

白ワイン 10分(トータル10分)

白ワイン 10分(トータル20分)

赤ワイン 10分(トータル30分)

ワイン以外の2アイテム10分(トータル40分)

これが理想です。時間的にもゆとりがあり、場合によっては少し早めに終わって見直すことも可能でしょう。

 

これが失敗する場合を検討すると、

白ワイン 15分(トータル15分)

白ワイン 15分(トータル30分)

赤ワイン 5分(トータル35分)

ワイン以外の2アイテム5分(トータル40分)

 

となる人は案外多く、最悪な場合、時間切れで回答すらできないということにもなりかねません。

私はコンクールで何度も時間配分は練習しましたが、これはソムリエ試験でも同様です。

残念ですがテイスティングの時間配分については何度かトレーニングをしてコツをつかむしか方法はありません。

トレーニングといっても飲食店勤務の人であれば同僚の人に協力をしてもらったり、時間配分だけのトレーニングであれば自分一人でもできます。

2~3回やればだいたいのコツはつかめます。

必ず飲料を5アイテム用意して40分をフルに使いこなせるようにしましょう。

 

敵を知り、己を知ろう

ソムリエ試験でもコンクールでも、あるいはビジネスでも同様ですが、ただやみくもに自分の実力をぶつければいいだろうという考えでは先が思いやられます。

試験に勝つには相手を知ることで初めて対策ができるのであって、周到にソムリエ試験を研究することが一番の近道で、ほかに王道はありません。

ワインはし好品ですので、普段の生活であればソムリエ協会が「キイチゴの香りがする」と考えていても、あなたがキイチゴの香りがすると感じるかどうかはどうでもいい問題です。

しかし、試験であればこれは違います。

ソムリエ試験はソムリエ協会が主催する試験ですので

ソムリエ協会の考えるキイチゴの香り」

にあなたの感性を合わせる必要があるのです。

また、耳が痛い人もいるかもしれませんが、現段階でのテイスティング能力はほとんどの人は横一線で、1か月もあればひっくり返ることもあれば差が開くこともあります。

我流で物事に取り組むのも一つのロマンではありますが、できればオリジナリティは試験に合格した後の実務で発揮していただき、ここは試験に合格することを(つまり勝つこと)を目的に取り組むことをお勧めします。

 

まとめ

いかがでしたか?

なんとなく二次試験のテイスティングに対して自信めいたものを持ってもらえたと思います。

テイスティングについては何が出題されるかわかりませんし、不安は払しょくできないのでなかなかきついものがあるかもしれません。

ただし、このように分析すると、ある程度の出題傾向はあって、それは様々な事情によるものなので今後も大きく変更することはありません。

そうなると対策のしようはあって、ある程度のトレーニングで十分に対応が可能なのです。

ここにあげたものに絞ってトレーニングをするのであれば、短期間でも可能ですし、予算も押さえられます。

すでにワインスクールなどでトレーニングをした方でも得点の底上げや、さらに落ち着いて試験を迎えられるでしょう。

 

ソムリエ試験を受験する目的は人それぞれかと思いますが、合格することで目的達成に近づくのは同じでしょう。

皆様のテイスティング試験が大成功することをお祈りしております。


 

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