
シャトー・マルゴー 2011年の評価・飲み頃・最新市場価格【購入ガイド付き】
2011年のシャトー・マルゴーは、ボルドー全体がやや挑戦的な気候条件に直面した年に生まれました。
猛暑と乾燥の2009・2010年の偉大なヴィンテージに比べると、2011年はややクラシカルで引き締まったスタイルを示し、飲み手に「メドックの伝統」を思い出させる仕上がりになっています。
果実味は凝縮感がありつつも、過度なリッチさではなく、赤系果実の明るさやスパイス、そして花のような香りが際立ち、繊細な酸と調和しています。
タンニンは細やかで、すでにバランスが取れつつあり、長期熟成というよりも比較的早い段階から楽しめるポテンシャルを持ちます。
近年のグレートヴィンテージに挟まれながらも、2011年は知る人ぞ知る「通好みのマルゴー」として、独特の魅力を放っているのです。
こちらの記事は、シャトーマルゴーの中でも特に2011年に特化した記事になっています。
シャトーマルゴーの全体像はこちらをご参考ください。
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シャトー・マルゴー 2011年の評価・飲み頃・最新市場価格【購入ガイド付き】
ボルドー2011年ヴィンテージの概要
2011年のボルドーは、2009年や2010年のような“超グレートヴィンテージ”に続いた年として、比較的クラシカルでバランス重視のスタイルに仕上がったヴィンテージです。
春の開花は順調でしたが、その後の夏は極端な暑さや干ばつには至らず、やや不安定な気候の影響でブドウの成熟は均一ではありませんでした。
そのため、造り手の畑での選果や醸造技術が品質を左右し、シャトーごとの出来に差が出やすい年となりました。
赤ワインは果実味が凝縮しつつも酸がしっかりと残り、力強さよりも端正さやエレガンスが際立ちます。早い段階から楽しめるものが多く、特に右岸のメルロ主体や一部のメドック格付けシャトーは、バランス良く仕上がりました。
一方、白ワインは気候条件に恵まれ、ソーヴィニヨン・ブランを中心にフレッシュさとアロマが豊かで、甘口のソーテルヌも繊細で芳醇な仕上がりを見せています。
総じて2011年は、華やかさよりも落ち着いたクラシックな魅力を楽しめるヴィンテージと言えるでしょう。
Bordeaux Leftbank のヴィンテージチャート
Source | 2000 | 2001 | 2002 | 2003 | 2004 | 2005 | 2006 | 2007 | 2008 | 2009 | 2010 | 2011 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 |
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Wine Advocates | 94 | 89 | 88 | 88 | 87 | 98 | 88 | 86 | 90 | 97 | 95 | 87 | 89 | 80 | 93 | 94 | 97 | 90 | 94 | 96 | 95 | 88 | 95 | 93 |
Wine Spectator | 95 | 92 | 86 | 89 | 89 | 98 | 90 | 85 | 87 | 97 | 99 | 91 | 88 | 84 | 93 | 94 | 97 | 91 | 96 | 93 | 93 | 84 | 95 | - |
シャトー・マルゴー2011年ヴィンテージ 専門家の評価は?
2011年のシャトー・マルゴーは、ワイン・アドヴォケイト(WA)で93点、ワイン・スペクテーター(WS)で94点という評価を受けており、クラシックなヴィンテージの特性を反映した堅実な出来といえます。
2009年・2010年の偉大なヴィンテージに挟まれたため相対的に目立ちにくい存在ですが、評論家の評価が示すように、その品質は一級シャトーとしての矜持をしっかりと示しています。
スタイルとしては力強さよりもエレガンスを重視し、赤系果実やスミレのような花の香り、ほのかなスパイスや土のニュアンスが繊細に重なり合います。
タンニンはきめ細かく、酸の骨格がワインに清涼感を与え、早い段階から楽しめる飲みやすさも魅力です。
グレートヴィンテージの重厚さを求める愛好家にはやや控えめに映るかもしれませんが、端正でバランスの取れたスタイルを好む方にとってはむしろ魅力的な一本となるでしょう。
総じて2011年のシャトー・マルゴーは、クラシカルで知的なエレガンスを備えた「通好みの年」の代表格と位置づけられます。
本家サイトを確認
つぎに、本家シャトーマルゴーのサイトでは、どのように2011年ヴィンテージを総括しているのか、要約しました。
2011年ヴィンテージ要約
2011年はシャトー・マルゴーにとって厳しい気候条件の年でしたが、一級畑の「核」となる区画は例年通り安定しており、最終的に収穫の38%がファーストワインに使用されました。
ブレンドはカベルネ・ソーヴィニヨンが86%と圧倒的に主体で、メルロ10%、プティ・ヴェルド2%、カベルネ・フラン2%という構成です。
ワインは非常に凝縮していながらも、タンニンは滑らかでバランスが良いとされています。
気候的には4~5月が異常に暑く乾燥し、開花は早まりました。その後の6~8月は涼しかったものの、十分な雨はなく干ばつ傾向が続きました。
特に6月末の記録的猛暑で一部のカベルネ・ソーヴィニヨンの房に被害が出ましたが、全体的な影響は限定的でした。
収穫は白が8月25日、赤が9月5日から始まり、乾燥した天候に恵まれたため丁寧な選果が可能でした。
ただし収量は29hl/haと非常に少なく、過去20年で最も小さい収穫量となりました。
総じて2011年は厳しい条件を乗り越えつつ、凝縮感とエレガンスを兼ね備えたクラシカルなマルゴーに仕上がっています。
シャトーマルゴー2011年の価格推移
2011年のシャトー・マルゴーは、現在市場でおおむね11万円前後で流通しており、グレートヴィンテージとされる2009年や2010年に比べれば価格は控えめながら、その名声と品質を考えれば十分に魅力的な選択肢です。
スタイルは重厚さよりもエレガンスに寄り、赤系果実やスミレ、ほのかなスパイスと土のニュアンスが調和し、すでに開きつつある繊細な表情を楽しめます。
タンニンはきめ細かく酸も心地よいため、今から数年は飲み頃のピークを迎え、比較的早い段階から楽しめるのも特徴です。
熟成ポテンシャルもありますが、長期保存よりは今後10年前後で味わうのに適したワインでしょう。
価格面ではトップヴィンテージより手が届きやすく、「マルゴーの名門のエッセンスを体感したい」という方には理想的な一本です。
特に格式ある食事会や記念日などで、その優雅さとクラシックなバランスを堪能するのにふさわしいワインといえます。
シャトーマルゴー2011年の飲みごろは?
シャトー・マルゴー2011年は、これからまさに飲み頃のピークへと差し掛かろうとしているタイミングにあります。
グラスに注げば、赤系果実やスミレ、かすかなスパイスの香りが上品に立ち上がり、凝縮感と繊細さを兼ね備えた表情を見せてくれます。
若い頃は引き締まった酸やタンニンがやや硬質に感じられましたが、今はそれらが溶け込み始め、しなやかで滑らかな口当たりへと変化しています。
果実味と熟成由来のニュアンスがバランスよく重なり合い、マルゴーならではのエレガンスが存分に堪能できる状態です。
2009年や2010年といった偉大なヴィンテージの陰に隠れがちですが、2011年はむしろ手が届きやすい価格で、しかも「今すぐ最高の魅力を体感できる」点で特に価値があります。
長期熟成も可能ですが、これからの10年前後はピークを楽しめる絶好の時期。購入してからすぐに開けても、その魅力を余すことなく味わえる、愛好家にとって最も楽しみの多い一本といえるでしょう。
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シャトーマルゴー2011年の購入ガイドと注意点
シャトー・マルゴー2011年を購入する際には、まず信頼できる販売元を選ぶことが最大のポイントです。
収量が少なかった年でもあり、希少性を背景に市場には保管状態の異なるボトルが流通しています。
高額ワインであるため、購入先は実店舗での老舗ワインショップや、評判の高いオンライン大手を選ぶのが安心です。
保存状態の確認は欠かせず、輸入時の温度管理や倉庫の湿度環境などが品質に直結します。
また、2011年はグレートヴィンテージの2009年や2010年に比べると市場評価は控えめなため、価格も11万円前後と相対的に手の届きやすいレンジにありますが、それでも一級シャトーならではのエレガンスとクラシックな魅力を備えています。
投資目的というよりは、これから飲み頃を迎えるタイミングを楽しむために入手するのがおすすめです。
購入時には、可能であればインポーターのラベルやバックラベルを確認し、正規品であることを見極めると安心です。
信頼性と保管状態を重視することで、この名門の魅力を存分に味わえるでしょう。
シャトーマルゴー2011年のペアリング提案
シャトー・マルゴー2011年は、クラシカルな気品とバランスを備え、まさに「今が最高」と言えるタイミングにあるワインです。
その繊細でエレガントな果実味、きめ細かなタンニン、そして熟成によって花開いた複雑な香りは、ソムリエが腕を振るい料理と合わせることで真価を発揮します。
王道の牛フィレや仔羊はもちろん、さらに冒険的なペアリングとしては、ジビエ料理や希少部位を使った肉料理が挙げられます。
例えば鹿のローストや鳩のロティといった深みのあるジビエは、ワインの持つ酸とエレガンスが料理を引き立て、互いに新しい表情を生み出します。
また、シャトーブリアンやミスジなど繊維質が繊細で旨味に富む部位は、2011年の柔らかなストラクチャーと見事に調和します。
さらにトリュフやポルチーニといった香り高い素材を添えれば、熟成香との相乗効果で極上の体験となるでしょう。
特別なシーンで「料理とワインの冒険」を楽しめる、まさに通好みのペアリングを実現できる一本です。
まとめ:2011年シャトー・マルゴー 総評
2011年のシャトー・マルゴーは、2009年・2010年といった偉大なヴィンテージの陰に隠れがちな存在ではあるものの、クラシカルでエレガントな魅力を備えた「通好みの年」として高い評価を受けています。
ブレンドはカベルネ・ソーヴィニヨン主体(86%)で、メルロ、プティ・ヴェルド、カベルネ・フランが繊細に寄り添い、果実の凝縮感と清涼感ある酸、滑らかなタンニンが見事に調和しています。
WA93点、WS94点と堅実な評価を得ており、現在は11万円前後と比較的手の届きやすい価格で流通している点も魅力です。
すでに飲み頃に差し掛かっており、今後10年前後はピークのエレガンスを楽しむことができるでしょう。
長期熟成の重厚さを求めるというより、バランスと端正さ、そして「今すぐに開けて楽しめる喜び」を味わう一本です。
特別な食事や記念日でその気品を堪能するにふさわしい、クラシック・マルゴーの好例といえるでしょう。
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