【2024年試験版】ソムリエ試験・ワインエキスパート試験の勉強方法とは?

【最終更新日】2024年7月20日

こんにちは。ワインブックスの前場です。

この記事ではあなたがソムリエ試験・ワインエキスパート試験を受験するにあたって最初の方向性、全体像をできる限りイメージがしやすいように網羅的に解説しています。

 

あなたがソムリエ試験・ワインエキスパート試験を受験される前にこの記事を読むことによって、努力の質は劇的に改善するはずです。

「努力の質」とは、無駄な努力を避け、効率的な努力にスクリーニングすることに尽きます。

効率的な努力に絞り込めればあとは努力を重ねるだけなので、あなたの目的達成の可能性は最大化をするでしょう。

 

冒頭、記事の根拠のために念のため自己紹介を軽くしておきます。

僕はワインジャンルで最大級のユーチューブチャンネルのワインブックスを運営しています。

自身は30歳の時に国内のソムリエコンテストで優勝し、その後にワイン業界を離れ、10年後に戻ってきました。復帰して4年ほどたっています。

 

10年間の空白期間にワインとは完全に離れ、法律とインターネットを勉強しましたが、その時の経験が強く現在に生きています。

その経験をもとに現在はワインブックススクール(以下WBS)というオンラインのワインスクールを運営しています。

 

WBSはソムリエ試験、ワインエキスパート試験に多数合格者を出し、上級試験のエクセレンス試験にも完全に対応しています。

分かりやすい数値として、2023年度ソムリエエクセレンス試験は全合格者15人という難関試験ではありましたが、そのうち6名がWBSの受講生という嬉しい結果となりました。

これは合格占有率で40%、じつに10人に4人がWBS生ということになります。

ソムリエ試験、ワインエキスパート試験の対策においては高いクオリティをお示しすることが出来ました。

 

WBSのソムリエ試験、ワインエキスパート試験対策講座はこちら→

僕はワインは開かれたもので、歴史的には市民生活の広がりによって伝播した経緯があるため、「ワインはみんなのものだ」という信念があります。

そのためWBSでは「いつでもだれでもどこでも学習できる」というスタンスにこだわり、できる限り利用しやすい金額で、かつ、質の高い学習を提供することに成功していると考えています。

 

WBSでの学習は、ワインを体系的に学習することでワインライフの質を向上させることが本旨になります。

そのうえで、やはり学習をするのであれば形になるものがあったほうがわかりやすいし、やりがいも違ってきます。

その形になる学習対象として、ソムリエ試験、ワインエキスパート試験は最適なものと考えています。

 

僕は多くの方の受験指導をさせていただき、ソムリエ試験、ワインエキスパート試験をどのように捉え、何が本質で何がポイントなのか?ここについてはかなり深く研究しています。

研究の結果、毎年多くの方にアドバイスとコーチをさせていただき、多くの方を合格に導いています。

 

 

前置きが長くなりましたが、ここではあなたがソムリエ試験、ワインエキスパート試験を学習する上において、どのように勉強すればいいのか、どのように取り組めばいいのかをできる限り丁寧に、詳しく解説します。

この試験は本質として民間の呼称資格試験なので、合格したからと言って独占業務がある訳でもないし、ビジネス面でのアドバンテージがもらえるものでもありません。

しかし実際には飲食業界、ワイン業界においては圧倒的な知名度があり、ワインに携わるひととして絶対に避けては通れない試験になっています。

 

ただしこれは言いづらいのですが、民間の試験のため国家資格試験のように運営側が全方位から評価を受け、批判を受け、これを適切に反映させるものではありません。

どうしても主催者側の意図が強く試験にあらわれ、これに受験者側が合わせるところが出てきます。

当たり前ではありますが、こうなると方向性をしっかりとらえないとあなたの努力は水泡に帰すことになります。

 

ところが多くの受験生を見てみると、方向性とか努力の質について深く検討せずに学習を進めてしまっている人が多いことに気づかされます。

「努力の量でカバーする。」こう聞くと努力家なのだなあとは思いますが、これではあなたの最も大事な時間を犠牲にするところがどうしても出てきます。

この試験はほんの少し研究するだけで、学習の質が劇的に改善します。

学習の質が改善すれば「努力の量」は相対的に減ることになります。

↑の図を見てください。結論はおなじ「合格」です。

方向性がしっかりとすれば①で合格します。方向性はどんぴしゃなので効果的で、努力の量は最小限で済み、かつ合格の再現性も高くなります。

②でも合格ですが、方向性が誤っていると道のりは遠のきます。独学でネットなどの情報収集をしっかりすればここまでは可能です。

 

③であれば合格か不合格かのギリギリなので、少しのミスで不合格になる場所に向かっているし、そして道のりも長いという何ともギャンブルな選択です。

そして最悪なのが④です。自己流で勉強してしまい、結果として道のりは遠くなるうえに不合格という結果になってしまいます。

これが方向性の大事さなのです。

 

 

 

この試験の本質は可処分時間との戦いです。

多くの受験生はそれぞれの事情を抱え、きつい飲食店の勤務やワインショップでの勤務をして、ただでさえない時間をやりくりして、何とか勉強時間を確保しています。

 

このような事情があるのであれば、「努力していつか合格すればいい」のスタンスではただ時間が無駄に流れることを意味します。

それであれば少しでもピントを合わせ、「戦略的に努力して、計画的に合格する」の方があなたのライフスタイルにも合っているはずです。

 

ここではWBSがコーチをする戦略的なソムリエ試験、ワインエキスパート試験の学習方法をご紹介しますが、WBSでの学習方法に加えて生徒様の経験談もリンクでご紹介しています。

おそらくリンク先の記事を見ると、どれだけWBS生徒様が個々に試験を分析し的確にとらえているか、驚かれるはずです。

 

これは、WBSの基本姿勢として、「魚ではなく釣り竿を渡す」勉強方法を強く推しているからです。

 

美味しいけど、食べ終わったら終わり・・・

ここではよく使われる表現として、魚と釣り竿でイメージしてください。

お腹が減っている人がいる。このひとに魚を渡すか、釣り竿を渡すかで迷ったとしましょう。

(生徒様がお腹を空かしているかどうかではありません。よく使われる表現ですので、誤解されないようにしてください)

 

お腹が減っていて、ぐーぐー鳴らしている人に魚をあげたとしましょう。

魚を食べればその時は満腹になるでしょう。喜ばれますし、おそらく感謝もされるはずです。

でも、お腹いっぱいになるのはその時だけ。食べ終わって時間がたてばまたお腹が減ることになります。

 

でも、釣り竿を渡せばすぐにお腹はいっぱいにならないけど、ずっとお腹を満たし続ける術を手に入れられる。

すぐには満腹にはならないから魚を渡されるよりは喜ばれないかもしれません。

「釣り竿なんていいから手っ取り早く魚をくれよ」と内心思われているでしょう。

 

ですが、最初の1匹がつれて、2匹目が釣れた。こうすることでどんどん効果的に魚を釣れるようになります。

こうなればお腹を満たすことができるのは自分一人ではありません。仲間と一緒に魚を食べることだってできるようになります。

 

これがWBSがこだわっている学習方法です。

とても面倒だし、回りくどいけど、WBSの学習はできるかぎりあなたが自身で成長できるお手伝いをさせていただいています。

 

大風呂敷を広げましたが、とはいえWBSもビジネスですから、直接的な試験のテクニックはこれでもかと言わんばかりにご提供しています。

ここではあなたがソムリエ試験、ワインエキスパート試験を学習するにあたっての基本ポイントを、何のためらいもなく全出しします。

大変に長いコンテンツではありますが、ここまでお読みのあなたであれば本物の情報であることがわかるはずです。

ぜひ最後までお付き合いください。

 

【合わせてこちらの記事もご参考ください】

ソムリエ二次試験 テイスティング対策講義

【ソムリエのなり方】ワインブックス前場が全出しで解説!

ソムリエ試験合格後の副業とは?具体例と難易度の解説

ワインエキスパートの副業とは?具体的な副業と難易度の解説

 

【動画でも解説しています】

 

ソムリエ試験、ワインエキスパート試験の勉強方法

2023年度試験の傾向

おそらくここまで読んだあなたが真っ先に気になるのがソムリエ試験、ワインエキスパート試験の最新動向でしょう。

2023年度試験は一次試験(CBT試験)に大きな変更があったので、筆記試験の開始直後に受験をされた方はかなり動揺したはずです。

 

これまではすべて四肢択一と言って、4つの選択肢の中から回答を選ぶという選択式の問題に統一がされていましたが、違う形式の問題が目立ちました。

例えば四肢択一ではなく、

・選択肢が6つあって、この中から該当するものをすべて選ぶ

・選択肢が8個あって、この中から正しいものをすべて選ぶ

・記述式で、産地を記述させる

などの設問があり、四肢択一と決め込んでいた場合はかなり動揺をしたはずです。

 

一つ一つの問題の難易度を検討すると、正直2022年度とは大差はなく、全体の半数は基礎的な問題、3割が難易度高めの問題、2割が難易度の高い問題の構成のイメージです。

ただしそれらに加えて新しい形式の出題が目立ったため、受験生の心理とすると相当難易度が上がったように感じたはずです。

 

WBSでは新しい出題形式についてはすでに対策済みでしたので、早い段階で多くの方が合格をされましたが、かなり苦戦をされた方も多かったはずです。

2024年度以降も難化傾向は続くと予想していますので、WBSとしてはしっかりと対応をさせていただきます。

 

2023年度ソムリエ・ワインエキスパート試験の受験者数・合格者数・合格率の結果と分析はこちら→

 

難易度の検討

ソムリエ試験、ワインエキスパート試験の勉強方法の前に総論を検討してみましょう。まずは難易度です。

この試験は本当にざっくりいえば一次試験で半分にスクリーニングされ、二次試験で2割がふるい落とされ、さらに三次試験で若干量がふるい落とされる試験です。

ということは一次試験を合格すれば合格率は一気に上がりますから、どう考えてもかなめは一次の筆記試験ということになります。

 

一次の筆記試験はここ5年くらいで急な難化傾向にあり、問題はどんどん難しくなる傾向にあります。

これが良く現れているのが合格点で、これまでの合格点はおそらく65%程度の得点率だったと思います。

ところが2023年でいけば65%の得点率だと合格率が下がってしまうため、おそらく合格点を2~3点下げたものと思われます。

 

これは「問題を難しくさせ、合格点を下げる」ものなので、当然受験生のレベルが上がれば合格点は切り上げてくるし、こうやってどんどん試験を難化させるのです。

当たり前ですが業界全体に「ソムリエ試験、ワインエキスパート試験は難しい」と思われているほうが試験の権威性は上がります。

主催者側の思惑を考えれば受験生を離れさせず、かつ難化させたいと願うのが合理的な判断でしょう。

 

そのため試験は今後も難化をし続けるはずだし、これに対応する能力が求められるということになります。

 

ソムリエ試験の難易度についてはこちらをご参考ください→

 

ワインエキスパート試験の難易度についてはこちらをご参考ください→

 

 

いい点を取る必要はない

では試験が難化傾向にあるということが分かったうえで、この試験の本質をとらえましょう。

難しい試験だとどうしても「いい点を取ることがかっこいい」とおもう人もいると思いますが、これはWBSの考えとは違いますので、修正をさせてください。

 

先ほども言いましたがこの試験は民間の呼称資格試験なので、合格したからと言って直接的なビジネスでのアドバンテージがあるわけではありません。

試験でいい点を取ってもそれが実践で生かせなければだめだし、お客様からの支持がなければあなたはソムリエとして活躍をすることはできません。

 

確かに合格点ギリギリで合格した人と高得点で合格した人では、その時点ではかなり大きな差があるのは経験上の事実です。

しかし、じゃあワイン界で活躍している人はどうかと言えば決して試験で高得点で合格した人ではなく、「粘り強く合格後も努力を継続したひと」でしょう。

 

この試験は毎年3月に発売されるソムリエ協会教本から出題されるので、極論教本を丸覚えすれば満点がとれるようになっています。

では、あなたは「ソムリエ協会教本を丸覚えしているから、あの人にワインをお勧めしてもらおう」と思いますでしょうか?

おそらく違うはずです。

 

あなたがワインをお勧めしてほしい人とは、あなたの気持ちに寄り添い、理解してくれて、心情や好みを汲んでくれる。そんなソムリエであるはずです。

 

それであれば、合格点は気にせずに、早々と合格してその後のソムリエ人生を謳歌したほうがいいと考えています。

 

合格点+αを目指す

では、合格点ギリギリで早々と合格し、合格後に努力すりゃいいじゃんという考えはどうでしょうか?

これでは一歩間違えれば不合格ですし、試験が半分ばくちになってしまいます。

 

例えば合格点が2023年は62%だったとしましょう。ここを目指して学習をした結果、2024年は64%になる可能性もゼロではありません。

あるいはCBT試験ですからたまたまあなたの不得意な問題が続いてしまったなんてことも十分にあり得ます。

そのため合格点ギリギリを目指すのは結果論で、「計画的に合格する合格点」ということを検討すると、やはり7割を目指して学習をするというのが合理的な判断でしょう。

 

7割の得点であれば、少なくとも実績としてWBSの生徒様の得点のボリュームゾーンは7割強の得点なので、決して厳しい点数ではありません。

少なくとも2024年の年初に学習を開始し、スケジュールをもとに学習をすれば十分に得点はできますし、初学者でもほとんどが合格できるでしょう。

 

【関連記事】

【最新版】ソムリエ試験の合格点と合格率・難易度について

 

過去問について

”ソムリエ試験”のサブキーワードでも過去問は常連中の常連です。

おそらくあなたがソムリエ試験、ワインエキスパート試験の学習で真っ先に気になるのが過去問での学習でしょう。

どんな試験でも過去問の重要性は予備校などで説かれていると思います。

当たり前でしょう。過去の出題傾向から次回の試験を予測し、対策をする。これが試験勉強の正攻法だからです。

 

どのような試験でも、主催者側(ソムリエ協会)の意図は受験生の獲得です。

受験生を獲得し、できれば優秀な受験生に集まってもらい、試験そのものの権威性を高める。

試験に権威性が生まれればおのずと受験生は集まるようになるので、これが好循環というものでしょう。

 

では、試験の質を上げるにはどうすればいいか?

過去の出題に即して徐々に難易度を上げ、受験生の教育をする。

これに尽きることになります。

 

だから出題側としては過去問の傾向から大きく外れるような出題はしづらいのが本音になります。

昨年と今年では全く意図の違う出題ばかりだと、受験生離れを起こしてしまい、結果として試験の権威性を失ってしまうからです。

 

ソムリエ/ワインエキスパート試験の過去問は?

では、この出題側の意図を理解したうえで、ソムリエ/ワインエキスパート試験の過去問を検討してみましょう。

ご存じの通り2018年からCBT試験に移行したため、公開されている過去問というものは存在しません。

そのため2017年以前のものや、あるいは受験生の記憶をたどってみるしか方法がないのが実態です。

 

CBT試験以前の2017年や2016年になると、すでに5年も経過していますのでやはり心細いというか、さすがに参考ならないのではと思うのが普通でしょう。

どこのスクールも最新の過去問の調達は運営上重要になってきますので、何とかして受験生に聞き出して、これを蓄積させることになるのです。

そのため、どこのワインスクールでも”過去問”というキーワードを使ってはいますが、この理由から完全な過去問ではなくて、”過去問風の練習問題”というのが正しい表現になってくるのです。

 

5年前の過去問は参考にならない?

では、2017年や2016年の過去問が全く参考にならないかと言われれば、おそらく合格者であればほとんどの人は

「いやそんなことはない。結構参考になる」

と答えるはずです。

 

実際に僕も2016年、2017年の問題を見てみると、昨年(2021年)の受験生から聞いた出題と難易度や傾向は大きくはずれていないことを確認しています。

受験する側としてはさすがに心細いのはその通りかもしれませんが、それでも参考になるのはその通りです。

できれば対応しておきたいところです。

 

過去問は読み物?

これはスクールや講師によって考え方は違うと思いますが、基本的にソムリエ試験、ワインエキスパート試験の過去問については個人的には読み物だと思っています。

読み物というと誤解がありそうですが、これは過去問については時間をかけて本番同様に取り組むものではないとの考えだからです。

 

・どのような出題のされ方なのか?

・どの程度の難易度なのか?

・どの程度の広さなのか?

・どの程度の深さなのか?

 

などを把握するために、ざっくりと読み進めるのが過去問との付き合い方でしょう。

 

ソムリエ・WE試験あるある

ソムリエ・ワインエキスパート試験でもそうでなくても、ほとんどすべての資格試験は暗記が重要になってきます。

ただし覚えるといってもそのボリュームに圧倒されることも多いはずです。

この試験も800ページある教本は文字だらけで、おそらく最初はしり込みをするはずです。

 

ただし、当たり前ではありますがどこかから覚えていかないとゴールにはたどり着きません。

多くのワインスクールでは

ワイン概論⇒フランス⇒伝統国⇒ニューワールド

大体こんなイメージで学習スケジュールを組んでいます。WBSでも同様です。

 

ただし、学習を進めると頑張って覚えても、次の項目に行くときれいさっぱり前の項目を忘れてしまう。

これが不安でたまらないという気分を味わうでしょう。

代表的なソムリエ・ワインエキスパート試験あるあるです。

 

ただし、WBSではスケジュール管理もしっかりやらせていただきますが、基本的に「覚えていよう」という心構えさえあれば完全に忘れてしまうということはありません。

ピーキングと言って試験直前期になると記憶力が驚くほど向上する期間があって、それまでは淡々と学習をすることが肝要です。

 

「暗記」と「理解」


WBSは、ソムリエ・ワインエキスパート試験を単純な暗記で終わらせるのはもったいないと考えています。

せっかく難しい試験に挑戦するのに、暗記で終わらせてしまうことで、その場限りの表面的な知識に終わる可能性があるからです。

 

WBSは「暗記」と「理解」をはっきりと棲み分けています。

一般的に試験学習では、暗記と理解では、理解の方が長期記憶につながりやすく、暗記は短期で忘れてしまうことが多いとされています。

 

①黒ブドウには赤色色素のアントシアニンが含まれている

②白ブドウには赤色色素のアントシアニンは含まれていない

③赤色色素のアントシアニンが含まれているから赤ワインになる

④赤ワインの原料は、黒ブドウである

 

④の結論に至る前に、①~③を理解しないと他者に説明できませんが、案外④を暗記して覚えている人は多いはずです。

結論だけを暗記すると、他者に説明ができないし、すこし問題文が変わると回答ができません。

 

ただし、重要なのが「理解」をするためには最低限の「暗記」はどうしても必要だということです。

理解力はあっても基礎知識がないため論理が明後日の方に行く人がいますが、これは前提条件の最低限の暗記ができていないことがほとんどです。

 

ソムリエ試験・ワインエキスパート試験は近年急激な難化傾向にありますが、これはなにも暗記する部分が増えて難しくなっているのではなく、理解力が求められているのです。

教本本文の脈絡を理解していないと回答できない問題が増えていますが、これは単純な暗記ではなく、他者にわかりやすく説明できる素地を持ってほしいという主催者側の意図がくみ取れます。

 

実際の出題傾向

では、具体的にソムリエ試験、ワインエキスパート試験ではどの程度の割合で過去問からの出題があるのでしょうか?

これは2023年の受験生の声をまとめると、「一致した傾向はない」が個人的な意見です。

 

というのも人によっては

「基礎的な問題ばかりで過去問からも多く出題があった」

という人もいれば

「マイナーな論点ばかりで、過去問はほとんどなかった」

という人も多かったからです。

 

CBT試験ですから本来であれば難易度は調整されているはずですが、受験生によってかなり出題の難易度に開きがあったのが個人的な感想です。

なので、ここは感覚的なものになりますが、2024年度は

 

・過去問、基礎的な問題 40~60%

・中程度の難易度の問題 20~40%

・マイナーな論点、難易度の高い問題 10~20%

 

くらいの幅があると感じています。

暗記の試験か考察の試験か?

よくネットでは「ソムリエ試験は暗記の試験だ」と言われますが、これに対して「暗記だけではなく、考察力も大事だ」という意見のサイトもあります。

これは何を意味してるのかというと、それだけ多くの人が意見を持ちやすいレベルの難易度だということです。

全く暗記よりの試験ということでもないし、考察力に振り切った試験でもない、これが意見を分かれさせているのでしょう。

 

WBSとしては、最終的に大事なのはもちろん考察力ではありますが、とはいえ暗記がこの試験のかなめであることは不動だと考えています。

これは何もソムリエ試験、ワインエキスパート試験だけではなくて、資格試験は正直どれも暗記が本質で、考察力は暗記してからの次のレベルの話です。

逆に暗記していないで考察力だけで勝負をするのであれば、考察力そのものの方向性を間違える可能性があります。

 

そのため暗記と考察力であれば、まずは暗記をしてから考察力を養おうというのが正攻法で、暗記もしないで次のレベルに行けるかというと、そんな甘いものではないというのが実際のところでしょう。

 

記憶の質

では、せんじ詰めればソムリエ試験、ワインエキスパート試験は暗記の試験だということを踏まえたうえで、ではどこまで暗記すればいいのかを検討してみましょう。

暗記はどこまで広く覚えればいいのかに目が行きがちですが、もっと大事なのは「記憶の質」です。

 

一次試験は例年60分の試験時間に対して問題数は120問なので、単純計算で1問30秒で回答をします。

こうなるとわかる問題は10秒で回答し、わからない問題、悩む問題であっても1分かけることはできません。

 

あいまいな記憶であればそれだけ選択に悩むことになりますし、逆に鮮明な記憶であれば迷わずに、かつ短時間で選択ができるということになります。

つまり、どこまで記憶の質を高められるかが重要であるということをおさえておきましょう。

 

「記憶の質」とは?

では、記憶の質とは何でしょうか?↑の画像を見てください。

なんとなくフルーツが並んでいることがわかるはずです。

もちろん「マンゴーがありそうだ」「キウイがありそうだ」ここまではパッと見てわかるはずです。

 

これが普通の人の普通の記憶の質でしょう。

ワインライフであってもこの程度の記憶の質で普通に楽しめるはずです。

 

しかし試験ではこれでは対応ができません。

 

マンゴーの皮はどんな色でしょうか?斑点はありますか?

キウイの断面はどのような状態でしょうか?どんな色のコントラストになっていますか?

パイナップルのとげはどのような状態ですか?

 

これらはぼやけた画像では答えられないし、回答できたとしても正確性に欠ける回答になります。

これが記憶の質で、この試験で求められていることなのです。

 

2択まで絞る

では、記憶の質が大事だということが分かったとすると、「完全無欠な記憶」が求められると思われがちです。

もちろん丸暗記ができて教本の隅から隅をはっきり完璧に覚えられればそれに越したことはありませんが、それでは100点を目指す学習方法になります。

これでは先ほどの理屈と相反するし、7割を目指す勉強方法ではなくなってしまいます。

 

試験には当然難易度の高い問題もあれば難易度の低い問題もあります。

難易度の高い問題であってもせんじ詰めれば記憶の質で回答ができますが、それが出来ればだれも困らないはずです。

そこで、「難易度の高い問題であっても2択まで絞る」ことを念頭に置いてみてはいかがでしょうか。

 

具体例を見てみましょう。今年の試験でこのような問題が出題されました。

 

・10R ワイナリーに関係の深い市区町村を選んでください。

①余市町

②甲府市

③甲州市

④岩見沢市

 

この問題があったとします。正解は④の岩見沢市です。

 

ここで10R ワイナリーが北海道岩見沢市にあることがわかれば苦労はありません。10秒で回答して次に行けばいいだけの話です。

しかし、あなたの記憶が「10Rワイナリーは北海道にある」までであればどうでしょうか?

選択肢を検討すると、②と③は明らかに山梨県にありますから、①と④までは絞られることになります。

 

難易度の高い問題であっても最終的に2択にまで絞ることができれば正解の可能性は50%になりますから、あてずっぽうでも半分は正解できることになります。

運任せになってしまうのはなんとも寂しいものですが、難易度の高い問題に二択まで絞れるくらいになれば、あなたの努力はかなり報われる可能性が高いです。

 

難易度別の構成

ではここから具体的な戦略です。

過去の経験から、おそらくソムリエ試験、ワインエキスパート試験の一次はこのような難易度の構成になっているはずです。

 

①難易度の低い問題、頻出の問題、過去問で対応可能な問題 5~6割

②やや難易度の高い問題、横断的な問題 2~3割

③難易度の高い問題、初見の問題 1~2割

 

おそらく多くのワインスクールやサイトはこのように分析しているはずです。WBSでも同様です。

これを検討すると、①が完璧に回答できればあとはあてずっぽうに回答しても合格点は取れそうですが、そう話は甘くはありません。

①の問題であっても隈なく覚えられるかと言われればそうではないし、もちろん簡単な問題でも誰にもミスはあります。

 

逆に③の問題は難問珍問なので記憶に残りやすく、これがネットで目立っているのはその通りでしょう。

ただし正直③の問題は教本マニアには価値があっても一般のワインファンにはどうでもいい問題も多く、これを覚えるのに時間を割くのは合理的ではありません。

 

それであれば②の問題をなんとかくらいついて回答し、先ほど述べた「2択まで絞る」ことができれば7割の合格点に十分に手が届くということになります。

 

 

ソムリエ協会教本

この試験はソムリエ協会主催の試験なので、合ってる間違ってるの判断はすべて教本に合わせることになります。

教本とは、ソムリエ協会が毎年3月ころに発行する資料で、この中からほとんどすべての問題が出題されます。

 

マニアな方は毎年教本をくまなく覚えて、昨年度と今年度で何がちがうか、何が追加されたかを理解することに時間を割きますが正直時間の無駄です。

「ワインの教科書なんだから毎年買って隅々まで覚えるべきだ」なんていったら踊らされすぎです。

 

実際の現場ではいつまでも教本に縛られていると融通が利かなくなり、残念なソムリエになる可能性も高いです。

変更点や追加点についてはスクールに任せて、合格後はざっくりと数年おきに全体像をおさえている程度で十分でしょう。

 

ただし受験生は別。ここから出題がされるので、教本をメインに学習をするのが鉄則です。

WBSでは、基本テキストもありますが、必ず教本をメインで学習し、スクールのテキストはその足掛かりにしてくださいと伝えています。

 

これを初見で覚えるのはきつい・・・

教本は見てすぐにわかりますが文字ばかりではっきり言って見づらいです。

初見の人であれば引き返したくなるだろうし、苦手意識を持ってしまうのが普通でしょう。

そのため、まずはWBSのテキストで学習の雰囲気に慣れてもらい、そのうえで教本に移行しましょうということなのです。

 

具体的な学習方法

科目別の学習方法

ではここまでである程度の学習の全体像がつかめたと思いますので、ここからいよいよ具体的な科目別の学習方法を検討してみましょう。

教本を検討すると項目別に分かれていて33になります。

これをすべて紹介するのはここでは避けますが、最も重要なワイン概論、フランスワイン、イタリアワイン、日本のワインについて最新の傾向をもとにご紹介します。

 

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ソムリエ1次 CBT試験の詳細レポート【会場の雰囲気から合格発表まで】

 

ワイン概論

地味ではありますが、ワイン概論は合格者であれば最も重要な分野であることを理解しているはずです。

WBSでもワイン概論は最も重要であると説明していますし、ここが苦手だとソムリエになった後の成長度に限界があります。

現役で活躍するソムリエは間違いなくワイン概論をしっかり押さえていますし、ここはきつくても得意分野にすることをお勧めします。

 

ワイン概論はざっくりいうと総論、ぶどう栽培、ワイン醸造の3つのパートに分かれています。

この中で総論についてはぶどう栽培、ワイン醸造以外を言っているんだととらえてください。

 

ぶどう栽培とワイン醸造は、まずは全体像をつかみ、どのようにしてブドウは栽培され、ワインが造られるのかをざっくり知りましょう。

決して難しいものではなく、WBSのテキストで慣らせば必ず理解できますので大丈夫です。

 

当初はざっくりと「栽培にはどのようなことをするのか」「醸造はどのようなことをするのか」を雰囲気でつかむ程度で大丈夫です。

ただし当たり前ですが、雰囲気つかむだけでは点は取れません。

そのうえで、栽培には栽培用語があるし、醸造には醸造用語があるので、これをキーワードと意味をはっきり紐づけをする、こうすることで点数が取れるようになります。

 

では、難易度の高いワイン概論の問題を実際に検討してみましょう。

 

・TPOとはなにかを選んでください。

①Nitrogen Sparging+DO+HSO

②DO

③HSO

④DO+HSO

 

おそらくしっかり覚えていないと問題の意味が分からないはずです。

TPOとはTotal Package Oxygenの略で、ボトル内にある酸素の量を表しています。

 

Nitrogenは窒素の意味なので、TPOの意味が分かれば①は消えます。

ただしDO(Dissolved Oxygen)とHSO(Head Space Oxygen)の意味が分からなければ回答することはできません。

なんとなく、TPOがボトル内酸素の総量であることさえ覚えて入れば、酸素は元素記号がOなので、DOとHSOの単独ではなく、合算したものではないかという推測が立ちます。

 

初見の人であればびっくりしたかもしれませんが、この手の難易度の高い問題でも、何とかくらいついて「回答を推測する」ことも肝要になってきます。

 

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フランスワイン

おそらくソムリエ試験、ワインエキスパート試験を目指すきっかけがフランスワインであった人は多いはずです。

ブルゴーニュ、ボルドー、シャンパーニュなど、世界でも唯一無二のワイン産地ですし、情報量も多いのでファンになりやすい素地があります。

一次試験での存在感も強く、おそらくワイン概論、日本、フランスは出題の三本柱でしょう。

 

ただしワイン概論と日本については年々出題の傾向が難化しているのに対して、フランスワインはさすがに新しい情報はすくなく、そのため過去問である程度対応できる傾向にあります。

例えばメドック61シャトーの問題はこの試験の基本中の基本です。

 

・次のシャトーのうち、3級でAOCMargauxのものを選んでください。

①Chateau Rauzan-Segla

②Chateau Marquis de Terme

③Chateau Ferriere

④Chateau Langoa Barton

正解は③で、①②はAOCはマルゴーですが級が違います。④は3級ですがAOCはサンジュリアンです。

 

これは単純に61シャトーの級とAOCを覚えていれば回答できる問題ですが、おおむねどの生徒様もこの手の問題が1問出たとご協力をいただけました。

フランスワインはこのように「覚えていれば回答できるけど、覚えるのが大変」という問題が多いです。

ボルドーやブルゴーニュ、シャンパーニュ以外の産地からも遠慮なく細かい規定やブドウ品種の問題が出題されています。

 

攻略法としては、新しい教本が発売される3月までに覚えるところは覚える。これに尽きます。

 

メドック61シャトー

ボルドーの格付け(グラーヴ、ソーテルヌ、サンテミリオンなど)などの基礎的な格付け

シャンパーニュのグランクリュ

ブルゴーニュの特級の名称と地図など

 

これらは「気合と根性」で何とかなる部分ですし、新しい教本が発売されていてもおそらく変更点はないはずです。

WBSの経験ではこの辺りをすでに3月までに終わらせていた人はスケジューリングもうまくいくことが多く、すべての方が合格をされています。

 

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ソムリエ試験の勉強法|フランスワインを効果的に覚える具体的方法

 

イタリアワイン

フランスワインに比べてイタリアワインは長らくソムリエ界では影の存在の様な立ち位置だったと思います。

日本ではフランス料理よりも圧倒的にイタリア料理の方が数も多く存在感も強いです。

にもかかわらずソムリエの世界ではフランスワインの陰に隠れてしまい、相対的に損をしている感は否めません。

ミシュランでもイタリア料理には厳しいとされ、レベルの高いお店が多いのに星がフランスに比べて少ないなどの話もよく聞かされます。

 

ただしこの傾向はソムリエ試験、ワインエキスパート試験においては修正されていて、問題の質についてはフランスよりも難しい出題も多いのが最近の傾向です。

以前は代表的なDOCGの州とブドウ品種を覚えれば対応できたようなところもありましたが、近年ではさらに踏み込んで県まで回答させる問題も報告を受けています。

 

・次のワインのうち、Alessandria県にあるDOCGを選んでください。

①Barbaresco

②Gattinara

③Gavi

④Ghemme

 

正解は③のGaviで、Barbarescoはクーネオ県、Gattinaraはヴェルチェッリ県、Ghemmeはノヴァーラ県です。

 

これはどういう問題かというと、ピエモンテ州のDOCGワインがピエモンテ州のどの県にあるのかを問うています。

これまでは「Barbarescoはピエモンテ州にある」程度の精度でよかったのですが、著名なワインや州になるとこれでは足りずに、県名までを記憶する必要があるということになります。

 

これまでの出題よりもさらに踏み込んだ出題が多いですが、ただしイタリアワインはフランスワインと同様に歴史や伝統があるため出題されるワインは固定される傾向が強いです。

WBSでは完全に出題の傾向をつかんでいますので、深い出題があってもほとんどの受験生は対応ができていたように思います。

 

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日本のワイン

長年日本ソムリエ協会は日本のワインの普及に力を入れていて、これが試験内容にも強く影響をしています。

当たり前でしょう。日本国内であるにも関わらず日本のワインは輸入ワインの10分の1ほどしか流通していないし、花形のワインはほとんどが輸入ワインです。

 

ジャーナリストも日本のワインよりも外国産ワインの方が取り上げやすいし、数字も伸びるのが現状です。

これをなんとかしたいのか、日本のワインはワイン概論、フランスワインとともに出題の傾向ではトップクラスの存在感になっています。

 

日本のワインは情報も入りやすいし、現在拡大傾向にあって新しい情報も生まれやすい素地があります。

本格的なワイン造りをするワイナリーも年々増えていますし、品質も高くなっています。

そのため日本を学習する際は3月の教本発売まで待って、最新情報をふまえて最新の教本で学習することが肝要になります。

 

以前は山梨県、長野県、北海道を学習すればいいくらいのイメージでしたが、2023年では普通に全国からの出題が報告されましたし、踏み込んだ出題も多かったように感じます。

 

ご報告をいただいた中で特に難しいと感じたのはこの問題でした。

 

・甲州市勝沼町の生産地域で最も標高が高く、寒暖差の大きい地域を選んでください。

①勝沼地区

②東雲地区

③菱山地区

④祝地区

 

正解は③の菱山地区で、これは教本をかなり読み込んでいないと回答できない問題です。

本文を読み込んでいても、「まさかここは出題されないだろう」というところにドンピシャで記載があって、出題の報告があったときに驚いたことを覚えています。

 

今後も日本のワインは法制度や新しい情報も増えるでしょうし、これに合わせて難問の出題がつくりやすく、受験生にとっては鬼門になる可能性は高いです。

WBSとしてはしっかりと対応し、生徒様に共有できるようにしたいと考えています。

 

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一次試験のキーポイント

ここまでで具体的な項目別にソムリエ試験、ワインエキスパート試験の一次試験を見てみましたが、総論として最も重要なポイントをご紹介します。

それが「教本の読み込み」です。

読み込みとは、教本を1ページずつ丁寧に1行1行を文字通り読み込んでいくもので、できれば一次試験までに3週は読み込んでおきたいところです。

 

・1週目はざっくりと読み込んで、重要箇所にマークをしておく

・2週目はしっかり読み込み、記憶の質を高める

・3週目は記憶を固定化させ、回答を易化させる

 

理想を言えばこんなところでしょう。ただし教本は800ページあるので1週を読み込むだけでおそらく10日はかかります。

そのためWBSでは基本講座を6月に完了させ、7月は教本の読み込みに徹することができるようにスケジューリングをとっています。

 

この試験は教本から出題がされるので、教本をいかに読み込んでいるかが非常に重要になってきます。

 

WBSでも一次試験では、半年以上学習されている方であればおそらく9割の方が合格されていると思います。

ただし一方でもちろん不合格の方もいて、不合格になった方の感想を伺うと、決まって「教本の読み込みはできなかった」との回答がありました。

WBSのテキストや練習問題、動画講義は聞いていたけど、教本までは読み込んでいないということです。

 

WBSにテキストは難解な教本を読み込むためのステップなので、テキストだけでは基礎的な問題しか回答はできません。

少し難易度の高い問題や横断的な問題はやはり教本を読み込んでいないと対応ができないため、得点は限定的になってしまいます。

 

来年度以降、教本の読み込みは一層重要になってくるはずですので、ここについてもしっかりと対応をしたいと考えています。

 

二次試験 テイスティング

ソムリエ試験、ワインエキスパート試験の二次はテイスティングですが、WBSは得意中の得意分野です。

テイスティングの教材は、ワインは赤白4種類ずつの本当に基本的なワインで、「これ以上ワインの幅を広げるのは余裕のある人だけでいいですよ」というスタンスです。

他のワインスクールはこれを赤白何十種類と準備をしていますが、正直WBSとしてはこれではノイズを増やすだけなので意味がないと考えています。

(これは試験を考えてのことですので、ワインライフにおいては幅広いテイスティングの経験は必須です)

 

テイスティングについては配点が公表されていて、おおむね表現(外観、香り、味わいなど)が8割弱、結論(ぶどう品種、生産国、収穫年)が2割強となっています。

結論が2割強となっていますが、ぶどう品種は当てることはできても生産国や収穫年をぴたりと当てることができる受験生はそうはいません。

 

おそらくコンクールで活躍するソムリエでも、出題者側のソムリエ協会試験委員でも、もちろん僕でもぴたりと当てろと言われても「そんな無茶な」というリアクションになるはずです。

僕だったら「そんなことに時間を使わせないでほしいので、そもそもやらないです。」となるかもしれません。

結論については完全に当てるのは名人芸だし、そんな人見たことありません。

そのためテイスティングでは表現をしっかりすることに徹するのが正攻法です。

もちろん当てることに越したことがないのはその通りですが、完璧に当てることに時間を割くのは可処分時間の計画性の問題から外れると考えています。

 

この試験は可処分時間との戦いです。

多くのスクールやサイトではどんどん難しくなるテイスティング試験に対応するため「できる限り対応できるように多くのワインに触れるように」というスタンスです。

しかしこれを受験生に押し付けるのははっきり言ってソムリエの業務の激務さを理解していません。

ワインエキスパート試験でも時間とお金がじゃぶじゃぶあっていくら使ってもいい、という人はごく稀でしょう。

 

ソムリエは、特に駆け出しはただでさえ毎日パンパンに張り詰めたスケジュールをこなして、鞭を打って業務に携わっている人が圧倒的多数なはずです。

そんな実態がある中で「あれもこれもテイスティングするべき」というのは、もちろん理想論ではあるかもしれませんが実態との乖離があるのもその通りでしょう。

そのためWBSではできる限りアイテムについては絞り込んで、逆に表現方法についてはしっかりと叩き込む、このような戦略をとっています。

 

様々な幅広いワインのテイスティングは合格した後にすれば十分ですし、ワインライフは長いので焦らなくても特に問題ありません。

 

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2023年度ソムリエ・ワインエキスパート二次試験テイスティングワインの回答と分析

 

まとめ

大変に長いコンテンツでしたが、ここまでお読みいただきありがとうございます。

WBSは講座そのものは横断的に、すべての地域のワインを学習し、その流れで自然な形で試験合格を手に入れましょうというスタンスです。

 

もちろん試験においてもWBSはほとんどの生徒様が一発合格をするのですが、それにはもちろん理由があります。

生徒様が合格できるように最大限の資料を提出し、最新情報を分析し、学習の最適解を提供する。これができているから現在のWBSがあります。

 

ここまでお読みのあなたであれば、何となくソムリエ試験、ワインエキスパート試験の学習方法の取り組み方、深さ、広さがつかめたのではないでしょうか。

この試験は形こそ民間の認定試験ではありますが、ワイン学習のプログラムとしては最適で、最も効果的に学習ができる対象として強くお勧めしています。

もちろん実務で生かせるのも大きな魅力ではありますが、それ以上にあなたのワインライフの質を劇的に向上させ、一生ものの知識と経験を与えてくれます。

もしあなたが少しでも「この試験を受けてみよう、でも何から手を付けていいかわからない」こういう場合はワインブックススクールを覗いてみてはいかがでしょうか。


 

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