【最終更新日】2024年8月4日
ワインのブラインドテイスティングは、ワイン愛好家にとって非常に魅力的なスキルです。
目隠しをしてワインをテイスティングすることで、視覚的な影響を排除し、香りや味わいに集中することができます。
この記事では、ワインのブラインドテイスティングの練習方法を紹介します。まずは、基本的な準備から始めましょう。
必要なアイテムは、ワイン、グラスですが、ブラインドテイスティングは一人ではできませんので一緒にブラインドテイスティングをする仲間もです。
次に、ワインの選び方やテイスティングのステップを詳しく説明し、練習を通じて味覚と嗅覚を鍛える方法をお伝えします。
これらの練習を通じて、ワインの特徴をより深く理解し、自分自身のワイン知識を向上させることができるでしょう。
僕は前場亮と申します。最初に記事の信頼性のため、少しだけ自己紹介をさせていただきます。
WBSワインブックススクールというオンライン最大級のワインスクールを運営していて、毎年多くの方をソムリエ・ワインエキスパート試験の合格に導いています。
テイスティングの本も監修させていただきましたので、ブラインドテイスティングの一般論について深く論じる程度の知見はあります。
また、ブラインドテイスティングを本格的に学びたい方向けに、ブラインドテイスティングの通信講座も行っておりますので、皆様のご参加をお待ちしております。
この記事では、ブラインドテイスティングに興味がある方向けに、その初期段階の取り組み方と練習方法を紹介しています。
それでは、ブラインドテイスティングの世界へ一緒に足を踏み入れましょう!
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目次
【ブラインドテイスティングの練習方法】最初のステップはこう踏もう!
”ブラインドテイスティング”とは?
ワインのブラインドテイスティングは、英語ではBlind Tastingとかき、ワインの銘柄がわからない状態で、銘柄を探っていくテイスティングです。
事前情報を排除し、香りや味わいに集中してワインを評価する方法ですので、ラベルや価格に左右されず、純粋にワインそのものの品質を判断できます。
初心者でも簡単に始められるブラインドテイスティングは、ワインの奥深さを楽しむための第一歩と言えるでしょう。
ブラインドテイスティングを行うには、いくつかの基本的なステップがあります。
まず、ワインを複数用意し、ボトルを布や袋で覆い、ラベルが見えないようにします。
そして、各ワインを少量ずつグラスに注ぎます。
この時、番号をつけて区別できるようにすることが重要です。
次に、銘柄情報以外の感覚を使ってワインを評価します。
香りを嗅ぎ、果実の香りやスパイス、花の香りなど、どんなアロマが感じられるかをメモします。
その後、ワインを口に含み、味わいや質感を評価します。酸味、甘味、苦味、タンニンのバランスを確認し、余韻もも確認します。
最終的にはどの国、どのぶどう、収穫年などを予測し、当てることになります。
ブラインドテイスティングは、一人でもやろうと思えばできますが、通常はグループで楽しむことになります。
友人や家族と一緒に行えば、意見を交換し合いながら学びを深めることができます。
また、テイスティングの結果を記録することで、自分の好みや傾向を把握しやすくなります。
最後に、ブラインドテイスティングは練習を重ねることで上達します。
多くのワインを試し、その違いを感じ取ることで、ワインの世界がさらに広がるでしょう。
適切なトレーニングができれば誰でも驚くほどブラインドテイスティングの能力は上がります。
どうしても最低限の知識は必要
最初にどうしてもここだけは押さえておくべきなのが、最低限の知識です。
ワインのブラインドテイスティングを効果的に練習するには、どうしても最低限の知識が必要になります。
これにより、テイスティングの精度が向上し、ワインの特性を正確に判断できます。
ただし、知識とはいってもこの場合はソムリエ・ワインエキスパート試験レベルではなく、もっと限定的で浅いもので構いません。
以下に、必要な基礎知識と練習方法を紹介します。
まず、ワインの基本的な種類や主要な品種について知識を持つことが大切です。
例えば、赤ワインと白ワインの違いや、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、シャルドネなどの主要品種の特徴を理解しましょう。
これにより、ワインの香りや味わいを識別する際に役立ちます。
最低限、主要なブドウ品種の特徴と、その生産国、生産地域さえ分かっていれば大丈夫です。
そのうえで、やはり深める、極めるには網羅的なワインの知識は必要ですので、ここは最初におさえておきましょう。
次に、ワインのテイスティング手順を理解することも必要です。
テイスティングは視覚、嗅覚、味覚の三段階で行います。視覚的には、ワインの色や粘性を観察し、ワインの年齢やアルコール度数を推測します。
嗅覚では、ワインの香りを嗅ぎ、果実、花、スパイス、樽香などのアロマを特定します。
味覚では、ワインを口に含み、酸味、甘味、苦味、タンニンのバランスを評価し、余韻の長さを確認します。
まずはカテゴリ分け
ワインのブラインドテイスティングを練習する際、最初にワインのカテゴリを理解することは非常に重要です。
これにより、テイスティングの精度が向上し、より効果的にワインを評価できるようになります。
ただし、カテゴリといっても難しいものではなく、ワインの味わいから常識的に感じ取れるものになります。
以下に、その重要性について説明します。
まず、ワインのカテゴリ(甘口、辛口、ライトボディ、フルボディ、ニュートラル、複雑など)を理解することで、テイスティングの基準が明確になります。
例えば、甘口ワインと辛口ワインでは、糖度や酸味のバランスが異なります。
甘口ワインではフルーツの甘さやハチミツのような風味が強調される一方、辛口ワインでは酸味やミネラル感が際立ちます。
この違いを知ることで、テイスティング時にワインの基本的な特徴をすばやく識別できるようになります。
次に、ワインのボディ(ライトボディ、ミディアムボディ、フルボディ)を理解することも重要です。
ライトボディのワインは軽やかで飲みやすく、アルコール度数やタンニンが低いことが特徴です。
一方、フルボディのワインは濃厚でしっかりとした味わいがあり、アルコール度数やタンニンが高い傾向があります。
この知識があると、テイスティング時にワインの質感や重さを評価する際に役立ちます。
さらに、ニュートラルなワインと複雑なワインの違いも理解することが大切です。
ニュートラルなワインはシンプルで明快な味わいを持ち、特定の香りや風味が際立つことは少ないです。
対照的に、複雑なワインは多層的な風味があり、時間と共に異なるアロマやフレーバーが現れます。
この違いを知ることで、ワインの深みや奥行きを評価する能力が向上します。
ワインのカテゴリを理解することは、ブラインドテイスティングの練習において基礎を固めるために不可欠です。
これにより、ワインの特性を的確に把握し、より深く楽しむことができるようになるでしょう。
ブドウ品種を押さえる
ワインのブラインドテイスティングを効果的に行うためには、まず主なブドウ品種の違いを理解することが重要です。
これにより、ワインの香りや味わいを識別しやすくなり、テイスティングの精度が向上します。
以下に、代表的なブドウ品種とその特徴を紹介しながら、練習方法をまとめます。
主要な赤ワイン用ブドウ品種
カベルネ・ソーヴィニヨン:
濃厚でしっかりとしたタンニンが特徴。黒い果実、カシス、ブラックチェリーの香りに加え、熟成するとタバコや杉のニュアンスが現れます。
メルロー:
柔らかく丸みのある味わい。プラム、ブラックベリー、チェリーの香りが豊かで、タンニンはカベルネ・ソーヴィニヨンよりも穏やかです。
ピノ・ノワール:
繊細でエレガント。チェリー、ラズベリー、ストロベリーなどの赤い果実の香りが特徴で、軽やかな酸味と滑らかなタンニンがあります。
シラー(シラーズ):
力強くスパイシー。ブラックペッパー、ブラックベリー、プラムの香りに加え、ビターチョコレートやタバコのニュアンスも感じられます。
主要な白ワイン用ブドウ品種
シャルドネ:
非常に多様なスタイルが可能。リンゴ、洋梨、レモンの香りが基本で、樽熟成されるとバニラやバターのニュアンスが加わります。
ソーヴィニヨン・ブラン:
爽やかでハーブの香りが特徴。グレープフルーツ、ライム、青リンゴに加え、草やアスパラガスのようなグリーンノートも感じられます。
リースリング:
高い酸味と豊かな香りが特徴。ライム、レモン、白桃の香りに加え、蜂蜜や花のようなアロマもあります。甘口から辛口まで幅広いスタイルがあります。
ピノ・グリ(ピノ・グリージョ):
中程度の酸味とフルーティーな香り。リンゴ、洋梨、メロンの香りに加え、スパイシーなニュアンスも感じられます。
ピノグリのグリは灰色の意味で、皮が薄いピンク色していて、ワインになると灰色を帯びた色合いになりやすところからつけられたとされています。
では次に、ブドウ品種を理解するうえで重要な練習方法について簡単に押さえましょう。
ただしここからは少し踏み込んだ練習になりますので、ブドウ品種の違いが分かったうえでのトレーニング方法とお考え下さい。
ブドウ品種にフォーカスをした 練習方法
1. 同じ品種を比較:
まずは同じ品種の異なる産地のワインを用意します。これにより、品種の基本的な特徴を理解しつつ、産地による違いを感じ取ることができます。
特に先ほど紹介したフランス系のブドウ品種は世界的に栽培されていて、同じシャルドネでも生産国や生産地域によっても味わいは変わってきます。
さらに踏み込むと生産者のスタイルにも違いがありますので、そこを深ぼることになります。
2. 異なる品種を比較:
次に、異なる品種のワインを比較します。カベルネ・ソーヴィニヨンとメルロー、シャルドネとソーヴィニヨン・ブランなど、似たスタイルのワインを対比させると違いが分かりやすくなります。
例えばカベルネ・ソーヴィニョンとピノノワールのように、明らかに違いが判るものもあれば、メルローとカベルネソーヴィニョンのように違いが分かりにくいもあります。
3. テイスティングノートの作成:
各ワインの香りや味わいを詳細に記録します。これにより、自分の感覚を整理し、次回のテイスティングに活かすことができます。
テイスティングノートについては最初のうちは主観で構いません。また文章や表現方法も稚拙で構いません。
4. 繰り返し練習:
定期的にテイスティングを行い、経験を積むことが重要です。異なるワインを試すことで、知識と感覚が豊かになり、ブラインドテイスティングの精度が向上します。
最初に飲んだ時の印象は強く残る傾向がありますので、ここを調整するのも練習に入ります。
経験はノイズになる可能性を忘れずに!
ワインのブラインドテイスティングにおいて、トレーニングを積むことは確かに経験を増やし、テイスティングの精度を向上させます。
しかし、同時にその経験がノイズとなり、判断を曇らせることもあります。この現象について説明します。
経験を積むことで、テイスティングのスキルが向上し、ワインの香りや味わいの微細な違いを識別できるようになります。
異なるブドウ品種や産地、ヴィンテージに対する知識が増え、より精密な評価が可能になります。
しかし、この豊富な経験が時には偏見や先入観を生み、テイスティングの客観性を損なうことがあります。
例えば、特定の品種や産地に対する強い好みや過去の経験が、ワインの評価に影響を与えることがあります。
あるワインが特定の特徴を持っていると期待し、その期待に基づいて評価してしまうことがあるのです。
また、過去のテイスティング経験が強く記憶に残っている場合、新しいワインを同じように感じ取ってしまうことがあります。
これにより、真にそのワインの特徴を評価することが難しくなることがあります。
さらに、経験を重ねることで、自信過剰になりやすくなります。
自分の感覚や評価が常に正しいと信じ込むことで、新しい発見や学びの機会を逃してしまうことがあります。
経験が増えるほど、柔軟な思考が求められるのです。
このように、ブラインドテイスティングにおいて経験は重要ですが、それがノイズとなり得ることを認識することが大切です。
経験に基づく判断を行う一方で、常に客観的な視点を持ち、新しいワインに対してオープンな心で向き合うことが求められます。
経験を豊かにしつつも、その経験が偏見や先入観を生まないようにすることが、真のワインの魅力を引き出すための鍵となります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ブラインドテイスティングの練習方法は、初期のころは
①最低限の知識とやり方を知る
②ブドウ品種に絞って違いを知る
③ブドウ品種にフォーカスをして、生産地の違い、ブドウ品種ごとの違いを探る
④経験は同時にノイズになる可能性を押さえる
⑤経験値を増やし、ノイズを回避するメンタルコントロール
が重要です。
最後に、ブラインドテイスティングの練習をすると、どうしても正解を当てることに意識が向きがちです。
しかし、当たる当たらないにこだわりすぎないことも大切です。
テイスティングの本質は、ワインの特徴を楽しみ、理解を深めることにあります。
間違えることは学びの一部であり、自分の感覚を磨く貴重な機会です。
失敗を恐れず、各ワインの香りや味わいに集中し、自分なりの発見を楽しむことが大切です。
また、他の人との意見交換を通じて、新たな視点や気づきを得ることもできます。
テイスティングは楽しい体験であり、ワインの世界を探求する旅です。
当てることだけに囚われず、リラックスして楽しむことで、より豊かな経験を得られるでしょう。
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