シャトー・マルゴー完全ガイド｜当たり年とおすすめヴィンテージ＆購入方法まで

世界中のワインラヴァーが憧れる「シャトー・マルゴー」は、ボルドー五大シャトーの中でも最もエレガントで繊細と評される赤ワインです。

格付けの頂点に位置しながら、その芳醇な香りとしなやかな味わいは、他の名門シャトーとは一線を画し、まさにエレガンスを具現化するような存在です。

長い歴史の中で数々の名ヴィンテージを生み出し、ワイン投資やコレクションの対象としても高い価値を誇ります。

 

本記事では、シャトー・マルゴーの歴史とテロワール、特徴的な味わい、そして世界の専門誌が認める当たり年ランキングをわかりやすく解説。

さらに、飲み頃や保存のポイント、最新の価格相場、信頼できる通販での購入方法までを完全網羅しました。

筆者は実際にボルドーのシャトーマルゴーを訪れ、マルゴー駅から続くシャトーの中でも圧倒的存在感を誇るシャトーマルゴーを目の当たりにし、その威厳を体感しました。

他のシャトーには申し訳ないのですが、マルゴー駅からいくつかあるシャトーは、シャトーマルゴーの引き立て役に見えるくらい、それくらいにシャトーマルゴーは圧倒的な存在だったのです。

 

その経験とともに、あなたがシャトーマルゴーを購入する場合にお役に立てる情報をすべてこの記事にまとめました。

初心者から愛好家まで、これ一つでシャトー・マルゴーの全体像がつかめ、実際の購入判断にも役立つ“保存版ガイド”としてご活用ください。

 

この記事はシャトーマルゴーの全体像を紹介しています。個別のヴィンテージの記事についてはこちらをご参考ください。

 

また、購入をする際には、記事内に設置されたリンクからご購入いただけます。

ご購入されることによって当サイトの応援に繋がりますし、購入金額は一切変わりませんので、安心してご購入下さい。

 

シャトー・マルゴーの魅力と歴史｜おすすめヴィンテージ＆購入方法ガイド

シャトーマルゴーの資産価値

シャトー・マルゴーは単なる高級ワインではなく、世界的に認められた「資産」としての価値を持つ特別な存在です。

ボルドー五大シャトーの中でもその名声は群を抜き、格付け以来、数百年にわたり高い評価を維持してきました。

 

とくに注目すべきは、希少性と市場流通量の少なさです。

生産量は限られ、需要は年々高まる一方であるため、オークション市場では常に高値で取引されてきました。

 

上のグラフは海外著名ワイン評価サイトのワインアドヴォケイトとワインスペクテーターの評価をまとめたものですが、100点満点にちかい、ほぼ上限いっぱいの評価を受けています。

ここからも、いかにシャトーマルゴーが単なる嗜好品にとどまらず、世界的にその価値を認められたワインであることがわかります。

 

 

また、ワインは熟成によって価値が増すという特性を持ちます。

特にシャトー・マルゴーのように優れた保存ポテンシャルを備えたワインは、10年、20年と時を重ねることで風味が深化し、同時に市場価格も上昇していきます。

実際に、有名な1982年や2000年のヴィンテージは発売当初の数倍以上の価格で現在取引されており、投資対象としての信頼性を証明しています。

 

さらに、ワイン投資プラットフォームや海外の投資ファンドでも「シャトー・マルゴー」は必ずと言っていいほど組み込まれる銘柄であり、安定したリターンが期待できるブルーチップ銘柄と位置づけられています。

贈答用やコレクションとしてのステータス性に加え、将来的には売却価値まで見込める点は他の高級嗜好品にはない大きな魅力です。

 

シャトーマルゴーの全体像

シャトー・マルゴーは、フランス・ボルドー地方のメドック地区、マルゴー村に位置する名門シャトーです。

温暖な大西洋性気候と砂利質を主体とする土壌が繊細で香り高いワインを生み出し、他の産地にはない独特のエレガンスを表現します。

メドックの中でもとりわけ女性的で気品あるワインと評される所以は、この特異なテロワールにあります。

 

使用されるブドウ品種は主にカベルネ・ソーヴィニヨンで、これがワインの骨格と長期熟成力を与えています。

補助的にメルローがまろやかさを、プティ・ヴェルドやカベルネ・フランが複雑さと香りの多層性を加え、見事な調和を生み出します。

特に熟成を経たマルゴーには、カシスやスミレ、シダーや紅茶を思わせる気品あるアロマが広がり、まさに「ボルドーの女王」と称されるにふさわしい味わいを示します。

 

また、シャトー・マルゴーは1855年のパリ万国博覧会に合わせて制定されたメドック格付けにおいて、第一級に選ばれたわずか5つのシャトーのひとつです。

シャトー・ラフィット・ロートシルト、シャトー・ラトゥール、シャトー・オー・ブリオン、シャトー・ムートン・ロートシルトと並び称されるその地位は、今も揺るぐことがありません。

単なる高級ワインの枠を超え、ボルドーの伝統と芸術性を象徴する存在であり、愛好家や投資家から絶えず注目を集め続けています。

 

 

シャトーマルゴーの当たり年は？

当たり年を確認するのに、最も確実なのは海外評価サイトの評価でしょう。

ここでは、もっともワイン界で伝統と権威性のあるWine Advocates（WA）とWine Spectator（WS）を比較してみました。

個別記事に進むとヴィンテージの詳しい内容を確認できますので、合わせてご参考ください。

 

生産地域

シャトー・マルゴーが位置するのは、フランス・ボルドー地方メドック地区の最南端、マルゴー村です。

この地はジロンド河口に近く、温暖な海洋性気候に恵まれています。

大西洋からの風と河口からの霧が適度な湿度をもたらし、夏は過度に暑くならず、冬も比較的穏やかで、ブドウ栽培に理想的な条件を備えています。

土壌は砂利質を主体とし、下層には粘土や石灰岩が広がります。

砂利は水はけを良くし、ブドウの根が深く伸びることで複雑なミネラル分を吸収することを可能にします。

この水はけの良さはカベルネ・ソーヴィニヨンに最適で、ワインに力強い骨格と長期熟成力を与えています。

 

また、マルゴーは局地的な気象条件にも恵まれています。

ジロンド河口がもたらす穏やかな温度調整作用と、丘陵のわずかな起伏による排水効果が相まって、他のメドック村とは異なる繊細で優美なワインが生まれるのです。

この独自のテロワールこそが、シャトー・マルゴーを「ボルドーの女王」と称される所以となっています。

 

 

歴史

シャトー・マルゴーの歴史は12世紀に「ラ・モット・ド・マルゴー（マルゴーの丘）」と呼ばれていた時代に始まります。

当初はブドウ畑はなく、僅かな丘陵が良質な排水をもたらす土地として注目されました。

1152年から1453年までアキテーヌ地方がイングランドの支配下に入り、ボルドーワインは新しい市場を得て「クラレット」として親しまれ、リチャード獅子心王も愛飲しました。

 

その後、重要な領主たちが所有しましたが、1572年から1582年にかけてピエール・ド・レストナックが畑と領地を大規模に再編し、穀物からブドウ栽培へと転換しました。

17世紀末には領地は265ヘクタールに確立され、そのうち3分の1がブドウ畑となり、これは今日まで続いています。

当時、イギリスやオランダでは熟成力のない淡いワインが主流でしたが、シャトー・マルゴーはワイン造りの芸術の象徴となり、ボルドーの格付けの萌芽がここに生まれたのです。

18世紀初頭、ブドウ栽培家ベルロンの革新によって、シャトー・マルゴーは卓越したワインへと進化していきます。

ベルロンは黒ブドウと白ブドウを分けて醸造し、朝露で湿ったブドウを避けることで色の淡さを防ぎ、近代的な醸造法の礎を築きました。

（ここから、18世紀初頭には「色が濃く、しっかりした造りのワイン」が理想とする赤ワインだったということがわかります。）

 

また、土壌と区画の重要性を理解し、テロワールの価値を強調しました。

こうした革新と世代を超えた人々の努力が、マルゴーの特異なテロワールと卓越性を際立たせてきたのです。

 

18世紀、建築家ルイ・コンブによって建てられたシャトー・マルゴーは「メドックのヴェルサイユ」と称されるフランスでも稀なネオ・パラディアン様式の傑作です。

しかしその豪華な造りとは対照的に、シャトーに入ると邸宅ではなく、ワイン造りのために作られた醸造と熟成のための建物だということがわかります。

 

片側には職人の住居や作業場が並び、もう一方にはセラーや醸造室、樽工房が配置され、壮麗な列柱を備えた大セラーは「ワインの大聖堂」とも呼ばれています。

樹齢百年を超えるプラタナス並木道を抜けて訪れるこの統一感ある施設は、世界中の来訪者を魅了し続けています。

そしてルイ15世の時代に愛妾のポンパドゥール夫人がシャトー・ラフィットを宮廷に持ち込むと、その次の愛妾のデュ・バリー夫人↑はシャトー・マルゴーを宮廷に持ち込み愛飲しました。

こうしてシャトー・マルゴーは貴族女性に愛されるまでのワインにのし上がることになります。

アグアド家、ジネステ家などを経て、1977年、ギリシャ出身の実業家アンドレ・メンツェロプロスがシャトー・マルゴーを買収し、現在もメンツエロープス家がオーナーとなっています。

 

実は1960年代から60年代は、ボルドーワイン界は苦境にあえいでいたのです。

1973年に発覚したワインゲート事件において、最も影響を受けたのはシャトーマルゴーでしょう。

なぜなら、ワインゲート事件の象徴的存在は一部の不正をしたネゴシアンで、前オーナーのジネステ家は当時もっとも成功したネゴシアンだったからです。

 

アンドレは、経済危機で低迷していたシャトーマルゴーに先駆的に大規模投資を行い、畑の排水や再植樹、地下セラーの建設、熟成樽の刷新などを進めました。

さらに著名な醸造学者エミール・ペイノーの助言を得て、セカンドワイン「パヴィヨン・ルージュ」の復活や「パヴィヨン・ブラン」の再定義を実現し、品質向上を図りました。

 

21世紀に入り、ボルドーワインは世界的な成功を収め、シャトー・マルゴーもその中心に立ちながら、競争の激化の中で1855年の一級格付けにふさわしい独自の地位を守り続けています。

1977年以来の継続的な投資により品質向上を追求し、2013年にはファーストとセカンドワインの品質を高めるためにサードワインを導入しました。

 

近年はビオディナミの研究やボトルの認証システムの導入など、伝統を守りつつ革新を続けています。

2023年には世代交代を迎え、コリーヌ・メンツェロプロスが子どもたちに経営を託し、息子アレクシスがCEOに、娘アレクサンドラが監査役会会長に就任し、新たな時代が始まっています。

 

価格推移

シャトーマルゴーの価格は1本10万円を超え、現在ではおおむね10万円から11万円前後で推移しています。

過去3年ほどで5割ほど上昇しましたが、現在は価格は平均して推移していますが、おそらく今後も価格は上昇することは合っても下がることは考えづらいでしょう。

 

飲み頃

シャトーマルゴーは1級シャトーの中ではしなやかで滑らかに仕上がっているため、シャトーラトゥールなどに比べると早く飲みごろに差し掛かるとされています。

しかし、それであっても最低でも10年は寝かせてから飲みたいワインですし、理想的には15年から20年は熟成をさせて飲みたいところです。

上のボックスにヴィンテージをいれて飲みごろを確認してください。グラフでわかりやすく飲みごろが表示されます。

 

ヴィンテージ情報

シャトーマルゴーの当たり年とされるお勧めヴィンテージは、2000年以降だと2005年、2009年、2010年、2015年、2016年、2017年、2018年です。

 

これらのヴィンテージのうち、今すぐ飲めて、最高の状態を楽しめるものだと2005年、2009年でしょう。

また、逆に2015年、2016年、2017年は今飲むのはお勧めできませんので、コレクションや贈答品に最適なヴィンテージと言えます。

 

 

 

ペアリング

シャトーマルゴーは総論としてフルボディの赤ワインで、かつ、世界でも最も高い評価を受ける、偉大なワインです。

そのため、出来ればご家庭の料理ではなく、素材や調理法などにこだわって、レストランのシェフが力を込めてつくるような料理がお勧めです。

こちらを選んでクリックしていただくことで、最適なペアリングを提案をしますので、お気軽にお尋ねください。

 

 

購入ガイド

シャトー・マルゴーのような世界最高峰のワインを購入する際に、最も重要なのは「信頼性」です。

高級ワイン市場では残念ながら模倣品や劣悪な保存環境で劣化したボトルも流通しており、価格だけで安易に選ぶと大きな損失につながることがあります。

そのため、まずは実店舗・オンラインを問わず、正規輸入品を扱う信頼のおけるワインショップやインポーターを選ぶことが大前提となります。

実績ある専門店では、保管環境も徹底されており、安心して本物のマルゴーを手に入れることができます。

 

一方で、近年はネット通販の利便性も高まっています。

特にAmazonや楽天市場といった大手通販サイトは、レビューや販売実績を確認できる点が大きなメリットです。

出品元がワイン専門店や正規代理店であるかをしっかり確認すれば、オンライン購入でも安心して取引できます。

また、こうしたプラットフォームでは複数ショップの価格比較も容易で、同じヴィンテージでも条件の良い一本を見つけやすいのも魅力です。

 

高級ワインを購入する際は、「安さ」よりも「信頼性」を優先することが、結果として最良の投資となります。

ぜひ信頼できるショップ、あるいは大手通販サイトを賢く活用し、安心してシャトー・マルゴーを手に入れてください。