
シャトー・マルゴー 2013年の評価・飲み頃・最新市場価格【購入ガイド付き】
2013年のシャトー・マルゴーは、メドックにとって気候条件の厳しい年に生まれたワインです。
春先から続いた不安定な天候は開花や結実に影響を及ぼし、夏の暑さや雨の加減も均質ではなく、収穫時点でもブドウの熟度にはばらつきが見られました。
そのため、生産者は徹底的な選果を行い、わずかに許された果実のみを厳しく選び抜くことで「グラン・ヴァン」としての気品を守り抜いたのです。
華やかで官能的なグレートヴィンテージとは異なり、2013年はむしろ「逆境をどう乗り越えたか」という物語を映し出す年。
ワインファンにとっては、単に香りや味わいを楽しむだけでなく、この難しい環境の中で造り手がどのように哲学と技術を駆使して仕上げたかを感じ取ることが醍醐味といえるでしょう。
こうした背景を意識してグラスを傾ければ、シャトー・マルゴーの本質、すなわちテロワールと人間の営みが織り成す深みを改めて実感できるはずです。
こちらの記事は、シャトーマルゴーの中でも特に2013年に特化した記事になっています。
シャトーマルゴーの全体像はこちらをご参考ください。
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シャトー・マルゴー 2013年の評価・飲み頃・最新市場価格【購入ガイド付き】
ボルドー2013年ヴィンテージの概要
2013年のボルドーは、21世紀に入ってから最も困難なヴィンテージのひとつと評されます。春先からの低温と長雨により開花が遅れ、結実も不揃いとなり、収穫量は歴史的に少なくなりました。
夏は一時的に暑さに恵まれましたが、その後の不安定な天候によりブドウの成熟は均質に進まず、果皮の厚みや糖度のばらつきが大きく残りました。
結果として、赤ワインは軽やかで繊細なスタイルが多く、豊満な力強さを求める愛好家にはやや物足りなさが残る一方で、早くから楽しめる飲みやすさや、果実味の素直さが魅力ともいえます。
白ワイン、とりわけソーヴィニヨン・ブラン主体の辛口は酸が際立ち、フレッシュで生き生きとした仕上がりが評価されました。
また、ソーテルヌなど甘口ワインは貴腐菌の条件が揃わず大きな挑戦となりましたが、一部の生産者はバランスの取れたワインを造り出しています。
総じて2013年は、生産者の哲学や選果の厳しさが品質を大きく左右した年であり、「ワインは自然との対話である」ということを改めて実感させるヴィンテージといえるでしょう。
Bordeaux Leftbank のヴィンテージチャート
Source | 2000 | 2001 | 2002 | 2003 | 2004 | 2005 | 2006 | 2007 | 2008 | 2009 | 2010 | 2011 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 |
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Wine Advocates | 94 | 89 | 88 | 88 | 87 | 98 | 88 | 86 | 90 | 97 | 95 | 87 | 89 | 80 | 93 | 94 | 97 | 90 | 94 | 96 | 95 | 88 | 95 | 93 |
Wine Spectator | 95 | 92 | 86 | 89 | 89 | 98 | 90 | 85 | 87 | 97 | 99 | 91 | 88 | 84 | 93 | 94 | 97 | 91 | 96 | 93 | 93 | 84 | 95 | - |
シャトー・マルゴー2013年ヴィンテージ 専門家の評価は?
2013年のシャトー・マルゴーは、ボルドー全体が苦戦したヴィンテージの中で生まれたワインですが、ワイン・アドヴォケイト(WA)とワイン・スペクテーター(WS)の両誌で91点という評価を得ています。
ファースト・グロースとしては控えめなスコアですが、むしろこの年の厳しい気候条件を考えると、造り手の努力と技術力の高さを示すものといえるでしょう。
スタイルとしては濃厚さや力強さよりも、エレガンスと透明感が前面に出ており、果実味は赤系果実を主体に、スパイスやフローラルな香りが繊細に漂います。
タンニンは柔らかく、酸が際立つことで軽快な飲み口に仕上がっており、若いうちから楽しめる点も特徴です。
長期熟成のポテンシャルは偉大な年に比べると限定的ですが、それでも良好な保存条件下では中期的な熟成による複雑さの深化が期待できます。
総じて2013年のシャトー・マルゴーは、「逆境をいかにして名門の名に恥じないワインへ昇華させたか」を物語る1本であり、飲む人に造り手の真摯な姿勢を感じさせるヴィンテージといえるでしょう。
本家サイトを確認
つぎに、本家シャトーマルゴーのサイトでは、どのように2013年ヴィンテージを総括しているのか、要約しました。
2013年ヴィンテージ要約
2013年のシャトー・マルゴーは、困難な気候条件下で生まれながらも、偉大なテロワールの力が発揮されたヴィンテージとされています。
特にメドックでも早熟な区画にあるカベルネ・ソーヴィニヨンが収穫前に十分な成熟度に達し、他区画を圧倒する品質を示したため、アッサンブラージュは比較的容易に決定されました。
収穫全体の38%がファーストワインに選ばれ、ブドウ構成は史上最多の94%をカベルネ・ソーヴィニヨンが占め、カベルネ・フラン5%、プティ・ヴェルド1%、メルロは不採用となりました。
通常であればメルロがもたらす柔らかさやバランスを、この年は熟したカベルネが見事に担い、特有のフィネスと魅力を備えています。
決してグレートヴィンテージではないものの、徹底したケアと犠牲を払った結果として完成したワインであり、その存在自体が造り手の努力を物語る1本といえるでしょう。
シャトーマルゴー2013年の価格推移
シャトー・マルゴー2013は、現在市場で10~11万円前後で取引されているヴィンテージです。
2013年はボルドーにとって厳しい気候条件の年であり、収穫量の減少や成熟度のばらつきが課題となりましたが、マルゴーの偉大なテロワールと徹底した選果により、ファースト・グロースの名にふさわしい品質を確保しました。
特筆すべきは、ブレンド比率でカベルネ・ソーヴィニヨンが94%を占め、メルロが全く使われていない点です。
結果として、力強い骨格を持ちながらも、熟したカベルネがもたらす柔らかさとフィネスが際立ち、むしろ優雅さを感じさせる仕上がりとなっています。
グレートヴィンテージのような圧倒的な深みや長期熟成のポテンシャルは限定的ですが、今後10年前後は十分に楽しめる中期熟成型のワインといえるでしょう。
価格的にはトップシャトーとしては控えめで、愛好家にとっては「難しい年の背景を味わう」知的な楽しみを提供する1本であり、マルゴーの個性を違った角度から堪能できる貴重な体験となります。
シャトーマルゴー2013年の飲みごろは?
シャトー・マルゴー2013年の飲みごろは、保存状態に大きく左右される点が特徴です。
2013年はボルドーにとって厳しい気候条件の年であり、豊満で長熟型のワインというよりも、比較的早めに楽しめるスタイルに仕上がっています。
そのため、適切なセラーで温度・湿度管理が徹底されてきたボトルであれば、今まさに円熟した果実味と程よい酸、そしてカベルネ主体の気品ある骨格を楽しめる時期といえるでしょう。
一方で、保存環境が万全でなかったボトルでは、すでにピークを過ぎ、酒質が落ち着きつつあるものも見られます。
しかし、それもまた古酒の魅力であり、枯れたニュアンスの中にタバコやドライフラワー、湿った森のような複雑さを感じ取れるのは、熟成を経たワインならではの楽しみです。
力強さやボリューム感を求めるのではなく、時の流れがもたらす柔らかさや繊細さに心を寄せることで、2013年のシャトー・マルゴーは一層深い味わいを見せてくれるでしょう。
上のフォームをクリックしていただければ、グラフで視覚的に飲みごろとその状態が一目でわかるようになっています。
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シャトーマルゴー2013年の購入ガイドと注意点
シャトー・マルゴー2013年を購入する際には、まずヴィンテージの特性を理解しておくことが重要です。
2013年はボルドー全体で難しい気候条件に直面し、ワインは比較的早飲みの傾向にあります。そのため、熟成の大きな伸びしろを期待するよりも、すでに飲みごろに差し掛かっているワインを楽しむ意識で選ぶのが賢明です。
購入の際は、保存状態が品質を大きく左右するため、信頼のおける専門ショップや実績あるオークションハウスを利用することが推奨されます。
特に輸入や流通の過程で高温に晒されたボトルは、ピークを過ぎて劣化している可能性があるため注意が必要です。
また、2013年のブレンドはカベルネ・ソーヴィニヨンが94%と極めて高い比率で構成されており、この年ならではの特徴的な味わいが楽しめる点も魅力です。
価格帯は10〜11万円前後とファースト・グロースにしては抑えめですが、投資目的よりも「難しい年をどう昇華させたか」という造り手の哲学を体感するための1本として選ぶのが最も価値のある楽しみ方といえるでしょう。
シャトーマルゴー2013年のペアリング提案
シャトー・マルゴー2013年は、ボルドーの難しい年に生まれたゆえに、濃厚で力強いスタイルではなく、繊細でエレガントな仕上がりが特徴です。
主体となるカベルネ・ソーヴィニヨンは94%と高い比率ながら、熟した果実味と酸が前面に出ており、タンニンは比較的柔らかく、ワイン全体に透明感と軽快さが漂います。
こうした特徴を活かすには、重厚な料理よりも「繊細さと複雑さ」を引き立てる組み合わせが適しています。
例えば、仔鳩や鴨のローストをベリー系のソースで合わせれば、ワインの赤系果実のニュアンスと美しく調和します。
また、香りに寄り添う形で、トリュフを使った軽やかなリゾットや、香草で仕上げた仔羊のローストも良い相性を見せるでしょう。
すでに熟成が進みピークアウトしているボトルであれば、茸やジビエの持つ枯れ感とワインの古酒らしい複雑さが響き合います。
プロのソムリエの視点からすれば、2013年は「料理の力で引き立て、ワインの繊細な美を最大限に楽しむ」ことが肝心であり、過度に主張しない、しかし深みを持つ一皿を選ぶのが理想的です。
まとめ:2013年シャトー・マルゴー 総評
2013年のシャトー・マルゴーは、ボルドー全体が難しい気候条件に直面した年に生まれた特別なヴィンテージです。
春先からの不安定な天候により収穫量は減少し、果実の成熟度にもばらつきが見られましたが、マルゴーの偉大なテロワールと徹底した選果がその品質を支えました。
ブレンド比率はカベルネ・ソーヴィニヨンが94%と過去最大を占め、メルロが一切使われなかったことは象徴的です。
ワインは力強さよりも透明感とエレガンスを重視したスタイルで、赤系果実の繊細な香り、柔らかなタンニン、そして軽やかな酸が特徴です。
グレートヴィンテージに匹敵する長熟の潜在力は望めないものの、保存状態の良いボトルであれば中期熟成の複雑味を十分に楽しめます。
すでにピークを過ぎたボトルでは、枯れた風味や熟成による深みを感じ取れるのもまた魅力です。
2013年のシャトー・マルゴーは、困難な年にこそ光る造り手の哲学とテロワールの力を味わえる一本であり、愛好家に「背景を楽しむ知的な飲み方」を促してくれる貴重なワインといえるでしょう。
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