
シャトー・マルゴー 2017年の評価・飲み頃・最新市場価格【購入ガイド付き】
2017年のシャトー・マルゴーは、ボルドー右岸・左岸を通じてやや難しい気候条件に直面した年に生まれたワインです。
春先から夏にかけては霜害や降雨があり、一部の区画では収量が抑えられる一因となりました。
しかし、偉大なテロワールをもつマルゴーは、その潜在力を存分に発揮し、厳しい自然条件を乗り越えて高品質なワインを生み出しています。
ワインはしなやかな酸と程よいタンニンが調和し、エレガンスを保ちながらも芯のある力強さを感じさせる仕上がり。
クラシックなボルドースタイルを踏襲しつつ、緊張感と繊細さを兼ね備えた味わいは、2017年というヴィンテージの個性を如実に表しています。
華やかで香り高いマルゴーの特徴が、涼やかな気候の恩恵を受けて精緻に表現され、熟成のポテンシャルも十分に期待できる一本です。
こちらの記事は、シャトーマルゴーの中でも特に2017年に特化した記事になっています。
シャトーマルゴーの全体像はこちらをご参考ください。
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シャトー・マルゴー 2017年の評価・飲み頃・最新市場価格【購入ガイド付き】
ボルドー2017年ヴィンテージの概要
2017年のボルドーは、21世紀に入ってからのヴィンテージの中でも特に気候条件に翻弄された年として記憶されています。
春先の霜害が大きな打撃を与え、多くの生産者が収量を大幅に減らすことを余儀なくされました。
特に右岸のサンテミリオンやポムロールでは被害が深刻で、畑の一部では壊滅的な損失が見られました。
一方で、被害を免れた区画では果実が健全に成熟し、9月の比較的穏やかな気候の中で収穫を迎えることができました。
その結果、全体としては不均一ながらも、恵まれたテロワールを持つシャトーでは高品質のワインが造られています。
ワインのスタイルとしては、2009年や2015年のような豊満で力強いタイプではなく、よりクラシカルでエレガントな仕上がりが特徴です。
中程度のボディに繊細な酸ときめ細やかなタンニンを備え、早くから楽しめる一方で、優れた区画のワインは長期熟成にも耐えるポテンシャルを持ちます。
2017年は「選ぶべきシャトーを見極める」ことが鍵となるヴィンテージと言えるでしょう。
Bordeaux Leftbank のヴィンテージチャート
Source | 2000 | 2001 | 2002 | 2003 | 2004 | 2005 | 2006 | 2007 | 2008 | 2009 | 2010 | 2011 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 |
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Wine Advocates | 94 | 89 | 88 | 88 | 87 | 98 | 88 | 86 | 90 | 97 | 95 | 87 | 89 | 80 | 93 | 94 | 97 | 90 | 94 | 96 | 95 | 88 | 95 | 93 |
Wine Spectator | 95 | 92 | 86 | 89 | 89 | 98 | 90 | 85 | 87 | 97 | 99 | 91 | 88 | 84 | 93 | 94 | 97 | 91 | 96 | 93 | 93 | 84 | 95 | - |
シャトー・マルゴー2017年ヴィンテージ 専門家の評価は?
2017年のシャトー・マルゴーは、ボルドー全体としては霜害により厳しい評価を受けた年ながら、一級シャトーの畑のポテンシャルを存分に引き出した例外的な成功例として専門家から高く評価されています。
ワイン・アドヴォケイト(WA)とワイン・スペクテーター(WS)がともに98点を与えたことは、その品質の高さを如実に示すものです。
ワインは濃密なカシスやブラックチェリーのアロマに、スミレやシガーボックス、スパイスのニュアンスが折り重なり、マルゴーならではのエレガンスと複雑性が際立っています。
味わいはシルキーで繊細なタンニンに支えられ、酸との調和が取れているため、クラシックな骨格を保ちながらも力強さを感じさせます。
2017年の気候条件から一般的に早飲み向きとされるヴィンテージの中で、シャトー・マルゴーは突出した熟成ポテンシャルを備え、長期熟成に耐え得る稀有な存在といえるでしょう。
総じて、2017年は「厳しい年にこそ真価を発揮したマルゴー」として、後世に語り継がれる一本です。
本家サイトを確認
つぎに、本家シャトーマルゴーのサイトでは、どのように2017年ヴィンテージを総括しているのか、要約しました。
2017年ヴィンテージ要約
シャトー・マルゴー2017年は、寛大さの2015年や優雅さの2016年には及ばないものの、シャトーの偉大な系譜に名を連ねるにふさわしいヴィンテージとされています。
深遠さ、複雑さ、凝縮感、そして長い余韻を備え、9月の降雨後の懸念を超えて期待以上の仕上がりを見せました。
初期の醸造段階から驚きをもたらし、メルローは果実味と柔らかさ、豊かなボリューム感を示し、ファーストワインに8%使用。
中心となるカベルネ・ソーヴィニヨンは89%を占め、完熟したタンニンが力強さと洗練を兼ね備えた骨格を形成しました。
さらにカベルネ・フラン(2%)、プティ・ヴェルド(1%)がブレンドされ、ファーストワインは収穫全体の37%にとどまり、厳格な選別が行われたことも特筆されます。
シャトーマルゴー2017年の価格推移
シャトー・マルゴー2017は現在おおよそ11万円前後で流通しており、ボルドー全体では難しい年とされた2017年において、例外的に高評価を得た一本です。
果実味は黒系ベリーやスミレ、杉のニュアンスが折り重なり、香りの層の深さとエレガンスが際立ちます。
味わいはシルキーで繊細なタンニンに支えられ、酸のバランスが取れているため、力強さと柔らかさを同時に感じられるのが特徴です。
2015年や2016年のような圧倒的な偉大さには及ばないものの、シャトーの系譜に連なる洗練と調和をしっかり備えており、クラシックなマルゴーの魅力を楽しめます。
すでに若いうちから十分な美味しさを発揮しますが、今後10年以上の熟成でさらなる複雑さと深みを期待できるでしょう。
価格的にも「今のうちに楽しむ」か「将来への投資」としての両面で価値を持つヴィンテージです。
シャトーマルゴー2017年の飲みごろは?
シャトー・マルゴー2017年は、気候条件の厳しい年に生まれながらも、メドック屈指のテロワールが持つ力を存分に発揮し、見事に仕上がったヴィンテージです。
若いうちからエレガンスと複雑さを兼ね備え、繊細でシルキーなタンニンと、程よい酸による骨格の美しさが際立っていました。
現在ではその要素が徐々に溶け合い、これから飲み頃のピークに差し掛かる段階に入っています。
果実味の瑞々しさと熟成由来のニュアンスが共存し、香りにはカシスやスミレに加えてシガーボックスやスパイス、わずかなトリュフ香が顔を覗かせ始めています。
グラスの中で時間をかけて変化するその表情は、ワインラヴァーにとって至福の体験となるでしょう。
今後数年にわたりピークを維持し、その後もさらに奥深さを増す可能性を秘めており、「今開けても良し、寝かせても良し」の最良のタイミングに差し掛かったといえます。
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シャトーマルゴー2017年の購入ガイドと注意点
シャトー・マルゴー2017年は、厳しい気候条件を乗り越えて生まれた、エレガンスと複雑さを兼ね備えたヴィンテージです。
現在市場では11万円前後で流通しており、2015年や2016年ほどの「歴史的偉大さ」には届かないものの、専門家から高い評価(WA98、WS98)を受けており、信頼できる選択肢といえます。
購入の際には、まず保存状態に注意が必要です。
霜害で収量が限られたため、流通量は比較的少なく、オークションや二次流通では真贋やコンディションに差が出やすい点に留意しましょう。
信頼のおけるインポーターや大手ワインショップ、もしくは評価の明確なオンラインショップを利用することが望まれます。
また、2017年はすでに若いうちから楽しめるバランスを持ちますが、今後10年程度は熟成によるさらなる進化が期待できます。
そのため「すぐに開ける楽しみ」と「将来の投資価値」の両面を考慮して、購入本数を分けるのも賢い選択です。
シャトーマルゴー2017年のペアリング提案
シャトー・マルゴー2017年は、優雅さとしなやかさを兼ね備えたヴィンテージであり、プロのソムリエの視点からは「素材の持つ繊細な旨味を引き立てる料理」との相性が際立ちます。
黒系果実やスミレの華やかな香りに、シガーボックスやスパイスのニュアンスが重なる複雑な風味を考えると、王道は仔羊のローストやジビエのパイ包みです。
ワインのシルキーなタンニンと程よい酸は、肉の旨味や脂を受け止めながら全体をエレガントにまとめ上げます。
また、熟成感が出始めたボトルであれば、トリュフを使ったリゾットや、茸のソテーを添えた牛フィレ肉のローストなども絶妙の組み合わせです。
さらに和食なら、鴨の治部煮や土瓶蒸しのように旨味を引き出す調理法と好相性を見せます。
2017年のマルゴーはパワーよりも気品を重視したスタイルであるため、料理も重厚さより洗練された技術と素材感を重んじる一皿がふさわしいでしょう。
まとめ:2017年シャトー・マルゴー 総評
2017年のシャトー・マルゴーは、ボルドー全体では霜害によって難しい年とされた中にあって、一級シャトーの畑の底力を示したヴィンテージです。
寛大さで知られる2015年や優美さで語られる2016年に比べると、やや控えめな印象はあるものの、専門家からはWA98点、WS98点という極めて高い評価を獲得し、その完成度の高さが裏付けられています。
ワインは黒系果実やスミレの華やかな香りに、シダーやスパイスのニュアンスが重なり、味わいはシルキーなタンニンと心地よい酸が調和し、力強さと洗練を兼ね備えています。
既に若いうちから楽しめる一方、今後10年以上にわたる熟成でさらなる複雑さと深みを獲得するポテンシャルも十分。
市場価格は11万円前後と安価ではないものの、名門の系譜にふさわしい一本であり、愛好家にとっては「難しい年にこそ輝きを放つ」マルゴーの真髄を体感できる貴重な体験を約束するヴィンテージといえるでしょう。
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