
シャトー・マルゴー 2018年の評価・飲み頃・最新市場価格【購入ガイド付き】
2018年のシャトー・マルゴーは、ボルドー右岸・左岸ともに「クラシック回帰」と評された年に生まれた、端正で気品あるヴィンテージです。
2015年や2016年といった近年の偉大な年に比べれば華やかさやスケール感は控えめですが、むしろメドックの本質的な魅力―清澄な果実味、しなやかな骨格、そして精緻なバランス―を堪能できる仕上がりとなっています。
カベルネ・ソーヴィニヨンの比率が高く、果実味と酸が美しい調和を見せ、熟成ポテンシャルも十分に備えています。
若いうちはやや引き締まった印象を与えますが、グラスの中で時間をかけて開くにつれ、すみれやカシス、シダーウッドのニュアンスが次第に現れ、格付一級の風格を確かに伝えてくれます。
穏やかな気候と収穫時の冷涼さがもたらした、この年ならではの「端正で静謐なマルゴー」は、派手さを求めるのではなく、繊細な奥行きとクラシックなエレガンスを楽しむ愛好家にこそふさわしい一本といえるでしょう。
こちらの記事は、シャトーマルゴーの中でも特に2018年に特化した記事になっています。
シャトーマルゴーの全体像はこちらをご参考ください。
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シャトー・マルゴー 2018年の評価・飲み頃・最新市場価格【購入ガイド付き】
ボルドー2018年ヴィンテージの概要
2018年のボルドーは、天候に翻弄されながらも最終的には歴史に残るほどの品質を獲得した特異なヴィンテージです。
春は記録的な降雨とカビの脅威に見舞われ、多くの生産者が収量を大きく減らしました。
しかし夏以降は一転して乾燥と日照に恵まれ、9月から10月にかけて理想的な収穫条件が整い、健全で凝縮感のある果実が得られました。
その結果、赤ワインは力強さと豊満さを備えつつ、酸が適度に残ることでフレッシュさを失わないバランスに仕上がっています。
特にメドックのカベルネ・ソーヴィニヨンは深みと緊張感を持ち、右岸のメルローは果実の凝縮と滑らかな質感が際立ちました。
白ワインは一部で酸が控えめながらも丸みを持ったスタイルとなり、甘口のソーテルヌも豊かな果実味を見せます。
全体として2018年は「困難を乗り越えた豊潤で力強い年」と総括され、長期熟成に向く偉大なワインが数多く生まれたと評価されています。
Bordeaux Leftbank のヴィンテージチャート
Source | 2000 | 2001 | 2002 | 2003 | 2004 | 2005 | 2006 | 2007 | 2008 | 2009 | 2010 | 2011 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 |
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Wine Advocates | 94 | 89 | 88 | 88 | 87 | 98 | 88 | 86 | 90 | 97 | 95 | 87 | 89 | 80 | 93 | 94 | 97 | 90 | 94 | 96 | 95 | 88 | 95 | 93 |
Wine Spectator | 95 | 92 | 86 | 89 | 89 | 98 | 90 | 85 | 87 | 97 | 99 | 91 | 88 | 84 | 93 | 94 | 97 | 91 | 96 | 93 | 93 | 84 | 95 | - |
シャトー・マルゴー2018年ヴィンテージ 専門家の評価は?
2018年のシャトー・マルゴーは、近年のグレートヴィンテージの一つとして高い評価を受けています。
ワイン・アドヴォケイト(WA)が満点の100点を付与し、ワイン・スペクテーター(WS)も98点という極めて高いスコアを与えたことからも、その完成度は疑いようがありません。
この年は春先の多雨と病害のリスクを経て、夏から秋にかけて理想的な乾燥と日照に恵まれ、収穫はゆっくりと進みました。
その結果、ブドウは凝縮感と酸のバランスを兼ね備え、シャトー・マルゴー特有のエレガンスを土台にしながら、深い果実味と力強さが加わりました。
カベルネ・ソーヴィニヨン主体の骨格は堅牢でありながらも、タンニンは驚くほどしなやかで、すでに官能的な魅力を放ちます。
香りはカシスや熟したブラックベリーに、スミレ、シダー、スパイスの複雑さが折り重なり、時間とともに奥行きを増していきます。
専門家が絶賛する所以は、このヴィンテージが単なるパワー型ではなく、マルゴーらしい気品と調和を保ちつつ、長期熟成の潜在力を備えた「真の偉大なワイン」である点にあります。
本家サイトを確認
つぎに、本家シャトーマルゴーのサイトでは、どのように2018年ヴィンテージを総括しているのか、要約しました。
2018年ヴィンテージ要約
2018年のシャトー・マルゴーは、2015年や2016年といった偉大なヴィンテージに匹敵する近年屈指の完成度を誇るワインです。
果粒が小さく収量も低かったため、極めて高いタンニン指数を示し、凝縮感あふれる仕上がりとなりました。
しかしその力強さは決して過剰ではなく、フィニッシュの香りと構造を一層長く、優雅に伸ばしています。
醸造段階ではこのタンニンの潜在力を早期に把握し、特に通常は繊細なメルロー区画において抽出を慎重に調整しました。
ブレンドの中心は90%を占めるカベルネ・ソーヴィニヨンで、アルコール度数は14度に抑えられています。これに4%のメルロー、4%のカベルネ・フラン、2%のプティ・ヴェルドが加わり、格付一級らしい複雑さと均整を実現。
全収穫量の36%がシャトー・マルゴーに選別されており、選果の厳格さとテロワールの偉大さを映し出すワインとなっています。
シャトーマルゴー2018年の価格推移
シャトー・マルゴー2018年は、現在12万円前後で流通しており、ボルドー左岸を代表するグラン・ヴァンの中でも特に注目度の高いヴィンテージです。
果実の凝縮感と力強さが際立つ一方で、マルゴーらしい気品と繊細さをしっかりと備えている点が魅力です。
ブレンドの中心は90%を占めるカベルネ・ソーヴィニヨンで、深みのあるカシスやブラックベリーの香りに、スミレやシダー、スパイスの複雑なニュアンスが重なります。
口に含むとタンニンは豊かでありながら極めてしなやかで、余韻は長く、飲む人を包み込むようなエレガンスを感じさせます。
今すぐ楽しむ場合でも果実味と力強さを堪能できますが、数十年にわたり熟成を重ねることでさらに深みを増していく可能性を秘めています。
高額な価格帯ではあるものの、その品質と将来的な価値を考えれば、ワイン愛好家にとって大いに投資する価値のある一本といえるでしょう。
シャトーマルゴー2018年の飲みごろは?
シャトー・マルゴー2018年は、その凝縮感と豊かなタンニンから見ても、まだ本当の魅力を開ききっていない段階にあります。
現在味わえば、カベルネ・ソーヴィニヨン主体の力強さと、黒系果実やスミレ、シダーの香りを十分に楽しむことはできますが、全体の骨格はまだ若々しく引き締まっており、ポテンシャルの片鱗を示すにとどまります。
むしろこのワインの真価は、熟成を経てタンニンが溶け込み、香りが一層複雑に広がる10年、20年先にあります。
いま開けてしまうのは少々もったいなく、待つことで得られる楽しみを逃してしまうでしょう。
大切なのは「寝かせること」そのものを楽しみ、熟成の過程を見守る時間を含めてこのワインと向き合うことです。
ゆっくりと熟成のピークに向かう2018年は、将来の特別な瞬間を約束してくれる一本であり、まさに時間とともに育ててこそ輝きを放つグラン・ヴァンといえるでしょう。
上のフォームをクリックしていただければ、グラフで視覚的に飲みごろとその状態が一目でわかるようになっています。
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シャトーマルゴー2018年の購入ガイドと注意点
シャトー・マルゴー2018年は、すでに専門家から満点級の評価を受けており、現在市場では12万円前後で取引されています。
購入に際してまず重視すべきは保存状態で、特に若いヴィンテージゆえ、適切なセラー管理が将来の価値を大きく左右します。
信頼できるインポーターや販売店から購入することが何より重要です。
また、現時点での飲用よりも長期熟成を前提とした投資的な購入に向いているため、今すぐ開けるよりは10年以上の熟成を視野に入れて保管するのがおすすめです。
セカンダリーマーケットでも流通していますが、人気の高さから価格は変動しやすく、偽物や不適切な保存歴のリスクも考慮する必要があります。
購入後は温度・湿度が安定した環境で長期保存し、特別な節目に抜栓することで、このヴィンテージの真の魅力を引き出すことができるでしょう。
まさに「待つ価値のある投資ワイン」として扱うのが最良の選択です。
シャトーマルゴー2018年のペアリング提案
シャトー・マルゴー2018年は、凝縮感に富みながらも気品を失わない稀有なヴィンテージで、ペアリングにおいても「力強さとエレガンス」を同時に引き出す料理が理想です。
カベルネ・ソーヴィニヨン主体のしっかりとした骨格と豊富なタンニンは、牛フィレ肉のローストや仔羊の香草焼きといったクラシックな赤身肉料理と極めて相性が良く、肉の旨みとワインの力強さが見事に調和します。
また、プティ・ヴェルドやカベルネ・フランがもたらすスパイシーなニュアンスは、黒胡椒やタイム、ローズマリーなどのハーブを使った料理と響き合います。
一方で、マルゴー特有の優美な香りとしなやかさを活かすなら、トリュフを用いたリゾットや鴨胸肉のローストなど、香り高く繊細な要素を持つ料理もおすすめです。
2018年はまだ若々しく力強いため、ソースや付け合わせに深みを与えることでバランスがより引き立ちます。
将来的に熟成が進めば、より繊細で複雑な料理とのペアリングも可能になり、楽しみの幅が広がるでしょう。
まとめ:2018年シャトー・マルゴー 総評
2018年のシャトー・マルゴーは、近年のヴィンテージの中でも際立った完成度を誇るグラン・ヴァンとして高い評価を受けています。
春先の難しい気候を乗り越えたブドウは小粒で凝縮し、豊富なタンニンと深い果実味を備えつつも、マルゴーらしい優雅さを失っていません。
ブレンドは90%を占めるカベルネ・ソーヴィニヨンを中心に、メルロー、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルドが繊細に調和し、力強さと気品の両立を実現しています。
専門家からはWA100点、WS98点という極めて高い評価を獲得し、その真価は長期熟成の後にこそ明らかになるとされています。
価格は12万円前後と高額ながら、その潜在力と将来的な価値を考えれば投資にもふさわしい一本です。
今はまだ若さの魅力を楽しめますが、真のピークはこれから数十年を経て訪れるでしょう。
2018年は、シャトー・マルゴーのエレガンスと偉大さを改めて証明する記念碑的ヴィンテージといえます。
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