
シャトー・マルゴー 2016年の評価・飲み頃・最新市場価格【購入ガイド付き】
2016年のシャトー・マルゴーは、2015年に偉大なディレクターであったポール・ポンタリエ氏が惜しくも逝去した後、醸造所が新たな時代へと歩み出した最初のヴィンテージとして、特別な意味を持つワインです。
前年の2015年が歴史的な大成功を収めた一方で、2016年はボルドー全域にとっても記録的な良年であり、涼しく乾燥した夏と、9月の理想的な成熟条件が、ブドウに驚くほどのバランスと凝縮感をもたらしました。
特にカベルネ・ソーヴィニヨンの質が抜群で、エレガンスと力強さを兼ね備えたクラシカルなマルゴー像を体現しています。
芳醇な黒系果実のアロマ、深みあるタンニン、そして長大な余韻は、まさに「王道」ともいえる風格を備え、今後数十年にわたって熟成のポテンシャルを発揮することでしょう。
2016年は単なる優れたワインにとどまらず、シャトー・マルゴーが未来へと進む象徴的な存在でもあります。
こちらの記事は、シャトーマルゴーの中でも特に2016年に特化した記事になっています。
シャトーマルゴーの全体像はこちらをご参考ください。
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シャトー・マルゴー 2016年の評価・飲み頃・最新市場価格【購入ガイド付き】
ボルドー2016年ヴィンテージの概要
2016年のボルドーは、21世紀における偉大なヴィンテージのひとつとして高く評価されています。
春先は多雨で不安定な気候が続いたものの、6月以降は乾燥と日照に恵まれ、夏から秋にかけては理想的な条件が揃いました。
特に7月から9月にかけての乾燥した気候がブドウに健全な成熟を促し、9月中旬以降の適度な雨が果実にフレッシュさを取り戻させたことで、糖度と酸の絶妙なバランスが実現しました。
カベルネ・ソーヴィニヨンを中心とする左岸では、力強さとフィネスを兼ね備えたクラシックなスタイルが生まれ、右岸のメルロも凝縮感とエレガンスを両立した仕上がりとなっています。
果実の純度の高さ、きめ細やかなタンニン、そして長い余韻は、2009年や2010年と並ぶ歴史的な品質を示しており、熟成の潜在力も極めて高いヴィンテージといえます。
Bordeaux Leftbank のヴィンテージチャート
Source | 2000 | 2001 | 2002 | 2003 | 2004 | 2005 | 2006 | 2007 | 2008 | 2009 | 2010 | 2011 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 |
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Wine Advocates | 94 | 89 | 88 | 88 | 87 | 98 | 88 | 86 | 90 | 97 | 95 | 87 | 89 | 80 | 93 | 94 | 97 | 90 | 94 | 96 | 95 | 88 | 95 | 93 |
Wine Spectator | 95 | 92 | 86 | 89 | 89 | 98 | 90 | 85 | 87 | 97 | 99 | 91 | 88 | 84 | 93 | 94 | 97 | 91 | 96 | 93 | 93 | 84 | 95 | - |
シャトー・マルゴー2000年ヴィンテージ 専門家の評価は?
2016年のシャトー・マルゴーは、専門家から極めて高い評価を受けたヴィンテージです。
ワイン・アドヴォケイト(WA)では99点というほぼ満点に近いスコアを獲得し、その卓越した完成度と長期熟成の潜在力が絶賛されました。
評価者は特に、カベルネ・ソーヴィニヨン主体ならではの力強さとエレガンスの調和、そしてシルクのように滑らかなタンニン構造を高く評価しています。
一方、ワイン・スペクテーター(WS)は95点とやや控えめながらも優れた評価を示し、果実の純度や酸の鮮やかさ、余韻の長さに注目しました。
若いうちは黒系果実やスミレ、ミネラルのニュアンスが際立ち、熟成が進むにつれてトリュフやシダーの複雑な香りが現れると予想されます。
偉大な2015年に続く難しい挑戦にもかかわらず、2016年はクラシカルかつ現代的な完成度を兼ね備えたワインとして、今後数十年にわたり世界中の愛好家を魅了し続けるでしょう。
本家サイトを確認
つぎに、本家シャトーマルゴーのサイトでは、どのように2016年ヴィンテージを総括しているのか、要約しました。
2016年ヴィンテージ要約
2016年のシャトー・マルゴーは、偉大な2015年に続く難しい挑戦にもかかわらず、21世紀初頭を代表する最高峰のヴィンテージの系譜に見事に連なるワインとなりました。
香りは繊細かつ複雑で深みがあり、口に含むと驚くほどのボリュームと滑らかさ、そして長大な余韻を誇ります。ブレンドの中心を成すカベルネ・ソーヴィニヨン(94%)が圧倒的な気品と骨格を与え、少量のメルロ(2%)とカベルネ・フラン(3%)が芳香とタンニンの柔らかさを加え、さらにプティ・ヴェルド(1%)が凝縮感と厚みをもたらしています。
乾燥し日照の多かった夏にもかかわらず酸を十分に保持し、長期熟成の潜在力を備えている点も特筆すべき特徴です。
収穫全体の28%のみが選ばれた厳格な選果の成果として生まれた、気候、テロワールの知見、そして醸造技術の融合がもたらした稀に見る逸品です。
シャトーマルゴー2016年の価格推移
2016年のシャトー・マルゴーは、現在市場でおよそ12万円~15万円前後で取引されており、その価値は単なる希少性だけでなく、ワインとしての完成度に裏付けられています。
世紀の変わり目を象徴するこのヴィンテージは、当初から高い評価を受け、熟成によって複雑さと深みをさらに増してきました。
若い頃は濃密なカシスやブラックベリー、スミレの華やかな香りが前面に出ていましたが、今ではトリュフや杉、土のニュアンスが加わり、奥行きのある気品に満ちています。
力強さとしなやかさが絶妙に調和し、長い余韻を伴う味わいは、ボルドー左岸の真髄を体現する一本です。
飲み頃は既にピークを迎えつつあり、今から20年以上の熟成を経て円熟した姿を楽しめる点も魅力です。愛好家にとっては「所有する喜び」と「飲む喜び」の両方を満たす稀少なグランヴァンといえるでしょう。
シャトーマルゴー2016年の飲みごろは?
2016年のシャトー・マルゴーは、これからまさに熟成のピークへと向かう段階にあり、購入後に最も面白いフェーズを迎えるワインといえます。
若い頃の華やかな果実味はすでに落ち着きを見せ始め、タンニンはしなやかに溶け込みつつあり、口中での調和が格段に向上しています。
カシスやブラックベリーの濃厚な果実に、スミレやトリュフ、シダーウッドの複雑な香りが重なり合い、時間とともに一層奥深さを増しています。
これからの10年で、力強さとエレガンスが見事に融合し、芳醇なアロマと繊細なテクスチャーが頂点に達するでしょう。
今飲んでも圧倒的なポテンシャルを感じさせますが、セラーで数年から十数年の熟成を経ることで、さらに気品と官能性を兼ね備えた極みの姿を堪能できます。
2016年は「飲む楽しみ」と「待つ楽しみ」を同時に味わえる、コレクターや愛好家にとって特別な存在です。
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シャトーマルゴー2016年の購入ガイドと注意点
2016年のシャトー・マルゴーは、歴史的なグレートヴィンテージのひとつとして評価されており、購入にあたっては慎重な判断が求められるワインです。
まず価格は20万円前後で推移しており、正規輸入ルートや信頼できる専門店からの購入が第一条件となります。
希少性の高さから市場には並行輸入品や保管状態の不明なボトルも出回っているため、購入時には保存履歴や輸送条件をしっかり確認することが重要です。
また、2016年は長期熟成の潜在力を持つため、すぐに開けるのではなく、適切なセラー環境で最低でも数年、できれば10年以上の熟成を意識して保管することで、その真価を最大限に引き出せます。
ボトルサイズによって熟成の速度が異なるため、750mlは10〜15年を視野に、マグナム以上であればより長期の熟成を期待できます。
投資価値としても注目されていますが、何よりも飲用目的で手にする際には「いつ開けるか」の計画が大きな楽しみとなるでしょう。
シャトーマルゴー2016年のペアリング提案
2016年のシャトー・マルゴーは、圧倒的な気品と力強さを兼ね備えたワインであり、ペアリングには料理そのものの完成度と繊細なバランスが求められます。
豊かなカベルネ・ソーヴィニヨン主体の骨格に、黒系果実やスミレの芳香、滑らかなタンニンが重層的に広がるため、王道は上質な赤身肉のローストやグリル。
特に柔らかい牛フィレや仔羊のローストは、肉の旨味とワインの深い果実味が見事に調和します。
また、トリュフを使った料理や、ジビエ(鹿や鳩など)の火入れを丁寧に仕上げた一皿は、熟成を重ねた2016年の複雑なアロマと好相性です。
さらに、濃厚でありながら洗練されたソース(赤ワインソースやジュ・ド・ヴィアンド)を合わせることで、余韻の長さをより一層引き立てます。
家庭料理というより、シェフが素材と技術を駆使して仕上げる芸術的な料理こそ、この偉大なワインにふさわしいと言えるでしょう。
まとめ:2016年シャトー・マルゴー 総評
2016年のシャトー・マルゴーは、2015年という歴史的ヴィンテージの後を受けながらも、その存在感を確立した堂々たるグランヴァンです。
涼しく乾燥した夏と理想的な秋の気候条件がもたらしたブドウは、凝縮感と酸のバランスに優れ、力強さとエレガンスを見事に両立しています。
カベルネ・ソーヴィニヨン主体のブレンドは気品に満ち、メルロやカベルネ・フラン、プティ・ヴェルドが複雑性と厚みを加え、香り・味わいともに重層的な広がりを見せます。
すでに深い果実味としなやかなタンニンが調和していますが、真価を発揮するのはこれからで、今後数十年にわたって熟成による進化を楽しめるでしょう。
厳格な選果を経て生み出されたこのワインは、テロワールと醸造技術の粋を尽くした一本であり、「偉大なクラシック・マルゴー」の名にふさわしい稀有な存在です。
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