
シャトー・マルゴー 2012年の評価・飲み頃・最新市場価格【購入ガイド付き】
2012年のシャトー・マルゴーは、前後の偉大なヴィンテージに比べると控えめながら、洗練された個性を放つ年といえます。
冷涼な気候条件の影響を受け、果実味はやや繊細で、華やかさよりも落ち着きとエレガンスが際立つ仕上がりとなりました。
力強さやボリューム感を求める愛好家にとってはやや控えめに映るかもしれませんが、クラシカルなボルドーの魅力を大切にする人にはむしろ心地よい調和を感じさせます。
酸がしっかりと残るため、熟成ポテンシャルも十分に備えており、現在はすでにバランスの取れた飲み頃を迎えつつも、今後数年から10年程度の熟成でさらなる複雑さが期待できます。
華美ではないものの、繊細さと知的なニュアンスを楽しませてくれる2012年のマルゴーは、通好みの一本として特別な価値を持つヴィンテージといえるでしょう。
こちらの記事は、シャトーマルゴーの中でも特に2012年に特化した記事になっています。
シャトーマルゴーの全体像はこちらをご参考ください。
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シャトー・マルゴー 2012年の評価・飲み頃・最新市場価格【購入ガイド付き】
ボルドー2012年ヴィンテージの概要
2012年のボルドーは、難しい気候条件と生産者の努力が色濃く反映された、やや不均一なヴィンテージとして位置づけられています。
冬から春にかけての雨と低温により開花が遅れ、夏も安定せず、特に収量の面で苦戦を強いられました。
しかし9月から10月にかけての好天が救いとなり、収穫のタイミングを見極めた生産者ほど良質のブドウを得ることができました。
結果として、左岸のカベルネ・ソーヴィニヨン主体のワインはやや引き締まったスタイルで、力強さよりもクラシカルな酸と端正な骨格が印象的です。
一方、右岸のメルローは収穫時期の見極めが鍵となり、成功したシャトーでは豊かな果実味と柔らかいタンニンを備えた親しみやすいスタイルが実現しました。
総じて2012年は「偉大な年」ではないものの、クラシカルな魅力を持ち、飲み頃も比較的早く訪れるため、愛好家にとっては気軽に楽しめるヴィンテージといえるでしょう。
Bordeaux Leftbank のヴィンテージチャート
Source | 2000 | 2001 | 2002 | 2003 | 2004 | 2005 | 2006 | 2007 | 2008 | 2009 | 2010 | 2011 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 |
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Wine Advocates | 94 | 89 | 88 | 88 | 87 | 98 | 88 | 86 | 90 | 97 | 95 | 87 | 89 | 80 | 93 | 94 | 97 | 90 | 94 | 96 | 95 | 88 | 95 | 93 |
Wine Spectator | 95 | 92 | 86 | 89 | 89 | 98 | 90 | 85 | 87 | 97 | 99 | 91 | 88 | 84 | 93 | 94 | 97 | 91 | 96 | 93 | 93 | 84 | 95 | - |
シャトー・マルゴー2012年ヴィンテージ 専門家の評価は?
シャトー・マルゴー2012年は、専門家から高い評価を受けつつも「偉大な年」ではなく、クラシカルな魅力を持つヴィンテージとして位置づけられています。
Wine Advocate(WA)は96点を付与し、ボトリング後に果実の凝縮度や構造が増し、長期熟成に十分耐えうると高く評価しました。
果実の厚みとエレガンスを兼ね備え、真価を発揮するのは2023年以降と予測しています。
一方、Wine Spectator(WS)は95点で、プラムやチェリーの豊かな果実味に加え、ベイリーフやメントール、紅茶、カカオの複雑な要素が重なり、飲み頃は2018〜2030年と分析。
両者の評価に共通するのは、果実味と酸、そして上質なタンニンの調和により、端正で長命なスタイルに仕上がっている点です。
2009年や2010年のような力強さこそ欠きますが、2012年はむしろ「気品と繊細さ」に重きが置かれたマルゴーであり、通好みの価値を持つ一本といえます。
本家サイトを確認
つぎに、本家シャトーマルゴーのサイトでは、どのように2012年ヴィンテージを総括しているのか、要約しました。
2012年ヴィンテージ要約
2012年のシャトー・マルゴーは、厳しい選果の結果、収穫のわずか34%のみがファーストワインに使用されました。
若木や敏感な区画は水分ストレスの影響で外されましたが、成熟したカベルネ・ソーヴィニヨン(ブレンドの87%)は凝縮感とエレガンスを兼ね備え、力強く洗練された出来栄えとなりました。
メルロー(10%)とカベルネ・フラン(2%)は前年並み、プティ・ヴェルドは際立って良質なワインを生みました。
さらに選別されたプレスワインがブレンドに密度と肉付き、そしてフィネスを加えています。
スタイルは「ほぼ偉大な年」とされ、2010年に近い純度とバランスを示しつつ、奥行きではやや劣るものの2011年よりは明確に上質と評価されています。
気候面では寒い冬、多雨の春、乾燥した夏、そして9月20日以降の降雨が特徴的で、雨は熟成や健康状態を大きく損なわなかったものの、わずかに「大ヴィンテージ」になり損ねた要因とされます。
収穫は白が9月10〜14日、赤が9月25日〜10月16日に行われました。
シャトーマルゴー2012年の価格推移
シャトー・マルゴー2012年は、現在市場で14万円前後と比較的安定した価格で流通しています。
2009年や2010年のような“歴史的グレートヴィンテージ”に比べると知名度や評価はやや控えめですが、その分価格が落ち着いており、ファースト・グロースのマルゴーを体験するには現実的な選択肢となります。
スタイルとしては、エレガンスと透明感を重視したクラシカルな造りで、カベルネ・ソーヴィニヨン主体の凝縮感と端正な骨格に加え、酸が全体を引き締めています。
すでに飲み頃に入りつつありますが、あと10年程度は熟成によってさらに複雑さと深みを増す余地が残されています。
華やかさやパワーを求める方にはやや控えめに映るかもしれませんが、洗練されたニュアンスや知的な味わいを楽しみたい愛好家には魅力的な一本です。
価格と品質のバランスを考えると、長期的に飲み頃を追いながら楽しめる「通好みのマルゴー」といえるでしょう。
シャトーマルゴー2012年の飲みごろは?
シャトー・マルゴー2012年は、まさに「収穫年の作柄を味わう」喜びを体現できる一本です。
2009年や2010年のような豪奢なヴィンテージではありませんが、気候の揺らぎや厳格な選果を経て生まれたクラシカルなスタイルは、ヴィンテージの個性そのものを感じるにふさわしい仕上がりとなっています。
すでに果実味と酸、タンニンのバランスが解け合い、エレガンスを伴う落ち着きが出ており、今こそ「2012年らしさ」を堪能できる時期です。
力強さのピークよりも、繊細さや奥ゆかしいニュアンスが前面に現れ、年ごとの違いを楽しみたい愛好家にとって絶好の飲み頃といえるでしょう。
これから数年は熟成による複雑さも増し、余韻に深みが加わっていきます。
派手さよりもクラシックな均整美を求める方にとって、2012年は「作柄を味わう喜び」を実感できる最良のタイミングです。
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シャトーマルゴー2012年の購入ガイドと注意点
シャトー・マルゴー2012年を購入する際の最大のポイントは、信頼できる販売ルートを選ぶことです。
流通価格は14万円前後と、ファースト・グロースの中では比較的手の届きやすい範囲にありますが、その希少性ゆえに保存状態による品質差が大きく出やすいヴィンテージでもあります。
特に2012年は気候の影響で収穫量が少なく、厳格な選果によりファーストワインに回されたブドウは全体のわずか34%と限られており、真贋の確認や輸送履歴の把握は欠かせません。
購入時にはワイン商や大手通販サイトといった管理体制の整ったショップを選び、可能であれば正規輸入品やセラー保存の証明があるものを推奨します。
また、すでに飲み頃に入りつつあるとはいえ、今後10年程度の熟成余地もあるため、家庭で保管する場合は温度・湿度を一定に保つセラーが必要です。
華やかさよりもクラシックなエレガンスを楽しむヴィンテージであることを理解し、自身の嗜好や飲むタイミングを踏まえて購入を検討すると良いでしょう。
シャトーマルゴー2012年のペアリング提案
シャトー・マルゴー2012年は、力強さよりもクラシカルなエレガンスと透明感を備えたスタイルで、繊細な酸と緻密なタンニンが料理との調和を引き立てます。
カベルネ・ソーヴィニヨン主体の芯のある骨格を持ちながら、派手さよりも知的で落ち着いたニュアンスを楽しめるため、料理も過度に濃厚なものより「素材の質を生かしながら奥行きを表現する」方向が適しています。
たとえば、軽くローストした鳩や鴨胸肉に赤ワインソースを添えると、ワインの果実味と酸が美しいバランスを見せます。
また、仔牛フィレのソテーにトリュフを加えた料理も、華美ではなく気品ある旨味がマルゴーの繊細さと響き合うでしょう。
さらに、ジビエのパテや茸を使ったリゾットなども相性が良く、ワインの持つ土壌由来のミネラル感を引き立てます。
シャトー・マルゴー2012は「作柄を味わう」一本であるがゆえ、料理もヴィンテージの個性を尊重し、繊細な調理で寄り添うことが最良のペアリングといえます。
まとめ:2012年シャトー・マルゴー 総評
2012年のシャトー・マルゴーは、厳格な選果によって収穫のわずか34%のみがファーストワインに使用された、個性的なヴィンテージです。
気候条件の振れ幅が大きく、若木や弱い区画は水分ストレスに苦しんだ一方、成熟した畑は高い集中度とエレガンスを発揮しました。
ブレンドの主体となったカベルネ・ソーヴィニヨンは87%を占め、力強さと洗練を兼ね備え、メルローやカベルネ・フランは控えめながら全体の調和を支えています。
専門家の評価もWA96点、WS95点と高く、2010年や2009年のような歴史的偉大さには及ばないものの、2011年を明確に上回る出来とされています。
すでに飲み頃を迎えつつありますが、今後10年程度の熟成でさらに複雑さが増す余地を残しており、「クラシカルなボルドーの魅力」を体現する一本です。
華美ではなく知的なスタイルを好む愛好家にとって、2012年のマルゴーは通好みの価値ある選択といえるでしょう。
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