南アフリカのスパークリングワイン「キャップ・クラシックとは?」

【最終更新日】2024年8月1日

みなさんこんにちは。わいんとくすりです。

 

スパークリングワインはお好きですか?何かしらのイベント事で飲む機会のあるスパークリングワイン。スッとしたグラスに綺麗な泡が立ち上っているのを見るだけでもテンションが上がってきますよね。

 

単純にスパークリングワインと言っても、シャンパンやプロセッコなど種類はたくさんあり、製造方法も1つだけではありません。

種類が多くなると選ぶのも大変ですし、何を見て選んだら分からなくもなりますよね。そんな中、高品質で近年注目を集めている南アフリカのスパークリングワイン「キャップ・クラシック」について今回ご紹介させていただきます。

 

この記事では初めにスパークリングワインがどのようなものなのかを紹介し、次に注目されている「キャップ・クラシック」について解説させていただきます。

 

ワインの記事ですので、まずは自己紹介をしておきます。

私はワインブックススクールでワインの学習をし、2023年のワインエキスパート試験に合格することができました。その後も興味ある内容について学習し、投稿をさせていただいております。

それでは、どうぞよろしくお願いいたします。

 

南アフリカのスパークリングワイン「キャップ・クラシックとは?」

スパークリングワインの基礎知識

スパークリングワインの定義として、フランスでは3.5気圧(小瓶では3.0気圧)以上の炭酸ガスを含有しているものとされています。

それ以下になると弱発泡性ワインなど名称が変わってきます。

フランスの規定は世界のワインのお手本となっていますから、その他の生産国もこの規定に則って生産を行なっていると考えて、まず問題ないかと思います。

 

スパークリングワインの主な製法としては以下の5種類となります。簡単な説明とともにご紹介しますね。

①瓶内二次発酵方式

いわゆる、トラディショナル方式。別名は英語:Traditional Method、仏語:Méthode traditionnelle=Méthode champenoiseと呼ばれています。

多くのスパークリングワインがこちらに該当しますが、なんといってもシャンパンが有名でしょう。今回の記事の「キャップ・クラシック」もこちらに該当します。

 

②シャルマ方式

大きな密閉タンクに糖分と酵母を添加して二次発酵し炭酸ガスを得る方式。密閉タンクを用いるため、密閉タンク方式(Méthode cuvée close)とも呼ばれています。こちらはイタリア、ヴェネト州のプロセッコが代表です。

 

③トランスファー方式

瓶内二次発酵させた二酸化炭素含有ワインを加圧タンクに開け、冷却、濾過してから新しいボトルに詰め替える方式。瓶内二次発酵方式の滓抜きの手間を簡略化した製法。

 

④田舎方式

発酵中のワインを瓶に詰めて、残りの発酵を瓶内で行い炭酸ガスを得る方法。澱が瓶内に残っていることも多い。

ナチュラルワインの作り手が好んで行う方法。別名のAncestral Method、Méthode ruraleの方が一般的かもしれません。

 

⑤炭酸ガス注入方式

読んで字の如し。加圧下のタンクにワインを入れて、炭酸ガスを吹き込む製法。

 

多くの製造方法がありますが、基本となる作り方は瓶内二次発酵方式です。そこから工夫をして他の製造方法が誕生したのです。

では、次に①瓶内二次発酵方式をもう少し詳しくみていきましょう。

 

瓶内二次発酵方式

まずは製造工程をみていきます。

収穫、圧搾、果汁清澄した後に一次発酵(アルコール発酵)を行います。

一次発酵後、他のブドウ品種やヴィンテージのワインを調合し、酵母と糖分を添加して瓶詰めされます。ここで二次発酵を経て、瓶内熟成していきます。

指定期間以上に経過したら、滓を1箇所にためる動瓶、滓抜き、糖分調整、打栓というのが一連の流れです。

とても手間暇かけて作られているのがわかるでしょうか?

 

この製造工程の中での肝は名称の通り、二次発酵を瓶内で行うことです。これがどういうことかというと、ブドウ果汁にはたくさんの糖分が含まれています。

これが酵母の働きによって発酵すると、アルコールと二酸化炭素へ分解されます。これを栓をした瓶内で行うことで、二酸化炭素を液中に溶け込ませることが出来るのです。

 

このガス圧はシャンパンにもなると6気圧にも及びます。これは車のタイヤの空気圧と同等かそれ以上です。かなりの高圧で、昔はガラス瓶が破裂することもありました。故に他のワインボトルに比べて厚み、重さがあるのです。

 

現在では機械化も導入されていますが、昔は手作業であったことを思うと、その苦労は想像を超えたものだと思います。これだけ手間暇のかかったワインとなるとお値段が高くなるのも納得できますよね。

 

キャップ・クラシックとは?

前述したように、「キャップ・クラシック」は南アフリカでの瓶内二次発酵をしたスパークリングワインの総称になります。「キャップ・クラシック」は「メトード・キャップ・クラシック:Méthode Cap Classique」と記載されることから、MCCと略されることも多いです。

 

「キャップ・クラシック」という名前は、瓶内二次発酵方式はフランスから移民してきたユグノー派により導入されたという事実に由来します。

ケープ(Cape)に持ち込まれた伝統的(Classique)なワイン醸造方法であることから、「キャップ・クラシック」という名前にいきついたようです。

 

初のキャップクラシックは1971年にシモンシッヒにより生産されました。1992年には14のMCC生産者によってキャップ・クラシック生産者協会(CCPA)が設立されました。

現在ではMCC総生産量の90%を占める生産者やソムリエやワインメディアなどのコミュニティメンバーが加入しています。

 

CCPAの会長はキャップ・クラシック専門ブランドであるグラハム・ベックのセラーマスター、ピーター・フェレイラ氏が務められ、品質向上と認知拡大に力を入れています。

その甲斐があってか、2009年からの10年間の間に輸出量は16.7倍に成長しています。主な輸出先はイギリス、アメリカ、オランダです。

 

使用可能品種の規定がないのがニューワールドらしいですね。シュナン・ブランやピノタージュを使用したものも生産されていますが、CCPAがシャンパンの主要3品種であるピノ・ノワール、シャルドネ、ムニエの使用を推奨しています。

今後はこの3品種が主要品種となってきそうですね。

 

瓶内二次発酵で作られるスパークリングワインは他のスパークリングワインに比べると手間と時間がかかっており、その分お値段も高価になる傾向があります。

ですが、この「キャップ・クラシック」は価格も抑えめ、かつ高品質に仕上がっており、是非一度試していただきたいです。

 

まとめ

いかがだったでしょうか?スパークリングワインの基礎知識と「キャップ・クラシック」について解説をさせていただきました。

 

まとめますと、

・スパークリングワインの製法は複数あるが、元祖は瓶内二次発酵方式。

・瓶内二次発酵方式は複雑な工程を経て作り上げられている、高品質なスパークリングワイン。

・「キャップ・クラシック」は近年注目を集める南アフリカでのスパークリングワインの名称。

 

「キャップ・クラシック」の説明で出てきたグラハム・ベックやシモンシッヒといった生産者のMCCは日本でも入手は比較的容易で、値段もシャンパンほど高価ではありません。エントリーレンジのものであれば3000円台で購入することができます。

 

品質はシャンパンに劣らず、市場をどんどん拡大している理由を存分に味わうことが出来ます。次の記念日などに南アフリカの「キャップ・クラシック」を試してみるのなど、いかがでしょうか?

 

ここまでご一読いただき、ありがとうございました。また次回、お目にかかりましょう。


 

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