【教本とは?】ソムリエ試験・ワインエキスパート試験の一撃攻略法

【最終更新日】2024年7月29日

ソムリエ試験、ワインエキスパート試験を受験する場合、必ず押さえておくべきなのがその勉強方法です。

当たり前ですが勉強方法があいまいであると勉強時間は無駄な部分が増えてきますし、無駄な勉強をした結果不合格になる可能性も増えてきます。

そのためWBSでも勉強方法はもっとも力を入れて分析し、具体的な勉強方法をご提案しています。

どのような資格試験でも「資格試験本」というものは存在し、これはソムリエ試験、ワインエキスパート試験であっても同様です。

書店のワインのコーナーに行けば多くの試験対策本があって、ざっと見積もっても毎年10冊以上出版されています。

これらの出版社には本当に申し訳ないとは思いますが、WBSとしてはソムリエ協会がはっきりと「『(一社)日本ソムリエ協会 教本』(最新版)より出題されます。」と発表していることから、そのほかの参考書は参考にはなっても学習の本丸にはならないと考えています。

そりゃそうでしょう。試験の主催者が出版する資料から出題されると主催者が言っているのに、そのほかの人が出版した書籍が上回ると考えるのは合理性に欠けます。

もちろんそれらの出版物もビジネスなのであの手この手で期待をさせ不安をあおり出版数を伸ばすのですが、これはWBSの考えとは真逆になります。

 

試験に合格する最短の手法をお伝えし、早々と合格してもらい、広く深いワインの世界に安心して入り込んでほしい。

このような思いから、あれもこれも参考書を買い込むのは逆効果で、むしろできる限り教本で学習をし、参考書は最小限度で充分だとのスタンスです。

 

ただし、では、本当に書店に並ぶ参考書が全くの無意味かというとそうではありません。

教本から出題されることがわかっても、なぜ参考書が別途販売されているか?

ソムリエ協会教本は圧倒的に量が多く、文字と表と地図だらけで試験向けの参考書とは程遠い存在だからです。

 

他の資格試験は?

すこし見方を変えて、最難関の試験ということで司法試験をイメージしてください。

司法試験は法律分野の試験なので、法律の条文と判例を押さえれば合格できるはずですが、実際はどうでしょうか?

「司法試験」で検索すると予備校の広告がじゃんじゃん出てきますし↑、書店にいけばソムリエ試験とはけた違いの参考書が見つかるでしょう。

 

ソムリエ協会教本は資料としてはよくできていますが、これだけを参考書にして取り組んでも再現性は低いし、初学者には逆にハードルを上げてしまうことになるのです。

そのため、WBSとしては最終的な学習は教本に絞りますが、その前段階でWBSのテキストを利用してくださいとお勧めをしています。

 

では、そもそもソムリエ協会教本とはどのようなものなのでしょうか?

ここでは、あなたがソムリエ試験、ワインエキスパート試験を受験するにあたっての教本との接し方、具体的にどのように学習をすればいいのかをご紹介します。

 

ソムリエ協会教本とは?

毎年3月に更新される試験のバイブル

ソムリエ協会教本は、毎年3月に更新され、発売がされます。

教本単体で購入することもできますが、ソムリエ試験・ワインエキスパート試験の受験申し込みをするとそれに抱き合わせて購入することになります。

 

ソムリエ協会教本は、試験の権威性を保つ最強の出版物です。

資料の正確性、最新性、信頼性は随一で、これがソムリエ協会の品質を担保しているといっても過言ではありません。

 

極端な話ではありますが、ソムリエ試験、ワインエキスパート試験は民間の呼称資格認定試験なので、ほかにもっと権威性のある団体が生まれればそちらに受験生は流れてしまいます。

実際に今から20年ほど前にソムリエ協会から脱退したメンバーが設立した別名称のソムリエ団体がありますが、仮にその団体がソムリエ協会よりも権威性があるのであれば、受験生は必ずそちらに流れます。

また、世界的なワインの資格試験であるWSETについても、企業がいろいろ入り込んで試験の権威性を高めるようにしていますが、日本での存在感は薄く、ソムリエ試験には水をあけられているのが現状です。

「WSET」と「ソムリエ試験」で検索ボリュームを検討してもその差は圧倒的で、およそ4倍の開きがあります。

 

これだけの存在感があるソムリエ試験・ワインエキスパート試験の品質を担保しているのがソムリエ協会教本なのです。

 

いきなり教本での学習はリスキー

このようなソムリエ教本ではありますが、「ソムリエ協会教本から出題される」と分かっても多くの人は「いきなり教本で学習をするのはリスクが高い」と判断しています。

だから書店には参考書が並んでいますし、それを購入する人がいるから毎年参考書も発酵されるのです。

 

これはなぜかというと、ソムリエ協会教本は圧倒的にわかりづらく、これでいきなり学習をしようとすると挫折する可能性が高いからです。

おそらく多くの人は郵送された教本を読んで挫折感を味わうでしょう。それだけのボリュームとわかりづらさととっつきにくさがウリでもあるのです。

 

最終的には教本は逃れられない

では、「ソムリエ協会教本ではわかりづらいから市販の参考書だけで合格を狙う」はどうでしょうか?

これはどこのスクールでも、どの講師でもお勧めはしないはずです。

市販の参考書だけで対応できるほどこの試験は甘くはありません。

 

私は行政書士という法律の試験も受験したことがあり、その際にも「条文の読み込みは最重要項目」とされています。

そりゃそうです。法律の試験なので条文からの出題が多いので条文が最重要になることくらい誰でもわかっています。

これと全く同じ仕組みで、ソムリエ協会教本をショートカットして合格を狙うのは再現性は極めて低いし、もっと言えば全く的外れな考えなのです。

 

敷居の高いように見える教本であっても、それでも最終的には教本で学習するしかない。

これは早めのうちに受け入れるようにしましょう。

 

 

教本を見据えた学習プラン

このように、最終的にはソムリエ協会教本で学習をすることがマストになりますが、では教本を使った学習はどのように進めればいいのでしょうか?

我田引水ではありますが、WBSであれば3月の発売まではWBSのテキストで学習し、6月まではWBSのテキストと教本を並行して学習をする。

そして最後の7月8月については教本をメインに学習をする。このプランを推奨しています。

 

これはWBS出なかったとしても、おおむねどこも同様のプランを立てているはずです。

独学の方であってもまずは市販の参考書で学習をして、教本との並行時期を経て、最終的には教本での学習に切り替える。このプランです。

 

教本はどこから学習すればいいか?

では、ソムリエ協会教本で最終的には学習するとして、実際にソムリエ協会教本ではどのような順序で学習をすればいいのでしょうか。

これはWBSの学習スケジュールが参考になると思いますが、基本的には

・ワイン概論

・酒類概論

この二つは何はなくとも真っ先に学習する分野です。

特にワイン概論は単体の科目に見えて、実質は横断的に必要になる必須の項目なので、ここを得意分野にできるかどうかで合否を大きく分かれると考えています。

 

その後に具体的な国別の学習に入りますが、特に避けて通れないのが

・日本

・フランス

・イタリア

この3か国です。もちろんほかの国も大事ではありますが、出題頻度、ワインライフでの重要性を含めてこの3か国は必ず得意分野にするべきです。

 

正直、それ以外の国や分野はどこの国も似たり寄ったりで、出題頻度も国ごとに2~3問程度でしょう。

ここが悩ましいところで、出題はほんの数問であっても範囲が広いのでおろそかにすることはできず、地道な読み込みがどうしても必要になってくるのです。

 

合否を分けるポイント 教本の読み込み

僕はWBSという教育機関を運営していますので、どのような人が合格してどのような人が不合格になるのかを深く研究しています。

もちろん試験勉強に慣れていたり、そもそも学習や暗記が得意な人もいますが、基本的には教本の読み込みができるかどうかで大きく差が開くと考えています。

 

ここまで読んでくださったあなたであればわかると思いますが、簡単に「教本の読み込み」といっていますが、読み込みができるためには前段階でテキストや市販の参考書で学習をしないといけません。

その段階を経て、最終的に教本を隅から隅まで丁寧にイメージしながら読み込んでいく。

地味ではありますが、読み込みができる人とできない人ではその差は歴然で、経験上、不合格になる人の8割は教本の読み込みができていないように感じています。

 

教本=正解ではない

これは日本人に多いメンタルなのですが、一般的に「教科書」と思われている書籍があると、何の疑いもなしに教科書が正解だと単純にイコールで結びつける人は多いです。

そのためソムリエ協会教本をワインの教科書と信じ込んで、それ以外はすべて間違いととらえている人は決して少なくありません。

 

もちろんソムリエ協会教本は質的にも高く、信頼性は日本の書籍では圧倒的なものがあります。

しかし、これがイコール正解ととらえると柔軟性にかけ、最悪な場合面倒なソムリエ、面倒なワインファンになる可能性があります。

 

最終的にはワインはし好品なので、楽しくおいしく飲めればそれでいいという結論があるにも関わらず、そこに正しい正しくないを持ち出す。

これではワインのすそ野は広がらないし、むしろそんな人にワインを教わったら「ワインってこんなに堅苦しいものなんだ」と思われてしまいます。

 

これは法律の世界であっても同様です。あなたは法律だからイコール正しいと思ってはいませんでしょうか?

実際の法律の実務ではそんな四角四面ではとても業務にならないし、法律の正当性や妥当性や合理性も検討できないと試験では合格できても実務家としては通用しません。

 

もしあなたがここまでお読みになり、少しでも納得できる部分があるのであれば、ぜひソムリエ協会教本を賢く利用していただき、決して教本に振り回されることのないようにしてください。

ワインの世界は正しい正しくないの単純な〇×で判断できるほど浅い世界ではありません。

教本は一つの資料として大いに参考にしていただき、そこから先の広くて深いワインの世界を、あなた自身が創造していってください。


 

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