【最終更新日】2020年8月30日
飲食店の創業計画書は、全体は冷静に、かつ具体的に記載をして、熱意は全体の1割程度で行くのがベストです。
前回の創業動機については自分の情熱ややる気をそのままぶつければいいのですが、ここからは具体的に、できる限り客観的に記載をすることになります。
飲食店の創業計画書③
事業の具体的内容と事業の強み
通常は融資担当者は、
①まずはパラパラっと全体を見て、完成度を確認する
②最初から読み始め
③最後までざっと読み、
④融資が可能そうであればじっくり読み込む
この流れになります。
そのため、前回の創業動機でしっかりと担当者にここまでの経緯をイメージを持ってもらったうえで今後の計画を具体的に書き進めます。
具体論はここからなので、実際にはここからが本当の勝負です。
事業の具体的内容
ここではお好み焼き・もんじゃの事業内容を端的に説明しています。
言葉で装飾するのもいいのですが、具体論なので端的なほうがわかりやすくて伝わりやすいでしょう。
・何が主たる商品なのか
・主たる商品以外にどのような商品があるのか
をここでは記載しています。
例えばラーメン屋であればラーメン一本でいくことになりますが、さすがにそれだけではほかの客を取り逃してしまうのではないかと心配されてしまいます。
そのため、あまりにも絞り込んだ業態の場合はやや装飾したほうがいいでしょう。
業態によっては今までにないような種類の飲食店の開業を考えることもあるかもしれません。
ただし、あまりにも個性的なお店の場合は似たような業態を探し出し、それを引き合いに出してイメージしやすいようにする工夫が必要です。
例)釣り堀がある飲食店
→釣り堀を楽しむお客が、そのわきにあるカフェでくつろげるようなイメージの飲食店
などのように、ざっくりでいいのでイメージを引き出すようにしましょう。
事業の強み
融資担当者は貸した金が返ってくるかしか興味がありません。
そのため事業の強みと優位性は必ず押さえる必要があります。
逆に、何の強みもアピールできないような開業者には怖くて貸せませんし、「経営者になるのに自分の強みも説明できないのか」と思われるのがオチです。
また、ここで「おいしい料理」「良いサービス」などのあいまいな表現をすると幼稚な計画書だとイメージされてしまい、不利です。
そのためできる限り具体的に表現し、客観的な説明に終始するように心がけましょう。
ここでは、
・すでに実績のあるFCチェーンでのブランドの活用
・立地の良さと家賃の安さの優位性
・原価の安さから利益率の高さが保ちやすい収益構造
を説明しています。
読んでお分かりの通り、ここでは熱意や思いは一切排除し、事実に基づいて淡々と説明をしています。
【良い例】
・友人の農家から直送する契約をしているので原価がおさえられる
・市場規模のある業態なのに周囲に同じ業態の飲食店がない
・料理長は有名な〇〇店で副料理長まで勤め上げた経験がある
・好立地にもかかわらず、家賃が押さえめである
・以前に勤めたお店のお客とのつながりが700人いる
・コツコツ続けたSNSやグルメサイトで一日に1万PVある
【悪い例】
・有名な〇〇店で務めたのでおいしい料理が作れる
・友人が協力してくれるといっている
・これまでにない業態なので、絶対にはやる
・スペインでは流行っているので、日本でも絶対にはやる
・誰にも負けない努力と根性でやり抜く
これらは典型的な悪い例です。
有名店で働いていたからおいしい料理が作れるとは限りません。ひょっとしたら皿洗いで終わった可能性もあります。
例えば友人が協力するといっていても、それは友人のリップサービスかもしれません。
これまでにない業態かそうでないかは誰にも分りませんし、その需要があるかどうかもわかりません。
スペインではやっているからと言って日本ではやるとなぜ言えるのでしょうか。
本人たちは真剣なのですが、冷静に見ればこのような突っ込みが入るのです。
逆に、よい例のほうは、具体的に友人とは契約を結んでいますし、有名店で副料理長まで務めたという実績があります。
お客とのつながりやウェブ上でのファンが多いというのは、顧客のリストを提示したり、実際にPVを示すことで説得力が増します。
融資をする側には、最終的には納得感が大事なので、ここでその全体像をしめしましょう。
保証人と担保の説明
ページの下に保証人と担保の説明があります。
融資金額が合計3000万円と高額なため、こちらから担保と保証人を申し出ています。
ただし、最近はほとんど保証人と担保は求められません。
高額な場合、申し出ることによって融資する側のリスクヘッジをこちらから提示しています。
ただし、融資を受ける側にはリスクが増えますので、よほどのことがない限りこちらからは提示しないほうがいいでしょう。
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