フランス概論

 

学習のコツ

各国の概論は、まずはざっくりと地方をおさえ、そのうえでワイン法のシステムなどをおさえるようにしましょう。

フランスは概論よりも各論が出題されるポイントが多いです。

また、地方に関しては各地方の学習の際に自然に覚えることもありますので、覚えられないからといって苦手意識を持つ必要はありません。

【このページでわからないことはこちらにご質問ください】

 

フランス概論

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フランスワインについて

フランス は、ブドウ栽培面積、 ワイン の生産量共に世界屈指のワイン大国です。

ワインの銘醸地が各地に点在しており、EUのワイン法である原産地呼称保護ワイン( A.O.P. =Appellation d’Origine Protégée)の基となった原産地呼称保護ワイン( A.O.C. )は1935年に成立しています。

 

人口は6700万人程で、国土は55万km²程です。

※ 日本 は人口1憶2000万人に対して国土38万km²程です。

 

フランス の国土は六角形(ヘキサゴン)のような形をしており、6カ国と接しています。

北東: ベルギー 、 ルクセンブルグ 、 ドイツ

東: スイス 、 イタリア

南西: スペイン

北緯42~51度と高緯度に位置しているが、北大西洋海流という暖流によって寒さは抑えられています。

国土各地に点在したワイン産地によって気候や土壌構成は異なるため、様々なタイプのワインが生産されています。

 

ブドウ栽培面積は752,395ha,ワイン生産量(非商品化製品を除く)45,785,051hl

 

フランスの10のワイン産地

 

フランスのワイン産地は、大きく分けて下記の10地方に分けられます。

① シャンパーニュ地方 ( Champagne ): 大陸性気候

② アルザス・ロレーヌ地方 ( Alsace-Lorraine ): 半大陸性気候

③ ブルゴーニュ地方 ・ ボージョレ地区 (Bourgogne-Beaujolais): 大陸性気候

④ ジュラ・サヴォワ地方 ( Jura-Savoie ): 半大陸性気候 ( 山地気候 )、部分的に 海洋性気候 ・ 地中海性気候

⑤ ローヌ渓谷地方 ( Vallée du Rhône ): 大陸性気候 ・ 地中海性気候

⑥ プロヴァンス地方 ・  コルシカ島 (Provence-Corse): 地中海性気候

⑦ ラングドック・ルーション地方 (Languedoc-Roussillon): 地中海性気候

⑧ 南西地方 (Sud-Ouest): 海洋性気候 ・ 大陸性気候

⑨ ボルドー地方 (Bordeaux): 海洋性気候

⑩ ロワール渓谷地方 (Val de Loire): 海洋性気候 ・ 大陸性気候

フランスワインの歴史

紀元前6世紀頃、ギリシャ人が現在の マルセイユ にブドウ栽培を伝播しました。

古代ローマ人の手によりワイン作りが南フランスからフランス各地に広まり、4世紀頃にはフランス北部である シャンパーニュ地方 にも伝わりました。

 

民族大移動により一時ブドウ栽培は衰退してしまいますが、 フランク王国 を建国した クローヴィス がカトリックを認め、キリストの血であるワインは キリスト教 と共に浸透していきました。

キリスト教の権力が大きくなるとともに、修道僧達によってブドウ畑は拡大しました。

 

貴族や教会が所有していたブドウ畑は、1789年の フランス革命 を契機にブルジョワ(中産階級)の手に渡り、市民の間でもワインが飲まれるようになっていきました。

 

19世紀の後半から20 世紀に入ると フィロキセラ の被害や第一次世界大戦、世界恐慌などの影響により粗悪なワインが流通・不正が横行してしまいます。

 

不正ワインの取り締まりと産地保護等の理由から、1935年に INAO の前身となる団体が設立され、 A.O.C. (原産地呼称統制)が制定されました。

 

ブドウ品種とワイン法

2014年~2015年 栽培面積上位5品種

 

白ブドウ

ブドウ品種 主な地域
 Ugni Blanc ユニ・ブラン

=Saint Émilion(des Charentes)サンテミリオン(デ・シャラント)

白ブドウでトップですが、多くはブランデー向けのワインとして用いられています。

 コニャック(シャラント)、アルマニャック(ガスコーニュ)、南西地方、ボルドー、プロヴァンス、コル シカ島
Chardonnay シャルドネ

=Aubaine オーベーヌ

=Gamay Blanc ガメイ・ブラン

=Melon d’Arbois ムロン・ダルボワ

=Beaunois ボーノワ

=Melon Blanc ムロン・ブラン

ブルゴーニュ、シャンパーニュ、ジュラ、ロワール
Sauvignon ソーヴィニヨン

=Blanc Fuméブラン・フュメ

ボルドー、南西地方、ロワール
Colombard コロンバール シャラント、南西地方
Sémillonセミヨン ボルドー(ソーテルヌ、グラーヴ)
Chenin=Pineau de la Loire ロワール
 Melon de Bourgogne ムロン・ド・ブルゴーニュ

=Muscadet ミュスカデ

ロワール

 

 

黒ブドウ

ブドウ品種 主な生産地域
Merlot メルロ

赤白あわせてトップの栽培面積です。

ボルドーでは最も多い栽培面積になります。

ボルドー、南西地方、ラングドック、ルーション
Grenache グルナッシュ 南部ローヌ、ラングドック、ルーション
Syrah シラー

=Serine セリーヌ

ローヌ、プロヴァンス、ラングドック、ルーション
 Cabernet Sauvignon カベルネ・ソーヴィニヨン
ボルドー、南西地方、ラングドック、ルーション
Pinot Noir ピノ・ノワール ブルゴーニュ、アルザス、ジュラ、ロワール、シャンパーニュ
Cabernet Francカベルネ・フラン

=Bretonブルトン

ボルドー、南西地方、ロワール
Carignanカリニャン ラングドック、ルーション、プロヴァンス、コルシカ島、南部ローヌ

 

 

 

2009年以降フランスではブドウ品種の栽培は地域に関わらず自由化されました。

しかし、定められた原産地を名乗るためには今までのように品種等の条件を守らなければなりません。

それを定めたものがA.O.C.(Appellation d’Origine Controlee)です。

I.N.A.O.が管轄しています。

※I.N.A.O.=Institut National de l’Origine et de la Qualité

 

その条件とは ブドウ の栽培範囲や 品種 、 最大収量 や アルコール度数 など多岐にわたります。

 

EUワイン法との調整

2009年ヴィンテージから従来のフランスワイン法に加えて EUワイン法 が制定されます。

これによって、

原産地呼称保護ワイン では、以前のAOCはAOP(Appellation d’Origine Protegee)

地理的表示保護ワイン では、以前のVins de PaysはIGP(Indication Geographique Protegee)

にとって代わりますが、それまでの AOC も使えますので、現在は AOC と AOP が混在している状況です。

 

1949年にA.O.V.D.Q.S.がA.O.Cの下位カテゴリーとして制定されていましたが、2011年になくなりました。

以前V.D.Q.S.であったものは、 A.O.C に昇格するか、下位カテゴリーである I.G.P. になりました。

従来の地酒を表すヴァン ド ペイ(Vin de Pays)がIGPに変わりました。

 

このフランスのA.O.C.はEUにおけるA.O.Pに該当しますが、フランスでは現在もA.O.C.と表記することが認められています。

地理的表示のないワインとしてヴァン ド ターブル(Vin de Table)がありましたが、ヴァンド フランス(Vin de France)に変わりました。

 

ヴァン ド フランスは収穫年・品種名の表記は任意となっていますが、指定13品種は表示できません。

【13品種 重要度は低いので飛ばして構いません】

Aligote,Altesse,Clairette,Gewurztraminer,Gringet,Jacquere,Mondeuse,Persan,Poulsard,Riesling,Savagnin,Silvaner,Trousseau

これらのブドウは地域と強く結びついているため、広域のヴァンドフランスで表記をすることで消費者に混同を与える可能性があるため、品種表示が出来なくなっています。

 

※A.O.C.:原産地統制呼称 Appellation d’Origine Contrôlée

アペラシオン ドリジーヌ コントローレ

 

V.D.Q.S.:地域指定上級ワイン Vin Délimité de Qualité Supérieure
ヴァン デリミテ ド カリテ シューペリウール

 

I.G.P.:地理的表示保護 Indication Géographique Protégée
アンディカシオン ジェオグラフィック プロテジェ

 

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