【最終更新日】2022年10月4日
ヴァンドコンスタンス(Vin de Constance)は、おそらく世界でも最も注目度の高い甘口ワインの一つでしょう。
南アフリカのケープタウンで栽培されるミュスカドフロンティニャンを主体にしたワインで、南アフリカはもちろん、おそらく南半球で最も有名なワインのひとつです。
19世紀の頃にはフランスの皇帝や貴族にも愛され、特にナポレオンボナパルトは最晩年に食事は拒否をしてもヴァンドコンスタンスは手放さなかったといいます。
ここでは古くから銘酒と評価され、はるばるヨーロッパまで運ばれ、そして楽しまれたヴァンドコンスタンスの全体像、特徴、合わせる料理、そして価格推移をできる限り丁寧に解説します。
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ヴァンドコンスタンスの特徴、味わい、合わせる料理
ワインの特徴
ヴァンドコンスタンスは南アフリカ、沿岸地域(Coastal Region)、ケープタウン(Cape Town)で造られます。
ぶどう品種はミュスカドフロンティニャンを用い、遅摘みのごく甘口のワインに仕上がります。
もともとこの地区は南アフリカ1の歴史と伝統を誇り、17世紀にシモン・ファンデルステル(Simon van del Stel)によって開発がされます。
ワインの品質はとびぬけて高かったため、18世紀、19世紀にでは国内向けではなく、ヨーロッパまで運ばれ、皇帝や貴族に愛されるようになります。
ナポレオンは最晩年にセントヘレナ島に亡命をしますが、セントヘレナ島に毎月ヴァンドコンスタンスを輸入させるほどこのワインに傾倒します。
死に際には食事はのどを通らなくなりながらもヴァンドコンスタンスは手放さなかったといいます。
ナポレオンと言えばシャンベルタンのワインが知られ、進軍の際には必ず戦地に運ばせたことが知られています。
シャンベルタンは戦地での戦いで自身を鼓舞するために飲み、そしてヴァンドコンスタンスは最晩年に、最期の時を覚悟しながら飲んだのかもしれません。
その後にヴァンドコンスタンスはフィロキセラ禍を耐えきれず、畑は全滅し、そして生産も途絶えます。
これを1986年にクラインコンスタンティア(Klein Constantia )が復活をさせるのです。
もともとがこのように皇帝に愛されるほどのエピソードを持つワイン産地です。
その地でワインを再度造るのは造ろうと思えば作れるはずですが、”復活”をさせるとなるとそのプレッシャーは半端ではないはずです。
現在ではそのプレッシャーをものともせず、評論家の評価だけでいえば世界でもトップ3に入る甘口ワインになっています。
ヴァンドコンスタンスの味わい
ヴァンドコンスタンスは甘口ではありますが、ベタッとしたものではなく、酸味がしっかりと残り、そしてうっとりするような余韻が残ります。
花の蜜、スパイス、バター、クロワッサンなどの柔らかい香りが全体をまとめます。
酸味がしっかりしている分、強い甘味がやわらげられた印象に感じます。
世界最大のワイン評価サイト、ワインアドヴォケイトは2018年のヴァンドコンスタンスに「噛むほど」の味わい深さがあると評しています。
実際に味わいは滑らかではありますが強い存在感があり、ほかでは絶対にない熟度と洗練された甘味があり、飲む人の集中力を引き出します。
おそらくこの感覚が「噛むほど」の味わいと評させたのかもしれません。
ヴァンドコンスタンスの飲み方
ヴァンドコンスタンスは世界でもほかではない唯一無二の傑出する甘口ワインです。
そのため普段使いのワインと同様の飲み方ではワインの魅力が引き出せないため、しっかりと準備をして、何らかのイベントの時に気分を盛り上げていただきたいところです。
ワイン界であっても常に注目度を集めるため、できれば事前にどのようなワインかを確認の上飲むことで味わいは一層深まります。
温度は10度程度と甘口ワインとしては高めに設定し、極上の白ワイングラスに少量を注ぎながらお飲みになるのがいいでしょう。
お料理は甘口ワインですのでデザート全般になりますが、ねっとりした甘味があるためフォワグラのお料理にも最適です。
温製であればフォワグラをソテーして、アプリコットのソースで仕上げるようなお料理。冷製であればテリーヌは最高のマリアージュになります。
また、せっかくのワインですので、チーズであってもできれば風味も塩分も強めのブルーチーズが良い相性です。
イタリアのゴルゴンゾーラやフランスのロックフォールなどのブルーチーズと合わせてみるのはいかがでしょうか。
また、シガーがお好きな方は柔らかめのシガーがいいでしょう。
最近はキューバ産シガーが輸入されていませんので、ドミニカ共和国であれば、ダビドフ、アルトゥーロ・フエンテなどのシガーは風味が柔らかく、ヴァンドコンスタンスの極上の風味ともよく合います。
ヴァンドコンスタンスの価格推移
ワインサーチャー価格を検討するとこのようになります。
この10年間で価格を1.5倍以上に上げてきていて、ここ1年ではおおむね120ドル前後で取引がされていることがわかります。
ただしこれは店頭価格もありますが多くは中間売買ですので、おおむね日本円で15000円~20000円で購入するのがいいでしょう。
逆に1万円を切るような価格の場合は合理的に検討して無理も多く、最悪な場合粗悪品をつかまされる可能性もあるかもしれません。
また、仮に価格がついていてもほとんどの店舗では売り切れで在庫がない場合も多いです。
しっかりと検討するのもいいですが、早めの判断も大事かもしれません。
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