【最終更新日】2022年11月20日
オーパス・ワン(Opus One)は、アメリカ西海岸カリフォルニア州のナパ・ヴァレー、オークヴィルでつくられる赤ワインです。
カリフォルニアワインの最高峰とうたわれ、世界で最も有名かつ高価なワインのひとつです。
フランスのボルドーメドック格付け1級シャトーであるムートン・ロスチャイルドと、カリフォルニアワインの重鎮であるロバート・モンダヴィ氏のジョイント・ベンチャーによって生み出されました。
ファーストヴィンテージは1979年につくられました。
ワイン界の巨匠が手を組んだワインということもあり、ワイナリー設立時から世界中の注目を集め、リリース後にはワインアドヴォケイトやワインスペクテイターなど、各ワイン評価誌からも高い評価を受けました。
オーパス・ワンはカリフォルニアワインの知名度をさらに押し上げ、現在もフランスの5大シャトーに引けを取らない評価を獲得しています。
オーパスワイン ワインとは?
ブドウ品種、産地、ワインの特徴
オーパス・ワンは、カベルネ・ソーヴィニヨンを主体として、カベルネ・フラン、メルロー、プティ・ヴェルド、マルベックの5種類のブドウ品種をブレンドしてつくられています。
各ヴィンテージごとにブレンド比率には若干の差異はありますが、これまでのところ使用されるブドウ品種が大きく変わったことはありません。
カリフォルニア州ナパ・ヴァレーのほぼ中央に位置するオークヴィル、そのなかの4つの自社畑でブドウ栽培が行われています。
オークヴィルの気候は温暖で、夏季には日中の気温が30度を超えるものの、夜間と早朝には霧が発生しやすく昼夜の寒暖差が大きな地域です。
ここでつくられるカベルネ・ソーヴィニヨンは、よく熟した果実味を備えながら酸味もしっかりした果実になることが特徴です。
オーパス・ワンのブドウは、外が暗い早朝のうちにすべて手摘みで収穫されます。
収穫されたブドウは果実が傷まないように慎重に運搬され、厳しく選別された果実のみをワインに使用します。
発酵後のワインをフレンチ・オークの新樽で17〜20ヶ月ほど熟成、瓶詰め後さらに15ヶ月ほど保管されてからリリースされます。
オーパスワンの味わい
それでは、オーパス・ワンの香りと味わいの特徴をみてみましょう。
ブラックベリーやカシスなどの黒系ベリーと、スミレやバラの花びら、ハーブの香り、カカオやヘーゼルナッツのような甘やかで芳醇な香りも放ちます。
香りの印象を裏付けるように濃厚でジューシーな味わいが広がり、クリームのように柔らかくきめ細かいタンニンが、深みのある感触をもたらして余韻は長く続きます。
アルコール度数は高め、重厚でしっかりとしたフルボディタイプの赤ワインですが、ボルドーワインのような骨格とエレガントさ、カリフォルニアワインらしい豊かな果実味、2つの国の特徴を兼ね備えたバランスを感じることができます。
歴史・起源
オーパス・ワンは、ボルドーメドック格付け1級のシャトー・ムートン・ロスチャイルドのフィリップ・ド・ロスチャイルド男爵と、カリフォルニアワインの父と呼ばれるロバート・モンダヴィ氏のふたりが手を組んで生み出されました。
フィリップ・ド・ロスチャイルド男爵↑は、第二次世界大戦の災禍に見舞われながらも戦後、当時は格付け2級であったシャトー・ムートンの経営再建に奔走します。
1973年にはボルドーメドック格付けの歴史の中で唯一、1級への昇格を果たし同シャトーの評価と名声を高めた人物です。
117年もの間、1級昇格を狙って様々な活動をしたことは、1855年に格付け2級のトップに据えられたことがいかに一族にとって痛恨の極みだったかのを物語っています。
ロバート・モンダヴィ氏↑は、父親の影響もあり若い頃からワインづくりに強い関心を持っており、1966年にロバート・モンダヴィ・ワイナリーをオークヴィルで創業します。
そして、スタンフォード大学で学んだ経営・マーケティングの専門知識を活かして、ヨーロッパのワイン醸造技術と最新テクノロジーの導入を推し進め、カリフォルニアワインの評価と認知度を高めてきた人物です。
1970年、ワインづくりに並々ならぬ情熱を持っていたふたりですが、フィリップ・ド・ロスチャイルド男爵がアメリカを旅行中にハワイでロバート・モンダヴィ氏と出会います。
意気投合したふたりは共同でワインづくりに取り組む構想を持ちますが、プロジェクトはなかなか形にならず8年の月日が流れました。
1978年、念願かなって両者の商談はついにまとまり、オーパス・ワン・ワイナリーが設立されることになります。
1984年、歴史と権威あるボルドーメドックと、新興ながら急速に評価を高めていたカリフォルニア、新旧2つの産地のワインづくりが融合したファーストヴィンテージ(1979年)がリリースされました。
そして、当時のアメリカでは初の高級ワインとして取り扱われ、世界中から期待と注目を集めるなか高い評価を獲得することにも成功しました。
「オーパス・ワン」という名前には、英語圏とフランス語圏のどちらでも理解されやすくなるようラテン語が採用されており、音楽用語で「作品番号1番」、作曲家の偉大な作品、という意味と想いが込められています。
また、オーパス・ワンのラベルには、このふたりの横顔とサインが描かれています。
左(東)向きの顔はロバート・モンダヴィ氏、右(西)向きの顔がフィリップ・ド・ロスチャイルド男爵です。
ふたりがお互いの国の方角を見つめている、ユニークな構図になっています。
合わせる料理、ペアリング
オーパス・ワンはリリースされる時点で3年ほどの熟成を経ており、高級ワインのなかでは早飲み可能なタイプといわれています。
若いうちはフレッシュな果実味と酸味、力強いタンニン、森林のような清涼感や木の香りを楽しめるでしょう。
一方で、5年〜10年ほどの熟成を経ることで果実味やタンニンがより丸みを帯び、ダークチョコレートやタバコのようなニュアンスも感じられることでしょう。
カベルネ・ソーヴィニヨンを主体としたフルボディタイプの濃い赤ワインには、しっかりとした赤身の肉料理がよく合います。
牛フィレ肉のステーキや子羊のロースト、ジビエなど、ワインの格にあわせて少し手間をかけたものやワンランク上の素材を使うことで、ワインと
料理のマッチングは当然ながら、気分も盛り上がって素敵な雰囲気と楽しい時間を演出することができます。
ふたりの巨匠が夢を実現させたワイン、オーパス・ワン。
ぜひ、カリフォルニアの大地とボルドーの伝統に思いを馳せながら楽しみたい一本ですね。
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