【最終更新日】2022年12月31日
ブラン・ド・ノワール(Blanc de Noirs)はワインの製法の一つで、フランス語で“黒からの白“を意味しています。
主にシャンパーニュ地方のワイン用語で、黒ブドウのみを使って白ワインの様な外見のワインを作る製法です。
シャンパーニュ、スパークリングワインがほとんどですが、まれに非発泡性ワイン(スティルワイン)での生産もあります。
フランスのシャンパーニュ地方では使用できるブドウ品種が定められています。
多くはシャルドネ、ピノ・ノワール、ムニエといった白ブドウ、黒ブドウの両者から作られたワインを瓶内で発酵させて製造しますが、ブラン・ド・ノワールは黒ブドウ、主にピノ・ノワールとムニエを使用します。
両方使用しても、どちらかだけでもよく、黒ブドウから造られますが、色調は黄色味がかったゴールドである事が多いです。
黒ブドウから造られる赤ワインは果実を破砕した後、種子や果皮を果汁と共にアルコール発酵させるので、色素が抽出され赤い液体になります。
しかしブラン・ド・ノワールは収穫後、すぐに破砕、圧搾するため、色素が抽出される前に果汁が分離をされます。
この果汁のみをアルコール発酵させる為、白ワインに似た色調になります。
このような工程を経た黒ブドウの果汁のみを使って造るワイン、スパークリングワインをブラン・ド・ノワールと呼びます。
ブランドノワールとは逆に白ブドウのみで造るシャンパーニュをブランドブランと呼んでいます。
【ブランドブランについてはこちらをご参考ください】
[blogcard url=”https://winebooks-media.com/blanc-de-blancs/”]
目次
ブラン・ド・ノワールの基礎知識
主なブドウ品種
ピノ・ノワールはブルゴーニュ地方の代名詞とも言えるブドウ品種で、チェリーやラズベリーの様な赤い果実とスパイスの香りがあり、柔らかいタンニンの渋味が特徴です。
シャンパーニュ地方ではモンターニュ・ド・ランス(Montaigne de Reims)とコート・デ・バール(Cote des Bar)での生産量が多く、モンターニュ・ド・ランスは丘陵帯で日照量もブドウが熟すのに充分あります。
コート・デ・バールもシャンパーニュ地方の南部でブルゴーニュに隣接しており、比較的温暖な地域です。
この品種はシャンパーニュとしても豊かで果実味があり、骨格のしっかりとしたワインになり長期熟成にも耐えうるブドウ品種です。
ブラン・ド・ノワールと言えばピノ・ノワール100%のシャンパーニュ、スパークリングワインと言って良いほど生産比率は高いです。
ムニエはピノ・ムニエ(Pinot Meunier)やシュヴァルツリースリング(Schwarzriesling)とも呼ばれるブドウ品種で、ピノ・ノワールに比べ早熟で環境への順応性が高く、栽培しやすいです。
ワインとしてはフルーティでしっかりとした酸味がある味わいで、シャンパーニュにおいてはフルーティさと丸みを与えます。
熟成が早く進むため、長期熟成を目的としたシャンパーニュより、出荷後すぐに消費できるシャンパーニュによくブレンドされています。
生産地域はヴァレ・ド・ラ・マルヌ(Vallee de la Marne)で多く植栽されており、冷涼ながら谷が多い為、湿度が高いこの地域でもよく育ちます。
長年ブレンド用のブドウ品種とされていましたが、チャーミングでフレッシュな特徴が見直され、ムニエ100%、又は主としたブラン・ド・ノワールも増えてきています。
代表的なブラン・ド・ノワール
アンリ・ジロー オマージュ・オー・ピノ・ノワール(Henri Giraud Hommage au Pinot Noir)
[itemlink post_id=”2725″]アンリ・ジローはシャンパーニュ地方のほぼ中心部に位置するアイ(Ay)村で1625年から土壌の個性(テロワール)を大事にしたワインを造り続けているメゾンです。
発酵や熟成に使う木樽の樫をも選定する程のこだわりを持ったこのメゾンが、ピノ・ノワールを表現した1本です。
実際にはプティ・ドレ(Petit Dore)とこの地域で呼ばれる、ピノ・ノワールの亜種を使用しています。
Dore(フランス語で金色の、という意味)の名の通り、外見は輝きのあるゴールドで、アプリコットやフルーツのコンポート、蜂蜜のような甘い香りとタバコのスモーキーな香りが調和しており、ピノ・ノワールの豊かで凝縮した味わいと程よい酸味が長く余韻として続きます。
シャルキュトリーの様な前菜や、焼き鳥等のグリルした鳥料理と相性が良いですが、コース料理にこれ1本でも合わせられる程しっかりとした個性を持ったワインです。
このメゾンのコルク栓はアグラフ(Agrafe)と呼ばれる昔の栓で、一般的な栓とは少し違います。
きのこ型のコルクは同じですが、真ん中に一本線のへこみがあり、クリップの様な金具で瓶とコルクを留めています。
金具と瓶の隙間にナイフ等を差し込み、金具を外して抜栓するのですが、初めてだと面食らうので、一度経験しておいても良いと思います。
フィリポナ ブラン・ド・ノワール(Philipponnat Blanc de Noirs)
[itemlink post_id=”2726″]シャンパーニュでは珍しい単一畑を名乗れるクロ・デ・ゴワセ(Clos des Goisses)を所有するメゾンのブラン・ド・ノワールです。
アイ村を中心とした自社畑のブドウのみを使用したワインで、澄んだゴールド色に繊細な泡が立ち上ります。
柑橘の香りと木樽によるトーストやバニラの香りがあり、フルーティな味わいと土壌由来のミネラル感が余韻として続きます。
ジビエ料理とよく合いますが、フォワグラの様な油分の多い食材もしつこく感じず召し上がれるので、お勧めです。
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