【購入後】2024年度ソムリエ・ワインエキスパート二次試験 テイスティング試験の分析

【最終更新日】2024年10月10日

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こんにちは。WBSの前場です。

昨日行われました2024年度ソムリエ・ワインエキスパート試験の二次試験、本当にお疲れさまでした。

いろいろな思いが駆け巡ることかと思いますが、まずはご自身の体をいたわっていただき、しっかり休憩をとってください。

 

ワインエキスパートについてはこれが最終試験ですので、合格発表を待ちましょう。

ソムリエについては残すは3次試験です。WBS生の声を聞きますと、論述はしっかりと書けているようですので、安心して次に進みましょう。

3次試験については決して難しいものではありません。

WBSでこれまでしっかり学習してくださった皆様であれば、1週間程度あれば十分に準備ができますので、しっかり休憩をとった後に準備を再開してください。

 

さて、WBSでは、二次試験終了後の銘柄発表のあとに、どのようにお感じになったのか、アンケートを実施をしました。

お疲れの中アンケートにお答えくださったWBS生の皆様、本当にありがとうございました。

 

この試験はこれまで、うわさ話や口伝えに「ブドウ品種はこうした」「総合評価はこうした」などの声が耳に入ることはあっても、実数値で把握することはできませんでした。

実数値で把握できなければただのうわさ話でしかありませんし、噂話をする人の母数のサンプルサイズ、レベル、話の聞き方によっても回答はまちまちになります。

 

言いづらいですが根拠のないうわさ話レベルの話が独り歩きをすることも多く、こうなると受験生としては経験則によるものか、発信力の強い人の話を丸呑みするかしかなかったのです。

ただしこれでは受験生は何をよりどころにしていいか確信が持てずに時間を過ごすことになってしまい、試験そのものの価値を落とすことにもなりかねません。

ブラックボックスの部分が多いため仕方のない面もありますが、これでは質の高い受験生ほど試験そのものに信頼を置かなくなってしまいます。

 

もちろんこのデータがすべて、というわけではありませんが、それであっても一定のサンプルサイズを、できるかぎりフラットにお答えいただいた数値になります。

受験生はもちろん、来年度以降受験をご検討いただいている方におかれましても、参考になるデータかと思いますので、是非ご活用ください。

 

このアンケートは、

①受験生ができる限り心理的ストレスを感じないようにする

②できる限り答えやすい雰囲気にする

③盛った回答をしない気にさせる(盛る意味がないようにする)

④回答については一定レベルのスクリーニングがされている

ように以下の工夫をしております。

 

そこで、

・アンケートはWBS一般会員のみ

・スクールネーム、メールアドレスは収集しない

・選択肢はできる限り少なくする

・文体は丁寧に、フラットな関係性であること

としました。

 

そのため、サンプルの分母はWBS一般会員であり、かつ、一次試験に合格した層ですので、回答の質は高く、かつ、絞られたものになっています。

 

なお、このコンテンツは部分的にクローズコンテンツになっています。

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なお、グラフについてはリアルタイムで反映されるものですので、今後変動することもあることを予めご了承ください。

 

2024年度ソムリエ・ワインエキスパート二次試験 テイスティング試験の分析

総論

アンケートに行く前に、最初に総論です。

ソムリエ協会が10月7日17:00頃に発表した銘柄は以下の通りです。

 

ソムリエ

1 リースリング ドイツ 2021年

2 ソーヴィニヨン・ブラン フランス 2022年

3 シラー/シラーズ オーストラリア 2021年

4 泡盛

5 トウニーポート

 

ワインエキスパート

1 ミュスカデ フランス 2021年

2 シャルドネ 日本 2023年

3 カベルネ・ソーヴィニヨン アメリカ 2021年

4 サンジョベーゼ イタリア 2020年

5 バーボンウイスキー

 

以下にWBSの判断した難易度を5段階で表記します。難易度については模範解答が発表されるまでの暫定的なものとお考え下さい。

 

ソムリエ 3/5

ソムリエについては昨年度に比べると易化したと判断します。

昨年度のソムリエは過去最高の難易度で、WBSは5/5と判断していますが、昨年度の難易度の高さからやや調整が入ったと推測をすることもできます。

 

2番目のソーヴィニョンブランは難問のようでした。

いろいろ推測をすると、昨年同様にボルドースタイルの樽熟成をさせたソーヴィニョンブランの可能性は捨てきれません。

仮にそうであれば、2年連続同じ国、同じ生産地域のワインということになります。

 

それ以外は比較的正解を導きやすい、素直な問題が多かったようです。

ただし、リースリングやシラーズについても近年の傾向から平準化した味わいのものが出題されたようですので、ここについては後ほど解説します。

 

ワインエキスパート 4/5

ワインエキスパートについては昨年度に比べるとやや難化したと判断します。

ミュスカデは2017年ソムリエまでさかのぼらないと出題がなく、かつ、2017年から現在まででかなりワインのスタイルが変わっているため特定のできる端緒は見出しにくかったはずです。

また、2番目の日本のシャルドネも特徴は見出しにくく、かつ、収穫年も2023年と若く、多くの受験生にとって初めてのワインだったでしょう。

 

赤ワインのカベルネソーヴィニョンについては素直な出題の為、ここは当てたいところです。

サンジョベーゼについてはオレンジがかった色調だったというご報告も多いため、ここからネッビオーロやピノノワールを推測された方も多くいらっしゃいました。

 

 

それでは、ここからがアンケート結果とWBSの分析になります。

執筆時点では記憶のフレッシュな二次試験当日の数値をもとに記載しております。

 

 

全体の感想


全体の感想としては、とても難しく感じたが20%を下回る数値となっています。これは何を意味しているのかというと、全体の8割以上の方は事前の予想通り、あるいはやや難しく感じた、と感じており、予想を超える難しさに感じた人はいないことを意味しています。

WBSは二次試験についても決して安易なものではなく、しっかりと準備をしないといけない重要な局面である、とアドバイスをしております。

それが奏功する形となったことは嬉しいことですが、その一方で「とても難しく感じた」方も一定数いらっしゃるので、来年度以降のアドバイスに役立てていきたいと思います。


制限時間はソムリエで40分、ワインエキスパートで50分ですが、これもWBSの日ごろのトレーニングの成果が表れた結果となりました。

いまのところ時間が足りなかった(途中で時間切れ)のかたはいらっしゃいませんので、全員が時間内に終えることができた、ということになります。

 

その一方で、やや足りなかった(焦って回答を埋めた)かたも3割ほどいらっしゃいました。

正直にお答えいただいたことに感謝するとともに、至らなかった点として、しっかり反省します。すべてWBSの力不足です。

来年度以降、しっかりと反映をさせていただき、少しでも減らせるように努力をいたします。

 

 

区分

区分分けはソムリエがおおむね4割、ワインエキスパートが6割となっています。

これは受験者数の比率をおおむね表しているものと思われます。

 

 

試験本番と練習の違いを計る

このアンケートは、二次試験直後のできる限り記憶がフレッシュなうちにお答えいただけるようにお願いしています。

お疲れの中大変に申し訳ないとは思いますが、それでも当日中にお願いするには理由があります。

それが、二次試験については試験本番と練習とでは大きな乖離があり、それを感覚ではなく、実数値で把握することが非常に重要だからです。

 

いくら言葉で「本番と練習では違うから」といっても、聞く側は可視化されていないと、経験則に基づくただの言葉だくらいにしかとらえません。

優秀な受験者になればなるほど経験則の言葉に信頼を置いていません。現代社会は優秀な方ほど物事を適切に疑う力を持っているからです。

そのためWBSとしてはあらゆるデータをできる限り可視化させて、事実ベースでお伝えすることで理解しやすく、取り入れやすい形にフォーマットをするようにしています。

 

 

さて、ここからいよいよ個別の分析に進みます。

 

 

ソムリエ

①ドイツ リースリング 2021年

ソムリエの1番目はドイツのリースリング2021年でした。

ブドウ品種は、ざっくりいえば半数近くの方が正解をされていることがわかります。

 

リースリングについては直近では2023年度ワインエキスパート(オーストラリア)、2022年ソムリエ(ドイツ)、2021年ワインエキスパート(フランス)、2018年ソムリエ(フランス)、2018年ワインエキスパート(ドイツ)で出題があります。

毎年のように出題がされているため、WBSとしても最も注意するべき品種ということで強くアドバイスをしていました。

 

リースリングには特徴香として石油のようなテルペン香がありますが、近年のワインはほとんどこの香りを感じられずに、香りだけではリースリングと特定できないものがほとんどになっています。

今回のワインについては特徴香を強く感じた方もいらっしゃる一方で、全くなかったと感じた方も同じ程度いらっしゃることがわかります。

 

WBSとしては、リースリングについては香りで判別するのではなく、味わいの酸味で判別できるようにアドバイスをさせていただいております。

そのためテルペンを感じなかった方の中にもリースリングと特定できた方もいらっしゃいますので、ここについては引き続き分析を進めていきたいと思います。

そして重要なのが総合評価です。

ほとんどの方はシンプル・フレッシュ感を楽しむにチェックを入れているところからも、おそらく全体の味わいとしては酸味が基調になっている、ドライタイプのリースリングなのかと思われます。

 

以前は模範解答はボラティリティがありましたが、近年はシンプル・フレッシュ感を楽しむに集中しているため、おそらく今年度もシンプル・フレッシュ感を楽しむが入ることが推測されます。

 

国名については、ドイツと回答できた方は全体の10%程度です。

リースリングと回答はできても、おそらくほとんどの方は積極的にドイツにチェックを入れられない心理が働いたのでしょう。

 

これは、先ほど解説した「試験本番と練習の違いを実数値で把握する」ことの重要性が端的に表れています。

おそらく練習であればもっと気楽に回答できるので、ドイツとフランスでは回答は割れるはずですが、本番ではそうは簡単にドイツにチェックを入れられないプレッシャーが働くのです。

 

正解はドイツであるにも関わらず、多くの人は何となく選びやすいフランスを選択した。

ここについてはWBSとしても分析を進めて、来年度以降のWBS生へのアドバイスに適切に反映させていきたいと思います。

 

受験生にすると気になるのが、国名は致命的なミスになるかならないか、でしょう。

正解率が10%の問題が致命的なミスになるのであれば、毎年の二次試験の合格率はもっと低いものになるはずです。

合理的に推測すれば、ここについてはドイツと正解できなくても致命的なミスにはならないものと思われます。

 

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ソムリエ② フランス ソーヴィニョンブラン2022

ソムリエの2番目はフランスのソーヴィニョンブラン、2022年でしたが、かなりの難問のようでした。

ソーヴィニョンブランもリースリング同様、特徴香であるチオール(グレープフルーツやミントなど)の香りがほとんどなく、よりニュートラルなものが増えている印象があります。

おそらくこの傾向が試験問題にも現れたのではないかということがこの回答から読み取れます。

アンケートを見ても、チオールをはっきり感じとれた方は全体の2割程度なので、かなり厳しい出題だったのではないでしょうか。

食事とのペアリングを検討すると、ソーヴィニョンブランの特徴香は少ない方がいいと判断している生産者が多いのかもしれません。

これについては今後もこのトレンドは続くものと思われますので、引き続き注視したいと思います。

 


そして、フランスのソーヴィニョンブラン、ということで気になったのが、「このワインはロワール系か、ボルドー系か」ということです。

半数の方はシンプル・フレッシュ感を楽しむにチェックを入れている反面、成熟度が高く豊か、エレガントでミネラリーをチェック入れた方も多くなっています。

 

これは何を意味しているのかというと、ロワール系のパリッとしたステンレス系の可能性もありながらも、樽熟成との親和性をだしたワインである可能性も捨てきれないということです。

ボルドーのソーヴィニョンブランは、昨年度もソムリエで出題されていますので、受験生としてはかなりチェックに迷ったことでしょう。

 

受験生の普通の心理状態ですと、特にしっかりと過去問を分析出来ている人であれば「2年連続ボルドースタイルのソーヴィニョンブランが出題されるのか?」というプレッシャーが働きます。

ということは、成熟度が高く豊か、エレガントでミネラリーは、本来であればもっと大きくなった可能性が指摘できるということになります。

ここから、WBSとしては昨年同様のスタイルのボルドースタイルのソーヴィニョンブランなのではないかと推測をします。

 

以前からこの試験は、「昨年出題されたワインは2年連続出題されない」という根拠のないうわさ話がありました。

WBSとしてはそんなことはだれにも分からないし、わかってはいけません。お願いですからそのような質の低い噂話を真に受けることのないようにと注意喚起をしてまいりました。

 

もしこれがWBSの推測通りボルドースタイルのソーヴィニョンブランであれば、このアドバイスは奏功したものと思います。

過去の出題事例は重要ではありますが、出題から何を分析するのか、の方がより重要であることの証左ではないかと思われます。

 


いろいろお話を伺うと、樽香を感じられた方も多かったため、ひょっとしたらボルドーのソーヴィニョンブランが2年連続で出題されたのではないかと推測をすることができます。

もちろん今の段階ではすべて推測の域を超えませんし、正解は生産国までしか発表されませんのでわからないです。

ですが、仮にボルドーのソーヴィニョンブランの場合であれば、総合評価はエレガントでミネラリー、もしくは成熟度が高く豊かになる可能性も捨てきれません。

国名についてもフランスと回答した方が7割以上いらっしゃることがわかります。

ソーヴィニョンブランはフランスとニュージーランドが出題のヤマですが、近年はニュージーランドのソーヴィニョンブランの特徴がはっきりとしている傾向があり、ここを端緒にフランスと絞ったものと思われます。

 

ソムリエ③ オーストラリア シラーズ 2021年

ソムリエの3番目はオーストラリアのシラーズでしたが、これもはっきりとしたものではなく、受験生はかなり悩まれたことがわかるアンケート結果になっています。

総合評価についても成熟度が高く豊かがほとんどで、濃縮し力強いは一部になっています。

これまでのオーストラリアシラーズはほとんどは濃縮し力強いの傾向でしたので、このアンケート結果を見る限りはエレガントなタイプのオーストラリアシラーズだったのではないかと推測できます。

 

オーストラリアシラーズは、2022年ソムリエ、2018年ソムリエと出題されていますが、模範解答には成熟度が高く豊か、濃縮し力強いの両方が入っているため、特に気にするものではないものと思われます。

 

オーストラリアシラーズは二次試験の中では比較的わかりやすく、特定しやすい傾向がありましたが、近年の平準化の傾向をうけて受験生の解答は割れる結果になりました。

簡単にオーストラリアと判別できた方が若干いらっしゃる中で、オーストラリア以外を選択した方もおおくいらっしゃるので、ここは国名までは当たらなくてもいいワインではないかと思います。

 

シラーズにしなかった場合には、カベルネソーヴィニョン、マルベック、テンプラニーリョと回答は割れましたが、どれも表現では大きな差が出るものではありません。

ここは外された方も特に気にするものではないように思われます。

 

ソムリエ④ 泡盛

ソムリエの4番目は泡盛で、選択肢は透明系ではブランシュダルマニャック、グラッパなどがあったようです。

価格的にブランシュダルマニャックは考えづらいので、事実上、グラッパか泡盛の二択でしょう。

6割強の方が泡盛と回答しています。

 

ソムリエ⑤ トーニーポート

ソムリエの5番目はトーニーポートでした。

選択肢にマディラがあったようですが、甘味と色合いから7割の方がトーニーポートを選択しています。

これについてはWBSのテイスティングイベントでしっかり準備していますので、イベントに参加された方はほとんど正解しているのではないでしょうか。

 

ワインエキスパート

①ミュスカデ フランス 2021

ワインエキスパートは総論、昨年度に比べるとやや難化したように感じました。

1番目のミュスカデですが、いきなりミュスカデが出題されても自信をもって回答できる方は少ないでしょう。

 

全体の16%程度がミュスカデを正解した反面、迷った結果ミュスカデ以外を選択した方は6割強いらっしゃいます。

おそらくシャブリスタイルのシャルドネ、あるいは甲州を選択した方が多かったのではないでしょうか。

今の段階では、ミュスカデとまでは分かりますが、これがシュールリー製法かどうかは分かりません。

ただし伝統的にミュスカデはシュールリー製法を端緒に正解にたどり着くワインの出題が多く、おそらく今年度も模範解答にはシュールリーの香りは入ってくるでしょう。

ただし受験生にとってはかなりの難問だったらしく、少し感じたかたが2割程度という結果になりました。

ミュスカデと特定できなかったとしても、シャブリスタイルのシャルドネと判断した方はおそらくフランスを選択したでしょうから、フランスの正解率は高くなりました。

6割以上の方がフランスを選択したことがわかります。

 

ミュスカデは2017年のワインエキスパートに出題がされています。

結論こそ難しいですが、表現そのものはニュートラル系の辛口白ワインの表現がしっかりできていればほとんどの方はほぼ満点をとれるでしょう。

 

② シャルドネ 日本 2023年

今年度ワインエキスパートが難化した一番の端緒はこのワインでしょう。

日本のシャルドネはまだ生産地や生産者ごとにボラティリティがあり、はっきりとしたこれという一定した特徴はありません。

また、2023年という収穫年も、普通は選択しづらい心理が働くため、受験生にとってはかなりの難問に映ったはずです。

おそらく樽熟成をさせたものと思われますが、2023年の収獲ということなので樽熟成期間はいいとこ半年程度でしょう。

その中でも樽の風味を感じた方は全体の7割強にも上るため、ここを端緒にシャルドネを選択した方も多くいらっしゃったはずです。

国名については日本に積極的にチェックを入れられるのは相当なことです。

ほとんどの方がフランスにチェックを入れています。ここは受験生の心理を検討すると当然の結果でしょう。

 

受験生の心理からすれば、このワインがシャルドネであることまでがわかれば、生産国はフランス、アメリカ、オーストラリア、日本くらいに絞られてきます。

この場合に、正解がフランスの場合には、仮に日本のシャルドネだと思ったとしても、「ここで外してしまうとほかの受験生が得点をする部分で自分は落としてしまう」という心理が働きます。

そのため回答はおのずとフランスに収れんされてくるのです。

 

難しかったのが総合評価でしょう。

おそらく樽熟成をはっきりと感じとれた方は成熟度が高く豊かにチェックを入れ、感じ取れなかった方はシンプル・フレッシュ感を楽しむにチェックを入れたはずです。

ここについては今の段階ではっきりとした推測をすることは難しいです。

 

日本のシャルドネは相対的に見てアルコール度数は低く、ソムリエ2022年に日本シャルドネが出題されていますが、模範解答にはシンプル・フレッシュ感を楽しむと、成熟度が高く豊かの二つが入っています。

今の段階では考えても徒労に終わる可能性が高いです。

 

③ カベルネソーヴィニョン アメリカ 2021年


ワインエキスパートの3番目はアメリカのカベルネソーヴィニョンでした。

厳しく聞こえるかもしれませんが、ここは当ててほしかったところかもしれません。

全体の6割強が正解し、かつ、3割以上の方が簡単に特定できたと回答しています。

総合評価については7割の方が成熟度が高く豊かを選択しています。

直近では2022年のワインエキスパート、2019年のソムリエにアメリカのカベルネソーヴィニョンは出題されていますが、模範解答には成熟度が高く豊か、濃縮感があり力強いの両方が入っています。

ここについては今から思い悩んでも仕方ありませんが、おそらく両方とも正解に入るものと思われます。

 

④ イタリア サンジョヴェーゼ 2020年

ワインエキスパートの4番目はイタリア、サンジョヴェーゼの2020年でしたが、これも難題だったはずです。

話を伺うと、オレンジの色調が見えたらしく、かつ、かなりエレガントに感じた味わいだったと共有いただきました。

ここからネッビオーロ、ピノノワールと回答した方もいらっしゃいますので、これを受けて回答はかなり割れたものと思われます。

 

正解は3割弱となっていますので、ここは不正解でも特に致命的なミスにはならないものと思われます。

 

総合評価についてはほとんどの方は成熟度が高く豊かを選択しています。

イタリアのサンジョヴェーゼは2021年のソムリエ、2019年のワインエキスパート、2017年のソムリエで出題があります。

過去の模範解答は割れていますが、これはそれだけイタリアのサンジョヴェーゼは中庸の性質を持っていて、これという特定したカテゴライズはされていないことを現わしています。

 

合理的に推測すれば成熟度が高く豊かが模範解答に入る可能性が高いと思われます。

 

⑤ バーボンウイスキー

ワインエキスパートの5番目はバーボンウイスキーでしたが、8割近くの方が正解されています。

アルマニャックと迷うところかもしれませんが、樽の風味の性質でわかるはずです。

バーボンウイスキーの方がアメリカンオークのヴァニラの風味が強く、むせかえるような樽香が感じられたはずです。

 

 

数値の先にあるものを推測する

いかがでしたでしょうか。おそらく多くの方はここまで見ていただいて、WBSの分析に共感してくださったと思います。

中には「ここまで分析するなんて怖い」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

ですが、WBS内ではもっと精緻に分析していますし、分析したものをもとにWBS生にわかりやすい形にフォーマットをしてお伝えしております。

 

これまでこの試験はどうしてもアナログな部分が強く、かつ、官能試験の為数値化するのが難しい傾向がありました。

ですが、これではいわゆるテイスティング試験はつかみどころのない「なんとなくの試験」だと評価をされることにもなりかねません。

しっかりと分析をすることで可視化をすることができますし、可視化できるから腹落ちして学習を進めることができるのです。

 

テイスティング試験は最終的にどのように採点をしているのかはわからないため、ブラックボックスがある試験です(これはある程度仕方がないとWBSは考えています)。

ブラックボックスがあると受験生は一部の権威性のある人の意見に従わざるを得ず、これでは質の高い受験生ほどこの試験に信頼を置かなくなってしまいます。

しっかりと受験生の側が数値に基づく学習ができることで、根拠があり、納得して学習をするめることができるとWBSは考えています。

 

WBSは今後とも皆様のお役に立てるよう、様々な活動をしていきます。

引き続き応援をよろしくお願いいたします。

 

WBS 前場亮


 

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