2023年度ソムリエ・ワインエキスパート二次試験 テイスティングワインの銘柄と分析

【最終更新日】2023年10月17日

こんにちは。WBSの前場です。

昨日、2023年度ソムリエ試験、ワインエキスパート試験の二次試験が終了しました。WBSの皆様本当にお疲れさまでした。

まずは大変なプレッシャーとストレスだったなか、しっかりと戦い抜いたことをほめてください。本当によく頑張りました。

 

僕は何百人という方の受験指導をしています。

皆様が思っている以上に、試験を受けたくてもこの場に立てなかった、途中でくじけてしまった、そういう方が多いです。

もちろん皆様にも様々な理由があったとは思いますが、まずはしっかりと戦いの場に立った。自分の身を勝負の場に置いた。これだけでも本当に素晴らしいことです。

ぜひ自分をほめてください。誇ってください。

 

そしてもし、すこしでも心に余裕ができた場合は、是非あなたの周囲の方へ、感謝の気持ちをお伝えしてください。

友人、家族、恋人、会社の同僚、思い当たる方はいらっしゃると思います。

あなたが感じたプレッシャーやストレスは、どれだけ隠そうと思っても必ずあなたの周りの人に伝わっています。

「ありがとう。終わったよ」「今までごめんね」この一言で救われる人が必ずいます。振り返ってみてください。

 

 

さて、WBSでは二次試験直後にアンケートを送らせていただき、多くのWBS生が今年度も貴重な共有をしてくださいました。

ここでは僕の経験値に加えてそのアンケートをもとに、今年度の二次試験の分析を行いたいと思います。

 

この記事はオープンコンテンツではありますが、全出しですべての情報をフラットにお伝えさせていただきます。

ただし、分析についてはさらに深くWBS内ですることになりますので、そこについては予めご了承をいただければと思います。

 

WBSでは今年度の出題アイテムのうち、メルロをのぞくすべてのワインと飲料について事前に周到な準備が出来ました。

また、単純な出題されるかされないかではなく、受験をするときの心理まで細かく分析して、最終的なチェックをするときまでをアドバイスをさせていただきました。

ご協力いただきましたアンケートについては、2024年度以降のWBS生様にも必ずお役に立たせていただきます。

本当にありがとうございました。

 

二次試験の具体的な対策方法についてはこちらをご参考ください→

 

2023年度ソムリエ・ワインエキスパート二次試験 テイスティングワインの銘柄と分析

結論と要約

ソムリエ試験にせよワインエキスパート試験にせよ、2022年に比べるとワインのアイテムそのものは大きく難化した傾向にあります。

出題のワインそのものは2022年は例年に比べてオーソドックスなもので、その反動があるのではないかと予測をしておりましたが、結果としてその通りになりました。

 

ソムリエについては1番のソーヴィニョンブランフランスもボルドーのものでしたので、ソーヴィニョンブラン=ロワールと紐づけていた方にとっては難問に感じたはずです。

2番目のマルベックも3番目のメルロも正解率はかなり低いはずです。

そのほか飲料についてはドライベルモットは意識をしていないと最初の一嗅ぎで混乱するほどわかりづらく感じたはずです。

一方のスコッチウイスキーについては、おそらくほとんどの受験生が簡単に正解をしたはずです。

 

ワインエキスパートについても難化の傾向がはっきりしています。

1番のソーヴィニョンブランはチリでしたが、国名までを当てられた人はおそらくほとんどいないはずです。

2番目のリースリングについても自信をもってオーストラリアにチェックを入れられた人はかなり限定的だったと思います。

 

3番目のグルナッシュは、アンケートを拝見するとMBAやシラー、カベルネソーヴィニョンなどと間違えたという方が多かったです。

4番目のテンプラニーリョについては難しかったかもしれませんが、WBSでは今年度出題の可能性が高いとしてかなり入念にトレーニングをさせていただきました。

結果としてテンプラニーリョはヴィンテージまで予測が的中し、多くの方の結果に反映がされているものと思われます。

 

5番目のジンについてはかなりのボーナス問題です。WBSでは9割以上の方が正解をされています。

 

*上記2画像キャプチャ 社団法人日本ソムリエ協会

https://www.sommelier.jp/topics/view/njt87kxdfh20231016_bev

 

総論

アンケートについては記憶がフレッシュな状態の方がいいとの判断で、当日送信のもののみを反映しております。

全体的な難易度については6割の方が「やや難しく感じた」2割の方が「事前の予想通りだった」となっています。

また、「やや簡単に感じた」方も含めますと合計で8割以上の方が難易度については予想の範囲内に収まっていることがわかります。

 

これは感覚的な意見ではありますが、アンケートを受ける側の心理にすると、「やや難しい」がもっとも心理ハードルが低いはずです。

おそらく「やや難しく感じたけど、思ったほどでもなかった」というニュアンスの方も相当数含んでいるものと思われます。

今年度のWBSのトレーニングの成果が最も現れたものといたしまして、時間の管理があります。

「やや時間があまった」「時間ぴったりだった」「かなり時間があまった」方が9割弱となっております。

↑は昨年度の同様のアンケートです。「全く足りなかった」「やや足りなかった」方は35%ほどいらっしゃいましたが、今年度は13.5%に低減することに成功いたしました。

昨年度のアンケートの結果をもとにWBSでのトレーニング内容に反映させていただき、今年度の結果につなげることができたものです。

 

ワインエキスパート

1番チリ ソーヴィニョンブラン 2021年

ワインエキスパートの1問目はチリのソーヴィニョンブランでしたが、これは国名が答えられなくても合否に影響することはないでしょう。

品種を当てられた方は合計で半数以上の方になりました。35%の方は簡単だったとされていますので、できればブドウ品種までは当てたいところと言えます。

ソーヴィニョンブランの特徴香であるチオールの印象を感じた方は素直に正解を導き出したものと思われます。

ただしチオールの香りがわからない、または全く感じられなかった方もソーヴィニョンブランを導いていることもわかります。

これについては引き続きWBS内で分析を進めてまいります。

 

2番 リースリング オーストラリア 2021年

2番目はオーストラリアのリースんリングでしたが、これも国名までを当てるのはかなりの事だと思います。

ただし全体の3割の方は簡単だったと感想を述べていることからも、品種についてはある程度の特徴が出ていたものと思われます。

リースリングの特徴香であるペトロ―ル香については半分以上の方が嗅ぎ分けられましたが、回答との若干の乖離がありことがわかります。

これはおそらく同様の特徴香である甲州などの他の品種と混同されたか、あるいはソーヴィニョンブランやシャルドネなどの品種と混同されたものと思われます。

仮に結論を外しても、表現がこれらの品種である場合には、特段に心配するものではありません。

 

3番 グルナッシュ フランス 2021年

3番目はWBSでも予想はしていましたが、フランス グルナッシュでした。

リアルテイスティングではジゴンダスを出題して準備をしましたが、その場では正解の方は結構いらっしゃいましたが本番ではなかなか苦戦をされたようです。

4割弱の方は実際の試験の最中に、「グルナッシュかもしれないけど、外したときのダメージを考えて無難な回答にしよう」という判断をされたものと思われます。

実際に「明らかにグルナッシュだとおもった」方はいらっしゃいませんでしたので、本試験でのプレッシャーの中でいかにレアな出題の品種にチェックを入れるのが難しいのかが顕在化しました。

 

4番 テンプラニーリョ スペイン 2017年

4番目はスペイン テンプラニーリョでしたが、2017年のヴィンテージということから出題側は「熟成感にフォーカスしてほしい」と思案をして出題しているはずです。

WBSではテンプラニーリョは今年度の出題の目玉ではないかと予測を立て、準備をしました。

結果として15%の方が簡単に特定をし、20%の方がテンプラニーリョを特定できました。

おそらくトータルの数値よりはかなり良い結果だったと思われます。

 

また、6割の方は「テンプラニーリョかもしれない」まではリーチをすることができています。

結論については外しても、表現について手堅くトレーニングの成果を発揮できれば特に問題のないものと思われます。

 

5番 ジン

そのほか飲料はジンでしたが、なんとWBSでは9割の方がジンと正解をすることができています。

透明系は出題の本丸でしたので、しっかりとしたトレーニングが奏功したものと思われます。

 

ソムリエ

1番 ソーヴィニョンブラン フランス 2021年

ソムリエについてはサンプルサイズが小さいので判断は難しいです。

生産地はフランス、ボルドーらしいのですが、それでも半数の方がソーヴィニョンブランを正解しています。

 

2番 マルベック アルゼンチン 2020年

2番目の赤ワインはアルゼンチンのマルベックですが、回答は厳しいものとなっています。

おそらくほとんどの方はカベルネソーヴィニョンなどの黒系ワインのメジャー品種に回答が寄るものと思われます。

迷うところまでは行くけど、ただし本番のプレッシャーでレア品種にチェックを入れるのがいかに難しいかがわかる内容になっています。

 

3番 日本 メルロ 2018年

3番目も難問です。日本のメルローですが、回答は厳しいものになりました。

8割の方が全くわからなかったとしていますので、銘柄については気にするものではないでしょう。

おそらく回答はかなり割れますので、表現がいかに重要かが問われるはずです。

 

4番 ドライベルモット

そのほか飲料の1番目はドライベルモットでした。結論から言えばそのほか飲料の中では難しめではありますが、それでも半数以上の方は正解をされています。

正直な意見ですが、ソムリエ試験のそのほか飲料は2アイテムではなく、ワインエキスパートに合わせて1アイテムの方がいいと考えています。

そのほか飲料については確かに飲食店においては重要ではありますし、ソムリエコンクールなどでもそのほか飲料は重要度はたかくなっています。

しかしソムリエの職業そのものが多様化していることと、出題全体の4割が当たる当たらないの白黒で決まる試験内容は決して質が高いとは言えません。

受験生の努力が適切に反映されやすい試験内容に変更されることを希望します。

 

5番 スコッチウイスキー

5番のスコッチウイスキーについては8割の方が正解をされています。

しっかりとしたトレーニングの成果が表れているといえるでしょう。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。ここに上げたアンケートの分析はほんの一部で、WBSは試験を受験する側の心理に加えて出題する側の心理も踏まえて精緻に分析をしています。

だれでも情報にリーチができる現代社会では、ただデータを集積して羅列するだけでは何の価値もなく、ユーザーからすれば目障りなだけになります。

 

重要なことは情報をどのように分析し、自分なりの考えを込めて一次情報にして、かつ、それをわかりやすく伝えることです。

WBSは早くからこのことに着目し、講師と生徒様との共有に努めた結果、ここまで精密に分析をすることに成功しています。

 

正直に言えば、ここに書いた分析はWBSのノウハウのほんの一部にすぎません。

筆記試験は勿論、3次試験、エクセレンス試験でも日々情報は蓄積し、分析が進んでいます。

 

2024年度試験では蓄積された情報と分析をもとに、しっかり予測をし、最適なアドバイスとコーチを生徒様にさせていただく予定です。

2024年度試験を受験をご検討の皆様は、できる限りはやくご入校ください。


 

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