【ソムリエ・ワインエキスパート試験】酒類概論・飲料概論の勉強の仕方と覚えるコツ

【最終更新日】2025年1月4日

こんにちは。WBSの前場です。

ソムリエ・ワインエキスパート試験を目指す中で、「酒類概論」「飲料概論」はワイン以外の飲料について学ぶセクションです。

そのため、ワイン愛好家やワイン専門家を目指す人にとっては、どうしても地味に映ることがあるかもしれません。

WBSではカリキュラムの最初の1回目に酒類概論が登場するため、「ワインを勉強しに来たのに!」と思う人も多いでしょう。

 

しかし、この分野は試験の中で意外と多くの出題があり、軽視するわけにはいかない重要なポイントでもあります。

実はこれ、ソムリエ協会からの「ワインだけでなく、他の酒類や飲料にも目を向けてほしい」というメッセージなのでは?という仮説が立てられます。

ソムリエやワインエキスパートは、幅広い知識を持つことで、お客様に提供できる価値が格段に高まります。

試験勉強を通じて、ウイスキーやビール、日本酒、蒸留酒といったワイン以外の分野にも興味を広げるきっかけとして、この「酒類概論」を前向きに取り組むことが重要です。

 

ソムリエやワインエキスパート試験では、ワインに関する知識が中心とはいえ、それだけでは十分ではありません。

実は、試験を主催するソムリエ協会には、「ワインだけでなく、他の飲料にも積極的に興味を持つ人を応援したい」という隠れた意図があると考えています。

実際に上級試験やコンクールなどでもワイン以外の飲料も多く出題されるところからも、おそらくこの推測は当たっているでしょう。

 

ビール、ウイスキー、日本酒、蒸留酒など、幅広い知識を持つことは、飲食業界で活躍する上で不可欠です。

多様な酒類への理解を深めたソムリエやワインエキスパートは、お客様により豊かな提案ができる存在となるからです。

この視点を意識し、酒類概論をただの暗記科目ではなく、自分の可能性を広げる学びと捉えることが合格への鍵となるでしょう。

 

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【ソムリエ・ワインエキスパート試験】酒類概論の勉強の仕方と覚えるコツ

人は「なぜ酒類概論が重要なのか」がわからないと頑張らない

「酒類概論」は、ワイン以外の飲料に焦点を当てるため、ワインに熱心な受験者には軽視されがちな分野です。

しかし、この科目が試験で重要視される理由を理解すれば、学ぶ意欲が湧いてくるはずです。

それは、単なる知識の範囲を超え、ソムリエやワインエキスパートとしての「在り方」に関わるからです。

 

ワインだけに詳しい人と、ビールやウイスキー、日本酒など幅広い酒類にも関心を持つ人とでは、後者のほうが自然と積極性や外向性が磨かれていきます。

これは、幅広い知識を持つことで、より多くの人と話題を共有でき、柔軟な提案力を発揮できるからです。

お客様にとっても、「この人と話していると新しい発見がある」「気配りが感じられる」といった魅力につながります。

こうした理由から、酒類概論を軽視せず、自分の魅力を広げるための学びと捉えることが大切なのです。

 

ここは理屈ではありません、いまは「そういうものなんだ」と空気を吸うように受け入れて、酒類概論にも興味を持って、積極的に取り組むようにしましょう!

こまかい部分はそれぞれ別の記事で紹介しますが、今回は全体像と、それぞれの学習のポイントについて解説します。

 

2024年度教本を俯瞰する

2024年度のソムリエ教本を見て見ると、35ページから81ページまでが酒類概論、飲料概論です。

実に46ページに及ぶボリュームをワイン以外に割いていることがわかります。

そのなかで大見出しを見ると

・日本酒・焼酎

・ビール

・ウイスキー

・ブランデー

・スピリッツ

・リキュール

・中国酒

・カクテル

があり、別途飲料概論では

・ミネラルウオーター

・日本茶

・紅茶

・コーヒー

があることがわかります。基本的にこの試験は小見出しごとに学習をするのが良いとされています。

 

ただし、さすがにこれらすべてに教本をくまなく覚えて完璧にしよう、というのは無茶があるように感じます。

このなかでも、試験においてはやはり重要度に差が出てくるので、そこをしっかりととらえましょう。

WBSとしては、日本酒・焼酎、ビール、ブランデーは、ワインを学習するうえで避けては通れない周辺知識だととらえています。

 

日本酒・焼酎のパートは絶対に苦手意識を持たない

酒類概論の中でも、日本酒と焼酎のパートは特に重要な位置を占めています。

その理由のひとつは、出題範囲のボリュームが大きいことです。

(WBSのカリキュラムは前期講座の後半になりますので、今のところ本格的な学習は後回しで構いません)

 

日本酒の醸造方法や分類、焼酎の原料や製造工程など、覚えるべき内容が多く、一見すると難しく感じるかもしれません。

しかし、この分野は私たち日本人にとって馴染み深いお酒であり、その背景や文化を学ぶことで、理解が深まりやすいパートでもあります。

さらに、ソムリエやワインエキスパートとして活躍する場面では、日本酒や焼酎に関する知識が求められることも少なくありません。

日本の飲食文化を語る上で欠かせないこれらのお酒について深く学ぶことは、将来的にお客様とのコミュニケーションを円滑にし、信頼を得る大きな武器となります。

日本酒や焼酎は、地元の風土や歴史と深く結びついており、その奥深さを知ることで飲み物への理解がさらに広がります。

この分野を「難しい」と避けるのではなく、自分の強みに変える気持ちで取り組むことが、試験対策としても実務としても大切です。

苦手意識を持たず、むしろ楽しみながら学ぶことが、合格への大きな一歩となるでしょう。

 

ビールは現代の食文化を語る上で欠かせない飲料

ビールは、世界で最も飲まれているアルコール飲料として知られています。その人気は、国や文化を超え、幅広い人々に愛されていることからも明らかです。

そして現代の食文化では、低アルコール化が進む中、ビールはさらに注目を集めています。

軽めのアルコール度数が特徴のビールは、食事と一緒に楽しむのはもちろん、気軽に飲めるカジュアルな選択肢として、ますます重要なポジションを占めています。

また、ビールはその多様性も大きな魅力です。

ラガーやエールといった基本的な分類から、地ビールやクラフトビールに至るまで、その味わいは無限の広がりを持っています。

これにより、食事とのペアリングや地域ごとの個性を楽しむ機会が増え、飲む人の選択肢を豊かにしています。

 

さらに、ビールは私たちの日常生活に密接に関わる飲料です。コンビニやスーパーで手軽に購入できるため、特別な場面だけでなく、日常の中でも楽しめる存在です。

この身近さを活かして、ただの試験科目として学ぶのではなく、普段の生活や自分の好みに合わせて興味を深めることが、学習のモチベーションにつながるでしょう。

 

ビールについての学びは、単なる試験対策を超えて、自分自身の視野を広げるきっかけとなります。ぜひ、楽しみながらその魅力に触れてみてください。

 

ブランデーはガストロノミーの世界で重要な存在(ここ重要!)

ブランデーは、蒸留酒の中でも特に高い評価を受ける飲料であり、その種類や製造方法の奥深さから、ガストロノミーの世界で非常に重要な役割を果たしています。

特に、コニャックやアルマニャックといったフランスを代表するブランデーは、その繊細な風味と長い熟成による深い味わいで、多くの美食家や飲料専門家に愛されています。

また、イタリアを代表するグラッパのような個性的なブランデーも、地域ごとの食文化と密接に結びついています。

 

これらのブランデーは、単なる飲み物としてだけでなく、料理やデザートとのペアリング、食後酒としての役割、さらには調理の際の風味付けにも活用されます。

特に高級レストランやガストロノミーの場では、コース料理の締めくくりに登場することが多く、食事全体の印象を決定づける重要な存在です。

 

さらに、ブランデーの製造過程には、ブドウや果物を用いた繊細な技術と、熟成による時間の芸術が込められています。

この背景を理解することで、ブランデーの価値をさらに深く味わうことができます。

試験対策として学ぶだけでなく、その歴史や文化に触れることで、ブランデーの持つ魅力を感じながら学習を進めてみてはいかがでしょうか。

 

さて、ここまでご紹介した日本酒・焼酎、ビール、ブランデーは、酒類概論・飲料概論の中でも特に重要なパートで、試験の出題という見方以外でも必ず必要になる知識です。

では逆に、「ここは力を入れ過ぎなくてもいい」「戦略的に捨て問にする」ところはどうでしょうか?

 

カクテルやウイスキーは「力を入れ過ぎなくてもいい」分野

カクテルやウイスキーは、その奥深さや魅力から、多くの専門家が日々研究を重ねている分野です。

例えば、ウイスキーの熟成や産地ごとの個性、カクテルのレシピやバリエーションは膨大で、専門家の知識や経験には到底及ばないことが多いでしょう。

さらに、これらの分野を深く学ぼうとすると、ワイン以上に時間がかかる場合も少なくありません。

 

そのため、ソムリエ・ワインエキスパート試験の対策においては、カクテルやウイスキーの分野は「力を入れ過ぎなくてもいい」部分に該当します。

実際の試験では、これらに関する出題は限定的であり、試験対策としては必要最低限の知識を押さえることで十分対応可能です。

例えば、ウイスキーなら主要な産地や製造工程、カクテルなら基本的な種類やその特徴を理解しておけば、試験問題に対応することができます。

 

とはいえ、これらの知識は実際の現場で役立つこともあります。

特に、お客様からの質問やリクエストに対応する際に、自分の言葉で基本的な解説ができると、信頼感が高まることもあるでしょう。

そのため、必要以上に深入りせず、試験対策として効率的に学ぶことがポイントです。

限られた時間を効果的に使うためにも、これらの分野には過剰に時間をかけず、他の重要な科目にリソースを振り分けることをおすすめします。

 

コーヒーや紅茶の「飲料概論」は興味のあるところだけで十分

ソムリエ・ワインエキスパート試験では、コーヒーや紅茶を含む「飲料概論」も出題範囲に含まれます。

しかし、これらの分野は他の重要科目に比べると出題数が少なく、試験対策においては優先順位を下げても問題ありません。

むしろ、興味のある部分に絞って学ぶことで、効率的に知識を身につけるのがおすすめです。

 

例えば、紅茶であれば主要な種類や産地、コーヒーならば焙煎や抽出方法といった基本的なトピックを押さえておけば十分対応できます。

これらは日常生活や趣味にもつながりやすい内容なので、楽しみながら学ぶと記憶に残りやすくなります。

また、興味が深まれば、試験の枠を超えて自分の知識を広げるきっかけにもなるでしょう。

 

試験対策の時間は限られています。

そのため、飲料概論については、「ここは最低限でOK」と割り切りつつ、自分が面白いと感じるテーマをピックアップして学ぶことが、効率的かつ効果的な学習につながります。

 

リキュールは「当たるか当たらないか」に絞って学習する

リキュールはソムリエ・ワインエキスパート試験において、二次試験で出題される可能性がある分野です。

しかし、膨大な種類や詳細な背景を深く学ぶよりも、「当たるか当たらないか」に絞って効率的に対策を進めることが重要です。

 

具体的には、リキュールの産地、色、特徴を機械的に覚えることをおすすめします。

例えば、「シャルトリューズ=フランス、緑色、ハーブ系」といった形で、試験に出やすいポイントだけをピンポイントで押さえていきましょう。

この方法なら、時間を大幅に節約しながら、二次試験で必要最低限の知識をカバーできます。

 

試験後に実務でリキュールを深く学ぶ機会は多いので、まずは合格に向けて効率重視の学習を心がけましょう。

 

 

まとめ:酒類概論は学習姿勢を映し出すリトマス試験紙

ソムリエ・ワインエキスパート試験の中で、酒類概論を軽視する人は、他の分野においても同じように「興味がある部分だけを勉強する」という傾向が見られることがあります。

試験範囲が広い分、このような姿勢では、全体を網羅する学びができず、結果として合格への道が遠のく原因になることも少なくありません。

 

酒類概論は、ワイン以外の飲料に目を向けるための貴重な機会です。

一見地味に感じるかもしれませんが、ビール、日本酒、焼酎、ウイスキー、リキュールといった多彩な分野を学ぶことで、幅広い知識を持ったプロフェッショナルとしての素養を身につけることができます。

この分野を軽視することは、試験主催者側が重視する「多様性や柔軟性」の理解を欠くことにつながるかもしれません。

 

酒類概論への取り組み方は、試験全体への姿勢を映し出すリトマス試験紙のようなものです。

興味のある分野だけでなく、苦手や地味に思える部分にも向き合うことで、総合力を磨き、試験への準備を万全に整えることができます。

「好きなことだけ学ぶ」のではなく、「積極的に他分野にも興味を持つ」という意識を持つことで、より深みのある知識と信頼されるプロフェッショナルとしての土台を築きましょう。


 

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