【最終更新日】2022年10月31日
こんにちは。ワインブックスの前場です。
僕は18歳のころから飲食店で勤務をして、23歳の時にソムリエ試験に合格し、その後に30歳の時に国内のソムリエコンテストで優勝した経験があります。
その後に10年ほどワイン界から完全に離れ、法律とインターネットを勉強し、数年前にワイン業界に戻ってきた経緯があります。
現在、僕は一般的なイメージの高級レストランでの給仕係のソムリエではありませんが、それでも毎日ワインに関する情報を発信し、アドバイスを行っています。
教育機関としてワインブックススクールといういつでもだれでもどこでも学習できるワインのオンラインスクールも運営し、実際に毎週ワインの基礎知識の講義も行っています。
最初にこのようにべらべら自分のことをお話ししましたが、何が言いたいのかというと、僕は一度ワインから離れた身であるにもかかわらず、結局戻ってきたし、以前の頃よりもワインを好きになっているということです。
僕はワインジャンルでは最大規模のユーチューブチャンネル”ワインブックス”を運営しているのですが、その企画から収録、編集まですべて自分でやっています。
ユーチューブのチャンネル運営はいうよりも続けるのは難しく、多くのチャンネルは数字が伸びる前に撤退するところが多いです。
その中にあってもきついチャンネル運営を続けられているのは、ずばりワインが好きだからです。
このページを見てくださっているあなたは、ソムリエについて何となく興味があるとか、あるいは資格試験を受けようと考えているのかもしれません。
あるいはすでにソムリエの資格を持っているけど、どうやってステップアップをしていいかがわからない。こんな人もいると思います。
僕は一度ワイン界から完全に離れましたので、ソムリエ界、ワイン界をある程度冷静な目線で、俯瞰して見れていると思います。
ワイン業界しか知らないころでは使わないような知識や経験があるので当然と言えば当然でしょう。
ワイン以外の知識があることで、僕はワインを深く広く、かつ立体的に説明することができるようになりました。これが現在のコンテンツ作成にも強く生かされています。
あなたが疑問に思っているのは、ずばりソムリエにはどうすればなれるのか?そしてどうすればステップアップができて、どうすれば成功できるのか?でしょう。
ここについて、僕の持てる知識と経験を出し惜しみすることなく全出しします。
少し読み進めていただければ本物の情報だということがわかってもらえると思います。
大変に長いコンテンツではありますが、読み終わるころにはこれまではゼロだった「どの方向で頑張ればいいのか」が手に取るようにわかることをお約束します。
ぜひ最後までお付き合いください。
ソムリエのなり方とステップアップ
ソムリエは儲かるの?
ここまでお読みいただければ、おそらくこのページではソムリエのなり方とステップアップについて書かれているんだということが分かったかと思いますが、まず最初に知りたいことがあるはずです。
あなたが知りたいのはおそらく「ソムリエになったはいいけど、それで儲かるの」ということでしょう。
つまり年収はどうなの?というところだと思います。
ソムリエになりたい、ステップアップをしたい、は分かったけど、結果としていい年収にならないとつまらないし、将来性も感じない。当たり前の思いだと思います。
ここでは、具体的な年収について検討してみましょう。
まず、ソムリエといってもいろいろな立場がありますので、そこを検討しないと始まりません。
ここでは年収ということですので、勤務ソムリエを検討しましょう。
・ホテルや高級レストランの専任のソムリエ
・レストランの接客係兼ソムリエ
・ワインショップの店長兼ソムリエ
やとわれる形でのソムリエはおおむねこんなところでしょう。
正直に言って、これらであれば普通の飲食店の平均年収にすこし毛が生えた程度の収入にしかなりません。
仮に威厳高そうなホテルや高級レストランであっても課長クラスの年収がいいとこでしょう。
レストランの接客係兼ソムリエであればもっと低いでしょうし、ワインショップの店長であっても決して高級取りというわけではありません。
もちろん、中には本当の花形のソムリエとして大手ホテルから迎えられ、高い年収とポストを用意されることもあるかもしれません。
ミシュランの星付きレストランを渡り歩いたソムリエであれば、一般的なサラリーマンよりも高い年収の人も多いと思います。
しかしこれらは再現性は低いし、少しイメージしにくいと思います。運の要素だって多いでしょう。
経験に基づき合理的に検討すれば、わかりやすいイメージのソムリエであればあるほど、けっして高い収入が狙えるものではないというのが実際のところです。
えっ?儲からないの?
普通の感覚であれば「なんだ、そんなことをいうのであればソムリエになんてなりたい人いなくなるじゃん」と思うでしょう。
しかし実際はどうでしょうか?ソムリエの資格試験の受験者は減るどころか年々増加していますし、これに合わせて試験は明らかな難化傾向にあります。
なぜ儲からないにも関わらずなりたい人が多いのか?
ソムリエは雇われている「わかりやすいソムリエ」以外にも活躍の伸びしろがあるからです。
例えばワインバーを開業して、そのお店をはやらせる、高級レストランを開業して、ミシュランの星を取る、こんな形もソムリエであれば可能です。
こうなると頑張れば頑張るほどあなたの収入は大きくなるし、普通の会社員の何倍も稼いでいるソムリエも多数知っています。
また、やとわれソムリエをやりながら副業としてワインスクールの講師を務めたり、あるいは僕のようにワイン系インフルエンサーとして活動をすることで本業よりも高い収入を得ることもあります。
ただ待っているだけでは収入は上がりませんが、少しの工夫と勇気次第では高い年収も十分に狙える職業でもあります。
ソムリエの魅力
どこでも働ける
ソムリエはワインの専門家ですが、飲食店であれば同時に接客の専門家でもあります。
あなたがレストランの経営者であれば、「この人を雇えばワインを売ってくれるし、接客も安心して任せられる」こんな人を雇わない手はないはずです。
ワインの専門的な知識を持っている人は、飲食店ではどこでも探しています。
逆に知識も経験もなくただいい接客ができるというだけではさすがに無茶でしょう。
価格の低い専門性のないお店であればいいですが、専門性のあるお店であれば少なくとも知識や経験は求められるはずです。
ある程度の専門性のあるお店は、今どき日本中どこの都市にもありますから、チャンスは日本中にあるということになります。
世界中で働ける
あなたが海外での勤務に興味がある場合もソムリエは魅力的です。
職業としてのソムリエの最大の魅力はその汎用性になります。
ソムリエとしてのスキルがあれば、世界中どこでも生かすことができるし、どこでも働くことができるといっていいでしょう。
そりゃあそうです。ワインは世界中のありとあらゆるところで造られて、飲まれていますし、例えばミシュランに掲載されるような高級レストランではどこも高い能力のソムリエはどうしても欲しい人材なのです。
世界の大都市であれば、たいていどこでも日本食レストランはあるでしょう。
その中にはミシュランの星を狙うような高級レストランだってあるはずです。
そういうお店では、「ワインの知識があって、日本人のお客様に接客できるソムリエ」は引っ張りだこなのです。
このパターンでなくても、日本人ソムリエは世界中の高級レストランで実際に働いているし、実際にソムリエの人材流動は国際的に一般化しています。
あなたの腕次第では、活躍の場は日本にはとどまらないのです。
よし!ソムリエになる!
具体的ななり方
では、実際にソムリエの具体的ななり方を検討してみましょう。
まず、総論とすると日本ではソムリエは国家資格ではありませんので、合格者の独占業務というものではないということをおさえましょう。
例えば医師や弁護士、僕の様な行政書士であれば国家資格で、資格者でない人がこれらの業務を行うのは法律違反です。
しかしソムリエは国家資格ではないのでいってみれば「名乗ったもの勝ち」であるのは事実です。
ただしそうはいっても完全な無法地帯なのかと言われればそうではなく、一応の業界の形というものがありますので押さえておきましょう。
日本におけるソムリエの職業では日本ソムリエ協会が圧倒的な存在で、ソムリエ協会が主催する呼称資格試験に合格をすることで、多くの人は「この人はソムリエだ」と認識することになります。
ソムリエ資格は就労経験も審査されるので、合格者にはある程度の経験は担保されるといっていいでしょう。
また、飲食店であってもソムリエ資格を持っているのであれば、少なくともワインの知識経験については安心して採用されることがほとんどです。
専任のソムリエは絶滅危惧種?
最近はイメージが若干変わってきていますが、少し前はソムリエというと高級レストランでワインだけを扱う専任のソムリエ職があこがれの対象でした。
接客係と兼任をしているソムリエにすれば専任のソムリエは「本格派」で、専任のソムリエと兼任ソムリエでは、専任のソムリエの方が上の様な雰囲気があったのを覚えています。
ただし、これはもう古い考えでしょう。今どき専任のソムリエは本当に数少ないし、ユーザー目線を考えると「僕はワインしか扱いません」というのは通用しません。
お客様はワインの事であっても料理の事であっても、話したいときに話したい人に頼りたいものなので、「ワインもわかって、料理もわかっている」人が理想的なのです。
もちろん現在でも伝統のある高級レストランでは専任のソムリエでワインしか扱わないという人もいますが、それであってもお料理のことは詳しいし、普通のウエイターのサービスも並み以上にできる人がほとんどです。
経済合理性からもワインだけを扱ってそれで終わりというだけでは高い収入は期待できないし、時代にはなじまないのはその通りかもしれません。
ソムリエには資格試験があるの?
では、具体的にソムリエ試験を検討してみましょう。
ソムリエ試験は日本ソムリエ協会が主催する年に一度の呼称資格認定試験です。
この試験はフランス、イタリア、ドイツなどのヨーロッパは勿論、アメリカ、カナダ、オーストラリア、チリ、南アフリカなどの世界中のワインから筆記試験問題が出題されます。
また二次試験ではテイスティングもあり、一般の方のワイン好きなレベルでは太刀打ちはできません。
試験はおよそ8月ころに始まって3次試験が11月終わりなので、かなりの長丁場です。
ほとんどの人はその年の年始から学習を始めて、一年をかけて合格をつかみ取るという具合です。
試験の難易度については別の記事に譲りますが、少なくとも簡単な試験ではないし、合格率は30~40%なので、真剣に学習をしないと受からないと思ってください。
広告で申し訳ないのですが、僕が運営するワインブックススクールは月額2200円でソムリエ試験、ワインエキスパート試験に最適な学習プログラムを提供しています。
試験に受かればソムリエなの?
では、ソムリエの呼称資格試験は簡単ではないんだ。難しい試験なんだというのがわかったうえで、では試験に受かればソムリエなのかと言われれば、そうではないのが歯がゆいところです。
ただしこれについては日々の生活で思い返してみればイメージしやすいと思います。
例えばお医者さんを想像してください。
医師になるには医師国家試験に合格する必要があります。
では、資格試験に受かっただけの状態であなたはその人をお医者さんの先生として扱えますでしょうか?
答えはいわなくても大丈夫。おそらくほとんどの人はノーと考えているはずです。
確かに大学の医学部を卒業し、難しい医師国家試験に合格したかもしれないけど、実務経験もない人にいきなり診察を受けるのは正直怖いし、手術になればとてもじゃないけど任せられません。
合格した本人だって自分の経験不足くらいは自覚できているはずです。
つまり合格後の経験の積み重ねがあって、はじめて患者さんはそのひとを医者の先生として接するということです。
ソムリエ試験は登竜門
医者であればわかりやすいのですが、これをソムリエに当てはめてみましょう。
確かにソムリエ試験に合格し、ぶどうのバッチを胸につけているとしましょう。見た目はこれで完全にソムリエです。
でもワインのことを聞いても自信なさそうだし、自信の無さを小手先で誤魔化している感があるし。頼りない。
接客技術だってそれなりだし、気が利かないし、なにより快適じゃない。
こういう人をあなたはソムリエとして接しますか?ということでしょう。
確かにソムリエ資格は分かりやすいめやすにはなりますが、とはいえ試験に合格しただけでソムリエになれるのかと言われればそれは違います。
ソムリエ試験は登竜門だととらえて、そこからワインや接客に磨きをかけて、お客様から認知されて初めてソムリエになれると思いましょう。
試験を受けずにソムリエになる?
ソムリエ試験は国家試験ではなく、民間の呼称資格試験なので、極端な話「僕はソムリエです」と名乗れば他者が否定をすることはできません。
ただし、重要なのはお客様があなたに対して「このひとはソムリエである」と認知させることになります。
この場合に、現在ではソムリエ協会の認定試験が日本では圧倒的な知名度を誇りますので、試験を受けずにソムリエと名乗るのはかなり無理がある状況です。
本当の昔の昔はそれこそ呼称資格認定試験が知名度がなく、試験に対する重要性も見出しにくかった時代もありました。
そのためホテルのソムリエやコンクールに出場するようなソムリエでも資格を取らずに活躍する人もいたのは事実です。
ですが呼称資格認定試験の知名度が圧倒的な現在では試験に合格するリスクよりも試験を受けずにソムリエを名乗るリスクの大きいため、当サイトとしてはお勧めできません。
ソムリエのステップアップ
では、具体的に試験に合格した後にどのようなステップアップがあるのでしょうか?
ここではソムリエの最終形態をまずは押さえておきましょう。
・高級ホテルのシェフソムリエ
・レストランやワインバーのオーナーソムリエ
・ワインショップの経営者
・ワインジャーナリスト、評論家、インフルエンサー
これらが考えられる一般的な最終形態でしょう。もちろんこれらには当てはまらない、もっとすごい存在にあなたはなれるかもしれないですよ。
では、これらを一つ一つざっくりと見てみましょう。
高級ホテルのシェフソムリエ
高級ホテルになると専任のソムリエが何人かいて、それを統括する人のことをシェフソムリエと呼んでいます。
高級レストランでも何人かソムリエがいれば、その長はシェフソムリエと呼ばれることが多いです。
ただし、これは歴史や伝統のあるホテルやレストランであればあるほど上が詰まっていますし、順番を待っている間にタイミングを逃してしまうことが多いです。
ポストは決められた人数しかなれませんので、かなりの狭き門と言っていいでしょう。
高級ホテルのシェフソムリエにもなると、そのホテルの顔の様な存在でもありますので、イベントにも呼ばれることも多いですし、メディアにも露出をすることもあると思います。
この経験をもとにレストランやワインバーを開業する人も多いです。
レストランやワインバーのオーナーソムリエ
街場のレストランで接客係を長く勤め、その後にレストランやワインバーを開業する人も多いです。
この場合はソムリエがオーナーを務めるため、オーナーソムリエと呼びます。
これまでの人脈を生かして、ファンが多いソムリエであれば開業後も順調に経営をされるところも多いです。
調理場の中にいるシェフに比べると、お客様と直接接するソムリエは圧倒的に開業に有利なのです。
腕のいいシェフを見つけて、タッグで経営すれば、早くのうちに成功し、多店舗化をするところもあります。
ワインショップの経営者
もともとソムリエは高級レストランの給仕係のイメージが強いですが、現在ではワインショップの担当者もソムリエと呼びます。
そのためワインショップを経営する人もソムリエと呼んでいます。
ワインショップの実店舗を構えたり、あるいはオンライン専門でもいいですが、大きな規模になると売り上げも大きく、かなりやり応えのある立場と言えます。
ワインジャーナリスト、評論家、インフルエンサー
これは今まではあまりなかったのですが、ソムリエとしての知識や経験を生かしてジャーナリストになったり、あるいはワイン評論家になる人もいます。
今はだれでも情報発信者になれる時代なので、こつこつ自身のサイトを運営し、中にはワイン雑誌よりも強い影響力を持つ人もいます。
また、自分自身のことになりますが、たとえばユーチューブでワインチャンネルを運営し、登録者が何千、何万とある人も出てくるでしょう。
もちろん、何もユーチューブでなくてもSNSで多くのファンを抱えるもいます。
こうなるとワイン界での影響は小さなものではなく、この影響力を利用してほかのビジネスを成功させる例も増えてくるはずです。
具体的なステップアップ
どんな能力が求められるのか?
では、ここから具体的なステップアップを検討してみましょう。
ステップアップというからには知識や経験を積み重ねるということになりますが、じゃあ具体的に何を磨けばいいのかはあまり語られてきませんでした。
ただやみくもに知識と経験を積むといわれても、じゃあどんな能力が求められるのかがわからなければ効果的ではないし、そもそも効果測定すらできません。
ここで一般的にソムリエの完成形に近づくとするならどういう能力が求められるのかを検討してみましょう。
ワインや料理の正確な知識
当たり前ではありますが、ワインを職業にしようとする場合に知識があいまいだとどうしても活躍には限界が出てきます。
この知識とは、資格試験の知識もそうではありますが、それ以上の専門的な知識が必ず必要になってきます。
例えばカリフォルニアワインの専門店のソムリエであれば、資格試験の合格程度の知識ではとても太刀打ちができません。
カリフォルニアワインの事であればだれにも負けないくらいの意識で各生産地域の環境や具体的なワインの銘柄などを学習することになります。
また、他人に知識や経験を伝えるにあたっても持っている知識の10倍は広く深くないと頭の中でまとめて説明することは勿論、ただ話すだけでも難しくなります。
ワインの知識だけではなく、当然合わせるお料理にも詳しく正確な知識が必要です。
接客能力
ソムリエであれば多くは飲食店でワインを中心にした飲料のサービスをすることになります。
この時の接客はかなり高いレベルが求められるので、接客の技術に関しても相当なレベルが必要になると考えましょう。
具体的な接客の技術としては、ワインの取り扱いやサービスに加えて、立ち居振る舞いや会話の内容、目線や声の大きさのコントロール、身だしなみ、顧客心理など、ポイントは上げだしたらキリがありません。
販売能力
当たり前ですが、ソムリエとして活躍をするのであれば経済的な合理性は必ず求められると考えましょう。
お店のオーナーであれば、「この人はワインの知識は抜群だけど、なぜかワインが売れないんだよね」という人にソムリエを任せることはしません。
逆に「この人はワインの知識は不安があるけど、ガンガンワインを売ってくれるな」という人であればソムリエとして雇いたくなるはずです。
管理能力
ソムリエとしてワインの販売を任せられれば、当然その管理も任されることになります。
場合によっては仕入れをして、適切に保存をしてそれを販売する。ここまで求められるのは当然でしょう。
任されたからには必要以上の仕入れはできないし、趣味に走ってワインを買いあさって在庫を抱えてしまうなんてことをしたらクビになる可能性だってあります。
お店の売れ筋やお客様の層などを考慮して、適切にワインを管理するのも求められる技術でしょう。
外国語
特に都心部のお店や高級料理店になると、日本語以外のお客様の来店も当然あります。
この場合に最低限度の外国語での接客は上級職のソムリエであれば求められるスキルと考えましょう。
というのもソムリエはマネージャーとの兼任として勤務することも多く、マネージャー職になれば最終的には外国語での接客も求められることが多いからです。
協調性
これは見落とされがちですが、ソムリエは専門職の傾向が強いため、「ワインさえ売っていればそれでいいっしょ」的な考えの人も稀に言いますが、これでは活躍は遠のきます。
お店があなた一人で回っていると勘違いしているのであれば、ほかのスタッフからは信頼されないし、最悪な場合孤立して協力を得られなくなります。
協調性や相手をおもんばかる能力はどの立場であっても必ず求められます。
例えば自分の意にそぐわないことがある場合にすぐに態度に出してしまうような場合は要注意です。
アンガーコントロールは現代人であれば必ず求められるスキルととらえましょう。
こんなソムリエは求められていない
では、求められるソムリエとしての能力がわかったとして、逆に求められていない能力はどうでしょうか?
こんな場面をイメージしてください。
とあるソムリエが難しい顔をしてワイングラスの香りを嗅いで、そして味わいます。
どんなワインでもブラインドで出されたレアなワインの生産地、ぶどう品種、ヴィンテージまでを正確に当てられるとしましょう。
ドンピシャで当てられれば確かに名人芸として素晴らしいし、ソムリエ界の中では「あいつは利き酒の能力は素晴らしい」と噂にもなるでしょう。
では、実際にそんな名人芸を持つソムリエをあなたは見たことがありますでしょうか?
日本中、いや世界中見渡してみてもそんなソムリエはどこにもいません。
利き酒という点では生産者には絶対に適わないし、特定の生産地のワインファンの方がよほど詳しく当てられるはずです。
しかしこういう能力は飲食店の実務では求められていないし、あさっての方を向いているソムリエと思っていいです。
確かに利き酒能力は重要です。利き酒能力がないと最悪な場合ワインを適正に判断できない可能性もあるからです。
しかし、実務ではそれよりもワインの魅力を伝えるかとか、お客様の心をつかむすべを持っているとか、そちらの方がよほど求められるととらえましょう。
ソムリエになるまでの期間は?
いかがでしょうか?ここまでで具体的なソムリエのなり方とステップアップについてご説明しました。
ソムリエというとどうしても試験に受かればソムリエだと思っている方は多かったと思います。
しかし資格に受かっただけでは「ソムリエの有資格者」ではあっても、あなたがソムリエとして他人から認められなければソムリエとして生きることはできません。
そのため、あなたが他人から見て「これこそソムリエだ」と思われるにはどれくらいの期間が必要か?ここは気になるところでしょう。
僕であれば、23歳の時にソムリエ資格に合格しましたが、そのころすでに都内の高級ホテルのイタリアンレストランで副支配人を任されていました。
すでに5年程度の接客経験があり、海外生活を経ていましたので英語での接客も問題ありません。おそらく身のこなしもスムーズであったはずです。
ただし、ソムリエとしてどうだったかは疑問で、資格を取ったのちに学習を続け、3年ほどたったころには今考えても十分な知識・経験が持てるようになった記憶があります。
つまり本格的に勤務をして8年がたったということになります。
スキルはずっと磨き続ける
「なんだ、お前クラスでも8年頑張ればなれるのか?」
こう思ったあなた。それでは先が思いやられます。
確かに一ソムリエとしてある程度の知識と経験は10年もやればだれでもそれなりのものは手に入るでしょう。
しかし、最初に申し上げた通りソムリエは伸びしろのある職業なので、そこからの努力で大きく活躍の幅がかわるものなのです。
例えばイタリアンのソムリエであれば実際にイタリアの生産地に出向いて畑を歩き、生産者と話をする。
外国のレストランで働き、一から経験を積みなおす。
一見すると面倒に思えるこういう経験が最終邸にあなたを大きなソムリエとして活躍させることになります。
ソムリエは一生できる職業なので、スキルを磨き続けるのも一生ものなのです。
まとめ
ソムリエは現在では認知度が高く、資格試験では毎年多くの人が受験をする人気資格になりました。
しかし、実際のなり方についてはどうしていいかわからない人は多く、実際に僕自身もどうすればソムリエとして活躍できるのだろうか?と悩んだこともありました。
しかし、よく考えればこれは簡単な問題で、あなた自身はもちろん、あなたを頼る人があなたをソムリエとして認める。これがソムリエになる第一歩でしょう。
他人にいかにワインに興味を持ってもらい、ワインをわかりやすく説明する。
「あの人にワインをサービスしてもらうと何となくワインが美味しい。楽しい」こういう人になる。
これこそがソムリエになる唯一の道なのです。
資格試験も、有名レストランでの経験も、コンクールでの活躍も、その手段にすぎません。
勿論手段は大事です。だからそこをここまで長々とご説明をさせていただきました。
ソムリエになりたい人に、あるいはどうすればソムリエとしてステップアップできるか?
お探しの情報が少しでもあれば幸いです。
【ワインブックスオンラインスクールのご案内】
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ワインブックススクールでは、月額2200円で、いつでも、どこでも、誰でもワインの学習ができる環境が整っています。
ソムリエ・ワインエキスパート試験の対策に
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ご活用ください。必ずお役に立てることをお約束します。
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