エクセレンス試験 テイスティング レジメ

総論

1丁寧に書いているか

1-1 字は下手でもいいのでできる限り丁寧に書く。スピードが優先されるため殴り書きになるのは仕方ありませんが、乱暴なイメージを持たれないようにしましょう。

 

1‐2書く順番

採点側は

①外観②香り③味わい④ワインからわかること⑤サービス方法⑥合わせる料理⑦結論

の順番で記述がされることを予定していますので、この順番で記述してください。

 

2文章としての完成度

2‐1 文章としてまとまっているかどうかが問われます。審査員は上から読んでいきますのでいきなり流れが変わったり、流れを無視したコメントは心証を下げます。

2‐2 ですます調、語り口調を統一してください。

2-3 事実と意見、推測をはっきり使い分ける。

意見や事実であれば「~です。」などで一文を終わらせる。推測の場合は「と思われます」で終わらせます。

2-4 誤字、脱字を避ける。

よくある誤字として、

・発泡→発砲

があります。

2-5略字に注意!

意外に略字を間違えている場合がありますのでご注意ください。

マロラクティック発酵→〇MLF ×MFL

 

 

3スピード

3‐1どれだけ丁寧に書き上げた完璧なテイスティングコメントでも、3割しかかけなければ3割しか得点できません。逆にそれぞれは6割のできであってもすべての項目に言及すれば6割の得点になります。

スピード7:丁寧さ3くらいのバランスで書き上げるようにしてください。

3‐2 フルコメントは10分間、マリアージュ、醸造は8分を目標にしてください。

3‐3 殴り書き、丁寧さを欠いた記述

スピードを優先するあまり乱雑になった記述は必ず心証を下げます。殴り書きでもいいので丁寧さを忘れないようにしているコメントは伝わりますので、丁寧さを蔑ろにしないようにしてください。

 

4各項目との連動

外観、香り、味わいは必ず連動します。外観は冷涼なエリアのワインのコメントなのに味わいは温暖なエリアのワインのコメントの場合は点数は伸びません。

 

5戦略

5‐1 配点の大きい順から(推測)、フルコメント>醸造=マリアージュ(ワイン)=シチュエーション>マリアージュ(そのほか飲料)になりますので、配点順に取り掛かってください。

5‐2 フルコメントでは外観、香り、味わい、サービス方法、結論を先に書き上げ、それ以外のシチューションやTPOは後に回してください。

 

外観

5コメントする項目

5‐1 ①色調②色調の強さ③輝き、透明度④健全であること⑤粘着性⑥外観の印象 になります。これらをすべて盛り込んで一つの文章にします。

5‐2 コメントの項目が一つでも欠けると審査員は違和感を覚えます。逆に言えばすべてを盛り込み、文章として自然であれば得点しやすい項目です。

 

6色調

6-1 コメントする項目は①色調②強さ です。

6‐2 色調の表現

基本的には「○○がかった○○」になります。

ロゼ:やや紫がかったサーモンピンク

白:緑がかったイエロー、ゴールドがかったイエロー、

赤:紫がかったルビー、紫がかったガーネット、オレンジがかったガーネット、黒みがかったガーネット、黒みがかったダークチェリーレッド など

 

6‐2‐1強さの表現

淡い、中程度、強めで表現します。

→中間の強さの場合は、「中程度よりもやや強めに感じます」などでまとめてください。

 

7 文章としてのまとまり

色調と強さを一つの文章としてまとめます

ex:色調は黒みがかったガーネットで、色の強さは中程度よりもやや強めに感じます。 など

 

 

香り

8コメントする項目

①香りの第一印象②香りの強さ③第1アロマの具体例④第2アロマの具体例⑤第3アロマの具体例⑥香りからわかること

が基本になります。

 

8‐2文章としてまとまりがあるか

①~⑤についてすべてに完璧に記述する必要はありません。文章としてのまとまりがあったほうが得点は伸びます。

②③④についてはざっくりと書ければ問題ありませんし、⑤については書ければ書くようにしてください。

 

8-3香りの要素は象徴的なものから順に記載する。各論を最初に持ってくると誤解を招く可能性があります。

・乳酸発酵は確かに重要なプロセスではありますが、乳酸発酵によって生じる香りがメインになることは稀です。特にスティルワインではムルソーやカリフォルニアのシャルドネ以外はよほどのことがない限りはメインで表現する香りとはとらえない方が無難です。

 

 

9第1アロマ~第3アロマについて

第1アロマは果実由来の香りなので、若いワインには見られますが古いワインには使いません。

また、第2アロマも発酵由来なので第1アロマと同様にとらえてください。

第3アロマは熟成由来ですが、樽熟成の場合は若くてもバニラやバターなどの香りがありますが、瓶熟成の場合はキノコやジビエ、モカなどの発展形の香りになりますので棲み分けてください。

 

10白ワインの香りの要素

10‐1 具体的な果実の香り

果実の香りは冷涼なエリアから順に

①柑橘系②白桃、洋ナシ③黄桃、アプリコット④スターフルーツ、マンゴーなどのトロピカルフルーツ

で表現します

 

10‐2 果実の状態

10‐1に加えまして、果実の香りがどのような状況なのかを付け足します。

フレッシュ、ジャム、コンフィなどになります。若いワインはフレッシュな、少し熟成が進んだ場合はジャム、さらに熟成が進むとコンフィで表現します。

 

10‐3 ミネラルの印象

ミネラルの印象は基本的に石灰、貝殻、火打石で記載しますが、あまりここを強調し過ぎると心証を下げますので注意してください。

 

10‐4 樽熟成によるキーワードの変化

樽熟成によってバニラ、バター、木樽のニュアンスなどで表現します。

 

10‐5 瓶熟成によるキーワードの変化

瓶熟成によってモカやカフェオレ、トリュフなどに変化しますが、これらは高級ワインに対する表現なので、試験での出題は限定的になります。

 

10‐6 花の香り

花の香りは、冷涼な順から①すいかずら②アカシア③キンモクセイで表現します。

花の香りは第2アロマなので、熟成が進んだワインには用いませんので注意してください。

 

10‐7 ハーブの香り

ハーブの香りはセルフイユ、ミント、ローズマリーなどで表現しますが、ミントはSBなどのワイン、ローズマリーは南フランスなどの温暖なエリアの特殊なワインですので注意してください。

 

10‐8 ワインごとの特殊な香り

リースリングには菩提樹、SBには麝香などの個別の香りがあります。

 

10‐9 香りの一致

冷涼なエリアのスティルワインなのに黄桃の香りをだす、あるいはミントの香りを添えているのにトロピカルフルーツの香りをだすと香りにちぐはぐな印象を与えてしまいます。

 

10‐10 外観との連動

外観で緑がかった色調といっているのに黄桃の香りを表現する、あるいは外観で黄金色を言っているのに香りで柑橘類をだすのでは外観と香りで連動していないと判断されますので注意してください。

 

10‐10-1  外観の表現との連動ができているかどうか

 

11赤ワインの香りの要素

11‐1項目

コメントする項目は

①香りの第一印象②香りの強さ③具体的な第1アロマ、第2アロマ、第3アロマ④香りからわかること

です。

 

11‐2文章としてまとまっているか

前項11‐1を意識し過ぎて文章としてまとまりが欠けると心証を下げますので注意してください。

 

11‐3具体的な第1アロマ

冷涼なエリアから順に

①イチゴ・キイチゴ②カシス、ブルーベリー③ダークチェリー、ブラックベリー

で表現します。

11‐3‐1 「ベリーの香り」「チェリーの香り」では抽象的で採点されません。かならず「○○ベリー」「○○チェリー」と具体を添えましょう。

 

11‐4果実の香りの状況

①フレッシュな②リキュールのような③ジャムにしたような④コンフィのような

で表現します。フレッシュ感は①、凝縮感は②、熟成感は③④で表現します。

 

11‐5具体的な第2アロマ

赤い花で表現しますが、無難なものは軽めの赤であればアカシア、重めのワインであれば牡丹や赤いバラで表現します。

第2アロマは熟成によって失われますので熟成が進んだワインに第2アロマを表現すると心証を下げます。

 

11‐6樽熟成による香り

樽熟成によってバニラやトースト香、カラメル、ココナッツなどの香りになります。

 

11‐6‐1 穏やかな樽香の場合は「穏やかな樽香」程度で充分です。

 

11‐6‐2 強めの樽香の場合はバニラやトーストで表現します

 

11‐6‐3 よほどわかりやすいワインでない限りは「アメリカンオーク」「フレンチオーク」の特定はリスキーです。

逆にわかりやすい場合は記載をするようにしましょう。

 

11‐6‐3 ココナッツの香りはカリフォルニアのジンファンデルなどのよほどの特徴的なワインに対する表現なので限定的にとらえてください。

 

11‐6‐4 赤ワインの場合はよほどのことがない限りは樽熟成をさせますので、香りの成分として少なくても表現しておく方が無難です。

 

11‐7 酸化熟成、瓶熟成による香り

熟成によって腐葉土、きのこ、ジビエ、なめし皮の香りで表現しますが、若いワインにも表現することもあります。

 

11‐8 ミネラルの香り

赤ワインのミネラル感は血液などで表現します

 

11‐9 スパイスの香り

赤ワインのスパイスは、白コショウ、黒コショウ、クローブ、リンドウの根、アニスなどで表現しますが、冷涼なエリアのワインはクローブ、白コショウなど、温暖なエリアの場合は黒コショウ、リンドウの根、クローブなどで表現します。

 

11‐10 ユーカリ、メントール

カリカベやシラーズ・シラーはユーカリやメントールを使って表現します

 

11‐1 外観との連動

外観で淡く紫がかった色調なのにブラックベリーの香りを出す、逆に色調は濃いのにイチゴやキイチゴで表現すると連動していないと思われ、心証を下げます

 

12 味わい

 

13 栽培・醸造・総論

13-1  10人中8人が納得できる内容を書く。10人中一人は納得できなくても構いませんが、それ以上に反論があるコメントはリスクを伴います。攻めるテイスティングコメントではなく、守りに行くテイスティングコメントに徹してください。

 

 

14 サービス方法

14‐1 赤ワインはよほどの場合でない限り提供温度は16~20度におさえる。それ以外の温度はリスキーだととらえてください。


 

【ワインブックスオンラインスクールのご案内】



このサイトは、ワインブックススクールの運営です。

ワインブックススクールでは、月額2200円で、いつでも、どこでも、誰でもワインの学習ができる環境が整っています。

ソムリエ・ワインエキスパート試験の対策に

趣味のワインライフに

エクセレンス試験の対策に

飲食店の頼もしい見方に

ご活用ください。必ずお役に立てることをお約束します。

WBSのソムリエ・ワインエキスパート試験対策講座はこちら→


  ワインビジネスをご検討のお店様、企業様へのワインコンサルタントも行っています。
店舗向けWBSのAIソムリエサービスはこちら→

単発のワインリスト作成サービスも好評です。
ワインブックスのテイスティングコースはこちら→

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です