【最終更新日】2024年11月20日
ソムリエエクセレンスでは通常、第2日程のテイスティングの際に「このワインに合うシチュエーションを記述してください」というTPOを問われる設問があります。
TPOについてはワインが出題されてから考えるのではなく、ワインをいくつかのカテゴリに分けて、それらに一つ一つ回答を用意しておけばほとんどが対応可能です。
そのためおそらく受験生の多くはTPOでの書き方に慣れてきて、ほとんど取りこぼしのない状況になっているはずです。
こうなると主催者側も「そろそろこのテーマも変え時かな」とテーマを変更する可能性もあります。
仮に今年度の試験でTPOの出題がなかったとしても、準備をした経験はほかの分野で必ず生かすことができますので、この場合はパニックだけ回避をするようにしてください。
目次
- 1 ワインエキスパートエクセレンス TPO対策
- 1.1 奇抜さや意外性は求められていない
- 1.2 TPOとは?
- 1.3 ①T Time時間
- 1.4 ②P Place場所
- 1.5 ③O occasion…場合(opportunity…機会)
- 1.6 実際の落としこみ
- 1.7 ワインのタイプごとにネタを持つ
- 1.8 ①辛口白ワイン ステンレス熟成(シャブリ、SB,リースリングなど)
- 1.9 ②樽熟成をさせたシャルドネなどのワイン
- 1.10 ④軽めの赤ワイン(ACブルゴーニュ、CF,MBAなど)
- 1.11 ⑤中くらいの赤ワイン(ACボルドー、サンジョヴェーゼ、メルローなど)
- 1.12 ⑥重めの赤ワイン(カリカベ、シラーズ、ジンファンデル)
- 1.13 ⑦熟成系の赤ワイン(バローロ、リオハレセルバ以上)
ワインエキスパートエクセレンス TPO対策
奇抜さや意外性は求められていない
最初にどうしても触れなくてはいけないのが、この場は「試験に合格するための理屈」で論じられていることです。
帰結として「あなたの感覚をボリュームゾーンに合わせる」ことを推奨していますが、これは決して普段の生活から奇抜さや意外性を無視しろと言っているわけはありませんので誤解をされないようにしてください。
試験ではどうしても一発逆転を狙う人は一定数いて、「こういう考えもあるかもしれないけど、本丸ではないよね」という回答を狙ってしまう人はいます。
ただしこの考えは戦略としては完全に明後日の方向を向いていますし、早めのうちに修正するようにしてください。
スポーツなどの場合は一発勝負で、ほとんどが相手との対戦形式になりますので奇抜さや意外性は戦略として当然持っておくべきです。
しかし資格試験においては審査員が腹落ちができるかどうかが重要なので、「世間一般の多くの人が納得できる回答」が求められます。
例えば
「高級料理店なんだけど、あえてこんなワインをお勧めします」
「ワインに詳しい人なんだけど、あえてこういうワインをお勧めします」
などの逆張りの理屈は求められていませんので、最初にここを受け入れてください。
また、これは言いづらいのですが、普段の生活からそもそもずれている人はどこの世界にも必ずいます。
わかりやすいのが「夜型の生活の人」でしょう。
ほとんど人が昼型の生活をしているのに、資格試験の回答欄に夜型の生活の理屈を当然のごとく記入されても「あなたの理屈と世間の理屈は違う」とされて、決して受け入れられることはありません。
また極端なお金持ちで金銭感覚がずれている人も注意が必要です。
例えば気軽なワインパーティーにお勧めするワインとして「コシュデュリのムルソーをお勧めします」といわれても普通の感覚では決して「気軽」ではないと考えるのが一般の感覚です。
僕だったらコシュデュリのムルソーだったら気軽なパーティーではなくて、少人数で、静かな雰囲気で、グラスや温度などのワインを楽しめる環境が整った場所で飲みたいと思います。
「いやいやそんなこと言ったって、僕の友人が集まるパーティーでは実際にコシュデュリが並んでいる」
こういう人も当然世の中にはいますが、ここでこの話が理解できない人は言いづらいですが感覚がずれています。一度WBSに相談されたほうがいいでしょう。
ずれていることをはっきりと「あなたずれているよ」といってくれる人は、大人になればそうそういるものではありません。
金銭価格のずれは本人でも気づかないうちに修正がきかなくなるほど外れることが多いです。
ここについては心配な方は正直にWBSにご相談ください。
本当に言いづらいのですが、金銭感覚がずれている人は友人に相談しても、相談する友人もずれている可能性があるため、相談しないほうがいいです。
資格試験の解答には一般人のボリュームゾーンの理屈、感覚に合わせて回答するのがセオリーです。
もちろんあなたの普段の生活の感覚が社会一般の感覚とずれていようがどれだけ離れていようが、法律に触れない限りはだれも何も踏み込む権利はありません。
ただし試験においては感覚をボリュームゾーンに合わせる必要があるので、ここは切り離して検討するようにしましょう。
では、ここから具体的なTPOの検討に入ります。
TPOとは?
TPOとは、
T:time…時間
P:place…場所
O:occasion…場合(opportunity…機会)
の略ですので、まずは「何を書けばいいのか」を理解するようにしましょう。
何を書けばいいのかを理解すれば、普段のワインライフでヒントになるようなものはいくらでもありますので、それらに沿って記載すればいいということになります。
①T Time時間
こちらは単純に昼なのか夜なのか、年末なのか年始なのか、春なのか秋なのか、それらの時系列のことになります。
当たり前ですがビジネスでのランチタイムでボルドーの高級赤ワインをボトルで飲むなんてことはずれていますし、本丸ではありません。
ランチタイムでワインを飲むのであればグラスワインでいいですし、どっしりした赤ワインよりもスパークリングワインやさっぱりした白ワインのほうがイメージしやすいでしょう。
②P Place場所
ワインであればパーティー会場なのか、ワインバーなのか、自宅なのか、高級レストランなのか、カジュアルなビストロなのか、ワイン会なのかなどになります。
③O occasion…場合(opportunity…機会)
Oについては理解しづらいですが、「行事」と考えればいいでしょう。
クリスマス、デート、忘年会、ビジネスランチ、高級レストランでのビジネスディナーなど、何らかの目的が伴ったイベントなどを想像してください。
実際の落としこみ
では、ここまででTPOが理解できたとしても、実際の試験での落としこみができなければ先に進めません。
試験においては
・T 時間についてはランチなのか、ディナーなのか、遅めのブランチなのか、春夏秋冬
・P 場所については高級レストランなのか、カジュアルなビストロやカフェなのか、ワイン会なのか、屋内か屋外か、海か山か
・O 行事についてはプライベートかビジネスか、集まる人はどんな人(ワインに詳しいか一般の方か)か
などを検討することになります。ここから先はあなたが普段から想像力を働かせる必要があります。
ワインのタイプごとにネタを持つ
ここからが本丸になりますが、この試験は「銘柄がわからない状態でワインのTPOを検討する」になります。
そのため、試験では外観、香り、味わいのざっくりとした印象で回答するしか方法はないという最大の特徴があります。
では、ざっくりとした印象とはどのようなものでしょうか?
単純にワインのカテゴリをいくつかあげたら、それらに合わせてネタを持つことでほとんどのワインに適切に回答ができるということになります。
①辛口白ワイン(シャブリ、SB,リースリングなど)
②樽熟成をさせたシャルドネなどのワイン
③熟成を重ねた高級白ワイン(ブルゴーニュ、カリフォルニアシャルドネなど)
④軽めの赤ワイン(ACブルゴーニュ、CF,MBAなど)
⑤中くらいの赤ワイン(ACボルドー、サンジョヴェーゼ、メルローなど)
⑥重めの赤ワイン(カリカベ、シラーズ、ジンファンデル)
⑦熟成系の赤ワイン(バローロ、リオハレセルバ以上)
⑧高級熟成ワイン
⑨スパークリングワイン 瓶内二次発酵(シャンパーニュなど)
⑩スパークリングワイン 高級ワイン(プレステージなど)
⑪スパークリングワイン フレッシュ系(プロセッコなど)
⑫甘口ワイン 白貴腐、遅摘み系
⑬甘口ワイン 赤系(ポートなど)
⑭甘口ワイン アイスワイン
⑮ロゼワイン セニエ法
おおむね検討できるものとしてはこれらになりますが、これらのうち試験での出題を合理的に検討すると、赤字の6つが本丸で、ほかは出題の可能性は低く、優先順位は下がるとお考え下さい。
では、これらのうち赤字の6つのワインについてTPOを検討していきましょう。
①辛口白ワイン ステンレス熟成(シャブリ、SB,リースリングなど)
酸味がさわやかでさっぱりした口当たりの飲みやすいワインなので、気軽なランチタイムのグラスワインや、屋外のシーフードバーベキューなどが挙げられます。
果実味と酸味が豊かですので食欲を誘いますので、食事の前半にアペリティフとしていただくのもいいです。
②樽熟成をさせたシャルドネなどのワイン
樽熟成による複雑な風味があるため、高級レストランの魚料理に合わせたグラスワインにお勧めしやすいです。
樽香と果実の風味が豊かなため、ワイン好きであれば会話に花が咲くことが期待できますので、ワイン好きの人が集まるパーティーにもお勧めです。
④軽めの赤ワイン(ACブルゴーニュ、CF,MBAなど)
色合いが明るく、赤ワインではありますが気軽の飲める雰囲気がありますので、ランチタイムのお肉料理に合わせていただくのがお勧めです。
外観や香りも華やか、渋みも少ないため赤ワインが苦手な人にも受け入れられやすい味わいなので、ワインファンでない方も多くいらっしゃるような気軽なパーティーでも喜ばれます。
⑤中くらいの赤ワイン(ACボルドー、サンジョヴェーゼ、メルローなど)
お肉料理全般に合わせやすいので、肉好きが集まるワインパーティーにお勧めです。
強すぎない酒質の味わいのため、コース料理の後半部分にボトルでいただいたり、あるいはバランスが良いためワイン好きの方が集まるワイン会にも喜ばれます。
⑥重めの赤ワイン(カリカベ、シラーズ、ジンファンデル)
お肉料理であっても特に味付けを濃い目にしていただく料理に合いますので、屋外のバーベキューでソースをつけながら焼くようなお料理に合わせやすいです。
どっしりした風味のワインを気軽に味わえる特徴があるので、ワイン好きが集まる「肉を食べる会」などのイベントには最高のワインです。
⑦熟成系の赤ワイン(バローロ、リオハレセルバ以上)
熟成からくる複雑な風味があるため、ワイン好きが集まる少人数のワイン会にお勧めです。
ディナーレストランでも特にジビエなどの風味の強い素材を扱うレストランの肉料理に合わせるのもいいです。
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