シャルドネとは?基礎知識とワインの特徴、合わせる料理

【最終更新日】2022年9月26日

シャルドネ(Chardonnay)はフランス、ブルゴーニュ地方原産の白ブドウ品種です。

もともとはブルゴーニュ東部のブドウではありましたが現在では世界的な人気で、あらゆる生産国、あらゆる生産地域で栽培がされています。

シャルドネ自体は品質は高いのですが強い個性はなく、そのため生産者の思惑がワインに反映しやすいブドウとして知られています。

 

1980年代までは世界中で栽培は増加の一途をたどりましたが、シャルドネがあまりにも増えすぎることでワインの無個性化が叫ばれるようになり、ワイン愛好家の間で反発がおこり、これを受けて1990年代にはシャルドネの栽培面積は高止まりをすることになります。

にもかかわらずシャルドネの人気はすさまじく、栽培面積では白ブドウでスペインのアイレンに続いて2位、すべてのワイン用ブドウで5位になっています。

 

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シャルドネの基礎知識

ワインの特徴

シャルドネは、香りが淡く特徴的な個性がないニュートラルな品種である事が特徴です。

その為、栽培される地域の土壌や気候の違い、熟成方法など造り手の違いによって香りや風味が変化し、世界中で様々な味わいのワインが造られています。

冷涼な気候の産地ではミネラルを感じるワイン、温暖な気候の産地ではトロピカルフルーツや熟した果実を感じ、ボリューミーな味わいです。

 

また、樽を使って熟成させることで、バターのような風味を持たせるなど、さまざまなスタイルで醸造されています。

スティルワインだけでなく、フランスのシャンパーニュやイタリアのフランチャコルタをはじめ、世界中の多くのスパークリングワインを造り出す為の重要な品種でもあります。

 

シャルドネは栽培が比較的容易で、さまざまな条件に適応できることで、世界中で栽培されています。

とても柔順な品種で、そのテロワールと生産者の印象を反映しやすい品種といわれています。

ほとんど全ての畑の土壌に適応できますが、最も好むのは白亜、粘土、石灰岩の土壌です。

 

 

シャルドネの起源

By Pancrat – Own work, CC BY-SA 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=11776341

カリフォルニアにある大学のDNA研究により、フランスのブルゴーニュ地方でピノ・ノワールとグエ・ブラン(画像↑)という品種の自然交配から生まれたとされています。

また、ブルゴーニュ地方のマコネ地区にはシャルドネ村がありますが、発祥地との関連性はまだ解明されていません。

「シャルドネ」には約100種類近いシノニムがありましたが、「シャルドネ」という呼び方が世界的に認知され、現在は「ムロン・ダルボワ」「ボーノワ」など一部を除きほとんどは使われなくなりました。

 

主な生産地

フランス

フランスではブルゴーニュ地方が著名ですが実際にはほぼ全土で栽培されています。シャルドネはユニ・ブランに次いで、2番目に多く栽培されている白ブドウ品種です。

スパークリングワインにも使用されています。

 

ブルゴーニュ地方のコート・ドール地区では、オーク樽で熟成され、ヘーゼルナッツの香りやまろやかでバターのような特徴がでる傾向があります。

一方、「シャブリ」はシャブリ地方で生産されるシャルドネワインのみを指します。

高い酸度を維持するのに役立つ石灰質の土壌と涼しい気候のテロワールを強調する為、マロラクティック発酵やオーク樽での熟成をしないので、青リンゴのようなフレッシュな酸味が特徴です。

 

シャンパーニュ地方のコート・デ・ブラン地区では、シャンパーニュ地方で唯一、シャルドネを主体に栽培している地区です。

他の品種とブレンドして造られるシャンパーニュですが、原則としてシャルドネのみから造られるシャンパーニュ「ブラン・ド・ブラン」もあります。

非発泡性のスティルワインは、コトー・シャンプノワで生産されており、シャブリより酸味が強く、骨格のある辛口に造られることが多いです。

その他の産地には、アルザス、ジュラ、ロワール渓谷などがあり、ジュラではヴァン・ド・パイユという陰干したブドウから造られる甘口ワインにも使用されます(一部)。

 

なお、フランスではシャルドネの産地では赤ワインはピノノワールを用いることが多いです。

ピノノワールについてはこちらをご参考ください。

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アメリカ

主な生産地は、カリフォルニア州、オレゴン州、ワシントン州とニューヨーク州です。

カリフォルニア州の太平洋岸は水温の低い寒流の影響で海に近いほど冷涼な気候な為、ミネラル感があり爽やかな柑橘系のシャルドネを造りだす傾向があり、内陸では内陸に行くほど暑く乾燥して温暖な気候となる為、凝縮感のある力強いスタイルとなる傾向があります。

 

ニューヨーク州は比較的涼しく、ブドウの木での熟成期間が長くなる為、温暖なシャルドネ生産地域よりも適度な糖度で、ブドウはより複雑で特徴的なものになります。

ワシントン州はカリフォルニア州に似ていますが、クリーミーさよりも果実味を重視する傾向があります。フルーティーで火打ち石のミネラル感とバランスの取れた酸味が特徴です。

 

その他の産地

上記以外では、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、カナダ、アルゼンチンなど、日本では長野県を筆頭に様々な国や地域で栽培されています。

 

シャルドネと料理のマリアージュ

シャルドネは、そのスタイルの幅が広いため、さまざまな種類の食品や料理と組み合わせることができるワインです。

爽やかで辛口のスッキリとしたシャルドネには新鮮な魚介類のマリネやカルパッチョなど。

シャルドネの酸味が料理の甘みや旨味を引き出してくれます。

 

濃縮感がありコクのある、樽で熟成されたシャルドネにはバターの風味を効かせた白身魚のムニエルや鶏肉のグリルやクリーム煮など。

ワインのまろやかな風味と料理のクリーミーなソースが調和します。

 

シャンパーニュやフランチャコルタなどのスパークリングワインには王道の生牡蠣や魚介の天ぷらやなど。

海のミネラル感と繊細な風味が同調しお互いを引き立て合います。


 

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