【最終更新日】2023年1月2日
毎年お正月元旦に放映される”芸能人格付けチェック”。
この番組はワインファンであれば毎年楽しみにしている人も多いかもしれません。
というのも、正真正銘の高級ワインがメジャーメディアのメインコンテンツになるのはお正月のこの日くらいで、元旦にして最大の盛り上がりがくる番組でもあるからです。
今回は元旦に放映された高級ワインシャトーペトリュスと、2022年にワインエキスパートに合格されたSHOKICHIさんの動向をできる限りわかりやすく解説します。
記事の根拠のため、簡単に自己紹介をしますと、僕は23歳の時にソムリエ資格を取得して、30歳の時に国内のソムリエコンテストで全国優勝をしたことがあります。
コンテストでは大勢の観客の前でテイスティングをすることになるので、テレビ番組内でテイスティングをすることのプレッシャーはある程度理解できるほうだと思います。
できる限り丁寧に、初心者にもわかりやすく解説しますので、最後までお付き合いください。
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目次
格付けチェック2023 ワイン
EXILE SHOKICHIさん グラスの持ち方がプロっぽくてエモい
番組で目立ったのはもちろんガクトさんがペトリュスの銘柄までを当てたことではありますが、SHOKICHIさんのワインエキスパート試験合格も目立っていました。
グラスの持ち方やワインをすする姿は真剣に勉強しないとできないものなので、かなり熱心に勉強されたことがわかります。
ですが、これは番組に乗せられたのか、ペトリュスを「グラーヴのオーブリオン」と答えていました。
少し勉強をすると「なんだ、カベルネソーヴィニョンとメルローを間違えるのか」とおもうひともいるかもしれません。
しかしSHOKICHIさんはワインを真正面から勉強していますから、知識が増えることによるノイズがあった可能性が高いです。
つまり勉強して知識があればあるほど「こういうメルローもあるよな」という記憶が引き出されてしまい、回答を間違えてしまうのです。
僕の目には少なくともSHOKICHIさんのグラスの持ち方、ワインの味わい方、目力は間違いなく真剣に勉強している人のもので、「芸能人が腰掛で勉強して資格を取った」ものとは思えませんでした。
SHOKICHIさんが取得”ワインエキスパート”とは?
SHOKICHIさんのターンの時に、”ワインエキスパートの資格を持っている”とお話をされていましたが、このワインエキスパートとはどのような資格なのでしょうか?
ワインエキスパート試験は日本ソムリエ協会が主催するワインの資格で、難易度については完全にソムリエと同等です。
ワインエキスパート試験、ソムリエ試験はともに毎年1回開催され、1次の筆記試験、2次のテイスティング、3次の実技に合格して初めて最終合格になります(ワインエキスパートは2次まで)。
ソムリエ資格はざっくり言うと、飲食店やワインショップなどでお客様にワインをお勧めして販売する職業に対する資格で、受験するにはこれらの職業を経験する就業要件があります。
ワインエキスパート試験は試験の難易度や傾向はほとんど同じですが、ソムリエに必要な就業要件がなく、20歳以上であればだれでも受験ができるという特徴があります。
SHOKICHIさんは芸能人なので就業要件を満たすことはできませんので、ソムリエと同等の知識経験がありながらもワインエキスパートの資格を受験した、ということなのです。
実際のSHOKICHIさんのレベルはどう?
では、実際に画面越しではありますがSHOKICHIさんのレベルを推し量ってみたいと思います。
正直に言えば2022年に合格したということなので新米といえば新米になります。
ただしグラスの持ち方はかなりエモく、相当学習をしたことがわかります。
また、ペトリュスの回答に対して「少しスパイシーだったのでグラーヴ地区、シャトーオーブリオン」と答えていました。
グラーヴ地区はいわゆる5大シャトーのメドックに比べて土壌が砂利質なので風味が若干変わってきます。
グラーヴ地区のワインはメドックに比べるとややスパイシーに仕上がりやすく、そのためSHOKICHIさんはグラーヴの1級シャトーであるシャトーオーブリオンだと思ったのでしょう。
これについてはおそらく格付けチェックに出ると決まった段階で5大シャトーやペトリュスなどの高級ワインは準備しただろうし、そのなかで判断すれば結論がシャトーオーブリオンになったのでしょう。
メドック地区ではないと判断した段階で新米ワインエキスパートとしてはかなり優秀なほうだと言えると思います。
では、ここからは2023年元旦放映の芸能人格付けチェックを振り返ってみましょう。
お題と過去のワインの確認!
毎年恒例のテレビ朝日系列の芸能人格付けチェック。
最初のお題は毎年高級ワインで、「高級ホテルであれば100万円は下らないワイン」と5000円のテーブルワインを飲み比べてどちらが100万円のワインかを当てるというイベントです。
2択ですし、かつ、100万円と5000円であれば簡単にわかるだろうと思うかもしれません。
しかし、このイベントには端的に言って以下のような関門があります。
①お正月の人気番組であるというプレッシャー
②100万円のワインとは言っても古いワインが出題されるため事前の準備が難しいこと
③5000円のワインとは言っても近年はレベルが上がっているため、単純な比較だけでは当てられないこと
などのポイントが挙げられます。
そして、過去の放映分のワインはこのようになっています。
2022年(赤ワイン)
シャトー・ムートン・ロートシルト1929
2021年(赤ワイン)
シャトー・ラフィット・ロートシルト 1982
2020年(赤ワイン)
シャトー・ラトゥール(1959年)
2019年(赤ワイン)
シャトー・ムートン・ロートシルト(1959年)
2018年(赤ワイン)
シャトー・ペトリュス(年代非公表)
2017年(赤ワイン)
シャトー・オー・ブリオン(1923年)
2016年(赤ワイン)
シャトー・ラフィット・ロートシルト(1923年)
2015年(白ワイン)
モンラッシェ/ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ(DRC) 2004年
2014年(赤ワイン)
ラ・ターシュ/ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ(DRC) 2005年
2013年(赤ワイン)
シャトー・ラ・トゥール 1949年
2012年(赤ワイン)
ヴォーヌ・ロマネ・1級「クロ・パラントゥー」/アンリ・ジャイエ 1994年
2011年(白ワイン)
モンラッシェ/ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ(DRC)2000年
2010年(赤ワイン)
シャトー・ペトリュス 1990年
このように2010年の放映から検討すると13回の放映のうち、
赤ワインが12,白ワインが1
となっていて、
赤ワイン12のうち
ボルドーが9,ブルゴーニュが3
となっています。
2016年以降はすべてのワインが赤ワインで、かつボルドーの高級ワインに偏っています。
これは
①ブルゴーニュワインの価格が上がりすぎてしまって100万円のお題では本当の超一流のワインを提供することが難しいこと
②白ワインの高級ワインでは1本100万円を超えるワインは逆に見つけづらいこと
③フランス以外のワインだと認知度が極端に下がるため、番組としての盛り上がりが欠けること
などが原因と思われます。
お題が知らされない恐怖?
そして今回の2023年放映分のお題のワインは例年の通例通りボルドーワインで、 でした。
ただし今回のチェックでは事前に「どのようなワインかが一切知らされない」というルールが新しく追加がされたのです。
これまでのチェックでは放映前に「シャトーラトゥールの○○年です」と打診があり、これと5000円のテーブルワインを見破るという事前予告があったようなのです。
こうすることで演者さんは放映前にお題のワインを味わい練習することが可能です。
しかし今回はそれができないため、ガクトさんは「ソムリエ試験並みだ」と嘆くこととなるのです。
2022年のお題シャトーペトリュス1994
2023年の芸能人格付けチェック、100万円のほうのお題はシャトーペトリュス1994年でした。
シャトーペトリュスはボルドーでも右岸エリアのポムロールの高級シャトーです。
一流ホテルであれば100万円は下らない、というふれこみなのですが、実際に市場価格は40~50万円の価格でしょう。
シャトーペトリュスはメドックの5大シャトーに比べて生産量が少ないため価格が高騰していて、どの5大シャトーよりも高値で取引をされています。
1994年はグレートヴィンテージというわけではありません。シャトーペトリュスのグレートヴィンテージは40~50万円では買えませんから番組の事情というものでしょう。
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