シャンパーニュ サロンとは?基礎知識と味わいの特徴、合わせる料理

【最終更新日】2024年8月1日

シャンパーニュ サロン(Champagne Salon)サロンは史上初のブラン・ド・ブランのシャンパンを造った生産者です。

一銘柄のヴィンテージ・シャンパンのみで、年間の生産本数は6万本程度と小規模です。

1989年に、ドゥラモットと共にローラン・ペリエのグループに入り、どちらもディディエ・デュポンが社長・最高醸造責任者を勤めています。

世界的に超の付く人気ワインであるにも関わらず、生産本数が少ないため価格は右肩上がりで上昇しています。

日本に紹介され始めたころは1万円台で購入できたサロンが数年前には4~5万円になり、2021年には10万円を超え、そして現在はなんと1本18万円の値がついているのです。

 

価格の上昇がどこまで続くのかはわかりません。

しかし、少なくともこの価格のワインをフレンチレストランなどで飲むのは本当に特殊なイベント時か、あるいはこの価格でもなんとも思わない人に許された特権でしょう。

そのためお料理と合わせて飲むというよりも、ワイン単体でたのしまれることも多いでしょう。

 

【シャルドネについてはこちらをご参考ください→】

[blogcard url=”https://winebooks-media.com/chardonnay/”]

 

 

シャンパーニュ サロンの基礎知識

歴史・起源

創立者のウジェーヌ・エメ・サロンはパリの毛皮商として成功をおさめて居ましたが、シャンパンに惚れ込むあまり自分が飲むためのシャンパンを趣味で造り始めました。

情熱を注いでシャンパンを造り続けているうちに事業になったのがサロンの始まりです。

 

サロンは単一品畑の単一品種のぶどうを使って究極のシャンパン造りに挑戦しました。

選んだのはコート・デ・ブラン地区の最高の畑ル・メニル村のシャルドネです。

このシャルドネを用いて、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエを一切ブレンドせずに繊細で、レベルの高いシャンパンを造ることに成功しました。

一切の妥協なしに造りあげられたシャンパンは愛好家の間でたちまち話題となります。

こうなると自己所有の畑のみではブドウが足らず購入する事になり、ル・メニル村の中でも最上の畑の、腕が良いと評判のブドウ農家のみと契約を結びました。

ブドウが最高の状態で収穫された年にしか生産されないため、サロンブランドとしてはシャンパンを一切生産しない年もある程、徹底したこだわりを保ち〝幻のシャンパン〟とも呼ばれます。

 

最初のヴィンテージは1905年ですがサロンがメゾンを設立し、商業的にリリースされた初のヴィンテージは1921年です。

パリの三つ星レストラン「マキシム」のハウスシャンパンにも選ばれ、それによりサロンの名声は確固たるものになったのです。

1943年にウジェーヌ・エメ・サロンが亡くなった後、1989年にローラン・ペリエに売却されました。

 

サロンの特徴


サロンは100%シャルドネから造られています。

そのシャルドネはシャンパーニュのコート・デ・ブラン地区にあるル・メニル村の生産者の畑、そして「ジャルダン・ド・サロン(サロンの庭)」と呼ばれる独自で所有する畑から収穫されたものです。

 

ル・メニル村はシャンパーニュ地方の特級であるグランクリュに指定されています。

そのうち、サロンの所有する畑はわずか1ヘクタールで、大部分はル・メニル村に畑を持つ20の契約農家から購入しています。

これらのブドウの樹齢は平均25年で、中には40年のものあります。(20年から25年を目安に古木と呼ばれます)

 

また、シャンパンはノン・ヴィンテージが主流ですがサロンには必ずヴィンテージが入ります。

10年間に約4ヴィンテージの割合でリリースされ、過去100年間で38ヴィンテージが作られました。

サロンが造られない年にはドゥラモットに売却され、ドゥラモットが通常使用するブドウに加えてシャンパンを造ります。

 

サロンのヴィンテージ

今までリリースされたサロンは

1921,1925,1928,1934,1937,1943,1945,1946,1947,1948,1949,1951,1952,1953,1955,1959,1961,1964,1966,1969,1971,1973,1976,1979,1982,1983,1985,1988,1990,1995,1996,1997,1999,2002,2004,2006,2007,2008,2012

※2008年のサロンはマグナム(1500ml)のみで8000本リリースされました。

 

サロンの製法

サロンのシャンパンはステンレスタンクで一次発酵されます。

シャンパンはマロラクティック発酵をさせて酸味をやわらげ、若いうちから飲みやすくする事が多いのですが、サロンは綺麗な酸を守るためにマロラクティック発酵を行わず、瓶熟成に長い時間をかけます。

 

一次発酵を済ませた後、木樽で熟成をさせ、翌春までこの状態で熟成をさせてから瓶詰めします。

規定ではヴィンテージのシャンパンは最低3年の瓶熟成が義務付けられていますが、サロンの場合は10年前後も熟成させます。

また、ドサージュは一切行っていません。

 

サロンの味わい

サロンのシャンパンはヴィンテージ物しかないので、各年でキャラクターが変わりますが、色合いは淡く、マロラクティック発酵を行なって居ないために総体的に非常にフレッシュです。

ふくよかでゆったりとした味わい、というよりは硬質な口当たりで酸のキレがあり〝端麗〟と言う表現の似合うシャンパンです。

 

メニル村のミネラル感が鮮明に引き出されて居ます。

熟成期間が長いものになると、クルミやヘーゼルナッツ、アプリコット、スモモなどの風味が加わります。

 

サロンのマリアージュ

サロンは繊細でシャルドネの一本筋の通った酸味が特徴的な味わいです。

そのためお料理は派手過ぎず、重すぎない味わいのものが合わせやすいです。

シンプルで、あまり濃厚過ぎないお料理がサロンの味わいを引き立ててくれるでしょう。

 

また、熟成期間が長いシャンパンなので、生のままよりは火を通した食材の相性が良いです。

お魚をバターでソテーしたもの、貝類(牡蠣など)、スモークサーモンのエッグベネディクトなどをお勧めします。

 

また、軽めのデザートにも合わせる事ができます。

より熟成したサロンにはトリュフや森の香りが加わってくるので、キノコを使ったお肉料理などにも良く合います。


 

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