【味や製法の違い】シャンパンと世界のスパークリングワイン

【最終更新日】2024年8月1日

みなさん、スパークリングワインはお好きですか?

 

〝泡〟って最初の一杯に乾杯するだけで気持ちが明るく、その場の雰囲気がパッと華やかになりますよね。

お祝いの時には欠かせないし、毎日でも飲みたくなってしまいます。

 

実際にスパークリングワインの市場規模は、どんどん拡大していて、今後もその傾向は続きそうです。

世界は皆〝泡中毒〟ですね。

 

ところで、泡の出るワインのことを何でも

「シャンパン」と呼ぶ人がいますが、これは正確にいえば間違いです!

(ワインブックスメディアをご覧の方には釈迦に説法かもしれませんが…)

 

シャンパンは発泡性ワイン(スパークリングワイン)の一種ですが、

シャンパンと呼べるのはフランスのパリ北東部、シャンパーニュ地方で造られる物だけを指します。

 

フランスではシャンパーニュ地方以外で造られたスパークリングワインのことを

ヴァン・ムスー

Vin Mousseux (Vin=ワインMousseux発泡性の)

と呼びます。

 

さらに、シャンパーニュ地方で造ればその全てがシャンパンと言う訳では無く、

使用するブドウ品種や製法、熟成年数など厳しいルールがあり、

それをクリアした物だけが〝シャンパン〟と名乗ることを許されます。

 

今回はシャンパーニュと世界のスパークリングワインの違いを解説しています。

 

シャンパーニュと世界のスパークリングワイン

シャンパーニュ

シャンパンの基本のブドウ品種(ほぼ全てがこの3種のブレンドまたは単一)

ピノ・ノワール、ムニエ、シャルドネ

 

法律で許可されている品種

ピノ・グリ、ピノ・ブラン、プティ・メリエ、アルバンヌ

 

製法:瓶内二次発酵

一度ブドウを発酵させて造ったワインを、酵母と糖分を混ぜたリキュールと一緒に瓶に詰めて二度目の発酵をさせる方法。

その時に出た二酸化炭素が炭酸ガスになってワインに溶け込み〝泡〟になります。

風味が豊かで、きめ細かい泡が特徴ですが手間暇のかかる方法です。

 

熟成期間

ノン・ヴィンテージ15ヶ月

ヴィンテージ3年

 

これだけ見ても、シャンパンが高級になってしまうのも納得ですね。

 

シャンパンと同じように造られた高品質なスパークリングも、

リーズナブルで気軽に楽しめる物もたくさんあるので製法と合わせてご紹介したいと思います。

 

【プロセッコ Prosecco】

シャンパン、スペインのカヴァと並ぶ〝世界三大スパークリングワイン〟の一つで、

消費量はシャンパンより多く世界1位と大人気のスパークリンワインです。

 

グレーラ(Glera)と言うブドウを主体に作られていて、ほとんどがスパークリングですが弱発泡・非発泡の物もあります。

2020年から、ピノ・ノワールが加えられたロゼも造られてます。(ピノ・ノワールの比率は最大15%まで)

 

製法:シャルマ方式

一度造ったワインを再度発酵させて、

その時に生じる二酸化炭素をワインに溶け込ませて泡を造るのは一緒ですが、

シャンパンではワインボトル一本一本の中で行なっている二回目の発酵を

大きな密閉されたステンレスタンクの中で行います。

 

巨大なタンクで大量に造れるので効率的で、二次発酵の期間も短いために

価格もお手頃なワインを作ることができます。

また、ステンレスタンクで発酵させるために味わいはフレッシュでフルーティーです。

 

リーズナブルさと、親しみやすい味わいがプロセッコの魅力ですね!

 

【アスティ・スプマンテ Asti Spumante】


アスティもプロセッコと同じ、イタリアのスパークリングで製法も同じシャルマ方式で作られます。

ブドウ品種モスカート・ビアンコ(マスカットの一種)

アルコール度数が低めで、甘口なのでお酒が弱い方、普段あまりワインを飲まない方にもおすすめです。

 

【フランチャコルタ】

イタリアのミラノの近くで造られているスパークリングワインで、シャンパンと同じ瓶内二次発酵を用いて

シャンパンよりも長い18ヶ月(シャンパンのNVは15ヶ月)熟成期間が義務付けられています。

 

シャンパンのヴィンテージに相当するミレッジマートは30ヶ月、

ミレッジマートの中でも高品質と認められたリゼルヴァは60ヶ月(5年)

ブドウ品種シャルドネピノ・ノワール(ピノ・ネーロ)、また最大50%の制限がありますがピノ・ビアンコが使用されています。

 

【カヴァ Cava】


シャンパン、プロセッコに次ぐ販売本数を誇るスペインのスパークリングワインです。

カヴァはシャンパンと同じ瓶内二次発酵。

 

主要なブドウ品種マカベオチャレッロパレリャーダと言うスペイン固有の白ブドウ3品種になります。

(シャンパンと同じシャルドネ、ピノ・ノワールも使用可能)

冷涼なシャンパーニュ地方と比べてスペインの温暖な気候とブドウ時代の酸味が穏やかなので、

シャンパンに比べてフルーティーで酸味が柔らかいのがカヴァの特徴でになります。

 

シャンパンと同じ瓶内二次発酵方式で造られているために、

きめ細かい泡立ちを楽しめるのにも関わらず、コンビニでも2,000円程で買えてしまいます。

 

デイリーワインとしても、カジュアルなホームパーティーでも大活躍ですね!

 

【ゼクト Sekt】

ドイツはスパークリングワインの消費が世界一で、

国内で作られて消費されるものの中には数百円から買えるようなものもあるそうです。

 

そのドイツのスパークリングワイン(シャウムヴァイン Schaumwein)の中でも高品質な物がゼクト(Sekt)です。

ドイツには弱発泡ワインをベールヴァイン(Perlwin)

野生酵母、田舎方式で作られるペットナット(Pét-Nat)などのスパークリングもり、

ペットナットは特に最近注目を集めています。

 

ゼクトはシャンパンと同じ瓶内二次発酵、プロセッコのシャルマ方式に加えて

トランスファー方式、アンセストラル方式と4種類の製法が認められて居ます。

 

トランスファー方式:瓶内二次発酵したワインを加圧したタンクに入れて澱を取り除いてボトル詰めする方法。

田舎方式:完全に発酵していないワインを瓶詰めして、発生した二酸化炭素から泡を作る方法。

 

ブドウ品種はドイツを代表する白ブドウのリースリング

ピノ・ノワールのドイツ名、シュペートブルグンダーなどが使われます。

 

カヴァやプロセッコと比べると、少しマイナーな印象がありますが

冷涼なドイツならではのスッキリ・シャープな味わいが魅力的で、

シャンパンより手頃なお値段で手に入るので、飲み比べてみたくなりますね。

 

【最後に】

スパークリングワインの女王と言えばやっぱりシャンパン、と言うイメージです。

でも世界各国で様々なブドウ品種・製法でバラエティー豊かなスパークリングワインが造られているし、価格も本当に色々。

シーンによって使い分けて、楽しい泡ライフを送りましょう!


 

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