【ブラインドテイスティング通信講座】包材をなぜパウチにしたのか?

【最終更新日】2024年8月15日

こんにちは。WBSの前場です。

現在僕は11月頃にローンチ予定の新サービス「ブラインドテイスティング通信講座」の品質確認の真っ最中です。

 

ブラインドテイスティング通信講座は、日本中、どこにいてもブラインドテイスティングが学べるオンライン講座です。

サブスクリプションで毎月1回、小分けにしたワインを郵送し、フォームで回答、その後に僕の解説動画でフィードバックをするサービスです。

 

法的な問題と、衛生面などが確認できましたので、後は品質やデザインを決めてサービス開始、という流れですが、当然ですが品質はこのサービスのかなめになります。

僕はサービス業においては品質が全てだと思っていて、WBSの運営もそうですが、今回のブラインドテイスティングの通信講座も品質については一切手抜きをする気はありません。

むしろ、遠方にいる方であっても最高品質の状態でワインを味わえる状態にしないといけないと考えています。

 

今回のサービスについては、アルミ製のパウチにアルゴンガスをつめて郵送することにしました。

色々な方に相談すると、見た目や伝統、イメージにおいてはガラスの小瓶のほうがいいのではないかとのお声もありました。

ですが、最終的には僕と、ワインの分注器の技術さんと検討した結果、パウチにしようということで決まった経緯があります。

 

今回は、なぜブラインドテイスティングの通信講座の包材をパウチにしたのかについてご説明します。

 

ブラインドテイスティングの通信講座はこちらをご覧ください→

 

ブラインドテイスティング通信講座の包材がパウチの理由

品質確認はのべ200回におよびました

最初に、このサービスのローンチには絶対の自信を持っていますが、ここまで至るには200回以上のテストを経ていますので、その経緯をご説明をさせていただきます。

ブラインドテイスティング通信講座に使う包材については、

①日本中、どこにでもお届けできること

②品質の安全性(特に輸送時の衝撃など)

③品質を保てる酸素の遮断性

④光を通さない遮光性

⑤できる限り温度変化をなくすこと

の5点が重要になります。

その結果、パウチ以外にもガラスの小瓶、プラスチックの試験管、プラスチックの小瓶なども最初にすべてテーブル状に並べて検討しました。

 

さらに、先ほどの①~⑤以外にも、

⑥輸送時のコスト(配送料を込みにしたい。できる限り配送料を下げたい)

⑦環境への配慮

⑧利用後の処分の容易さ

も重要です。

いくらデザイン性が良くても輸送時にコストがかかりすぎてしまえば、学習教材としては継続ができません。

また、環境への配慮は、ワインという商材であれば無視ができないものでした。

 

これらを検討して一つの包材について5~17のサンプルを取り寄せ、まずは自前でチェックをすることになったのです。

具体的にはアマゾンやモノタロウで包材を調べ、最小単位で購入したのですが、写真ではおしゃれに見えても実際に見てみるとしょぼかったり、逆に写真ではいまいちでも現物は結構おしゃれに見えるものもありました。

 

ただ、おしゃれでもワインをつめて翌日には溢れてこぼれたり、空気が入り込んで劣化してしまったりと、正直8割は使い物にならないものでしたので、無駄も多い作業でした。

このあとに、実際に試してみた包材の比較について説明したいと思います。

 

プラスチックの試験管

まず最初に試したのがプラスチックの試験管でした。やはり見た目にもスタイリッシュですし、届いたときのユーザーの高揚感もある程度イメージが着いたのです。

プラスチック製の試験管は、ワインのサンプリングや少量保存においてデザイン性が高く、視覚的な魅力がありますが、酸素透過性が高いため長期保存には適していません。

また、いろいろ試しましたがすこしの温度変化でワインの液漏れが確認され、これでは実際の運用には使えないという結論になりました。

 

ワインは酸素に触れると劣化しやすく、香りや味わいが損なわれる可能性があります。

特に繊細な風味を持つワインでは、酸素透過が品質に大きな影響を及ぼすため、ガラス製の容器や酸素遮断性の高い他の素材の方が保存に適していると言えます。

 

ガラスの小瓶

次に試したのがガラスの小瓶です。これもデザイン性は優れています。

ガラス製の小瓶は、酸素透過性がほぼなく、ワインの品質保持には非常に適しています。

酸素がワインに触れると風味や香りが劣化するリスクがあるため、ガラスはその点で理想的な素材です。

 

しかし、ガラスは重く、輸送中に破損するリスクが高いという欠点があります。特に大量輸送や長距離輸送においては、その耐久性の問題が顕著になります。

また、使用後の処分に関しても、ガラスはリサイクル可能ではあるものの、ユーザーにとって処分が手間となる場合があります。

 

さらに、ガラスの製造や輸送に伴う環境への負荷も考慮すべき課題です。

これらの要因から、小分けしたワインの輸送には、より軽量で破損リスクが低く、環境負荷も抑えられる代替素材の検討が必要だという結論に達したのです。

 

透明のパウチ

そして次に試したのが透明のパウチです。

透明のパウチであれば見た目もいいですし、ワインの色調のグラデーションも楽しめます。

 

パウチにワインを小分けにして輸送する際には、パウチの材質が大きな課題となります。

特に、パウチが温度変化に弱い素材で作られている場合、輸送中の温度変動によってワインの品質が損なわれるリスクがあります。

 

ワインは温度に非常に敏感で、急激な温度変化が発生すると、風味や香りが変化してしまう可能性があります。

また、パウチの中には空気の侵入を完全に防ぐことが難しい素材もあり、酸素がワインに触れることで酸化が進行し、品質が劣化する恐れがあります。

いろいろ試しましたが、透明のパウチは見た目はいいのですが品質保持には向かなかったのです。

 

アルミパウチ採用の経緯

今回のプロダクトでは、最終的にはアルミ製のパウチを採用することになりました。

アルミ製のパウチをワインの小分けに採用した理由には、いくつかの重要な利点があります。

まず、アルミ素材は酸素や光を完全に遮断する性質があり、ワインの品質に悪影響を及ぼす酸化や光による劣化を防ぐことができます。

これにより、ワインが輸送中に受ける環境的なストレスを最小限に抑え、最適な状態で消費者に届けることが可能になります。

 

さらに、アルミパウチは非常に軽量であり、ガラス瓶や他の容器に比べて輸送コストを大幅に削減できる点も大きな利点です。

輸送中の重量が軽減されることで、燃料消費や輸送効率が向上し、結果として配送コストの削減が実現できます。

また、アルミパウチはフレキシブルな形状をしているため、収納や輸送中のスペース効率が高まり、さらなるコスト削減にも寄与します。

 

使用後の処分に関しても、アルミパウチは簡単に廃棄できるというメリットがあります。

ガラス瓶と比較して、アルミパウチは割れる心配がなく、消費者にとって安全かつ扱いやすいです。

また、使用後はパウチを小さく折りたたんで捨てられるため、ごみの量も減り、消費者にとっては非常に手軽です。

 

以上の理由から、ワインの品質を保ちながら輸送効率を高め、かつ環境負荷も軽減できるアルミ製のパウチは、輸送用の容器として最適な選択肢と考えられました。

このように、品質維持、コスト削減、環境への配慮という複数の要素を総合的に検討した結果、アルミパウチが採用されるに至ったのです。


 

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