【最終更新日】2022年5月7日
レザムルーズ(Les Amoureusesレザムールーズともよびます)は、ブルゴーニュ地方のシャンボールミュジニーに位置しているプルミエ クリュです。
ピノ ノワールを使用した赤ワインのみ生産されています。
シャンボールミュジニーは、最も女性的な赤ワインを生産することで知られているワイン産地です。
そのなかにあってレザムルーズはシャンボールミュジニーの南部にあり、ヴージョ寄りの畑です。
日本ではジョルジュルーミエのレザムルーズが漫画「神の雫」で紹介されたことにより、一躍有名になりました。
5.4haとレザムルーズは決して大きくありません。
生産量が少ないにも関わらず、そのロマンティックな畑名からプレゼントの品に選ばれることも多く、より入手が困難になっているワインです。
主要所有者に
ロベールグロフィエ(1.00ha)、ジョセフドゥルーアン(0.60ha)、ヴォギュエ(0.56ha)、ジャック・フレデリック・ミュニエ(0.53ha)
があります。
このワインは後述する名前の意味や語源からどうしても銘柄そのものにフォーカスされがちです。
しかしシャンボールミュジニーのプルミエクリュの中では最良のものですし、ブルゴーニュ全体で見てもグランクリュに近い品質であることは多くの生産者間で意見がまとまっています。
(ただし品質にややムラがあるとの指摘もあります)
傑出した地位は長年にわたって形成されていて、もちろん価格にもそれは反映されています。
高価ではありますが(おおよそ4万円~)その品質は見合ったものが多く、ここぞというときに強くお勧めします。
レザムルーズ シャンボールミュジニー
”恋する乙女たち”のワイン
レザムルーズは「恋する乙女達」「恋人達」という意味を持つ畑名であり、品質も高いことから世界中で人気があります。
その由来としてはいくつか説があります。
レザムルーズの畑の下に湧き水からできた池が現在もあるのですが、その池の周りにあった花園をレザムルーズの畑から、乙女達が眺めていたからその名がついた、と言われています。
ただしこの由来が歴史ににとって深い意味があるかは不明で、根拠もあいまいです。
レザムルーズはシャンボールミュジニーを代表するグラン クリュ、ミュジニーの斜面下部に位置しておりヴージョと接しています。
レザムルーズの上部は傾斜が比較的なだらかで、表土は薄いため母岩が近く、小石が多くなっています。下部はヴージョに向かい傾斜が大きくなっています。
「隠れた美女」だった?
ジュヴレシャンベルタンが男性的なワインだとすれば、シャンボールミュジニーは女性的なワインと言われていて、その意味では「女性のなかの女性のワイン」がレザムルーズでしょう。
もともとこのワインは「グランクリュのミュジニーには手が出せないけど、上質なワインが飲みたい」ときのワインといった印象だったのです。
これはなにも二番煎じのワインだという意味ではありません。
本質的にワインをいただこうとすれば別にミュジニーにこだわらなくてもレザムルーズは十分においしいからいいじゃないか、という意味合いで、つまり隠れた美女だったのです。
目立たないけど魅力的で、ひそかに思いを寄せるひとがいたという人は多いと思いますが、まさにそのような存在だったのです。
実際に2000年ころは現在の半分程度の価格で流通していましたので、どれだけ隠れた美女だったことか。
それがいまでは本家ミュジニーをしのぐ人気と価格ときたものだから小言の一言でも言いたくなる人はいるかもしれません。
しかも、人気にたがわぬ品質で、中身が伴っているからこそより一層思いは複雑でしょう。
ワインの特徴
レザムルーズは、「クロ パラントゥ」などと共に、ブルゴーニュのプルミエ クリュの中でも筆頭に挙げられています。
その品質、人気の高さからグラン クリュ以上の価格で取引されることさえあります。
グラン クリュのミュジニーと接しており、レザムルーズで生産されるワインはミュジニーで生産されたものと似た特徴を持っています。
そのことから「ミュジニーの妹」とも呼ばれることがあります。
名前のロマンチックさがワインに反映してか、最良のミュジニーなどのグランクリュに比べると渋みや凝縮感は控えめです。
これが可愛さと鮮やかさを映していて、さらにワインを魅力的にさせているのです。
楽しみ方のコツ
渋味は滑らかで果実味に富み、柔らかい口当たりのワインなのですが、酒質は弱くありません。
そのため冷やしすぎに気を付けていれば十分にワインのだいご味を味わえるでしょう。
温度は18度程度、できれば大ぶりなブルゴーニュグラスをご用意ください。
収穫から5年程度の場合は高いところから空気を含ませるように注ぎ、10年以上たったものはそっと注ぐのがベストでしょう。
せっかくのワインですので、ご家庭での手作りの料理よりはレストランのシェフがしっかりと作りこんだ料理が似合います。
わかめのヴィンテージの場合は牛フィレ肉のグリル、やや熟成が進んだものはジビエでもいいでしょう。
盛り付けにもこだわった料理を楽しみながら、ぜひお二人で最高の時間をお過ごしください。
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