ワインの保存スプレーとは?アルゴン?窒素?ポイントを解説!

【最終更新日】2022年9月22日

ワインを開けた後の劣化についてはワインファン長年の悩みの種でしょう。

ワインは酸化に弱いので、開けた瞬間から酸化がはじまり、翌日になるころには味わいも香りも変わってしまった、そんな経験は多いと思います。

アルコール度数も高く、かつボトル一本の容量は750mlなので、これを開けたらその日のうちに飲み干す方が無茶かもしれません。

 

現代社会においても、ワインを開けた後の劣化については根本的に解決する決定的な方法はないのが現状です。

劣化を防ぐ方法はあっても高額だったり、逆に廉価に劣化を防ぐ手段では効果が限定的だったりなどのメリットデメリットがあるのが現状です。

 

その中にあってワインの保存スプレーは比較的廉価に購入出来て、ランニングコストも少なく、そして劣化を効果的に防げるのでお勧めです。

まずはなぜワインは開けたらその日のうちに飲み駆らないといけないのか、劣化の原因を理解し、そのうえで保存スプレーの有効性をおさえてみましょう。

 

 

ワインの保存スプレーとは?

なぜワインは開けると劣化するのか?

ワインはブドウ原料で、主に白ワインは果汁を発酵させ、赤ワインは果汁とともに果皮や種子も一緒に発酵させることになります。

ブドウには多くのフェノール類が含まれていて、これが酸素に触れると急激に劣化を始めるとされています。

 

リンゴをカットすると、断面がいきなり茶色く褐変するのを経験された方は多いと思います。

あれと全く同じことがワインでも起こるのです。

 

空気中にはおおむね8割の窒素と2割の酸素、そして微量の二酸化炭素やアルゴンガスなどが含まれています。

この成分のうち、酸素がワインに触れることで「ワインの開けた後の劣化問題」がおこるという具合なのです。

 

 

どうすれば劣化は防げるのか?

では、ワインは空気中の酸素に触れることで急激に劣化をすると解説しましたが、ではどうすれあ劣化を防げるのでしょうか?

結論を言えば酸素にさえ触れなければ、劣化はほぼほぼ防げるといっていいでしょう。

もちろん衛生面で不安のあるような保存方法ではだめですが、密閉されていて、かつ酸素とワインが遮断されているのであればワインはかなりの割合で劣化は防げます。

 

では、具体的にどのようにして酸素とワインを遮断するのか?これにはいくつか方法がありますが、おおむねワインファンは以下の様な方法を用いることが多いです。

 

・コラヴァンを使う

・ワインにラップなどで表面を覆う

・小さな小瓶に入れなおして保存する

・バキュバンを使う

 

これらの方法がありますが、どれにも作業が面倒だったり、あるいは購入するのに高価だったりなどのメリットデメリットがあります。

 

上級者向けのワイン保存グッズ、コラヴァンについてはこちらをご覧ください。

[blogcard url=”https://winebooks-media.com/coravin/”]

 

 

ワインの保存スプレー

ここで検討しておきたいのがワインの保存スプレーです。

ワインの保存スプレーはアルゴンガス、二酸化炭素、窒素などを噴霧するスプレー缶ですが、これが保存にはかなり有効です。

メーカーによって含まれる気体の比率は違いますが、おおむねどのメーカーのものもアルゴンガス単体か、あるいはアルゴンガス、窒素、二酸化炭素をミックスしたものを使っています。

 

これらを抜栓したワインの瓶の口からガスを噴射して、またコルクなどで栓をすることで密閉させます。

するとボトルの中には酸素は少なく、ほとんどがアルゴンや窒素、二酸化炭素で埋め尽くされることになります。

アルゴンや二酸化炭素は酸素よりも比重が重いので、事実上ワインと酸素は遮断されるため劣化が防げるということになります。

 

アルゴンガスとは?

アルゴンガスは、元素記号Arの気体で、空気中にも微量に含まれています。

2019年には食品衛生法にも食品添加物として認められましたし、欧州ではずっと前には食品として認められた気体です。

酸素よりも比重が重く、液体にも溶けないため最強の酸素遮断の気体といっていいでしょう。

そのためワインだけではなく、コーヒー豆の保存などにも使われることがありますので、これは使わない手はないでしょう。

 

窒素や二酸化炭素もワインの酸化を防ぐことができますが、窒素は酸素よりも微妙に比重が軽く、二酸化炭素は液体に溶けるという性質があるため、これらを考慮するとアルゴンが最強と言えます。

アルゴンは単体でもいいのですが、窒素や二酸化炭素とのブレンドのスプレーとの明確な違いは感じられませんでした。

 

どれくらい保存がきくの?

実際の保存スプレーの使い方はワインを開けて、注ぎ、ワインが残った瓶の中にスプレーを噴霧して再度栓をするという具合です。

そのため、注ぐときには大なり小なりワインは空気に触れますので、完全に酸素と遮断されるということはありません。

 

ただし、保存スプレーを的確に使えば通常は1週間程度は品質は持ちますので、ワインファンであればかなり有用なワイングッズと言えるでしょう。

もちろん、ワインを何度か注げばそれだけ酸素に触れる回数が増えるので、その分酸化の心配は増えますが、とはいえほかの手段に比べると価格と効果を考えるとベストに近い手法ではないでしょうか。

 

お勧めのワイン用保存スプレー

ワイン保存用スプレーは、

①窒素ガスをメインにしてアルゴン、二酸化炭素のミックス

②アルゴンガス100%

のものに分かれます。

どちらがいいかに関しては、両方使いましたが正直差は見いだせなかったのが本音です。どちらも保存に関しては何もしないのとでは段違いの差があります。

アルゴンガスは酸素よりも比重が重く、液体に溶けないためワインの保存にはアルゴンが最強だと思いますが、だからと言ってアルゴン100%でないといけないということはないかもしれません。

価格やデザインなどでお好みのものを選んでいいと思います。

 

窒素・二酸化炭素・アルゴンのミックス

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アルゴン100%

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